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足鹿委員 改訂のために検討するという
お話でございますが、政務次官は、私が特に申し上げるまでもなくよく御存じでありますから、申し上げまいと思
つてお
つたのでありますが、
政府は過般の国会において私的独占禁止法の緩和であるとか、また今回は生糸の輸出確保の臨時措置のために、繭の生産業者と製糸業者との間における協約の問題をめぐ
つて、独占禁止法緩和から、除外する特例の道を開こうという態度に出ておられる。これが相手が
農民である場合は常にそういう態度に出ておられますが、相手が独占資本である場合は遅々として問題が解決しておりません。これは非常に遺憾に思います。第一
農民がつく
つた米を、
農民の組織である
農業協同組合みずからが運搬する
能力を十分に持
つておる。現在は日通の輸送
能力よりも、トラツクの面から言うならば、優にこれを凌駕しておる今日、なぜこれを日通にだけ独占的に与えておかなければならない理論的根拠がありますか。
農民がみずからつく
つた米を、みずからのトラツクで輸送するという
建前が一番現状に即したものでもあり、当然であると思う。これを今日まで躊躇されるその根拠については、私非常に疑問を持つものであります。一方相手が弱い
農民である場合は、繭糸
価格の問題にいたしましても、今度独占禁法の
適用除外を現在農林省として要綱において認めておられますが、対等の立場でやるからこれは別に弊害はない、こういう御見解のようでありますが、相手は独占資本、そして
農民は団結力の薄いものであります。それは一応は社会の常識としては対等でありますけれ
ども、いざ契約を結び、あるいは
団体協約を話合う場合には、必ず弱者と強者との立場にな
つて来ることは当然ではありませんか。一面においてはそうい
つた施策がとられ、一面においてはこういう独占的なことが今も
つて存続するということは、私
ども了解に苦しむのであります。
従つてこの際
政府は早急にこれをおやりにならなければならないと思うし、また政務次官は早急に検討するということでありますから、私はこれ以上申し上げることは、本日は一応差控えたいと思いますが、検定料にしましても、昭和二十八年においては五千万円近くのものが日通に支払れておる。また不可解千万なことは、食管特別会計が食いつぶし経理をや
つて、現在においてはもうすでに赤字が見えつつあるというようなときにあ
つて、中間
経費をなるべく圧縮し、食管特別会計の損失を
防止し、消費者への米の配給価額を一銭でも安くして行かなければならないときに、われわれは米価
審議会でもしばしば中間
経費の圧縮問題で、満場一致の答申をしておるけれ
ども、まだこの点について
政府は一向手を打たれておらない。しかるにこの契約の付属書第十三項を見れば、事務の
処理費として一箇当り都道府県間の輸送の場合には二円九十六銭、県内の運送の場合には二円九十九銭という
経費が支払われ、総額一億円近い金額が払われておるではありませんか。こういう具体的な事例を見たときに、一体
農民は何と
考えるか、消費者は一体何と
考えるでありましよう。真剣に
考えていただきたい。国の管理する
食糧であります。当然国がこういう事務をおやりにな
つてしかるべきではありませんか。今の日通は公的性格はありません。戦争中の日通でありますならば、これは当時の国策会社的な内容、性格を持
つておりましたから、あるいはそういう面も恕すべき点はあ
つたでありましようが、今は純然たる一箇の営利
機関ではありませんか。資本主義下における
企業体ではありませんか。そのものに運送事務
処理費として一億円の大金がおしげもなく投げ出され、しかもこれが全部消費者に
負担を投げかけられるということがあ
つてはならないと思います。しかもこういう重大な契約を結んでお
つて、新澤さんは昨日私の質問に対しては、契約を結んだこともはつきりおつしやらない。金額も何ぼであ
つたということもおつしやらない、まことに不可解千万な態度といわねばなりません。あえて個人的に私は追究を申し上げるわけではありませんが、こういう重大な問題を、主管
部長として記憶になか
つたというようなことは許されることではないと思います。もう少し真剣に
考えていただきたいと思う。以上の点を特に私は指摘いたして、政務次官が急速にこれの根本的
改正について検討するということでありますから、本日はこれで質問を打切
つておきますが、この問題につきましては、現在
生産者米価、消費者米価をめぐ
つて非常に深刻な段階に至
つておる。米価の問題はただちに諸物価に影響するというので、
生産者米価は常に押えようとし、消費者米価もコスト主義によ
つて常に
経費の増高を消費者にかけておられるのが現状ではありませんか。そうい
つた面からも、現存の
政府が
考えておるように自由主義経済で行くならば、競争の原理に立
つてこの元請契約をやめて、輸送業者間あるいは
農協その他の系統組織間における競争によ
つて能率を向上し、少しでも消費者への
負担、中間
経費を軽減して行くことこそが、
政府としてとるべき措置ではないかと思う。米価
審議会においても常に中間
経費の圧縮の問題については述べておる。特に日通に支払
つておる運送費はおそらく年間五、六十億に達すると思う。厖大な金額であります。これは中間
経費圧縮の
一つのいい課題であります。まだほかにもたくさんあります。
従つて私がただいま申し上げた点は、米の消費者米価の場合、コスト主義を
政府が貫いて行く場合には、そのコストをいかにして引下げて行くかという点からも、
食糧庁としては真剣に
考えられてしかるべき問題であろうと思います。この米の中間
経費との関連において、政務次官はいかようにお
考えになりますか。契約期間は一年更新でありますが、今ただちにこれを契約の中途においてかえるということも困難でありましよう。来年の四月一日をも
つて更新されるのか、ことしの四月一日更新されるのか。ことしの四月というならばもういくらもございませんが、いつからこの新たなる
方針を打出される
考えでありますか。ことしの四月一日からおやりなさいとい
つても無理でしよう。しかし今指摘されたから政務次官は検討するということであるが、従来から気づいてお
つて、本年四月一日から契約を更新して、今私
どもが指摘したような公正な、そして中間
経費を引下げて行くような施策の一環として取上げられるのか。もう少し具体的に政務次官の御所見を承
つて、私はこの問題については質問を打切
つておきたいと思います。