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1954-03-03 第19回国会 衆議院 農林委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月三日(水曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 井出一太郎君    理事 足立 篤郎君 理事 佐藤洋之助君    理事 綱島 正興君 理事 福田 喜東君    理事 吉川 久衛君 理事 芳賀  貢君    理事 川俣 清音君       秋山 利恭君    小枝 一雄君       佐々木盛雄君    佐藤善一郎君       田子 一民君    松岡 俊三君       松山 義雄君    今井  耕君       加藤 高藏君    足鹿  覺君       井谷 正吉君    井手 以誠君       中澤 茂一君    中村 時雄君       久保田 豊君    安藤  覺君  出席政府委員         農林政務次官  平野 三郎君         農林事務官         (農林経済局         長)      小倉 武一君         農林事務官         (農地局長)  平川  守君  委員外出席者         農林事務官         (農林経済金融         課長)     松岡  亮君         農林事務官         (食糧庁総務部         長)      新沢  寧君         農林事務官         (食糧庁業務第         二部食品課長) 東辻 正夫君         農 林 技 官         (食糧庁業務第         二部油脂課長) 長尾  正君         通商産業事務官         (通商局農水産         課長)     森 日出哉君         専  門  員 難波 理平君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君     ――――――――――――― 二月二十六日  委員井手以誠君及び川俣清音辞任につき、そ  の補欠として武藤運十郎君及び稲富稜人君が議  長の指名委員に選任された。 三月一日  委員稲富稜人君辞任につき、その補欠として川  俣清音君が議長指名委員に選任された。 同月二日  委員武藤運十郎辞任につき、その補欠として  井手以誠君議長指名委員に選任された。 同月三日  川俣清音君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 二月二十六日  食糧増産対策費増額等に関する請願櫻井奎夫  夫君紹介)(第二四六二号)  家畜保健衛生所法廃止反対に関する請願早稻  田柳右エ門紹介)(第二四六三号)  同外一件(高橋禎一紹介)(第二四六四号)  同外一件(池田清志紹介)(第二四六五号)  同外二件(櫻井奎夫君紹介)(第二四六六号)  同外一件(八百板正紹介)(第二四六七号)  同(船田中君紹介)(第二四六八号)  同(井堀繁雄紹介)(第二六〇七号)  同外一件(南好雄紹介)(第二六〇八号)  同(小平久雄紹介)(第二六〇九号)  同(松永東紹介)(第二六一〇号)  同(吉川兼光紹介)(第二六一一号)  農地改革による犠牲者救済等に関する請願(高  田弥市紹介)(第二四六九号)  鎧潟干拓事業費等増額に関する請願櫻井奎夫  君紹介)(第二四七〇号)  食糧事務所機構縮小反対に関する請願外二件  (早稻田柳右エ門紹介)(第二四七三号)  同(高橋禎一紹介)(第二四七四号)  同(山中貞則紹介)(第二六〇六号)  装蹄師法廃止反対に関する請願熊谷憲一君紹  介)(第二四七五号)  同(迫水久常紹介)(第二四七六号)  獣医師法の一部改正反対に関する請願早稻田  柳右エ門紹介)(第二四七七号)  長野営林局廃止反対に関する請願羽田武嗣郎  君紹介)(第二四七八号)  農業改良普及事業費国庫補助等に関する請願  (杉村沖治郎紹介)(第二四七九号)  同(平岡忠次郎紹介)(第二四八〇号)  民有林道開設のための昭和二十九年度予算増額  に関する請願外四件(高橋禎一紹介)(第二  四八二号)  農村電柱敷地補償料引上げに関する請願(早  稻田柳右工門紹介)(第二四八三号)  農産物検査法廃止反対に関する請願早稻田柳  右工門紹介)(第二四八四号)  同(三浦一雄紹介)(第二四八五号)  頓別及び仁達内両原野開発促進に関する請願  (松浦周太郎紹介)(第二五〇〇号)  獣医師法の一部改正等反対に関する請願熊谷  憲一紹介)(第二六〇五号)  土地改良暗きよ排水工事費等国庫補助に関する  請願大上司紹介)(第二六一二号)  急傾斜地帯農業振興臨時措置法に基く対策費予  算増額に関する請願小枝一雄紹介)(第二  六一三号) 三月二日  砂糖輸入のためのドル資金割当等に関する請願  (武田信之助紹介)(第二六七三号)  同(松浦周太郎紹介)(第二七五七号)  農業改良普及事業費国庫補助等に関する請願  (荒舩清十郎紹介)(第二六九五号)  同(井谷正吉君外三名紹介)(第二六九六号)  同(佐々木盛雄紹介)(第二六九七号)  同(田中龍夫君紹介)(第二七八八号)  農業委員会予算増額に関する請願佐々木盛雄  君紹介)(第二六九八号)  家畜取引法案に関する請願佐々木盛雄君紹  介)(第二六九九号)  畑部落奥山林道開発工事促進に関する請願(佐  々木盛雄紹介)(第二七〇〇号)  家畜保健衛生所法廃止反対に関する請願(福井  勇君紹介)(第二七〇一号)  同外一件(稻葉修君紹介)(第二七〇二号)  同(大石ヨシエ紹介)(第二七六七号)  同(小平久雄紹介)(第二七六八号)  家畜保健衛生所法廃止反対等に関する請願(岡  本忠雄君紹介)(第二七〇三号)  急傾斜地帯農業振興臨時措置法に基く対策費予  算増額に関する請願井谷正吉君外四名紹介)  (第二七一〇号)  兵庫県及び豊岡市の臨時特例諸法に基く資金増  額に関する請願佐々木盛雄紹介)(第二七  一八号)  獣医師法の一部改正反対に関する請願小西寅  松君紹介)(第二七六九号)  同(片山哲紹介)(第二七七〇号)  同(志村茂治紹介)(第二七七一号)  同(山本正一紹介)(第二七七二号)  同(小泉純也君紹介)(第二七七三号)  水害地における農産種子助成金交付に関する請  願(大石ヨシエ紹介)(第二七七五号)  公営競馬民営移管反対に関する請願大石ヨ  シエ君紹介)(第二七八七号)  蚕糸業界提出青木案反対に関する請願大石  ヨシエ紹介)(第二七八九号) の審査を本委員会に付託された。 二月二十七日  食糧事務所機構縮小反対に関する陳情書  (第一二八一号)  同  (第一二八二号)  同  (第一二八三号)  同外一件  (第一二八四号)  国立蚕糸試験場前橋支場存置に関する陳情書  (  第一二八六号)  家畜保健衛生所廃止反対に関する陳情書  (第一  二八七号)  同  (第一二八八号)  同  (第一二八九号)  同(第一二九〇  号)  食糧自給促進法早期制定に関する陳情書  (第一二九一号)  同(第一二九二号)  凶作をめぐる食糧対策に関する陳情書  (第一二九三号)  食生活改善に伴うパン食推進に関する陳情書  (第一二九  四号)  農業委員会に対する補助増額に関する陳情書  (第一二九五号)  積寒関係予算大幅増額等に関する陳情書  (第一二九六号)  本年度稲作病虫害防除用農薬購入費等に対する  国庫補助陳情書  (第一二九七号)  農産物検査機構整備に関する陳情書  (第一二九八号)  繭検定法規改正に関する陳情書  (第一二九九  号)  農林省茶原種農場地方移譲反対陳情書  (第一三〇〇号)  治山、治水対策実施促進に関する陳情書  (第一三〇一  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員及び小委員長補欠選任  農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(  内閣提出第四四号)  開拓融資保証法の一部を改正する法律案内閣  提出第四五号)  農産物検査法の一部を改正する法律案内閣提  出第五〇号)  砂糖に関する件     ―――――――――――――
  2. 井出一太郎

    井出委員長 これより会議を開きます。  この際理事補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動に伴いまして理事が一名欠員となつておりますので、その補欠委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 井出一太郎

    井出委員長 御異議なしと認め、従前通り川俣清音君を理事指名いたします。     —————————————
  4. 井出一太郎

    井出委員長 これより去る二月二十三日本委員会に付託となりました、内閣提出農産物検査法の一部を改正する法律案議題といたし、審査に入ります。まず本案の趣旨について政府説明を求めます。平野農林政務次官。     —————————————
  5. 平野三郎

    平野政府委員 農産物検査法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。  御承知通り農産物検査法に基く検査においては、政府に売渡しする米穀第一部のものの検査の場合を除いては、所定の検査手数料を徴収することになつており、その手数料は、収入印紙検査請求書に貼付して納付せしめる定めになつているのであります。  しかるに農産物検査法の施行以来二年有半の経過にかんがみまするに、この方法によるときは、受検者に対して不便が多く、かつ、検査手数料収入確保上にも制度的に多少の欠陥のあることが認められるのであります。  なお、現行の農産物検査法においては、検査済み品に対して封緘としての措置について何らの規定がないために、検査済み品に対する不正行為及び空包装不正使用が行われるという現象が生じ、公正な取引が若干阻害される事態を見るのであります。  以上の点にかんがみ、農産物検査手数料納付を容易にし、検査手数料収入確保を期するとともに、あわせてこれらの不正行為を間接的に防止するため農産物検査法所要改正を加えることが適当であると考えまして、ここに農産物検査法の一部を改正する法律案を提案いたしました次第であります。  次に本法案骨子につきまして御説明申し上げます。まず第一点といたしましては、農産物検査手数料納付は、新たに農林大臣が発行する特定の農産物検査印紙をもつてしなければならないことといたす点であります。第二点は、農林大臣は、農産物検査印紙の売りさばき人を選定してその売りさばきの業務を委託することができるようにし、これに対して省令の定めるところにより売りさばき手数料を支払うものといたす点であります。第三点といたしましては、以上に伴う関係法令改正として、農産物検査印紙の売りさばきに関する規定を設けるため印紙をもつてする歳入金納付に関する法律に、及び農林省農産物検査印紙の製造、発行、売りさばきの権限を追加するため農林省設置法に、それぞれ所要改正を加える点であります。  以上簡単でありますが、提案理由及び法案骨子の概要を申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。     —————————————
  6. 井出一太郎

    井出委員長 次に農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び開拓融資補償法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたし、審査を進めます。両案につきましては、前会に提案理由説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。芳賀貢君。
  7. 芳賀貢

    芳賀委員 金融公庫関係について質問を申し上げます。まず昨年度冷害対策一環として、公庫出資を十七臨時国会において二十五億の金を見込んだが、これらの問題は昨年度水害並びに冷害等対策一環として、地方における土地改良事業等に対して、国が一定の融資行つてその事業の進捗をはかるというところに一つの目的があつたわけでありますが、これらの使命を持つた公庫融資は、現在においてはどのような状態で消化されておるか、その内容について一応御報告を願いたいのであります。
  8. 小倉武一

    小倉政府委員 冷害関係土地改良その他いわゆる臨時救農施設等についての融資問題の御質問でございますが、これはまだ今のところ公庫貸付をいたした部分はごくわずかであります。大体計画がきまつて実施に移しておりますので、近く完了するのではないかと思いますが、ただいまのところきまつておるのはわずかでございます。
  9. 芳賀貢

    芳賀委員 いまだ決定しておらないという理由は、本資金を借りる希望が比較的少いというような傾向でありますか。     〔委員長退席吉川委員長代理着席
  10. 小倉武一

    小倉政府委員 希望が少いということではありませんで、希望は非常に多いようであります。
  11. 芳賀貢

    芳賀委員 そうすると、希望が非常に多いのにもかかわらず、この配分等の手続が進んでおらぬというのは、どこかに重大なる支障があつてそういうことになつておるのですか。
  12. 小倉武一

    小倉政府委員 この元の仕事関係におきまして、助成部分等県別割当といつたようなものがきまりましたのが昨年暮れ近くなつてからでございますので、それがきまりまして計画が立ち、融資ということになりますので、公庫貸付の決定という段取りには実はまだ至つておりませんけれども、仕事の実態は進んでおるものと存じます。
  13. 芳賀貢

    芳賀委員 そういたしますと、その間の災害復旧等関係もありますので、正式に公庫資金が融通されるまでの間は、何らかのつなぎ融資的なもので、現地においては処理しなければならぬような事態が生じて来ると思いますが、そういう点に対しては遺憾のないような態勢が講ぜられておるかどうかという点も承知しておきたいのであります。
  14. 小倉武一

    小倉政府委員 災害復旧につきましては、これは災害が起きて、まもなくつなぎ融資等措置をやつております。
  15. 芳賀貢

    芳賀委員 災害に対するつなぎ融資関係は、これはごく短期に限定されておるので、復旧をやる場合においてつなぎ融資に一応依存して、そうしてこれらの償還年次の長い融資に切りかえるような場合において、北海道等において、一部つなぎ融資をすぐ返済せいというような事態も起つて、非常に困惑しておるようなこともありますが、そういう点に対しては、小倉局長はそういう事実が非常に多いということを御承知ですか。
  16. 小倉武一

    小倉政府委員 北海道につきましてのそういう事情が多いということは実はよく存じませんが、具体的な事情をよく取調べまして、不都合のないようにいたしたいと思います。
  17. 芳賀貢

    芳賀委員 さらに本年度は九十五億の出資をするということになつておるわけでありますが、今年の場合におきましては、農林関係予算が非常に大幅に削減されておりまして、特に土地改良事業等食糧増産の面に対する融資の場合においては、補助率等は非常に削減を受けておるわけであります。そういうことになりますと、今後土地改良であるとか、あるいは耕土の培養事業等を行う場合においては、国からの補助額が非常に少い。しかしながら地方の意欲というものは、そういうような事業を既定の計画通りに進めて実現させたいというような考え方で進むわけでありますけれども、そうなりますと、結局現実の段階においては、農家土地改良をやるというみずからの力というものが非常に弱まつておるのであつて、そういたしますとどうしてもこれらの融資に多分に依存して行かなければならぬということになるわけでありますが、そういうような補助額削減、あるいは農業改良普及事業等に対しても、相当国の支出の面で圧縮を加えて行くという場合においては、当然これらの金融措置にたよらなければならぬということになつて行くわけでありますけれども、そういう場合において、十分この公庫融資の面で九十五億というものが、国のそれらの消極的な施策カバーするだけの自信のあるような内容であるかどうかという点に対しての御説明を願いたいのであります。
  18. 小倉武一

    小倉政府委員 土地改良その他公庫融資対象なつておりまするような事業につきまして、国庫助成のございます分につきまして、助成金額、あるいはそれによる事業分量が、必ずしも計画通りのことになつておらないことは御指摘通りでございます。従いましてそれを補充するものといたしまして、公庫資金額が増大されて、若干でも金融でまかない得られる分がございますれば、非常にけつこうなのでございますけれども、御指摘のように、公庫資金自体も、昨年と比べて必ずしも十分でなく、全体額から申しましてもむしろわくが小さくなつておりまして、非常にきゆうくつなことに相なつておるのでございまして、やむを得ない実情なつておるのであります。一般会計からの出資は九十五億でございますがその他のものを合せまして、二十九年度融資予定額といたしましては、二百二十五億予定いたしておりますが、これも昨年と比べて若干減少いたしております。そこで二十九年度貸付計画といたしましては、お手元に配付しておりますように、やむをを得ざる若干のものにつきましては、本年度よりは増額をいたしておりますけれども、全般的には多少ずつ融資わくが減つておるような実情でありまして、やむを得ない実情なつておるのでありますが、減つた金額でもつてできるだけ効率の上るような貸付方法を今後とつてもらわなければならぬというふうに存じております。
  19. 芳賀貢

    芳賀委員 結局国が食糧増産等に大きな期待を持つ場合において、農林予算の面では、前年度より国の責任のもとにおいて支出する費用が減じておるという場合においては、どうしても金融措置等において、これらを補つて行かなければならぬわけでありますけれども、今局長の御説明によると、この融資措置においても非常に消極的であるということをみずから表明されておるわけであります。しからばこのような足りない公庫資金わくの中において、本年度ははたして何を重点的にやつて行こうとするか。この表にも一応数字の配列が行われておるわけでありますが、それらの点をもう少し正確に解明してもらいたいと思うのです。
  20. 小倉武一

    小倉政府委員 お手元に御配付いたしました法案関係の資料の一ページにございますが、これについて若干補足いたしまして御説明にかえたいと思います。先ほど申し上げましたように、二十九年度資金わく自体が昨年と比べまして、昨年はもちろん冬霜害冷害等のこともありましたが、若干減つております。従つて二十九年度考え方といたしまして、全般的には昨年の事業分量の八五%ということに一応圧縮をしてみたわけであります。しかし各項目をそういうことで圧縮するということではもちろんいけませんので、お話のような重点的な項目ということで、一つ土地改良、これは昨年より増額ということには参りませんでしたけれども、できるだけ昨年程度にいたしたいという試みをいたしました。それから漁船につきましては、これは特別の法律公庫法改正ができましたので、そういう趣旨もございますし、特別にこれは新しい事業がふえた、こういうことでございますので、十億余り増額をいたしております。それから電気導入でございますが、これも北海道初め、その他各地方から要望が非常に強く、相当増額をいたしたい趣旨をもちまして作業いたしたのでありますが、結果としては、一億でございますが増額をいたしております。それから営農改善施設というように出ておりますが、これは中味は農機具その他堆肥舎等施設でございますが、そのうち農機具共同利用を推進するという意味におきまして、これを若干増額いたしております。お話のような重点と申しますれば以上のようなことで、一応の計画をいたしておるのであります。
  21. 芳賀貢

    芳賀委員 今年の融資計画の中において、たとえば共同利用施設等融資が行われるわけでありますが、共同利用施設という考え方の中において、今後農業共同利用あるいは共同施設というような形態を、できるだけ効率的に高めて行くような一つ経営形態を打ち出すということも必要ではないかと思うわけでありますが、そういう場合における共同利用施設の範囲というものは、今まで通りのようなわく内において行う考えであるか、あるいはまた解釈を拡大して、これらの点も共同利用施設対象にするというような新しい意図をお考えなつておるかどうか、そういう点につきまして御説明願いたいと思います。
  22. 小倉武一

    小倉政府委員 農業に関しまする共同施設について新しい考え方があるかというお尋ねでございまするが、本年度当初の計画といたしましては、農業に限りませんけれども、若干新規共同利用ということも考えておつたのでございまするが、先ほどからもお尋ねのありまするように、全体の資金わくがきゆうくつなものでございまするので、新規項目をふやすということは、二十九年度といたしましては差控えておるのでおります。ただ具体的に新しい仕事が全然できないかと申しますると、必ずしもさようでございませんで、たとえば営農改善施設といつたような項目で、昨年は堆肥舎とか、あるいは農機具とわけてありましたものを一括いたしまして、そこに運用上の弾力性のあるようにいたしております。それからまた共同施設その他のわくでございまするが、これも昨年度より多少減つておりますけれども、全体の関係から言いますれば、ほぼ昨年同様のわくを保留いたしておきまして、九億四千万円のわくをもちまして、お話のような特別に必要な共同施設がございますれば、考慮できるようにくふうをいたしております。
  23. 芳賀貢

    芳賀委員 たとえば一例を申し上げますと、農産物価格安定法との関係を持つわけでありますが、かんしよとかばれいしよを澱粉に加工するような場合において、あるいは町村の協同組合であるとか、部落組合等において一つの共同化された施設を持つというような施設資金等に対して、共同利用施設というような解釈のもとに、相当積極的な融資等が行われるものであるかどうか。これはやはりそういうようような共同利用施設を持つことによつて原料生物をできるだけ加工して、そうして農家経済を少しでも充足するというようなことを促進させるためには、非常に効果的な意義を持つた資金ということになるのであろうと思いますが、これらの点に対してお考えがあれば、この際聞かしてもらいたいと思います。
  24. 小倉武一

    小倉政府委員 今お尋ねのように、これまでといたしましても、澱粉でございますとか、あるいは果実の加工でございますとか、そういつたいわゆる農村工業といたしまして育成すべきもの、あるいは将来見込みあるもの等につきましては、これまでも融資措置を講じてあります。二十九年度といたしましても、農村工業という大きなわくはここに示してございませんが、従来もその他のわくの中でそういうものを見て参つておりまするし、そういう点につきましては、二十九年度も同じような考え方で進みたいというふうに考えております。
  25. 芳賀貢

    芳賀委員 さらに公庫運用の面に関係がありまするけれども、都道府県に入ると、主として中金支所あたり公庫事務を代行しているようなことになるわけでありますが、資金借入れ申請等を行うような場合に、審査等が非常に遅れて、公庫に申達される時期が相当遅延するようなきらいがあるわけでありますが、これらは中金地方における陣容であるとか、いろいろな関係があると思いまするけれども、こういうような非常に国家的な性格を持つた資金を運営する場合においては、なるたけ末端におけるところの事務が能率的に進捗するような態勢というものは、ぜひとらるべき必要があると考えますけれども、こういう点に対してはどのような判断をしておられますか。
  26. 小倉武一

    小倉政府委員 公庫貸付審査あるいは貸付金回収等につきましては、お話のように中金それから地方銀行に委託いたしております。しかし大部分八割余り中金が実際上取扱うようになつておりまして、中金業務のやり方がこの資金貸付の状況に非常に影響して参りまして、非常に重要な意味を持つておるのでございます。そういう意味におきましては、中金に対してもいろいろ注文をいたしておるのでございまするが、なおそのほかに本委員会でもかねてから決議のこともありましたような、信連への業務委託といつたようなことも考えまして、できるだけ近い機会に実施をして参りたい、かようなことでただいま具体的な検討をいたしております。この春あたりから、全面的ではございませんが、当然担当してよろしい部分につきましては、信連に委託をお願いする、そうすれば信連でありますれば、今度はまた郡程度に支所がございますし、地元の実情もよりよくわかる、従つて貸付の決定等についても、早く事が進むようになるといつたことも期待できまするし、あるいは貸付の後のめんどうを見るといつたようなこともよくできるようになるかとも思いまするので、ただいまそういう方向で作業いたしております。
  27. 芳賀貢

    芳賀委員 なお一点、農機具関係融資でありますが、昨年度農業機械化促進法が成立したわけでありますが、あの当時公庫からの融資対象にするのは、自動耕転機程度の農機具あたりを限度として融資するというようなお話もあつたわけであります。しかし地方によつては、自動耕転機以上に、もう少し規模の大きい、能率の上るような農機具の導入等も必要になつて来るわけであります。たとえば北海直等においてはジープ・トラクター程度のものが可能であれば、これらにも対象わくを拡大して行われるようにしたら非常にいいのではないかと思うのですが、そういう点に対してはどのようなお考えを持つておられますか。
  28. 小倉武一

    小倉政府委員 農機具融資でございますが、この融資対象となりまする機種については、私どもとしては特別に限定はいたしておりません。ただ共同利用でございまするので、個人ということになりますと、ぐあいが悪いのでございまするが、お話北海道のような場合には、普通の自動耕転機等よりももつと大きな機械も必要であろうと思いますので、こういう点につきましては、営農指導当局の方で推奨できるような機種でございますれば、私どもの方といたしまして、資金の面からそれを制約するということはいたさないつもりであります。
  29. 吉川久衛

    吉川委員長代理 川俣清音君。
  30. 川俣清音

    川俣委員 農漁村に農林漁業金融公庫から出ている資金わくのほかに、開銀の融資または中金融資その他民間銀行の融資が相当出ておると思うのでありますが、金融公庫以外の融資額が、一体どのくらいになつておりますか、またその融資対象というものが種別ごとにおわかりになつておりますならば、この際お示し願いたいと思うのです。と申しますのは、要は一般民間銀行及び開銀または農林中金融資に対する比率というか、どの程度金融公庫がまかなつているというような点を見たい、こう思うので、この点を明らかにしていただきたいと思います。
  31. 松岡亮

    松岡説明員 ただいま御質問のありました、農村にどのくらいの資金金融機関から出ているかということでありますが、長期資金として出る金融機関は、まず農林漁業金融公庫、これは財政資金であります。それから系統金融による部分、つまり農林中央金庫を中心にいたしました信連、単協から出る分、その次が一般銀行でありますが、このほかに開発銀行あるいは商工中央金庫、それから中小企業金融公庫、これらは農村関係はいたしますが、農村に対する融資は原則としていたしておりません。そこで長期資金として問題になりますのは、農林漁業金融公庫と系統金融が主でありまして、なお一般銀行におきましても若干のものは出ておりますか、全体の融資の中ではほとんどとるに足らぬ程度のものであります。従つてここで申し上げますのは、系統金融と農林公庫になるかと存じます。まず農林公庫の方は、お手元に資料をお配りいたしておりますので、それによつてごらんを願うことにいたしまして、系統金融の方でありますが、農林中央金庫から出ております中長期資金、これは中期と長期の資金でございますが、中期の方は、大体一年から三年くらいのもの、長期となりますならば、それ以上と考えていただいたら適当かと存じますが、大体公庫の方が長期資金といたしますならば、中央金庫は中期資金と一般的に申し上げた方が適切かと存じます。農林中央金庫の場合は、公庫のようにいわゆる貸付計画を定めて、それに基いて貸付を実行して行くということになつておりませんので、実際に貸しつけられている残高はどのくらいあるかという推定をいたしたのであります。それによりますと、合計額は現在の残高におきまして百三十四億六千万円、この内訳は、災害関係等に、二十億出た程度でありますが、そのほかに大きいものといたしましては、有畜農家創設に伴う家畜導入資金でございますが、これが二十六億程度出ております。それから公庫と同じような共同施設がございますが、これが約六億円、大体大きなものといたしましてはそういうものでありまして、そのほかに耕地あるいは養蚕等の施設にも若干出ております。大体系統金融機関として出されております中長期の資金はこういつた種類のものでございますが、信連あるいは単協の段階において貸しつけられているものにつきましては、現在のところ的確な調査はございません。
  32. 川俣清音

    川俣委員 私の尋ねたいのは、結局農村は最近相当の金詰まりを来しているので、民間銀行等の相当狭い門を突破して金融を受けている面もあると思う。これはただ地方銀行の性質上短期になつておりますが、本質は決して短期じやないので、毎年二月ごとにあるいは三月ごとに書きかえをしているだけでありまして、本質的には長期であります。それを形式通り短期だというふうに見るのは当らないので、金融面から見ますと、やはりこれは長期と見なければならぬと思う。そういう面から見まして、農林金融公庫が所期の目的を違成するような用意が不十分じやないか、それは他の金融面からどれだけ融資されており、またそこにどれだけ短期高利のために悩んでいるかという検討をしなければならぬと思う。そういう検討の上に今年度金融というようなものを考えて行かなければならないと思うのですが、そういう準備なしに、ただ財政上からのみ処置したということになると、十分農村を把握したものじやないということになるのじやないかと思いますが、この点小倉局長どうですか。
  33. 小倉武一

    小倉政府委員 もともと公庫あるいはその前の特別会計が発足いたしましたゆえんのものは、御説のようなところに原因があると申しますか、理由があるのでありまして、普通の市中銀行では、もちろん一般の農業のために必要な資金を貸出すということはほとんどございません。一%、二%あるいはそれ以下の程度のものしか実は出しておりません。しかも、それも農業とはいいながら、どちらかというと工業的なものであります。そういうぐあいでございまして、特に長期的な資金になりますと、全然融資方法もございませんので発足いたしたのでありますから、当然これはお話のような使命を実はになつておるのであります。ただ一般的に申しまして、この長期資金に限りませず、短期の資金でありましても、農業は収益性の低いものでありますので、勢い長期にならざるを得ないのじやないかという御指摘もございましたが、しかしこれはやはり事柄の性質上、非常に回収に長期を要するものと、そうでなく、一年ないし半年以内で回収できるものとおのずから区別もございますので、公庫といたしましては、性質上長期的なものについてねらいを定めているのであります。中央金庫は中期ないし短期の資金ということで一応分担いたしまして、両々相まちまして農業金融の円滑ということを期待しているのであります。長期資金だけをとりまして、今回の二十九年度予算考えておりますところが、もちろんこれは十分ではございません。はなはだ不十分ではありますが、やむを得ないところではないかというふうに存じます。一応政府としては、むしろこれらの倍くらいのものがいるのではないかというふうに考えておりましたが、——土地改良に対しまする計画等とも関連してさように考えたのでありますけれども、政府といたして提案いたしましたものはこういうようなことになつておりまして、はなはだ遺憾ではありますけれども、根本的な考え方といたしましては、これは御指摘のようなことで発足いたし、今後の運用もさように考えて行きたいというふうに存じております。
  34. 川俣清音

    川俣委員 先ほど芳賀委員からも指摘されているのでありますが、土地改良等の補助金が削減される、あるいは補助率が低下するということになりますと、これは低下させないという方針でありますから、ほんとうに低下させないならば問題になりますが、概して補助金が切り下げられるような傾向にあるときに、今小倉局長説明のように、農村ではかなり金融が逼迫いたしておりますために、自己資金をもつて土地改良をやることは、非常に困難な情勢にあるわけであります。従いまして、補助率を下げて行くということであれば、何らかその裏づけとしての金融措置考えて行かなければならないと思うのでありますが、昨年度よりも土地改良については削減をいたしておるようでありますが、こういうことで、土地改良が現在の計画通り完全に遂行できると農地局長はお考えなつておるかどうか。この点をお尋ねいたします。
  35. 平川守

    ○平川政府委員 土地改良関係におきましては、もとよりわれわれの理想的な計画から申しますと、予算そのものが非常に減額をされておるのであります。従いまして、当初計画いたしました五箇年計画というようなものは、とうてい達成できないわけであります。ただ公庫資金につきましては、予算とある程度うらはらになつておりまして、予算によつて補助金を出す、その仕事の自己負担分に対して融資をするというような建前になつておるわけであります。従つて予算が減少いたしますと、それに伴つての自己負担分の融資も減つて参る。従つて事業計画は、減るわけであります。そういう関係なつておりまして、公庫融資の割振りといたしましては、本年度予算に見合う数字としては、これで事が足りる、かように考えております。
  36. 川俣清音

    川俣委員 これはたいへんな御説明だと思うのです。今までは、土地改良については大体昨年度を維持しておる、こういうような説明であつたのに対して、一般われわれからは、削減されておるのじやないかという不安でいろいろ質疑をいたしておりました。しかしそのことはさておいて、きのうから改進党、自由党との間においてさらに予算修正が行われましたが、この裏づけについては、どのようにお考えなつておりますか。
  37. 平川守

    ○平川政府委員 この修正の分までは、実は考慮いたしておりません。そこでこの分については、さらに中で割振りをある程度考慮しなければならぬと思いますが、公庫出資自体が減少しておりますので、全体として先ほど御説明いたしましたような補助金に伴う分につきましては、今回の修正は考慮しておりませんけれども、貸出しの比率は一応従来の線を推持できると考えております。同時に、純粋に融資だけでやる仕事もあるわけであります。そういう面については、結局公庫資金全体が圧縮せられました場合におきましては、やはり農地関係の方もある程度の圧縮はやむを得ないだろう。決してこれで満足というわけではありませんけれども、全体として昨年より非常に圧縮を受けておりますので、そういう純粋の資金だけでやる仕事についても、ある程度の圧縮はやむを得ない、かように考えております。
  38. 川俣清音

    川俣委員 今農地局長の答弁ですが、先ほどの答弁によると、これは政府の施策のうらはらをなすものであるから、その計画に伴つて資金わくができておる、こういう説明なので、もしもそういうことになりますと、今度修正せられる分について、当然融資わくも拡大して行かなければならない。それが修正の本旨だと思うのですが、そのように理解されおらないのですか。
  39. 平川守

    ○平川政府委員 それは予算がかわりますれば、それに応じてその部分の、それに対応するうらはらをなしておる自己負担の融資額については修正をしなければならぬと考えられるわけです。ただ予算の修正がかりにありましても、それに伴つて公庫出資分の修正がありませんと、全体のわくは動かない。そこで結局わくの中で操作をいたしまして、補助金に見合う分についてはこれにマツチするだけのものをつける。しかしそのしわはどこかほかの方に寄つて行くと考えざるを得ないかと思つております。
  40. 川俣清音

    川俣委員 そうしますと、今度修正せられた意味が、他の部分でしわ寄せになつて、修正部分だけにうらはらとしての裏づけができるということになりますと、修正の趣旨が没却されるのじやないかと思うのです。修正案を出されようとする人々の意向は、私は十分把握いたしておりませんけれども、おそらく修正したということは、当然これらのことも考慮されて、修正されたと私は理解するのです。少くとも農村関係ある人々が修正案を出しておるのでありますから、当然これらのものも増額を期待しておられるのだと、私はそう理解するのですが、あなたはそう理解されないのですか。そう理解した方がいいのじやないかと思いますが、どうですか。
  41. 平川守

    ○平川政府委員 これは農地の立場から申しますれば、川俣委員のお考えのようにいたしたいわけでございますけれども、ただ予算の修正、補助金の方の修正と一緒にこの出資額の方の修正ができておれば、問題なく両方がちやんとマツチした案になるわけでありますけれども、補助金の方だけが増額なつて、出資額の方が増額なつておりませんと、やはり公庫出資額全体の中で、農林関係事業全体をにらみ合せての配分をせざるを得ないことになるのじやないか。その場合に農地だけが百パーセントの主張をしておるというわけにも行かないのじやなかろうかということを申し上げたわけであります。
  42. 川俣清音

    川俣委員 これはおそらく将来明らかになつて来ると思いますが、修正がミスでなくて、その予算修正に伴いまして、国庫の一般会計からの繰入れを落しておいたミスだと思うのです。従つてその落したということについての是正を、政府として考えるべきじやないか。並びに予算修正に今や当ろうとしている部分についても、同様な考え方で、これは落ちておるのじやないかということが出て来なければならぬ。資金わくがきまつておるのだ、こういうふうにお考えにならないで、これらの予算修正に伴つて当然国庫のわくも、公庫わくも拡大されて行くのじやないか、この点落ちておるのじやないかということが主張されなければならないのじやないか、こう申し上げておるのですが、どうなのです。
  43. 平川守

    ○平川政府委員 これは実は政府の方の提案というわけでありませんので、私どもはこの修正についてはもちろん何にも発言いたすわけに参りません。ただ修正の案があるということを新聞紙等で拝見して、かりにああいう補助金の方面だけの修正があるとすれば、そういうことになるのじやないかということを申し上げておるわけであります。
  44. 川俣清音

    川俣委員 これはこの程度にいたしておきますが、なお今明日中に政府側においても考慮されるよう要望して、その点についての質問は留保いたしておきます。  次に林業についてお尋ねいたしますが、昨年貸し付けた造林予算が二十九年度分は半減されておりますが、この半減された理由が明確じやないので、説明をお願いしたいと思います。
  45. 小倉武一

    小倉政府委員 林業につきましての資金わくでございますが、これは前年度の四十億に対しまして二十九年度はその八割五分の三十四億ということにいたしまして、この内訳につきまして、同じように八五%ということで行つた方がいいかどうかということを検討した結果、伐採調整の部分につきましては若干一般の削減率よりもゆるくいたしまして、減らし方をゆるめた方がよくはないかということのために、造林の方が減つておるというかつこうになつておるのであります。
  46. 川俣清音

    川俣委員 今度の予算編成の大綱を見ますと、治山治水に重点を置いておるようであります。従いまして一般会計において昨年度よりも相当増額しておる部分は治山治水関係だけであります。それと即応いたしてないのはどういうわけですか。造林ということは昨年よりも一般の会計においては増額されておる。いわゆる治山治水対策を重点に置いておる。ところがこの農林漁業金庫の資金わくは、去年の六億を今度は三億に半減しておりますが、これは政府の大綱と違うじやないですか。
  47. 小倉武一

    小倉政府委員 治山治水ということになりますと、伐採調整もやはりそういつた意味合いを持つておるかと思うのでありますが、造林のわくを狭めまして他の方にむしろまわしたということにつきましては、これまでの貸付の実績等も参照いたしたのでありまして、造林の方よりもむしろ伐採調整という面の資金の需要が非常に旺盛であり、またこれにある程度こたえることが必要であるということをもちまして、さような配分をいたしたのでありまして、造林を特に軽視したということでは必ずしもないのであります。
  48. 川俣清音

    川俣委員 次に冷害対策についてお尋ねしておきます。これは昨年度で打切りまして、二十九年度資金わくを持つておられないようでありますが、災害対策と違いまして冷害は、将来の冷害を防ぐということが冷害対策の根本であろうと思うのです。過ぎ去つた冷害を防ぎ得るものではないので、また復旧でもないのでありますから、将来の冷害を除去するということが目的でなければなりません。従つてそのために土地改良が行われたり、あるいは耕種改善が行われるのでありますが、この冷害対策をゼロにしたということは、冷害の根本的な考えを没却せられておるのではないですか、この点ひとつ御説明を願いたいと思います。
  49. 小倉武一

    小倉政府委員 冷害につきましての対策でありますが、これはもちろん御指摘のように、土地改良を初めその他各般の施設冷害対策上恒久的になされるという理解をすれば、さように理解が当然できるのでありまして、特別に恒久対策といたしまして冷害という特別のわくを一体設ける必要があるかどうかということになりますと、これまでの土地改良その他の施策でやつて行ける面がむしろ多くはないかと思います。臨時応急の対策としての冷害対策、それに見合う資金の問題として昨年だけ特別に掲げたのでございまして、土地改良等によりまして、冷害対策の部門につきましては、これは普通の土地改良資金でもつてつていただくというふうに実は考えておるのであります。
  50. 川俣清音

    川俣委員 冷害対策として去年取上げられて、この資金わくが非常におそく出たというためと、もう一つは降雪期に入つたというようなことから、事業わくを相当小さくして冷害対策が見積られて使用せられておると思うのです。従つて継続的に、資金わくを相当縮減されてここにおいては決定せられておると思うのです。従つて年度においては、継続する目的で事業が行われておる場合が多いと思うのですが、そういう例を全然お考えにならなかつたのですか。去年の冷害対策わくの中での事業から見まして、翌年に持ち越すように、かなりきゆうくつ融資が出ていると思うのです。あなたのおつしやられたのではそうだと思うのです。翌年度へ持ち越すということで了解がついて資金わくができておると思うのです。それは前もつて完成すると思つて全部出ておりませんね、翌年へ持ち越すということになつている。そうすると去年の冷害対策事業量は、また別の資金にかわつて来なければならぬと思うのです。これは操作上実際問題としては非常に困難じやないか、その点はどうなんですか。
  51. 小倉武一

    小倉政府委員 二十八年度考えております冷害対策としての資金わくは一応きめております。これは本年度に全部貸出しをするという建前で計画を立てておりますので、二十九年度には冷害対策資金わくは別に設けておりません。ただお話のように、実際問題として二十九年度にわたる事業も認められるようなことがございますれば、それに伴つて必要な資金がまたついて来るというようなことになりますので、仕事といたしましては、二十九年度になりましても、冷害対策資金の行くことはあると思います。ただ計画として、そこまで、わくの中に新しい資金の需要があるということではございませんで、むしろ前年度の繰趣しが二十九年度に使われる、こういう考え方で処理できるのじやないかと考えます。
  52. 川俣清音

    川俣委員 これは、局長は末端の事務をよく御存じないからじやないかと思うのです。そのわくが違いますと、また書類をもう一回提出しなければならないということができて来る。継続でありますとあとの書類が非常に簡単でありますことは、もう十分御了承だろうと思う。わくが違つて来るとまた書きかえて出さなければならぬので、たいへんな手数をかけると思うのですが、そういう手数わざわざかける理由はないのじやないですか。この総体のわくをいろいろ拡大しなければならないといつたら、また意見があるのでしようが、その点はどうなんですか。
  53. 小倉武一

    小倉政府委員 二十九年度において特別冷害対策わくというものは、この表を見ると別にございませんけれども、残りのものをほかのわくにばらしてしまつて貸付の手続等をかえて行くという趣旨はございませんで、これはお話のようにやはり冷害対策資金といたしまして、同じ考え方、手続で貸し得るような措置ができると思います。
  54. 川俣清音

    川俣委員 できるとすればその指示なり何かをなさる予定でございますか。これは実際に二十九年度になりますと、今度は冷害対策わくがないのでということで、あらためて他の項目に書きかえて申請しなければならないような状態が起きているようです。また起きるような情勢です。これは前からの継続でございますから、一定計画のうちでわくを実行した、こういうことになつておるので、残額については従来のわくを認める、こういうふうに指示できないかどうか。
  55. 小倉武一

    小倉政府委員 これは御趣旨のように、必要がございますれば指示をいたしまして、不便をおかけしないようにいたします。
  56. 川俣清音

    川俣委員 この際それではもう一点だけお聞きしておきますが、公庫事務の経費ですね、これは予定よりもどうもだんだんふえて来るような傾向があるというふうに聞いておりますが、もちろんいろいろな物価高あるいは人件費等の増等が出ておる部分だけでなくて、最初の計画よりも大分事務費がかさんでおるようですが、この点どのような見解を持つておられましようか。
  57. 小倉武一

    小倉政府委員 公庫事務費等につきましても、公庫予算でもつて御審議願うのでございまするが、何しろ資金が毎年ふえて参ります。従いまして、貸付等の業務ももちろんのこと、すでに貸し付けました資金の回収といつたような業務も年々ふえて参りますので、どうしても毎年今のところは事務がふえて参ります。従いましてそれに必要な経費ないし人件費が若干ずつはふえて参るということになつております。
  58. 川俣清音

    川俣委員 私のお聞きしておるのは、資金わくが増大して参りまするならば、それに伴うところの事務費なり人件費が比例的に増額して来ることを否定しているのじやない、あなたの計画された以上に経費が増大しておるのじやないか、この点をお尋ねしておるのです。
  59. 小倉武一

    小倉政府委員 これは公庫の人件費、事務費等についても予算で御審議願つておりますので、その範囲内でやつております。多少流用といつたようなことはもちろん若干あるかと思いますけれども、当初の予算を補正しなければならぬほど経費は増大はいたしておりません。
  60. 中澤茂一

    ○中澤委員 救農国会できめた救農土木工事を、積寒地帯などでは、雪解けにかかつて春に全部完成しないのができて来る、予算は繰越しは認めるということになつているのだけれども、春にたとえば二分なり三分なり着工して、秋の収穫期をまつてやるということももちろん繰越しになるのだと思うのですが、念のためにちよつとそれをお尋ねしておきます。
  61. 平川守

    ○平川政府委員 予算額についてはそういう繰越しを事情によつて認めることにいたしております。
  62. 中澤茂一

    ○中澤委員 もしやむを得ない事情で、春着工できないやつも、実際問題としては出るかもしれないと思うのです。春着工できないが、しかし一応村で決定だけはしてある、それで県の方も認めて決定した、それで秋に全部工事をやる、こういう場合も繰越しを認めますか。
  63. 平川守

    ○平川政府委員 事情やむを得なければ認めるつもりでございます。     —————————————
  64. 吉川久衛

    吉川委員長代理 残余の質疑は暫時保留いたしまして、この機会に肥料に関する小委員補欠選任についてお諮りいたします。目下小委員が二名欠員になつておりますが、その補欠委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 吉川久衛

    吉川委員長代理 御異議なしと認め、今井耕君及び川俣清音君を肥料に関する小委員指名いたします。  なお午後は砂糖、油脂の問題について議事を進める予定でありますので御了承願います。午後は一時より再開することとし、暫時休憩いたします。     午前十一時五十五分休憩      ————◇—————     午後二時五十三分開議
  66. 井出一太郎

    井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  まず砂糖の問題について調査を進めます。質疑の通告がございます。逐次これを許します。中村時雄君。
  67. 中村時雄

    ○中村(時)委員 まず最初に経済局長お尋ねをしたいのですが、昨年七月経済安定において、あなたに砂糖の関連からのいろいろな質疑をやつたわけですが、そのときに経済局長が、手持ち数量はその当時現在八十五万トン、輸入計画として十月以降本年四月までに三十万トンを確保するし、またその見通しもできておるし、事実これを既定の事実として認めて行くということの発表があつたわけでありますが、事実その計画通りこの三十万トンの輸入ができたかどうか、それをまず第一にお聞きしたい。
  68. 小倉武一

    小倉政府委員 当時の状況からその後の問題になるわけでございますが、二十八年度の輸入計画での年間の砂糖輸入が九十五万トンであつたわけであります。ところがその後下半期の輸入の実質につきまして、外貨面の制約等からいたしまして、必ずしも輸入が順調に参つておらなかつたのでありまして、いろいろ輸入の決定が遅れる、こういつたような事情がありまして必ずしも円滑でなかつたことを申し上げておきます。
  69. 中村時雄

    ○中村(時)委員 それでは円滑でなかつたなれば、その後におけるところの需給の実態を、ひとつここで発表してもらいたい。
  70. 東辻正夫

    ○東辻説明員 今経済局長からお答え申し上げましたように、大体九十五万トン——本年度は大体当初におきまして約百万トンの需要を見込みまして、これに国内産の砂糖約五万トン程度見込まれますので差引き、また期末の在庫あるいは翌年の需要推計見通しを含みまして、到着といたしまして大体九十五万ないし九十六万ぐらいの計画を組んだわけてございます。現在三月までの輸入の見通しでございますが、この既定のわく内でまだ実施されておりませんものは、約四万トンで、あとは最近までに一応予算に計上されましたものは、予算実施を見て、それが逐次輸入されておりますが、三月までの大体の到着の数量を申し上げますと、十二月くらいまでに約七十五万トン程度が到着しているのじやないか、その後一——三におきまして大体、これも推定が入りますが約十八万ないし二十万トン、二十万トンは非常に無理かと思いますが、三月末までに大体十八万トンくらいは到着するのじやないか、そのほかのものは大体四月以降に到着を見込んでおります、これがほぼ二十二万トン程度ではなかろうか、これらの到着のものは、リンクなりそういつたような形のものでございますので、到着の時期ははつきり見通しがつきませんが、場合によりましたら七月以降にずれるものも若干あるのじやないか、かように考えております。
  71. 中村時雄

    ○中村(時)委員 十二月末までに七十五万トンということは、その中に以前の手持ちとしてはどのくらいあつたわけですか。
  72. 東辻正夫

    ○東辻説明員 七十五万トンは四月以降のトータルでございまして、その前年度において買い付けておりますものが約四十六万トンばかりストツクいたしております。
  73. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そうすると当初百万トンの需要計画と国内産五万トンというようにおつしやつているのですが、その需要計画の百万トンの中にこの四十六万トンというものは含まれておるのですか。それとも前年度の分として含まれていないのかどうか。
  74. 東辻正夫

    ○東辻説明員 これは当然入つております。計画を立てた場合に四十六万トンはすでに前年度予算で買付済みになりまして、ずれて到着するということで、ひつきよう四十六万というものはその数量のわく内でございます。
  75. 中村時雄

    ○中村(時)委員 それでは予算の上からいつて、こういうような繰越しの状態というものを認めておるのですか。
  76. 東辻正夫

    ○東辻説明員 それは二十七年下期の予算でございまして、それを差引きまして本年度予算を組んだわけでございます。
  77. 中村時雄

    ○中村(時)委員 この問題は非常に疑義があるから、いずれまたもう少し詳しくお聞きしたいと思つております。時間の関係でこの点は留保しておきます。  それから今お聞きしておりますと、この外貨割当に対するリンクあるいはバーターそういう輸入方針の変化、続いて貿易上におけるところの、今言つた原料の輸入の減少、そういう二つの問題からいろいろな問題が起つているように考えられるのですが、その点に関して昨年度小倉経済局長から、砂糖の実際の値段というものが六十一円二十銭くらいが最も妥当であるという御発表があつた、それに対して現在は九十円前後の砂糖価格である、そういたしますと、農林省においても、これが非常に高値であるという一つの決定が出て来たわけである。それに対してどういうところに最も大きな原因があるかということを当局にお聞きしたい。
  78. 小倉武一

    小倉政府委員 昨年六十円余りのところが妥当ではないかということを申し上げたのでございますが、その後現在九十近くになつておりますことは、非常に高値であることは申すまでもないのでありまして、その間にはもちろんいろいろの原因もございます。そういう原因については私どもいろいろ検討いたし、その対策をただいま考えているのであります。原因と申しましては、先ほど申し上げましたような、輸出リンクについての輸入が、必ずしも所期の通り順調に行かなかつたということが一つであります。それから二十九年度の外貨予算との関連におきまして、外貨の節約といつたような問題が起つて参りまして、そういつたことの直接間接の影響といつたようなこともあろうかと思います。それからまた消費税が上げられるといつたようなことが重なりまして、最近のような高値になつておる、かように考えております。
  79. 中村時雄

    ○中村(時)委員 非常に机上的空論というか、そういうふうな考え方がある以上は、砂糖の値上りは絶対とどまらないと私は思う。なぜならば、単に輸出リンクの問題、外貨の節約、消費税の問題、こういうふうな問題で値上りをすると思つたら大間違いだと思う。実態は、これを受入れる業者、すなわち十九社ありますが、これらの砂糖会社の内容の問題、あるいはまたこれらの計画なつり上げの問題、あるいはあなたも、この前私が質問いたしましたら、こういうことを言つていらつしやる。その質問内容は、製糖工業界において、価格の下落と、それから輸入制限を中心に農林省に盛んに陳情しておつたはずです。その裏は何かといえば、この計画的つり上げということが製糖会社の裏面にあつた。その当時から私は注意しておつた。あなた方にも言つたはずです。それに対してあなた方も、そういうような事柄に関しては絶対受入れないと言いながら、事実はこの外貨の問題に現われて来ている。事実はリンクの上に現われて来ている。そういうふうなあなたの答えに対して、こういう結果がその当時危惧していた通り出て来たじやないか。そういうものに対して一体どういう責任を感じているか、まずそれを第一点に聞きたい。
  80. 小倉武一

    小倉政府委員 製糖業界がお話のような立場にありまして、価格が下れば、できるだけ維持したいといつたようないろいろの工作をやる、またときにはそういうことのためにいろいろ要望して参るということは、これはあり得ることだと思います。しかしながら、現在のような事情が必ずしも製糖業界の力だけで現出しているということではないように思います。そうでございますれば、これは私どもの力と申しますか、あるいは輿論の力といつたようなもので、比較的均整に復帰させる方法もあるいは出て来ようと思いますけれども、先ほど申し上げましたような事情もございますので、なかなか市況を急速に安定させるというようなわけに行かないのではないかというふうに私は思つておるのであります。
  81. 中村時雄

    ○中村(時)委員 どうも話がピンと来ないのであるが、私の言つているのは、ここであなたを追究する意味じやない。こういう国民経済の上において、少しでも早く値下りをしてもらいたいという意味なんです。そういう意味において、お互いに協議をして一つの線を見出して行きたいがために私は言つているわけです。  そこで私は、要するに製糖会社内部の問題と、もう一つは政治的な問題、国際的な問題、こういうふうにわけてお尋ねして行きたいと思うのですが、まず第一に、製糖会社がそういう国内的な、計画なつり上げをやつていると思われるか思われないか、それをひとつお伺いしたい。
  82. 小倉武一

    小倉政府委員 私どもはそういう表立つたことはもちろん存じませんし、あるいはないと思いますが、業界といたしまして、内部的に自己の利益擁護のためにいろいろ考えることはあろうかと思いますが、最近のような市況を維持するために業界が特段の措置をしているということはなかろうと存じます。またそういうふうに考えております。
  83. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そういう甘い考えでは砂糖の値上りをとどめることはできません。それじや例をとつてみましよう。たとえば今までの砂糖の販売径路というものは、あなたはどういうふうに考えているのですか、その砂糖の販売径路をまずお尋ねしたい。
  84. 小倉武一

    小倉政府委員 その点は食品課長からお答えいたさせたいと思います。
  85. 東辻正夫

    ○東辻説明員 製糖工場から、代理店と申しますか、特約店と申しますか、そういう元卸のような取扱い業者に参りまして、それから卸を経て小売に行く、それが大体通常の取引形態ではなかろうか、かように考えております。
  86. 中村時雄

    ○中村(時)委員 今おつしやつたのは、まず製糖会社から代理店あるいは特約店に出て、そこから続いて一般の卸商に出てそれから小売業者に出るわけですね。そういたしますと、その間の契約ということが問題になつて来る。その契約に以前と最近の値上りに伴つた質的な変化があり、あるいは期間の変化がある。そういう問題について調査していらつしやるかどうか、お聞きしたい。
  87. 東辻正夫

    ○東辻説明員 詳細な点については的確なことは承知いたしておりません。
  88. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そういうふうに値を下げたいという意思を当局が持ちながら、そういう実際の根拠となつて行くようなものを詳細に知らないということでは、値下りを何のためにやるのか、どこにてこを入れるのか、さつぱりわからぬじやありませんか。そういう不見識な考えを当局が持つとすれば、この砂糖の値上りというものは絶対にとどめられないということは、先ほど申し上げた通りです。それはこういうことになつている。たとえば今までの契約は、製糖会社から卸売業者に対して大体十日ないし十五日間の契約でやつておつた。調べてごらんなさい。たとえば特約店が、十日ないし十五日間の間の、価格の変動の危険性というものは、今までは自己負担にしておつた。ところがそれが最近の契約はかわりまして、三日間ないし五日間ぐらいの短期契約になつている。それはどういうことかと言つたら、短期契約をしていると、製糖会社から品物を出す、そうすると、その品物の値段に持つて来て自己のマージンをプラスしただけでけつこうもうかつて行く。しかもその三日ないし五日の間に今度は手持ちがなくなるのですから、価格の一つの安定点が出て来る。そういうふうな状態によつて現在契約をしている。だから実際の販売価格に持つて来て自己のマジーンをかければ、完全に自分は寝ておつてもできるということでは、最も危険性を持つて来るのです。なぜかと言うと、こういう裏面が出て来る。そういうふうに十九社の製糖会社が一つのカルテルを結んで価格協定をやつてごらんなさい。事実やつております。そうすると完全に卸売業者、小売業者は、その理由のいかんを問わず、三日間ぐらいのものしか品物が出て来ないのですから、それにぶら下るよりほかない。そうすると、その三日間あるいは五日間の市場操作に基いて次の価格の値を打つて来るわけです。あなた方はそれに対してどういうふうに考えているか。このカルテルというものは公正取引委員会の問題にもひつかかつて来るわけです。そいうことをあなた方当局者が知らないと言つて済まされるような状態なのかどうか。
  89. 東辻正夫

    ○東辻説明員 その点につきましては、的確に調査をして参りましたわけでもありませんが、今中村先生のおつしやつたようなケースがあるいは起り得るだろうということは、私承知いたすわけでありますが、もしカルテル、あるいはそういつたような談合行為と申しますか、製糖業者が価格をつり上げるというようなことにつきましては、私どもといたしまして、行政措置としてできる範囲でありますれば、そういつたようなことのないように勧告もし、また指導もして参りたい、かように考えます。
  90. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そういたしますと、たとえば外貨の割当はあなた方のところでやつて、それによつて実際の責任はもう終つたという考え方にしかすぎない。あとは野となれ、山となれ、どうなろうとかつてだ、そういう結果が出て来はしないでしようか。そうすると、これがもしもカルテルであるということになれば、あなた方は一体どういう処置をとられるか。
  91. 東辻正夫

    ○東辻説明員 そういうような事態がありますれば、公正取引委員会の方からも適当な調査あるいは勧告等が出て、業界のそういう行為に対する禁止的な措置がとられると思いますが、私どもといたしましては、そういうことについては、公取委員会の方との協力によつて、そういう事態が発生しないように努力いたしたい、かように考えております。
  92. 中村時雄

    ○中村(時)委員 発生しないようにと言いましても、あなた方は、たとえば片一方にだけ責任を持たせて、それができなかつたらこういうように話をすればいいじやないかという安易な一つの責任感を持つている。そういうところから実際の問題は出て来ない、値下りは出て来ない。ほんとうに一般の大衆というものは、砂糖の値上りということが非常に極端に頭に来ていると思うのです。それに対してあなた方は非常に安易感を持つている。あなた方がそういう感覚を持つならば、当然公取委員会と話合いをつけて、そうしてどういう操作をするか、事前にやるのがあなた方の責任であり、義務であろうと思うのです。ところが結果においては、あなた方はいつもそういうような考え方を持つて、しかもこれは、私たちが事前にあなた方に危険性があるということを指摘しているにもかかわらず、今こういうことになつた結果、まだほんとうの実情が出てないというような無責任な行動について、あなた方は、みずからの良識の上でどういうふうに考えているか、もう一度お聞きしておきたい。
  93. 東辻正夫

    ○東辻説明員 根本的には、結局現在の旺盛な需要に対しまして、輸入される砂糖の到着が非常にまちまちであつたり、あるいは計画通りつて来なかつたり、特に最近におきましては、四月以降におきます外貨の削減というようなことからいたしまして、砂糖というような、必需物資ではありますが、消費財に対しましては、相当削減が行われるのではないかというような思惑が出ている。それが現在の価格に対しまして相当大きな影響を及ぼしているのはないか、かように考えるわけでございますが、少くとも農林省の立場といたしましては、できるだけ需要量に見合う輸入を確保するということによりまして、現在の糖価というものを安定させて参りたいというふうに考えておるわけでございます。
  94. 中村時雄

    ○中村(時)委員 今私の言つている質問を、ぼかしてほかへ行くようにしている。しかも課長ともあろう者は、ぴしやつと一つの焦点を合せておいてもらわなければしようがない。輸出リンクの問題とか外貨の節約の問題とかを言つているのではない。今言つていることは、業者間におけるところの計画的な値上げの問題を取上げて言つている。それにほかのものが関連してどうなつたということを言つているのではない。その一つ一つを詰めて行くのですから、そのつもりの御答弁を願いたい。それに対して今言つたように、たとえばこういう一つのカルテル的のものが出る、その出る前提はもうわかつておるのです。あなた方はわかつておりながらごまかしておるだけです。それで公取なら公取との間にあなた方が協議体を持つて、ただちにこの問題を摘発するなりあるいは調査をする、その具体性をお尋ねしておるのです。
  95. 東辻正夫

    ○東辻説明員 具体的の措置といたしましては、今どういう措置をという点については、十分検討をいたさなければならないかと思いますが、もしそういう事態が発生するということになれば、当然私どもといたしましても、行政庁としてできる範囲のことでありますならば、公取とも十分連絡をいたしまして調査もし、またそういうようなことのないように指導して参りたいと考えております。
  96. 川俣清音

    川俣委員 関連して。今の答弁を聞いておりましてふしぎに思うのは、中村委員から発言せられておるように、もうカルテル的方向が現実に現われて来ておるじやないか、これをお認めになるのかお認めにならないのか。現在の取引の状態がカルテル化の方向に進行しておる、現にそれが現われておるということを否定されるのですか、否定されないのですか、この点を局長はどういうふうにお考えになるか。
  97. 小倉武一

    小倉政府委員 実は私、製糖業のそういう内部の問題というか、外貨の割当からあとの問題になりますと、直接関係しておりませんので、ちよつとお答えしにくい点があるのであります。たださつきから中村委員お尋ねのようなことは、これは往々にしてあり得ることでございますから、現在あるかないか私断言はできませんが、せつかくの御指摘でありますので、至急私どもの方でも、そういう点から業界を分析いたしまして、必要な方面とも連絡をし、必要な措置をとることはやつて参りたいと思います。
  98. 川俣清音

    川俣委員 いろいろな業界の新聞を見ましても、カルテル化の方向にあるということは業界自体が否定していない。業界一般が否定していないのに、役所だけがまだはつきり把握できないと言われるのは、明らかにこれは行政として欠陥があるのではないかと思います。局長にはこれ以上聞きませんが、課長どうですか。一般業界及び一般人はカルテルの方向をたどつておるということをみな認めておるのですが、行政官庁だけはこれをお認めにならないのですか。あなたお認めになつておるような答弁ですが、どうですか。
  99. 東辻正夫

    ○東辻説明員 そういうような事態があるということは、私新聞で見たこともございますが、具体的にどういう行為がそれであるかということになると非常に微妙な問題でございますので、はつきりそういうことを現にやつておるかどうかという点については、私ども的確には承知しておらぬわけでございますが、そういうような事態が発生することもあり得るということは考えられるわけでございます。
  100. 川俣清音

    川俣委員 これは政務次官よく聞いておいてほしいのですが、砂糖行政をやつておる者は、どういう取引状態にあるかということを知らずに行政はできないのです。現にどんなことが行われておるかということを、そんなことは新聞でちよつと見たことはあるが、どんなことかわかりませんというようなことでは、砂糖行政はやつて行けません。そういう点があるからつり上げられたり操作させられたりするわけで、業界ではそういう盲点をついて操作をするのです。そうお思いになりませんか。
  101. 平野三郎

    平野政府委員 今の輸出の内容をよく承知いたしませんので、御趣旨がはつきりいたしませんが、砂糖の問題につきましては、御説の通り、今までのやり方について、この際相当検討を加える必要があるということを痛感しておるわけでございます。目下経済審議庁を中心として、外貨の割当その他の関係について部内で協議いたしておるわけでございまして、近く何らか抜本的な対策を立てたいということで進めておるわけでございます。私個人の考えとしては、やはりこの際、砂糖については政府の一手買取り制をやるというような方向に持つて行くことが妥当ではないかということを考えておるわけでございます。
  102. 中村時雄

    ○中村(時)委員 あなたは自由党の政務次官でいらつしやるので、ちようど幸いですからお聞きしたいのです。先ほどから私の質問しているのは、製糖の問題は、国民生活の安定というから、お互いに少しでも砂糖の値下げをしたいという気持で話合つているわけです。その点誤解のないように。  そこで、たとえば今まで農林省に、この業者側が一つのこういう線を出しておる。輸入制限の問題、あるいは月月の割当、こういうような問題で盛んに農林省に陳情しておつた。これは経済局長も認めておる。やるやらぬは別ですよ。ところが実際はその問題が現実に現われて来て、砂糖の値上りが出て来た。そこでその販売ルートなり、あるいは機構なり、そういういろいろなものをお尋ねした。お尋ねしたところが十分な調査ができていないという。値段の原価計算の問題もありましよう。農林省では、安定帯価格と称して六十二円だかにやつておるという話も聞きましたが、そういう実際の調査ができていない。ところが実際の製糖となるとそうは行かぬ。将来の見通しをもつてこういうことが起るであろうという推察のもとに、あらゆる手段なり方法をとられるのが私は義務であろうと思う。ところがそういう責任なり義務をちつともとらずにおる。でき上つた結果においてこれをこうしよう、ああしよう、ここが悪かつたからこうしようという問題ではないと思う。昨年の暮れから砂糖の値上りの問題は起つている。要するに病人になつてからいやどうだこうだというよりも、平素が大事です。平素が大事なのはちやんとわかつているのに即刻手を打たなかつたという責任、あるいは実際の行政官庁がそういう調査を怠つてるという責任、これに対してあなたはどういう責任を感じられますか。
  103. 平野三郎

    平野政府委員 いつも突然のお呼び出しで、実は今までの経過はよくわかりませんでしたが、ただいまの御質問によりましてよく御趣旨のほどはわかりましたので、お答え申し上げますが、確かに今日に至るまでの政府砂糖行政については、若干計画性を欠いておつたという点はあると存じます。これはいわば終戦後の日本経済の復興をはかるためには、やはり自由ということを原則としてやつて来たということにおいて、非常にその点は効果があつたわけでございます。しかしながらやや行き過ぎの点もあるわけであつて、それがために政府といたしましては、この際ある程度の計画性を与えると申しますか、そういう趣旨からただいま提出をして御審議を願つております来年度予算案につきましては、緊縮方針をもつてつておる、こういうことにおいても御了承いただけると思うわけでございます。従つて自由党政府といたしましても、必ずしも手放しの自由経済を標榜しておるわけではないのであつて、必要に応じてそれぞれ計画性を持つて行くということについては、ただいま御審議を願つております肥料の法案にしましてもそうでございますし、また近く御審議を願わんとしております生糸の問題についても、そういう方向に行つておるわけであります。従つて砂糖については、確かに今までの外貨の割当などにつきましては、工場の設備能力に応じてやるというような方式でありましたがために、現在の段階が非常な過剰設備に陥つておる、こういうことでございますから、従つてこの際これについては検討を加えて、やはり設備のこれ以上の拡張を防止する措置を講じますと同時に、外貨をめぐる問題についても、先ほど申し上げましたような一手買取りの方式をとつて行く、そしてこれの配分についても、公正を期すべく入札のような方法をとるというようなことが妥当ではないか、現在の市価の状況からいたしますならば、非常に高騰いたしておりますが、これによつて政府が利益を得るような場合においては、これを食生活の改善とかその他の面を通じて、国民のために公正な方向にこれを持つて行くということが必要であるというふうに感じておるわけでございまして、この点は今までの政府のやり方につきましても、相当研究をすべき点があることは認める次第でございます。
  104. 中村時雄

    ○中村(時)委員 政務次官しつかり勉強してください。設備の問題を今お話しましたが、現在の設備は一体幾らくらいあると思うのですか、ちよつとお尋ねします。
  105. 平野三郎

    平野政府委員 はつきりしたことは事務当局がお答えを申し上げますが、二百五十万トン程度になつておるのではないかと思います。
  106. 中村時雄

    ○中村(時)委員 二百五十万トンの設備をもつて実際の計画は百万トンの計画を立てている、この食い違いはどういうわけなんです。百五十万トンからの食い違いですよ。
  107. 平野三郎

    平野政府委員 それは先ほども申し上げましたように、終戦後の日本経済を復興するために国民の自由な意欲を伸ばす、こういう面から指導奨励をしましたがためにそういうふうに伸びて行つたわけで、これは砂糖に限らず全般にそういう傾向がございまして、この点は日本経済の復興に大いに資するところがあつたと思うわけでありますが、今日の緊縮財政の建前から外貨の割当を抑制するという事態が起つて参つたがために、そこに相当のずれが起つておる、こういうことに了解しておるわけであります。
  108. 中村時雄

    ○中村(時)委員 それは大きな考え方の相違です。というのは百万トンの輸入をしようという、これは消費量から問題が出て来ますからあとに譲りますが、百万トンの輸入を計画しておつて、それさえできかねるという状態において、国内的には百五十万トンというような設備を与えて、その設備資金という資金をここに寝かしておくんです。設備資金をそれだけ寝かせば、これはあとでお話しますけれども、当然これは銀行なら銀行から借り入れて来る、この到子だつて厖大なものになつて来る。たとえば月別二十億なら二十億の砂糖消費税の問題もかけて、そういう線から今まで銀行が金を貸し付けておる。それが設備資金なつて来る。これがほんとうの活動をしないとなれば、これは寝かしておくということになる。そうするとあなた方の自由党の放任経済というものが出て来るわけです。それはお気づきだから改めようとされておる。欠点はよくわかります。  そこで次に来る問題は、そういうことをなぜやつたか、このことをお考えなつておりますか。なぜやつたか、こういう放任なことがどんどん起つて来たのは、なぜこういう状態が起つて来たかということを一言お聞きしたい。このことをお考えなつたか。なぜやつたか。こういう放任のことをなぜやつたか。なぜこういう状態が起つて来たかということをお聞きします。
  109. 平野三郎

    平野政府委員 これは今申し上げましたように、砂糖ばかりでなしに、全般にわたつて日本経済の復興という途上におきまして、自由を原則として進んで行く以上は、ある程度の浮き沈みと申しますか、若干そこに行き過ぎというと語弊があるかもしれませんが、そういう点があるということは認めておるわけであります。従つてすでに設備の拡充については、これをストツプするような措置を目下講じておるわけでありまして、この際合理的な調整をいたしたい、かように思つておるわけであります。
  110. 中村時雄

    ○中村(時)委員 えらい責任を国民にかぶせておいて、自由々々と言いますが、自由でなくなつた現象がこれなんです。というのはたとえば設備資金を銀行から貸すでしよう。設備資金を貸しますとこれによつて設備をつくる。そうすると借りた金は返さなければならなぬとなると砂糖の値段が安かつたら返す到潤が出て来ない。これだけに対してこれだけの幅の到潤をとるということは当然ですよ。これはしろうとが考えても当然です。そこでその幅の到潤をどうとるか。今度は銀行の独占資本と業者が結託しなければならない、結託しておいて今言つた砂糖の値上りの方向をその銀行が持つということになる。そういうふうにあなたはお考えになりませんか。これはすぐわかつて来る。これに対して、もしそうお考えになるならば一体どういう手を打つか、それを一言お尋ねいたします。
  111. 平野三郎

    平野政府委員 その点は御指摘通り考えておりますので、すでに工場の拡張の措置についてはこれを停止するということにいたしておりますし、従つて砂糖対策については、目下抜本的な方法を講ずべく政府部内においていろいろ協議中であります。
  112. 川俣清音

    川俣委員 ちよつと今の設備の問題に関連して政務次官にお聞きしたいのですが、あなたは自由放任の結果この欠陥が出て来ているという説明だけれども、戦後自由党の自由放任の結果行き過ぎが出て今日の状態が出た、こういう説明ですが、これは非常に現状の把握が十分じやないと思います。これは一種の統制をしている。設備能力に応じて配分をしているという統制をしている。戦時中の一番最初の統制は、平野次官御承知通り資材統刷、それから原料の配給割当、こうなんです。結局あなた方は自由放任だと言うけれども、設備に応じて配分しておるということは一つの統制なんです。いい悪いは別ですよ。だから放任しているのではない。形式は放任だと言いながら、官庁が法制によらない統制をして来たところに一つの欠陥がする。これは行政上のの欠陥です。法律上の欠陥じやない。権限がないのにかかわらず、権限をもつて行政権を極度に利用した結果生れて来た責任なんです。これを意識されませんか、どうですか。政府は放任していると言うけれども、行政の末端で統制して来た。これをお認めにならないのですか。
  113. 平野三郎

    平野政府委員 お話通り外貨の割当実績、もちろんありますが、主として設備の能力に応じてやる、こういう統制方式をとつておつたわけでありまして、それがために勢い外貨の割当てを得るために競争的に必要以上に設備の拡充をするということが今日の現状を来した、こういうふうに了解しているわけでありまして、従つてこれを自然の軌道にのせるようにいたしたい、かように思つております。
  114. 川俣清音

    川俣委員 あなたの答弁は違う。前は自由放任の結果こういうふうになつた、ところが今は外貨の割当てを設備能力に応じて割当てた結果こういうふうに無計画な厖大な設備になつた。やはりこれは統制というものであれば法律に基いてやることが一番必要なことであります。これは議論として残しますが、ところがあなたは放任しておいたと言いながら、行政の末端がこういう割当てをして来るところにこういうような大きな欠陥が出て来る。この点をお認めになるか。どうもおかしいですよ。前は放任だと言う。これを是正して行く場合に、どこに欠陥があるかということをよく見なければならない。放任の結果こういうふうに出て来たのか、末端が十分理解をしない統制をやつたために出て来たのか、この点をはつきり把握しなければならぬと思う。こういうような状態が現にカルテルの方向に向つているわけなんです。この点カルテルの方向に進行しているのではないですかということを聞いている。それは調べなければわからない、調べなければわからぬようじや将来の対策は立たないですよ。現に把握していなければならぬはずですが、どうですか、これは。
  115. 平野三郎

    平野政府委員 今現況がカルテル化の方向にあるではないか、こういうお尋ねの点につきましては、業界の実情をよく調査をいたしましてお答えをいたしたいと思います。要するに政府といたしましては、現状においては砂糖の価格を低落せしめて、もつて公正な取引を期するという点においては欠陥があるというふうに考えまするので、目下これの根本的対策を研究しているような次第でございますので、先ほど申し上げました自由、統制という問題については、これは今までのやり方が、輸入についてはこれはもちろん統制方式をとつているわけで、ただこれを精製をして国内の取引は自由になつている。こういうことのためにいろいろ誤解も生ずると思うわけで、その点中途はんぱな形になつているわけで、そこにいろいろの問題があると思うわけでございますが、要するにたびたび申し上げますように、早急にこれについての適切な対策を立てて御審議を願いたい、こう思つているわけでございます。
  116. 川俣清音

    川俣委員 そこで政務次官にどうしてもこれはお聞きしなければならぬと思うのですが、輸入外貨割当等によつていろいろな利益を得る人がある。そうすると一方においては、昨況が非常に悪いために豊作の農家がもうかるんだから、分散度を見なければならない。わざわざ学者を労して分散度というものを考えさせる。その方面では相当勉強するけれども、砂糖の面では、現実の非難が起つているのに何も研究してない。現に業界の状況はカルテルの方向に進行している。現にそういう取引が行われているということは否定できない。それを調査しなければわからぬというようなことでは、行政が十分行われているとは思われないのです。あなたは同じ所管ですよ。この点についてもつとどうですか、あなた方の監督というか、首脳部の意向というものが末端に徹底しておつたのかいないのか、もし徹底していなかつたとすればどういうような処置を将来とるつもりかどうか。この点もあわせて伺いたい。
  117. 平野三郎

    平野政府委員 先ほども申し上げますように、そういうお話のような状態にかんがみまして、目下対策を研究いたしている、こういう段階でございます。
  118. 中村時雄

    ○中村(時)委員 それでは緒論はそれくらいにいたしまして、設備問題ですけれども、一言だけ言つておきます。あなたは二百五十万トンと言いますけれども、よく帰つて調べてください。二百五十万トンありません。それだけ言つておきます。それは事務当局の方、一体何トンぐらいの設備なんですか。この前あなたが発表した通りですか。
  119. 東辻正夫

    ○東辻説明員 九月末現在で大体百八十万トンないし百九十万トンぐらいのようであります。
  120. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そうしますと約六、七十万トンの大きな食い違いを政務次官はやつているのです。だからそういう点をやはりしつかり把握しておつてもらいたい。これはほんとうに思うのですよ。私たちのできることならいくらでも協力しますから。  そこで次の問題に移つて行きたいと思います。製糖工業会が昨年の六月から一箇月の溶糖量を大体決定している。これは昨年の七月にすでに経済局長には話をしてある。またあなたもよく承知の上のはずです。それに対してその当時は相当量のものがストツクがあつたので市場価格ではあまり影響しなかつた。ところがその後におけるところの、今度初めて輸入制限という問題が起きて、その輸入制限の溶糖について計画化をしたいという陳情がこの当時から農林省を中心に活発に動き出した。それは政務次官御存じですか。どうですか平野さん。
  121. 小倉武一

    小倉政府委員 これは政務次官御存じかどうかというお尋ねなのですから、私からお話するのは非常におかしいのでございますが、業界からの陳情を受けたことにつきましては、あるいはこれは政務次官が政務次官におなりになる前のことかもしれませんから、おそらくこれは行つてないのじやないかと思いますが、とすれば、主としてこれは食糧庁の関係があるいは主ではないかと思つております。
  122. 中村時雄

    ○中村(時)委員 もしも、そういうふうに——ごそごそ話をせんとよく聞いとつてくれ、局長の問題がよく出て来るのだから。局長はこの前の答弁にこういう陳情があつたということを言明している。こういう陳情は何のためにやつたかということが非常に大事な問題になつて来る。一体その趣旨の裏面というものはどこにあつたとお考えなつているのですか。
  123. 小倉武一

    小倉政府委員 これはもう当時の事情から申しまして、価格維持をしたいということから発足しておつたのだろうと思います。
  124. 中村時雄

    ○中村(時)委員 それはその当時の価格維持じやない。価格のつり上げだ。価格の維持と急騰とは意味が違いますよ。どうしてかといいますと、そういうストツクを減小させて行つて、毎月の溶糖量で月々消費をまかなつて行こうという考え方なのです。その現実の現われなのです。今度は今までやつておつたところのキユーバ原糖から台湾原糖に切りかえられた。それと相加味しましてこの問題を取上げようというねらいを業者側が当初から持つておつた。それに対してあなたはどうお考えですか。
  125. 小倉武一

    小倉政府委員 そういう事情は実は私ども存じません。
  126. 中村時雄

    ○中村(時)委員 存じない、存じないと言つて、存じなかつたらよく調べて、まず先に先に手を打つていただきたい。それはよく調べてください。これ以上私は申しません。第三番目に製糖業者が精算市場で、あなたはてこ入れをやつておるかどうか、そういうことをお考えなつたことかあるかどうか、それをひとつお聞きしたい。
  127. 小倉武一

    小倉政府委員 そういうことはございません。
  128. 中村時雄

    ○中村(時)委員 ございませんと言うて、それではあなた方はちつとも調査していないということになる。公正取引委員会が昨年この問題を取上げて調査をしたのは、どこに原因があるか、そういうことも知らないか、知つておるかお聞きしたい。
  129. 東辻正夫

    ○東辻説明員 取引所において製糖業者が普通の業者あるいは仲介を通じての売買は、当然やつておることはわれわれも承知いたしておりますが、特にそのてこ入れをやるということについて取引委員会がどういう調査をしたかということは、詳細には存じませんが、取引委員会としてはそういうカルテル行為なり何なりがあるのじやないかということで、いろいろな事情を調査したことがあることは承知いたしております。
  130. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そうすると局長は全然知らぬという。食品課長はよく知つておるというのですが、そういうことはあなたは、局長に報告する義務を持つておる。今後はよく局長と連絡を密にしてもらいたい。たとえばそれはこういうことなのです。清算市場に一般の会社がほうり出して行くのです。そして実際の製糖会社が月の当番まできめておつて、その当番が、割当をやや下つて来ると、買占めをやるわけだ。その買占めが製糖会社の名前を出さなかつたわけです。そして公取がこれではいけないということで調べて行つた。調べて行つたら実際の名前が違つておつた。違つておつたら、それ以上追求するだけの決定権を公取が持つていないので、これをつかまえて調べることができなかつた。それで公取がそのまま黙認した形になつた。そこでそういう推察がついており、あなたも公取でそういうことをやつておつたということを御存じであつたならば、当然行政官庁として、そういう危惧のないような一つの方針の打出しを当然考えておられるべきだ。そういう場合にあなた方は、一体どういう手段をとられるかをお聞きしておきたい。
  131. 東辻正夫

    ○東辻説明員 先ほどのてこ入れをしたことについて委員会が調査をしたかどうかということは、私詳細には存じておりませんが、一般的に製糖工業でそういうカルテル行為をやる危険性もありますし、委員会といたしましては、そういう点において、その事態について調査をやる、こういうふうに先ほど申し上げた次第であります。今のお話通り、もしそういう事態で、取引委員会としてもはつきりした資料に基きまして適当な措置をとらなければならないということになつた場合におきましては、私どもといたしましても十分委員会と連絡をとりまして、事態の発生を未然に防ぎたい、かように考えておるわけであります。
  132. 中村時雄

    ○中村(時)委員 十分注意して御調査を願います。  次に昨年、すなわち二十八年度の十月から三月の原料買付外貨割当設置が約一箇月遅れておると思うのです。それについて、実際に遅れておるかをお聞きしておきたい。
  133. 東辻正夫

    ○東辻説明員 十月以降の外貨の割当につきましては、私どもといたしましては、できるだけ早く決定を見て、これが実施を実現させたい、かように思いまして、通産、大蔵当局にも交渉に努力したわけでありますが、当時外貨の状態が非常に悪くなつて来るというような事情から行きまして、十月以降特に一—三におきます外貨の設置が遅れたことは事実でございます。
  134. 中村時雄

    ○中村(時)委員 その一箇月がやはりこの値上りの大きな原因となつて来ておるわけです。というのは、すなわち今まで持つておつたランニング・ストツクがほとんどなくなつた。そういうことが、外貨割当の遅れた結果として出て来た。これが一点です。それからもう一つ、割当に対して、今言つたように十月—三月という割当ではなくて、今度の割当を見ますと、十月から十二月、一月から三月、こういうふうに二期に期間的な短縮をしておると思うのですが、これはどうですか。
  135. 東辻正夫

    ○東辻説明員 外貨の割当は、通産省の方で、最終的に決定権を持つてつておるという関係でございますが、私どもの手続といたしましては、一応十月から十二月までの外貨について実施する。また一月以降のものについては逐次大蔵省との交渉ができたところでもつて実施をいたしております。
  136. 中村時雄

    ○中村(時)委員 だから私がお尋ねしたように十月から十二月、一月から三月、こういうふうになつたわけですね。
  137. 東辻正夫

    ○東辻説明員 結果にはそういうことになつております。
  138. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そうしますと、そのために今言つたようにランニング・ストツクはなくなつて来る、期間は短縮される。それでますますきゆうくつなつて来た。そういう結果をあなた方がつくつて行つたのですよ。そこで実際に砂糖の値上りということに当然なつたのです。一つの線として上つて来るわけです。それに対してあなた方は上らぬとお考えになりますか。
  139. 東辻正夫

    ○東辻説明員 実際問題として、そういうことによつて先行きの砂糖の輸入が非常に時期的に不確定になつて来た。それはまさにお話通りで、これによつて先行きのストツクがなくなるということの思惑が、価格を相当高くした原因であるということは、そのように考えておりします。
  140. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そこで今言つたように、あなた方は、そういうことの一つの責任者として考えておりながら、実際はそういう拙劣なる施策をやつたということは、結果の上に当然現われて来たわけなんですが、そのときに当初の計画、あれは私も今記憶を思い出しませんが、三十八万トンだつたか、三十万トンだつたか、ちよつとその点お教えいただきたい。
  141. 東辻正夫

    ○東辻説明員 下期におきますところの粗糖についての外貨の割当は、一応四十六万トンでもつて計画を立てております。
  142. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そうするとその計画というものは、三月末までに一応完了する計画なんですね。
  143. 東辻正夫

    ○東辻説明員 その中には本年三月末におきます在庫と、翌年度四月以降、四月、五月、六月ぐらいに消費するものを、含んで四十六万トンという数字を出しておるのでございます。
  144. 中村時雄

    ○中村(時)委員 それではどういうふうになりますか。あるいは輸入措置というものがそれに対する計画として大体完了しておるかどうか伺いたい。
  145. 東辻正夫

    ○東辻説明員 外貨の設置につきましては、まだ外交的に交渉がまとまらないもの、あるいは現物が海外にないといつたような事情から残つておりますのが、まだ四万トンございます。それ以外を除きましては、大体今までに一応予算的の実施は見ておるわけであります。
  146. 中村時雄

    ○中村(時)委員 私の言うのは予算実施じやなくて、そういう措置が完了したかどうか。入つて来たのが……。
  147. 東辻正夫

    ○東辻説明員 四万トンを除いて今まで実施されましたもので、入つて来る予想といたしましては、翌年度に繰越して、スリツプして入るものは、大体二十二万トンから二十三万トン程度のものが翌年度の四月以降に到着を見るのではないか、かように考えております。
  148. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そうすると、計画は二月ということを言つておりながら、四月以降にその二十二万トンないし二十三万トンということになりますから、当初の計画は大分ずれたということになるわけですね。
  149. 東辻正夫

    ○東辻説明員 計画通りには一応入つて来てはおりません。
  150. 中村時雄

    ○中村(時)委員 その計画通りなつてないということが、たとえばどういうことになつておるかといえば、行政措置が非常に遅れたということが、先ほどの問題と相関連しまして、価格の高騰を非常に促進をしておる。そこまで来ると、今度は問題が起つて来る。たとえば行政措置としてはできなかつたかということなんです。ところがわれわれしろうとかもしれませんが、見た目において、官庁折衝なり、あるいは今言つたような問題は、事務的には私はできたと思うのです。また事務的にできるとも思うのです。にもかかわらずこういう事柄がすなおに行かない見通しもわかつておる、昨年度から問題にもなつておる、にもかかわらずここにこれにブレーキをかけておるものがあるかないかという問題が出て来る。想像ができる。その問題に対して事務当局としてはどう考えていらつしやるか。
  151. 東辻正夫

    ○東辻説明員 先ほど私申し上げました数字で、四十六万トンと申し上げましたのは、来年度の四月以降に繰越して到着するものを当初見込んで四十六万トンでございます。それからなお外貨の割当につきましては、私どもといたしましては、この下期の予算をできるだけ早急に実施すベく、通産、大蔵方面とも交渉いたしたわけでございますが、これはもつぱら外貨事情によつてその実施が小刻み的になり、またその実施も遅れた、こういうふうに考えております。
  152. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そういうことから、たとえば製糖工業会と政府とのいろいろな臆測が生れて来るわけです。この問題は将来私はもう一回関連質問として取上げたいと思いますので、これは保留いたします。
  153. 川俣清音

    川俣委員 関連して伺います。今の輸入の問題ですが、もしもあなたの言うような計画が信用されるとすれば、こんな砂糖の上り方はしなかつたと思う。計画計画通り順次訂正されて行つて不安がなければ、こんなむちやな思惑相場は私は出て来ないと思わなければならぬと思う。あなた方の手を打つたのが齟齬を来したので、思惑が出て来ておる。それをどうも計画通り行つておるんだということになると、計画通り行つていてもなおこんな思惑が出て来るのか、計画がくずれたために思惑が出て来たのか、この点をはつきりしなければ将来の対策は立たないと思うのです。その点は非常にあいまいだと思う。新聞等の伝えるところによりますれば、「一—三月分の輸入粗糖二十万トンのうち輸入公表をみたのはブラジル糖五万トンのみで残りの分は外貨事情もからんで見通し難となつており、ブラジル粗糖の入着も三月に間に合わない、」というようなことから思惑が出て来ておる。これがその一つの原因だと考えられておる。従つてあなた方の計画は、やはり計画計画として齟齬はあるであろうから、その齟齬をする場合には、どういう調整をするかという用意をしておかないと、行政の裏をかかれて、思惑が発生して来るということは、常にやられていることでありますから、常に行政の面としてはその点を落してはならないものだというふうにお考えにならなかつたかどうか、この点です。  それからもう一つさかのぼつてお聞きしますけれども、独禁法違反として処分を待つというのは、これは行政庁のとるべき態度ではないと思う。行政官庁としては、その処分の前に、かかることが起きないように行政指導することがその任務だと思う。罰金をとるとか違反として摘発することが行政官庁の任務とは思わない。この点について総務部長から御答弁を願い、前の点については食品課長から御答弁願いたい。
  154. 新沢寧

    ○新沢説明員 製糖業者によるカルテル行為の問題でございますが、これは確かに先ほど経済局長から御答弁がありましたように、業者の本能としてともすればそういう方向に走りやすい。ことに業者の数もたくさんございませんので、とにかくそういう方向に走りやすいということは認めざるを得ないと思いますが、実態がすぐつかめるようでありますれば話が簡単なのでございまして、実態がつかみがたい形で行われるのが通例でありますので、なかなか私どもの力として、すぐつかみ得ないということと、それから砂糖の価格の高騰も、これは一月の末ごろから外貨割当等がいろいろな事情でうまく進まなかつた。また予定していた到着が遅れたというようなことで、非常に急激に上つたものでありますので、私どもの関心といたしましても、まず第一に、この未決になつております外貨の割当を早く進めたい。そうすれば、予定通りつて参りますれば、需給面からいえばこの価格の高騰は防げるのではないかというような、重点の置き方がそういう点にありました等の関係で、十分な調査が遅れておりますことははなはだ申訳ないと思つておりますが、私どももその点念頭に置きまして、適当な機会に、もしそういうことが不幸にして起つておるといたしますれば、行政庁の責任において急速に是正いたしたいと考えております。
  155. 東辻正夫

    ○東辻説明員 高くなつた原因といたしまして、計画通り到着ができていないということはその通りでございまして、私どもといたしましては、残つた四万トンを、今総務部長からお答え申し上げましたように、早期に実施を見るように努力いたしておりますし、なお台湾からも、場合によりましてはできるだけの数量を急場に間に会うように入れようということで、今通産省とも連絡中でございますし、また政府が手持ちいたしておりますてん菜糖につきましても、できるだけ早くこれを放出するように今段取りをつけておるところでございます。
  156. 足立篤郎

    ○足立委員 今、川俣さんから御質問のありました点について新沢総務部長がお答えになつたのですが、私不勉強でまことにつかぬことを伺うようですが、実態をよく調べて、実態がわかれば行政庁の責任において善処するという意味のお答えがあつた。その場合に、現在のこの法制のもとにおいて、どういう根拠でどういう具体的な処置がとられて、実効のある方法がとられ得るのか、その根拠と内容、実質的な効果等について御説明を伺いたいと思います。
  157. 新沢寧

    ○新沢説明員 現在の状態において砂糖会社が価格のつり上げあるいは高い価格を維持するためになし得る手段としてさしあたつて考えられますのは、砂糖取引所、商品取引所を利用することにあろうと思います。先ほど中村委員からもそういうような疑わしき事態が行われつつあるというお話がございましたが、私どもその実態をつまびらかにしておりませんので、はたしてその通り行われておるかどうかわかりませんが、方法としてはそういうことが一番考えられると思います。そうだといたしますれば、これはもちろん法的な権限のある問題ではありませんので、勧告ということになろうと思いますが、取引所に対して、不自然な価格を出現せしめるような出方について自粛を求めるこいうことになるかと思います。
  158. 足立篤郎

    ○足立委員 そうなると、今あなたが行政庁の責任においてという、非常に大見栄を切つたのでふしぎに思うのですが、そこまで一体責任を負えるのですか。それとも今の制度が悪いから直さなければ、あなたのおつしやるような決意は実現されないのではないかということです。今の制度がいいか悪いかは別にして、今のもとにおいて今あなたのおつしやつたような、行政庁の責任において、これをやるのだという大見栄を切られても、はたしてそれができるのかどうかという点を伺いたい。
  159. 新沢寧

    ○新沢説明員 確かに御指摘通り、現在の法体系のもとといいますか、現在の砂糖の価格に対して、別に法的な根拠もありませんのでありますが、従いまして行政庁の責任といつて、実効のある方法といつてつきつめられますとはなはだ困難でありますけれども、しかしこれは国民生活一般に関係する問題でありますので、そういう事情がありますれば、十分行政庁といたしましても関係のものを呼んで懇談をし、自粛を求めるということはできようかと思つております。但しその効果はどうかということになりますと、それは受入れる側でどれだけ自粛をし守つてくれるかどうかということにかかつて来ようかと思いますが、法的の根拠云々と仰せられますと的確のものはないわけでありますが、実際上の措置としてはある程度のことの効果は現われるように行き得るのではないかと思つております。
  160. 川俣清音

    川俣委員 今総務部長は、もう少し実態を把握しないというと、はたしてカルテル結んだ価格になつているかどうかわからないというような説明であつたのですが、これは非常な間違いですよ。現実に行われている価格というものは、一つのカルテルの結果生れて来た価格であるということは、これは何人も否定しないのです。しかしながらいつそういう協定を結んだかどうかというようなものを把握できないということは、これは言えるのです。それはあなた方の職権ではなかなかできないでしよう。そこでその点はいわゆる公取が審査しなければならないということになるのです。現実に進行している状態は、これは何人も否定できないですよ。現に行われておるのだから……。これをどういうように法を侵してやつたかという根拠がつかめないというならわかります。現実の姿が正常な姿だということは、あなた方需給を受持つておる人からいつて、こんな不自然な姿が出て来ないということはおわかりになるだろうと思う。あなた方が計画されておつた状態からいつて、こんな不自然な姿が出て来るとお考えになりますか。おそらく予想しない価格でしよう、これは食品課長どうでしよう、あなた方予想している価格ですか、予想していない価格でしよう。これは自然に出て来たのではない、協定の結果出て来た価格なんです。これは何人も否定できない。しかしその現実の材料というか、犯罪的な資料をつかむということは非常に困難だということは、これは言えましよう。これはいつどこで協定を結んだか、だれとだれが一体携わつたかと言うことは、これはできないでしよう。現に価格が、あなた方が需給を受持つておる面からいつて、意見の結果が生れて来ている。これは単なる自然的な現象ではなくて、ある作為なものであるということは否定できないと思う。そうじやないですか、私はそうだと思う。それからもう一つ、それに対して行政上断固できるといつたことは行き過ぎじやないかというけれども、私は割当は、別に法で根拠に基いて割当てておるのじやないと思うのです。設備資金に基いて割当てるという法的根拠はありますか、ないでしよう。行政処置でしよう。それですから、割当を変更するなんということはできないことはないのです。これが一番おそろしい、これは罰金よりも何よりも、割当を変更すると言われたら、これは一番大きな痛手なんです。そこで私は、新沢総務部長は大いなる見栄を切られたんですが、先ほどは法的根拠があまりないのにだんびらを振うなと言われたが、私は大いにだんびらを振り得る理由があると思うのです。この点についてお答え願いたい。
  161. 新沢寧

    ○新沢説明員 一月以降の砂糖の価格につきましては、いろいろの見方をなさつておる方がございます。今お話のように、砂糖業者が人為的に価格をつり上げてるんだという声を耳にしないではございません。しかしまた別にほかの説をなす人もありまして、最近におきます商品取引所における価格が、大体膠着状態を示しておりますために、商品取引所に流れ込んだ資金が商品取引所、ことに最近思惑の対象になりやすい砂糖の方に流れ込んで来て、いわゆる場違いの人が入つて来たからだという見方をなさつておる方もあるように私は聞いております。砂糖会社だけの力でこの価格が現われたとも言いきれない面があるのではなかろうかと思つております。従いましてこの点十分実態をきわめてからでないと、判断を下せないのではないかと思つております。実態がわかりまして不当の手が動いてるということでございますならば、行政庁の力として及ぶ限りの是正の手段は講じなければならないと思います。
  162. 川俣清音

    川俣委員 これはたいへんな御答弁であります。独禁法を侵してまで行政庁と対立してやられるということだつたら、これはやむを得なかつた、これはまつたく裏をかかれたんだから行政上の失敗じやない、こう抗弁されるなら、これも言えないことはないと思うのです。ところがこういう価格が現われて来ることが予想されておつたのだ、あるいは予想に近いものだというようなことになつたら、これは行政の大きな失敗です。また砂糖会社以外のものがやつたとしますと、それは行政の行届きが悪いからです。法の裏をくぐつてやられたなら、これはやむを得ないかもしれない。これならわれわれもあえて追究いたしません。だけれども自然的現象でこういう結果になつたのだとするならば、これは行政の大きな失陥だと思う。手落ちだというふうにお考えにはなりませんか。
  163. 新沢寧

    ○新沢説明員 私の説明は言葉が足りなかつたかと思いますが、現在の砂糖の価格、これは私どもといたしましても、正常であることは考えておりません。またその価格が出現した原因といたしまして、供給側の面において当初予定しておりました通り砂糖の輸入が進まなかつた。供給面において当初予定しておりませんでした欠陥が出て参りましたことが、いろいろな思惑を引起す原因になつたということで、まつたく予想した通りの結果になつたというわけではありませんで、いろいろの結果が累積いたしましてこういうことになりましたので、私どもといたしましても、正常でない、不自然な価格でなしに、早く正常の価格にもどしたいということで、先ほど食品課長からお話申し上げました通り、当面非常に縮減して参りました供給力を、急速に計画の線まで持つて来ようというので、いろいろ施策を講じつつあるような次第でございます。こういう価格が現われましたことに対しましては、いろいろの点が重なり合つたのでありますけれども、この価格を正常な価格だ、あるべき価格だと言つておるわけではございません。そのことを申し上げておきます。
  164. 中村時雄

    ○中村(時)委員 次に政務次官が製糖工場の能力査定に関するいろいろな問題をおつしやいましたけれども、設備というものが二百五十万トンあるというお話でありましたが、それに対して、たとえば農林省でそれを査定するとか、あるいは能力の検査をする、そういう具体的なお考えを持つておるかどうか。
  165. 平野三郎

    平野政府委員 先ほど二百五十万トンと申し上げましたのは、訂正いたしますが、二百万トン程度というつもりで申し上げたのでありまして、その点御了承いただきたいと思います。この能力につきましては、専門家に委嘱をいたしまして調査を進めるというふうに考えておる次第であります。
  166. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そういたしますと、製糖工場はおそらく作業を停止して整理に入らなければならぬという現象になつて来る。そうしますと、原料不足という理由で割当を制限しているのに、またその上へ持つて来て工場の作業を中止されれば、いよいよますます市場価格としては問題が起つて来ると思うのです。それに対してはどういうお考えですか。
  167. 平野三郎

    平野政府委員 その点につきましては、お話通り、いろいろな問題が起ると存じますので、ただいまそれらの善後措置につき鋭意検討を進めて、とりあえず工場の設備の現在以上の拡充ということは停止をするという施策を講じておるわけでございます。
  168. 中村時雄

    ○中村(時)委員 施策はけつこうなんです。私たちも必要だと思う。但し、その結果がどう出て来るかということをやはり頭に置いて、具体的にどういうふうに手を打つかということが最も大事な問題になつて来る。それに対してどういう手段、どういう方法考えていらつしやるかをお聞きしているわけなんです。
  169. 平野三郎

    平野政府委員 これは日本経済全体の総合的立場から、ある程度合理化の方向に進むというために、多少の浮き沈みができるということは起り得るわけでございますが、設備の過剰がこれ以上起きないようにできるだけ指導いたしますとともに、現在あるいろいろな設備の合理的な運用については適切な方法を講ずるということで、目下研究を進めておる、こういう段階でございます。
  170. 中村時雄

    ○中村(時)委員 合理化とか、経済全体、そういうことはよくわかつているので、私の言うのはそういう問題じやない。一つ一つを具体的に今取上げて言つておる。そうして一歩でも価格を安くしようというのがねらいなんですから、全般の問題ではない。今言つている焦点は、片一方でこういうふうに検査をして、一つの制限を加え、あるいは中止をして整理しなければならぬという場合、手持ち原料は少い、そこへ持つて来て工場がそうなればストツクが非常に少くなる。そこで値段が下るのではなく、一時的の現象であろうとどうであろうと、逆にこれ以上高くなるというおそれをわれわれは抱く。そこでそれに対して高くさせないという、一つの何か考え方を持つているかどうかをお聞きしているのです。
  171. 平野三郎

    平野政府委員 その点は、ただいま研究をいたしておるわけでございまして、それでもまたいろいろな手があると存じます。別な方法から、食生活改善の面において学校給食等の分に対するある程度の政府の手持ちをするようにして、それを安く配給するというような、そういういろいろなことにつきまして研究をいたしておるわけでございます。
  172. 中村時雄

    ○中村(時)委員 物事はまず一つ計画ということを考えて、こういうような問題が起つてはいけないから今後直そうではないかというように、少くとも一つの根底がなくちやならぬ。あなた方はその根底も何も考えないで、ただ現象だけとらえて追つて行くから、あなたがおつしやるようにかえつて国民経済というものは非常な不安定になつて来る。ですからそういう一つの手段なり、方法なりというものをはつきり持つて、そうしてその上にのつとつて、たとえば工場の検査をやつてみるとか、いろいろな方式はその上に出て来なければならぬ。あなたの方は反対です。どうなるかわからない。多分危険だと思いながら、片一方の危険なところをつつきおる。そういう施策をはたしてあなたは今後もとられるのかどうか。
  173. 平野三郎

    平野政府委員 これはまた今鋭意研究を進めておる段階で、確定的なことは申し上げかねますが、私個人の考えといたしましては、今お話通りであると思うので、やはり政府がある程度の量を手持ちをして、それを適切に運用することがなければ、どうしても問題の解決はできないのではないか。従つて政府がある程度持つた分において市場価格の調整をするということも必要でありますし、同時に先ほど申しましたように、食生活の改善の上で、実際に政府が手持ちのものを放出して行くというような方法、二つの面を通じて市場価格の安定をはかり、砂糖の消費の適正化をはかる、こういうことが必要であると考えております。
  174. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そういたしますと、あなたは、片一方の調査をすることよりも先に、たとえば台湾糖を幾ら持つて来る、これだけを確保するというところに重点が置かれていない。そうでしよう。これは量的に政府はこれだけのものを得るのだという線が一応確保された結果において出るべき問題です。それをあなたは逆に考えていらつしやるから私は聞いておるのです。たとえば、政府の手持ちが少いのだ、それでこれだけの外貨をもらつてこれだけのものをとらうじやないか、こういう一つの線があつてこそ初めて出るのです。だからそういう方向にやはり重点を置いて、その基礎をしつかりさせておいてから手を打つていただきたいと思います。これは何もあげ足をとつたり何かしておるわけではありません。そういう施策をまず根本的に考えてもらいたいということです。政務次官はそういうふうに今後やつていただけるかどうか。
  175. 平野三郎

    平野政府委員 その点はまつたくお話通り考えておるわけでありまして、今起つた現象をとらえて、ただあと追いをするというようなことでは決して問題の解決にならない。先ほどから申しますように、この際抜本的な対策を立てる必要があるということで今考えを進めておるようなわけでありますので、お話のような趣旨によつて、ひとつこの際問題の基本的な解決をはかりたい、こういうふうに進めておるわけであります。
  176. 中村時雄

    ○中村(時)委員 だんだん根本的な問題に入つて来出したわけでありますが、ここでもう一つその前にお願いしておきたいのは、これは私たちの推察なんです。だから決定じやないのですが、たとえば製糖工業会あるいは製糖工場などに関係した元の食糧庁の人たちが何名くらいおり、どういうポストに入つておるかということを至急に御調査いただき、ひとつ資料として提出していただきたい。これは河野先生からも砂糖に関して資料の提出を要求しておるはずですが、それもまだ出ていない。もう十日以上になりますが、この問題も速急に片づけていただきたい。でないと一つの総合的な感覚がくずれてしまう。
  177. 新沢寧

    ○新沢説明員 ただいま資料の御要求がございましたが、これは至急とりそろえて提出いたします。それから河野先生から御要求になりました資料は本日持参して来ておりますので、後ほど委員部を通じてお配りすることにいたします。
  178. 中村時雄

    ○中村(時)委員 その資料はひとつお願いいたします。それから現在の各製糖会社の手持ちの原料、それから三月中旬までに入荷するものが大体幾らぐらいかということを、課長からちよつと伺いたい。
  179. 東辻正夫

    ○東辻説明員 これは一応推定でありますが、申し上げますと、二月末の原糖の手持ちが大体九万八千トンくらいになつておるかと思います。なお三月以降四月、五月、六月については、まだ正確な輸入の見込がわかりませんので的確には申し上げられませんが、大体三月末で在庫としては三万八千トンくらいになるのじやないかと思います。
  180. 中村時雄

    ○中村(時)委員 今言われたように手持ち数量というものは非常に減少して来るわけですが、それは現在の段階ではしかたがないと思います。そこで、四月、五月の原料糖の緊急対策をどういうふうに考えていらつしやるか、ひとつお開きしておきたい。
  181. 東辻正夫

    ○東辻説明員 工場の在庫が減少して参つたというようなことからいたしまして、全体的に砂糖の供給量が減つておるわけでございますが、一応市販に出すものといたしましては、政府でただいま三万トンのてん菜糖を持つておりますので、これをできるだけ早く北海道から内地へ輸送いたしまして、それを入札して放出する。それから先ほどお話申し上げましたように、台湾の新糖を、うまく行けばこの三月に、大体三万トン程度積み出し得るのじやないかという話がございますので、これも通産省を通じまして目下交渉中でございます。  なおそのほかまだ予算実施を見ていない四万トンにつきましては、インドネシアのスイツチによりましてキユーバから粗糖を入れる計画がございます。そちらの方はまだインドネシアの外貨の事情あるいはその他の関係ではつきりいたしておりませんが、そのうちの約一万トンばかりは何とか近いうちに決定を見るのじやないか。かようなことによりまして、この四月、五月以降の在庫の減ります分、あるいは市販に出されている供給の少い分を、できるだけすみやかに補充して参りたい、かように考えて今努力中でございます。
  182. 中村時雄

    ○中村(時)委員 四月以降の問題は以降の問題としまして、三月中にたとえば台湾の新糖がそういうふうに入つて来る場合に、三月においてたとえばそれを精糖に切りかえるだけの行政措置が即座にできるかどうか、ひとつお聞きしておきたい。
  183. 東辻正夫

    ○東辻説明員 台湾の三万トンにつきましては、御承知のように台湾と日本との協定で、二十八年度における協定の数量内だけは一応二十八年度に輸入をいたしておりますので、四月以降来年三月までの砂糖を含めた全般の日台の協定がどうなるかという問題と、それから現在のところ価格が百十五ドルということになつておりますが、こちらとしてはできるだけ安く買いたいという、この二つの問題がございまして、目下交渉中でございます。もし三月中にこの交渉が成立しますれば、早ければ大体二週間くらいで到着をするのじやないか、かように見込まれます。
  184. 中村時雄

    ○中村(時)委員 価格の問題が出ましたから、それでは価格の問題に入つて行きたいと思います。経済局長お尋ねしたいのでありますが、あなたはこの前私が質問をいたしました際に六十一円二十銭をもつてこれが安定帯価格であるというお答えをなさつた。そのときに私が、それは原価計算から来たものか、あるいはどのような計数の立て方をしたものか、そういうことをお聞きしたところが、そういう把握は十分にしてなくて、ただ単にこのくらいが妥当でないかと思うというお話であつた。そうすると現在はどのように思つていらつしやるか、まずこれを第一に伺いたい。
  185. 小倉武一

    小倉政府委員 六十一円二十銭というのは当時の市価であつたと思いますが、当時の状況から申しまして、六十円余りのところが妥当じやないかというふうに申し上げたように記憶しております。現在は、その後消費税の関係あるいは輸入原価等が若干かわつておりますから、多少の違いがございましようが、ただいまの八十円以上あるいは九十円近くの価格というものが異常な高値であることは申すまでもございません。
  186. 中村時雄

    ○中村(時)委員 高値であるとすればやはり行政処置としては、というよりも、一応あなたが常に言つていらつしやる安定帯価格の線において——生産という面から打出すことは非常に困難ですから、今あなたが申しましたような線をとつて、たとえば輸入業者の利潤の問題あるいは税金の問題、そういう問題を全部ひつくるめると、大体幾らくらいが最も妥当であるとお考えなつているのですか。生産価格とまでは申しません。
  187. 小倉武一

    小倉政府委員 これは先ほどから御議論がございましたように、現在の需給の状態等からかような価格になつておりますので、価格を安定させますために輸入手当が目下急がれておるのでありますが、そういう点が十分目安がつきませんと、どの程度の価格になり得るか、またどういう価格にしたらいいかということは、ちよつと申し上げかねると思います。
  188. 中村時雄

    ○中村(時)委員 この点があなたと私とのこの前の問題の焦点であつたわけです。私はこの前の——今のじやない。今のは今発表いたしますが、この前のときにあなたにお尋ねしたら、あなたはあいまい模糊としてはつきりお答えが出なかつた。そこで私が、その当時の換算の仕方を百五ドルないし百十ドルとして、輸入税を現在の二〇%とすると、大体百二十六ドルになる。これを三百六十円で換算して四万五千三百六十円、一トンを千六百六十六斤として大体一斤二十七円三十銭、これに原料価格一斤当り八円を加えて、精糖を販売するメーカーにおいて大体これが妥当であるという、それらを全部総合すると五十四円八十銭という値が出るが、それに対してあなたの六十二円と私の今言つた値段とが対立したわけです。そこで今度これにのつとりまして、一応この原価計算をやつてみたらどういう結果が出るか。あなたの方は大体漠然と——実に漠然だと思うのです。これでは一つの線が引けない。価格は上つて行く。ほうりつぱなしである。調査もできない。こういう結果が今出て来たわけですが、それに対してどういう観点に立つて、どこに基礎を置いて価格の構成を考えておられるか。もちろん値を下げるには、それに基いたところまで下げて行きたいという努力が必要なんです。だからあなたのおつしやる価格の一応の安定線をどうしてもはつきり打出さなくては、下げろといつてもどこまで下げていいかわからない。その基本線をどこに求めていらつしやるかをお尋ねしたい。
  189. 小倉武一

    小倉政府委員 これは多少の見方の違いはありましようが、輸入価格によつておのずからきまつて来るのでありまして、そういう線に持つて行くのには、どうしても内需に見合つて需要をまかなえる程度のものが相当程度入つて来ることが前提でなくては、価格だけを離してなかなか論議がしにくいと思います。相当量のものが入つて来る外貨上の処置ができるということでありますれば、輸入の時期等のこともありますが、その折には妥当な線を打出して、さようなことで施策を講じて行くということができるのでありますが、ただいまのところは、どの程度の価格であるということを打出しましても、先ほどから御議論のようなことでなかなか困難ではないか思います。
  190. 中村時雄

    ○中村(時)委員 今言つた価格は非常に基本線になつておる。下げろ下げろで一体どこが基本になるか、今までのではさつぱりわからない。たとえば最近のニユーヨーク市場のパウンド換算をやつてみますと、現在三ドル四十セント、一トンに換算すると大体七十四ドル八十セントになつております。それへ持つて来て運賃諸掛が十三ドル五十セント、それから輸出利益を一〇%としてこれが七ドル四十八セント、合計日本のFOBで九十五ドル七十八セントになつております。それに輸入税を二〇%加算いたしますと十九ドル十五セント、それに生糸の損失補償五十ドル、そういうふうになつて来て、それらを総計いたしますと大体百六十四ドル九十三セントという線が出て来るわけです。そしてそれを換算いたしますと、一斤当りの換算が十セント三ですから、円価に直して三十七円という線が出て来る。この問題は非常に重大な価格構成の問題でありますから、あなたといろいろ話合いをしてみたいと思いますが、実は時間が四時半までということになつておりますので、一応三十七円のところでとどめて、以下この次の問題として取上げて行きたいと思いますから、本日はこの問題は留保いたします。     —————————————
  191. 井出一太郎

    井出委員長 この際お諮りいたします。委員の異動に伴いまして小委員に欠員を生じております。この補欠委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  192. 井出一太郎

    井出委員長 御異議なしと認め、林業小委員井手以誠君川俣清音君を、蚕糸小委員に今井耕君、農業災害補償制度の小委員に今井耕君を指名いたします。  なお林業に関する小委員長も欠員になつておりますので、この際委員長において小委員長従前通り川俣清音君を指名いたしたいと思いますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  193. 井出一太郎

    井出委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  残余の質疑は次会に延期し、本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十分散会