○川俣
委員 先ほどの
理事会の申合せによりまして、減収加算の問題については、大臣の出席を求めて質疑を続けるということにな
つておりますので、きようの
質問は関連の部分だけにとどめておきます。
そこで、
平野政務次官の答弁は、まことに無責任きわまる答弁だと思うんです。ということは、第一回の
米価審議会において五百円という加算を出しましたのは、当時の速記録をごらんになりましても明らかなごとく、当時の作況が明らかでないために、この計算の方式をも
つてすれば五百円内外になる、こういうことが当時五百円の概算払いを決定した意味であります。そのときの
政府の態度は、減収加算の方式というものはできるのであるから、機械的にあとで計算してもよろしいのではないかということが大臣から述べられている。ただ当時の作況が明らかでなかつたというだけが問題であります。もう
一つの問題として、それらを加算した場合において、一般財政から負担するのか、あるいは消費者に負担させるのかという問題は確かに残
つておりましたけれども、分散度を見るというようなことで五百円が出たものでないことは明らかであります。また
米価審議会の
意見を尊重するということになりまするならば、当然
米価審議会としての決定を尊重されなければなりません。その中の少数
意見が出たことをも
つて米価審議会の
意見を尊重したということにはならないと思う。あなたはいつでも、少数
意見でも自分に都合のいいときには、そこの
意見だというふうに見えられるのですか。これは重大なことですよ。そうでなくて、やはり決定された決議を尊重することが
米価審議会の
意見を尊重するということになると思う。その一部を尊重すれば全部を尊重したのだというような
考え方で御答弁に
なつたとしますならば、御取消し願わなければならぬと思う。大体五百円の計算は、当時九〇%しか作況を見なかつたために出た計算である。これが一点です。
もう
一つ、
食糧庁長官にこれは
質問でなくて
要求を出しておきますが、今分散度などということが出ております。しかしながら豊凶係数が著しく現われるというときは、必ず分散度が
伴つているときである。
日本の農業の歴史を見て、凶作であつたという場合、これは天候に支配されて、台風とか水害が起
つて来るのでありますから、必ずどこかに部分的に大きな障害が起つたときに凶作が現われて来るのです。
日本全体に一様に凶作が現われたというようなことはないのです。どこかに異常な作況が現われたときに、減収というものが非常に拡大されて出て来る。そうでないという御
説明でありますならば、
日本の過去の全部のデータを出してください。豊作であつた場合、凶作であつた場合の各県の作況を農林省は持
つておられるはずでありますから、その作況を出してください。その作況が出て参りますならば、あなたの
説明がデータによ
つてくつがえされるということが十分おわかりだと思う。農林省から出たデータによ
つてあなたの
意見を批判しますから、全部あさ
つてまでに出してください。
それから時間がありませんから、
大蔵当局にお聞きしておきますが、農林省がでたらめな案を持
つて来て、計数を合わして来れば
大蔵省は見るのだというような、卑怯な態度はやめるべきだと思う。やはりあなたとしては、こういう財政支出をすることによ
つて円価が下
つて来るからいけないのだとか、あるいは
日本の財政事情がこういう時だからいけないのだということを明瞭にしなければいけない。何かあなたの方に気に入るような
数字を持
つて来て、そこで
予算をとるというような卑怯な態度に対して、あなたは厳重に
大蔵省当局の態度を守るべきだと私は思う。これが一点です。
もう
一つ大蔵当局にお尋ねしておきますが、よく消費
米価をきめるときにはコスト主義をとるのだ、こう言われております。コスト主義を拡大して行きますならば、その説を貫こうとするならば、生産費においてもまたコスト主義をとらざるを得ないと思う。消費価格はコスト主義、原価計算主義をとるというならばかかつただけの負担を消費者に負わせるという
考え方も
一つの方法だと思いますけれども、それでありますならば、生産費においてもまたかかつただけの経費を負担するという
考え方でなければ一貫しないのじやないか。今日起きておりますような造船疑獄にいたしましても、かかつた経費をある
程度見て行かなければならないというところから、利子補給や
補助が生れて来ておると思うのです。ところが農産物だけ、特に
米価だけは、これは全体の国民
食糧をまかなうためであるから、コストを割
つてもいいというような議論がなされることは、誤りだとあなたはお
考えにならないかどうか、コスト主義を貫こうとするならば、やはり米の生産費においても同様な
考え方をしなければならないとお
考えにならないかどうか、この点だけ伺
つておきたい。