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芳賀委員 最後にお伺いいたしますが、最近の
国会では、行政監察とか決算
委員会等が中心にな
つて、汚職事件等が中心課題にな
つておるような
状態でありますが、
農林関係においても不明朗な問題が絶対ないとは言えません。たとえば黄変米の問題等につきましても、一石一万四百円くらいで
輸入したものが四千六百円で払下げが行われておる。さらにそれが一万二千円ぐらいで処理されたというような実情も
承知しておりますが、こういうような問題の今後の明確なる処理
方針を伺いたい。あるいはまた麻袋の問題ですが、
輸入米は当然麻袋へ入
つて来るにもかかわらず、八百万枚もの麻袋をつく
つてその処分にま
つたく困
つておる、こういう問題も決して明朗なやり方であ
つたと何人も言うことはできぬわけであります。麻袋の問題等も
大臣は三月中には処分ができると言われたそうでありますけれ
ども、この御処分に対しても相当御苦労が多いというふうに
考えておるわけであります。
次に硫安の出血輸出等にからんで、その見返りとしてのあるいはバナナの
輸入等による外貨の不当割当とか、これによ
つて生ずる不当利潤の問題、あるいはまた砂糖の
輸入等の問題もそうでありますが、砂糖の
輸入の場合においては、原料糖を
輸入するということにな
つております。この粗糖を
大臣実際にごらんに
なつたかどうか知りませんが、いわゆるざらめというものが粗糖なんであります。これはあえて精製糖にしなくても、一般家庭等において使用できないというのではないと思うのであります。しかも砂糖の
輸入の場合においては、原料糖は一トン八十七ドル七十一セントくらいで入
つて来るわけであります。これに二〇%の関税がかか
つて、それに
消費税が一斤二十三円五十銭でありますから、原料糖の場合においては、大体一斤が
消費税を入れても四十六円二十八銭くらいで上るのであります。これは一般家庭等において危険だから使えないというものでは決してないと思うのであります。しかしこれを
国内十九の糖業会社に配給して、ここで精製糖として製品化された場合における市販の値段は、大体一斤が九十円くらいにな
つておるわけであります。ここに厖大なる利潤の追求が行われておるわけであります。しかも現在の十九社の日産能力は六千四百三十トンくらいでありますが、最近稼働能力をまた増設する動きが出まして、二千三百七十トンくらいの増設が行われた
関係上、八千八百トンの日産能力を持つわけであります。しかも
昭和二十八
年度の
輸入量は年間百万トン、今
年度は大体七十五万トンくらいに押えるというような構想であります。そういたしますと、操業度は五〇%以下であるというふうに
考えるわけでありまして、なぜ砂糖会社がこのように増設を行うか、その陰には砂糖に対する外貨の割当の問題等がからんで来ると思うのであります。十万トンの砂糖を入れた場合において、約二十七億の不当利潤が上る。百万トンの場合においては、二百七十億のもうけが砂糖を
輸入して精製糖にすることによ
つて出て来るのであります。決してこれを不正であるというふうに断ずるわけではありませんけれ
ども、こういうところにいわゆる
国際収支の
逆調という要素が横たわ
つているということを、
大臣も御
承知願いたいと思うのであります。特にこの増設の場合においても、自由党の政調会長であるところの池田勇人氏が社長をや
つている名古屋精糖のごときは、千八十五トンの増設をや
つている。そういうことにして割当を少しでもよけいもらうようなことにな
つているわけでありますが、こういうような
国民の目の届かないところに行われている、
輸入砂糖をめぐるところのあくなき利潤追求の姿というような問題に対しても、砂糖を
輸入食糧の一環として認められている場合においては、主管の農林省においても、当然これらの点に対して十分なる再検討が必要であるというふうに
考えるのでありますし、もう
一つは、このようにことごとくを精製糖にして家庭に流すというよりも、粉食に切りかえるというような場合においては、当然乳製品とか砂糖というようなものは、
食生活の中においてその
供給度がふえて行くというように
考えられるわけでありますが、これらの点を総合して、
農林大臣はどのようなお
考えを持
つておられるか。また聞くところによると、昨年の九月ごろ
政府は
外米を台湾
政府に対して五千トン貸してあるというようなことを
承知しているわけでありますが、昨
年度の水害、凶作により非常に
国内の
食糧が不足してお
つて、そしてやみの米価等が高いという場合において、何のためにビルマから買
つた米を台湾
政府に貸さなければならなか
つたか、いまだにそれは返済されていないというようなことでありますが、それほどわが国においては
食糧が余
つて、蒋介石政権に米を貸さなければ保管に困るような
状態であるかどうかということも、一応
承知しておきたいのであります。
さらにまた黄変米の一部が南鮮に渡
つたというような話も一部には流布されているわけであります。このことに対しては確認がなかなか至難でありますけれ
ども、こういうような問題を
国民が知
つた場合においてどういう
考え方を持つかということは、おのずからわかるのであります。
農林大臣においては、これらの問題に対するお
考えは一応きま
つていると思うのでありますが、この点について率直なる御意見をお伺いしておきたいと思うのであります。