○齋藤
委員 私は、皆さんお疲れでございましようから簡潔に申し上げて、
内閣委員長を通じて内閣
委員各位に賢明なる御
考慮を願いたいと存ずるわけであります。
郵政
大臣として塚田
大臣が
電波行政にいかなる抱負経倫をお持ちにな
つているかということは、この間厖大な
電波行政に対する白書が出されたものでわかります。これを内閣
委員各位がお読みになりますると、今日の
電波というものが世界的にまた日本的にいかなる地位にあるかということは、よくおわかりになると思うのであります。専門的に
考えましても、また普通の常識において
考えましても、今日世界の態勢から
電波行政というものを重視しないということであつたならば、その国の前途はまことに憂うべきものであるということは、塚田
大臣の行政白書にも至るところに見えておるのであります。しかもその中で塚田
大臣は、この
電波行政はほかの行政と違うのだ、ほかの行政は何十年のしきたりがあるのだけれ
ども、
電波行政はまつたく新しい行政なのだ、であるか世界の進運に即応して、この
電波行政というものはあくまでも強化拡充して行かなければならぬということを強く力説されておるのであります。それでありまするから、この観点に立ちますると、
電波行政に対する
人員整理などというものは、およそ
大臣の心境に照して逆なコースを走
つているということは、たびたびの
質疑応答によ
つて明白にされておるのであります。私はおよそ電通委が開催せられておりまするときには、一回も休むことなく、この点に重点を置いて当局と
質疑応答を重ねておるのでありますから、郵政
大臣並びに
電波監理局長の心境を打診いたしますと、これはできないのだけれ
ども、
行政整理というものに歩調を合せるためにやむを得ずこの
人数を出したという結論にしかならないのであります。なかなか本音を承ることはできないのでありますけれ
ども、いろいろの角度から
質問して見るとそういうふうになる。でありますから内閣
委員に差上げましたところの本日の申入れの中にも、昭和二十九年度においては三百五十名の
増員を
考えなければ、今日の
事態を
最小限度において収拾して、行政に支障なからしめることはできないという結論からこれを
要求しておるのに、それが全部削られてしまつた。今二百十七名
減員しますとどういう結果になるか。
電波行政というものは世界的に国内的に非常な将来性を持
つている。これに多くの国家再建のウエートを加える必要のないものであつたらそれは別であります。しかし一たび
電波法を開いて見れば、明確に書いてある。すなわち十キロサイクルから三百万メガサイクルまでの間の周波数によ
つて、世界の一切のものが手にとるがごとくにわかり、国家の進運ないしは国民の教育、文化、産業あらゆる上にこれを推進して行かなければならぬ立場にな
つておるのであります。それでありますから、
電波行政白書に書かれておりま通りに、国家といたしまして、将来に光明を認める立場に立ちますと、この
電波行政というものは、実に重大視しなければならぬと思うのであります。この際に、私たちの驚いたことは、
減員が行われる、こういうのであります。十七、十八、十九回の国会の速記録を読みますと、行政改革を行う
建前から、われわれは
大臣に対して、
行政管理庁長官として、何とかして
機構を強化拡充して、何倍かにこれをふやしてもらいたいということをたびたびお願いしてあるのであります。それで遂に
内閣委員会に申入れをいたしたのであります。
大臣もこれは十分了承しておる。しかるに今度これを
減員する、むろん
人間だけじやないかもしれないが、一切の観点からい
つても、少しも強化拡充は行われない。
人員的に
考えて行けば、これは非常な逆コースを歩むということになるのであります。私はここにいろいろな資料を持
つておりますが、時間の関係上これを一切省略いたしますが、昭和二十六年度には三千四百五十八人おつたのであります。それが逆に今日は三千四十六人に
人間が減
つておる、七七%である。しかるに周波数は五百四十八あつたのが、今日では千百九十の周波数にふえておる、
無線局は五千八百五十四局あつたのに、今は一万千七十二局にふえておるのであります。これは二五四%ないしは二二八%にふえておる。そのほかに昨年八月から実施せられました有線の法令によりまして、今度はその方面までも
地方電波監理局に委譲されておるのであります。この点について二、三日前に
質問をいたしたのでありますが、今日は有線関係における
定員はわずかに二十名、これをも
つて厖大なる法案に規定されたところの
監督をやる、これは当局はできない
といつておる、できないということは、すべての
電波行政があらゆる面においてずさんきわまりなきところの
状態におかれておるということであります。これは国際関係におきまして、国内におきましても、あるいは防衛態勢におきましても、今後はますますふえるのであります。そういう観点に立
つているのにかかわらず、
行政整理をやらなければいけないから
といつて、一拍子に
減員をやるなんということは、私は郵政
大臣としては甚大なるところの敬意と信頼をいたしておりますが、
行政管理庁長官としては、これは頭を疑わなければいかぬのであります。私は行政管理というものは、不要なものは切る、国家的に伸ばすものは伸ばすという行政管理でなければ無意味だと思う。将来に必要なものも不要なものと一緒に
人員整理をや
つて、そうしてその行政の活発化を予想されるなんという
事態は私はないと思う。そういう点から
考えますと、これはまことにずさんきわまりないところの
行政整理案でありまして、かようなものに対しましては、賢明な内閣
委員各位は絶対に賛成しないと私は
考える。もしこういうことに対して内閣
委員各位が賛成せられるとするならば、その
委員としての職責の重大なるにかんがみて、われわれはこれをも不信任せざるを得ない。かくのごときことになりましたならば、まことに憂うべきであります。電気通信
委員は各党一致であります。いろいろな法案に対しましては、過日来その醜態をさらしましたごときいろいろな場面もございました。しかしながら、やはりわれわれは国民の代表として
考えますときに、日本の将来を思えばこそ、この
電波行政に関してはあらゆる立場、あらゆる場合におきまして、これは一致協力してこの
電波行政を拡大して、世界の進運に遅れざらんことを期して来たのであります。しかるに、そのことは担当
大臣として百も二百も
承知しており、しかも過日りつぱな
電波行政白書を出しておられながらこの
人員整理をおやりになるということは、私はわからぬのである。どういうお気持で
行政管理庁長官をお勤めにな
つておられるのでありますか。それを一ぺん承
つておきたいと
思います。