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1954-05-21 第19回国会 衆議院 内閣委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月二十一日(金曜日)     午前十一時二十八分開議  出席委員    委員長 稻村 順三君    理事 江藤 夏雄君 理事 平井 義一君    理事 山本 正一君 理事 高瀬  傳君    理事 下川儀太郎君 理事 鈴木 義男君       高橋  等君    永田 良吉君       船田  中君    八木 一郎君       山崎  巖君    飛鳥田一雄君       田中 稔男君    川島 金次君       冨吉 榮二君    中村 高一君       辻  政信君  出席国務大臣         国 務 大 臣 木村篤太郎君  出席政府委員         科学技術行政協         議会事務局長  千秋 邦夫君         総理府事務官         (調達庁総務部         長)      山内 隆一君         保安政務次官  前田 正男君         保安庁次長   増原 恵吉君         保安庁局長         (人事局長)  加藤 陽三君         保安庁局長         (経理局長)  石原 周夫君         法務政務次官  三浦寅之助君  委員外出席者         検     事         (入国管理局次         長)      宮下 明義君         専  門  員 龜卦川 浩君         専  門  員 小關 紹夫君     ————————————— 五月二十日  恩給の比例増額に関する請願外一件(加藤常太  郎君紹介)(第四八九八号)  行政機構改革に関する請願足鹿覺紹介)(  第四九四五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一一八号)(参議院送付)  航空技術審議会設置法案内閣提出第一七四  号)  調達庁設置法等の一部を改正する法律案内閣  提出第一七五号)  保安隊及び警備隊に関する件     —————————————
  2. 稻村順三

    稻村委員長 これより開会いたします。  法務省設置法の一部を改正する法律案航空技術審議会設置法案及び調達庁設置法等の一部を改正する法律案一括議題とし、質疑を行います。永田良君吉。
  3. 永田良吉

    永田(良)委員 航空審議会について一、二を簡単に御質問しておきたいと思います。内容を見てみましていろいろ各省関係がある、たとえて申し上げますと文部省とかあるいは通産省、運輸省保安庁とか、各関係があるからこれを統一してやりたい、それももつともだと思うのですが、私はそれでもまだ足らないのがありはしないかと思う。たとえて申し上げれば気象関係等の測候所は農林省関係ではないか、レーダー等関係から見てもつと——ごく簡単な質問ですが、国防会議会員の数と航空技術審議会の人の数を発表していただきたい。それを聞いてから質問いたします。
  4. 千秋邦夫

    千秋政府委員 それでは航空技術審議会関係のことについて申し上げたいと思います。  ただいま御質問に、気象等関係というようなこともございましたが、あれは運輸省関係のことでございまして、運輸省関係につきましては、これは全部入つておるのでございます。それで御参考までに、たしか差上げてあると思いますが、専門部会内容をごらん願いますればおわかりになると思いますが、この中にはたしか航空気象というのも入つておるのでございます。ただここで今永田委員からのお話ちよつと問題になりますのは、今後考えられまするところの航空医学航空心理学というような問題があるのでございます。これにつきましては、いずれ厚生省方面の方も関係あると思いますが、この問題が起きましたならば、そのとき入るようなかつこうになると思いますが、現在これにつきまして、各省間の連絡調整するようなむずかしい問題が起きておらないのでございます。御質問航空気象の点については、十分考えておるつもりでございます。
  5. 永田良吉

    永田(良)委員 ただいま人数を私は聞いておるのです。審議会会員の数が何名になるか。
  6. 千秋邦夫

    千秋政府委員 お答え申し上げます。委員は第四条によりまして十五人となつておりましてその内容関係各省方々と、それから学識経験者ということでございましてただいまのところは関係各省方々は、運輸、通産、保安庁文部省というふうに各省関係方々考えておりますが、そのほかに学識経験者方々が入つております。
  7. 永田良吉

    永田(良)委員 ただいま委員の数を十五名と御発表になりました。むろんそのくらいでもいいかもしれませんが、私は日本の将来の航空の面から考えてやはりもつと民間関係——たとえて言つてみますと、こういう方面には輿論の喚起にもたいへん関係がありますから、やはり新聞社なんかも航空機なんかも使つていらつしやるところもありますから、こういう報道関係方面からも一人は入れてもらうとか、またむろん民間航空機製造会社の重役なんかも一人くらいはやはり入れていただきたい。今の御発表によれば、ただ官庁役人だけが集まつて——むろん連絡はよくとれるわけでありますが、そればかりでは少しものさびしいのではないか。皆さん御存じ通り日本航空は終戦後八箇年も他の諸国に遅れております。これに追いつくには並たいていのことではないと思いますが、どの点から見ても、私はせつかくやるならば相当民間人も入れて、価値のある重要な審議会にしていただきたいと思うのです。この点についていかにお考えですか。
  8. 千秋邦夫

    千秋政府委員 先ほど私の説明が足りなかつたのでございますが、残りの十一人につきましては、十分民間の方方も入つていただくことになつておるのでございまして、ただいまのところどういう方をどう入れるかという原案はできておらないということでございます。なおこの委員のほかに第七条に、「専門委員を置くことができる。」ということになつておるのでございまして、この専門委員の中にも相当民間方々に入つていただくということになつておりまして、大体この専門部会は九つくらいを考えております。しかもその分科会は二十くらいを考えておるのでございます。この専門委員はまだ確定はしておりませんが、少くとも百名以上、百五十名くらいになるのではないかと思うのでございます。それには十分民間方々も入つていただきまして、日本全体の衆知を集めまして、航空技術に関するところの連絡調整をはかりたいということになつておるのでございます。
  9. 永田良吉

    永田(良)委員 まだ人のことについてもよく研究がついていないとおつしやるのですが、せつかく航空審議会が御発足になるならスタートが大事だと思う。私の考えではこういうことはもつと思い切つてなされぬといかぬ。わかわれが戦争に負けたのは広島と長崎の原爆で、みんな一ぺんに手を上げてしまつたのですが、この航空のことはやはり原子爆弾とか水素爆弾との関係等も、あわせて研究しなければならぬと思うのであります。こういう点から思えば国防会議航空審議会とはあるいは合体したようなものにして、相当権威のある、もつと多数の人を集めておやりにならぬとだめです。日本の過去に皆さんが組織されたような、そういうようななまぬるい方法ではいかぬ。遅れたものが進歩したものに追いつくには、最初に発足するときの機構と気宇においてずいぶんの用意がないといかぬと思います。こういう点からもつと当局の方が、むろん他の優秀な国の航空機関係は、今までいろいろ御研究にもなつていると思うけれども、これはただ内輪で耳にするばかりではいけない、どうしても先進国アメリカであるとかイギリスソヴィエト等各国の優秀な航空機研究も、実地にこちらから乗り込んで行かなければならぬと思う。それにはずいぶん金のかかることで、国家財政の都合で最初から大きなことはできないと思いますが、いずれにしても最初出発点においてぐずぐずしておれば、遅れたものが優秀なものに追いつくことはできない。学生試験勉強と同じことで、相当用意と覚悟が必要であると思う。これはやや失礼な言い方だけれども、どうも温室的な従来のやり方ではだめだ、こう思うて、国を憂えるの余り申し上げるのであるが、もつと優秀ないろいろな方面の人を集めて審議をされぬというと、おそらく龍頭蛇尾に終りはせぬかと思います。これらについてどうお考えになりますか。
  10. 千秋邦夫

    千秋政府委員 ただいまの御意見はごもつともでございまして今後委員を任命いたしますに際しましては、十分御意見を尊重してきめることと思いますが、ただ現在におきましても、御趣旨のような点で進めて参つたのでございます。その点を御説明申し上げますと、この法案をつくります前に、各国状況を見て参らなければならないということで、航空研究施設調査団というものを派遣いたしたのであります。これにつきましては、ただいま私たちの方の予算がなくて困つたのでございますが、重点をそこに向けて出しまして、その中には官庁の者はたつた三名でございまして、大学の先生が二人、その他は全部民間の一流の技術者でございまして、全部で十二名で組織いたしまして、外国事情を全部見て参りまして、その結果こういうような審議会をつくるということの案もできましたし、あるいはまた今後この審議会ができました場合の方針というようなことこつきましても意見が出ているのでございます。委員任命等につきましては、今御指摘の点は十分尊重して行くことになるだろうと思います。なお国防会議等につきましては、これは別にお願いいたします。
  11. 永田良吉

    永田(良)委員 今まで実地調査のために派遣もされたとおつしやいますから、その状況はたいがいわかつているでしよう。今後この法案が通過したら、これが真に効果があるように仕事をして行くには、相当経費が伴わなければならぬと思いますが、それらの予算面については、どういうふうにお考えなつておりますか。大体のめどをお示し願いたいと思います。
  12. 千秋邦夫

    千秋政府委員 お答え申し上げます。実はこの法律案閣議提出されましたのは、ちようど二十九年度の予算等閣議決定後でございましたので、この法案が成立いたしました後の予算というものは、特別に見ておられなかつたのであります。しかしながら、科学技術行政協議会事務局といたしましては、大蔵省の方にもお願いをいたしまして、大蔵省の方でも特に航空技術進歩につきましては御理解を得まして、私たちの方の科学技術行政協議会の中に航空部会をつくるというような考え方で進めていただいたのでございます。そして五名の定員が増加になつておるのでございます。五名と申しますと非常に少いのでありますが、ただいま予算定員が少くなるときに、定員を増加されたのは、他にほとんど見当らないと思うのであります。科学技術行政協議会はたつた十二名でございますが、十二名の中で五名ふえたというようなかつこうになつておるのでございます。なおまた予算等につきましても人件費を入れまして約二百万円ふえておるのでありまして、科学技術行政協議会の費用は、ただいままで、六百万か七百万しかないのでありますが、その中でそれだけふえておるということでございまして、わくは少いのでございますが、二十九年度におきましては、とにかく十分これで運営させて、効果あらしめるように努力いたしたいと考えておる次第であります。
  13. 永田良吉

    永田(良)委員 もはや会期もほんとうはあすまでになつている。これが延期になつても今月一ぱいだと思う。かかる航空関係のあるような重要法案政府とされても——むろん昨年の暮れから今日まで半年以上もかかつた議会なんです。こういうだらしのない長い議会の終る、ちようど土俵の済むまぎわにこれをお出しなさるということを、私はたいへん不愉快に思う。何がゆえに、もつと会期の始まりにこういうことを早く用意なさつて提案されて、そうして慎重に審議するようにしなかつたのですか。会期まぎわになれば、お互い議員としても気があせる。また皆様方としても、会期が迫るとみんなこれは群衆心理として完全な御答弁なんかも、あるいはあわてて抜けるかもしらぬ。国防会議についても木村さんのごときは参議院で、衆議院ではこの委員会でも何ともおつしやらなかつたような変なことを何とかおつしやつたと、近ごろの話に聞くようです。要するに、重要な法案は早く御提出なつて、そして相当の時間を持つて慎重にこれを審議せんければならぬと思うのです。こういう点から見て私は少し遅れたのを悲しむ。なおまた今の員数等から考えても、経費の点から見ましても、私は今までにお使いになつた金、また今度増されるその金額をただいま承つてみれば、この貧弱な財政からこんなことを申し上げるのは失礼だけれども、しかし、国の将来の治安にもたいへんな関係のある重要な法案であるから、こういう問題について多少の経費はしかたがないではないかと思うのです。そういう点から見て、ほかの世界各国の優秀な国の、こういう航空審議会のごときものの予算面等は比較研究して見られたのでありますか。それらがもしわかつておるなら、赤裸々に御発表を願いたい。私はおそらくこんな貧弱なものではなかろうと思う。イギリスアメリカ欧米各国は、どういう予算額でこういう審議をしておりますか。これは参考のためにぜひ承つておかなければならぬ。
  14. 千秋邦夫

    千秋政府委員 ただいま私たちのところで正確な外国予算等については持合せはございませんが、しかしながら米国におきましてはNACAと申しまして大統領直属機関でございますが、非常に厖大経費をもつて航空技術進歩調整並びに研究の振興をやつておるのでございます。また英国におきましては供給省がこれを実施しておりますが、基礎研究につきましてはDSIRという大きな役所が担当しておるのであります。非常に厖大予算をもつてなしておるのでございますが、ただ日本といたしましては、航空研究につきましては講和発効までこれはすることができなかつたような状態でございます。ようやくこれが解除されまして、それから各省間の話ということになりましたので、非常に遅れた点と、またそういうような点で従来なかつたものにつきまして新たなことをするために、なかなか予算ということにつきましてもまだできなかつた点もあるだろうと思いますが、今後におきましてはできるだけ御趣旨に沿うように、私たちも努力して行きたいとは思つております。
  15. 永田良吉

    永田(良)委員 それでは私はその実際の数字について研究をされてから、調査をされてから、まだ会期も延長されると思うので間に合うかもしれませんから、実際の調査の表をわれわれ委員にも配つていただきたいと思うのであります。なおまたこのことはわれわれ議員ばかりではだめで、一般国民にこれを知らせる必要がある。そういう意味から各国航空情勢研究なんかの問題は、やはり報道機関の新聞紙を通じて一般国民にもわかるようにお示しを願いたいということを希望して私の質問を打切ります。
  16. 稻村順三

  17. 田中稔男

    田中(稔)委員 法務省政府委員にお尋ねしますが、昨日私の質問しましたことに関連するのですが、きようの読売新聞を見ますと、在日朝鮮統一民主戦線中央議長李浩然君が北鮮におもむくために神戸で乗船しようとしたのでありますが、これが神戸入国管理事務所不法出国として拒否された事件、しかもこの李君は出発にあたつて入国管理局鈴木局長から出入国管理証というような書きものをもらつて、ちやんと話をつけて出発することになつておつたのでありますが、どういう事情か、こういうことになつて非常に騒いでおる。現地神戸でも騒いでおりますが、東京では外務省あたりへ大勢押しかけて今騒いでおるようであります。私としましては昨日も申し上げましたように、在日朝鮮人の数はいろいろ計算の仕方はありますが、数十万ということは間違いない。しかもその中に技術技能を持つた人で北鮮の建設のために帰りたいという人があるのですが、そういう人は帰した方がいいと思う。また実際は日本食糧不足の折から、ぶらぶらしているということは日本としても困ることで、しかも李君が参りますのはそういう人々が北鮮に帰るためのルートを開くために帰る、どういう事情でこういうことが起つておるのでありますか、政府委員から御説明願いたいと思う。
  18. 宮下明義

    宮下説明員 一応の経過を御説明申し上げたいと思いますが、昨年の九月私の前任者鶴岡次長法務省入国管理局次長をしておつた時代からのいきさつでございますが、昨年九月に李浩然君が鶴岡君のところに参りまして、ただいま田中委員からお話のございましたように、在日朝鮮人北鮮に帰国を希望している者の帰還の問題、それから日本におります朝鮮人学生の学資の問題等について、何とか北鮮行つて瀬踏みと申しますか、どんなふうな模様なのか話をして来たい、いけないものであろうかという話があつたわけでございます。入国管理局といたしましても在日外国人管理をいたしておりますので、日本に居住いたしております各国外国人問題というものはいろいろ考慮もいたしておりますので、当時から何とか方法はないものかということで研究はいたしておつたわけでございます。しかしながらいずれにいたしましても、外国に正式に渡航をいたしますのには、管理令の上で日本政府あるいは日本が承認いたしております諸国家旅券あるいはこれにかわる渡航証明書がございませんと、正式出国を認めるわけには参りませんので、どこか他の国の渡航証明書がとれないかというようなことで、ずつと延び延びになつておつたようでございます。そういたしますと、今月の十一日の日本経済民戦の方で新聞発表をいたしまして李浩然君に正式に出入国許可証がおりたので、これによつて二十一日のスエーデンの汽船で北鮮に行くんだという記事が日本経済に出たわけであります。それで私は入国管理局出入国許可証というものを発給する権限もありませんし、またそういうことをいたした事実もないわけでございますので、李浩然君それから民戦外交部長をいたしております高成浩君などに来てもらいまして、とにかく入国管理局としては管理令通り旅券あるいは渡航証明書がない限りは正式の出国は認められないということを申渡しをいたしまして、その後何回も折衝しているわけでございます。その間に、現在入国管理局長鈴木局長アメリカに参つておりますが、今月の七日に出発いたしたのでございますが、その前に私も鈴木局長から今御指摘のような証明書を出したということは聞いております。しかしながらその内容等は承知しておらなかつたのでございます。それで今度新聞発表がございまして、李浩然君が持つているのも見ましたが、これは正式な渡航証明書ということは言えませんし、また入国管理局としてそういうものを発給する権限もありませんので、ただ局長が個人的に多分政府渡航証明書をとる際に、何らかの便宜になるという意味で出された単なる証明書程度のものと考えますが、このような文書で正式に出国は認められないということで、再三李浩然君あるいは民戦中央議長朴光海君などとも話をしているのでございますが、李浩然君側の方ではどうしても出国するんだということで現在神戸に参つております。入国管理局といたしましては神戸地方事務所に指示いたしまして、正式の渡航文書を持たない者の出国を認めることはできないから阻止するようにという指示をいたして、なお現地李浩然君にもいろいろ事情を説得いたしましてやめなさいということで説得をしているはずでございます。一応の経過ばそのような経過でございます。
  19. 田中稔男

    田中(稔)委員 三浦政務次官にお尋ねいたしますが、鈴木局長が与えた非公式と言いますか、何か証明書みたいなものを政務次官は御存じありませんか。
  20. 三浦寅之助

    三浦政府委員 私は何も聞いておりません。
  21. 田中稔男

    田中(稔)委員 局長という地位にある鈴木さんが、どういう性質のものか知らぬが、何かそういう証明書を出すということはやはり重大だと思う。一鈴木個人というわけではなかろうと思うし、相手の受ける印象は、とにかく日本のえらい役所のやはりえらい長ですから、もし鈴木さんが不用意のうちにそういうものを出して、それが非常に問題になつたといたしますと、これは非常に鈴木さんの失態たと思う。これについて政務次官はどういうふうにお考えになりますか。
  22. 三浦寅之助

    三浦政府委員 私はいまだ鈴木局長の出した証明書というようなものをただいま次長が申し上げた程度しか存じておりませんので、どういうような性質のものであるか、また鈴木局長がどういうような意図のもとに、そういうものを発行したものであるか承知しておりませんので、鈴木局長が帰りましたら事情をよく聞きまして、考えたいと存じます。
  23. 田中稔男

    田中(稔)委員 鈴木局長は今アメリカに行つているわけですから、ちよつと帰りを待つのはたいへんですが、李浩然君がこの証明書を現物を持つているわけですから、次長にお願いしますが、その李浩然君が持つている証明書のようなものを、ひとつこの委員会に御提示願いたいと思います。写しでもいいです。
  24. 宮下明義

    宮下説明員 現在李浩然君が持つて神戸に行つているわけでございますが、その内容は私も見まして一度は承知いたしております。英文のものでございますが、内容は普通の証明書の形でございまして、これに関係されるすべての人に対して、次のようなことを証明するという書出しで、李浩然君がスエーデンを含む欧米諸国及びアジア大陸を旅行するものであることを証明する、李浩然君が日本に帰つて来た場合には、李浩然君が長い間日本に居住しておつたという事実に基いて、再入国が許可されるべきものである、という内容でございます。
  25. 田中稔男

    田中(稔)委員 今の内容を聞きますと、それはやはり李浩然君としては相当有力な証明書だと考えるのは当然だと思うので、今のそういうあらましの御説明では私満足いたしません。神戸にそれがあることですし、取寄せようと思えばすぐ取寄せられるのでありますから、電話でもかけていただいて、その内容写しでいいからひとつ至急にこの委員会に出していただきたい。これはやはり百万に達しようという朝鮮人、しかもその九〇%は北鮮支持でありますから、そういう諸君全体にこれは関係する、しかも外交関係に類する事柄でありますから、それはやはり写しを見せていただいて、私どもは論議したいと思います。だからそれをお約束願いたいと思いますが、どうですか。お約束というよりも、むしろ私は国民代表として要求いたします。
  26. 宮下明義

    宮下説明員 鈴木局長が個人的に出されたものでございますから、内部の決裁文書とかいうようなものはございません。管理局の秘書の方を探しまして、もし写しがございましたら、至急提出いたします。なければ神戸の方へ連絡をいたすわけでございますが、本人が持つておるものでございますから、一応局の方を探してみたいと思います。
  27. 田中稔男

    田中(稔)委員 それはひとつ厳重に要求しておきます。もしどうしても政府の方で手がまわらぬというなら、私どもの方で李浩然君に連絡してもいいですが、それは私どもがすべきことでもなく、筋が違いますから……。  それからその次に、証明書はともかくとして、その人が祖国に帰る。それはもうおよそ人類の基本的な権利に属する。今北鮮との国交関係ができていないとかいうようなことがありましても、この当然な権利を認めるためには、ひとつあらゆる方法考えていただいて、本人の意思に沿うようにしてもらわなければいかぬと思う。ともかく鈴木さんはその気持でこれをお出しになつたものだろうと思つて鈴木局長の人間としての良識をたたえるものでありますが、神戸の出先の役人が押えておるが、何でもこれは今お聞きすると、入国管理局の方から指令されたというのですね。そういうことまでして阻止する必要が一体どこにあるかと思うのです。だから証明書の問題は離れて、これはひとつ人間的な気持で御答弁願つておきたいと思いますが、何とか李君を北鮮にやつていただきたい。技術技能を持つた人が日本におつて食糧の点や何かでも困るのですし、またそういう技術技能を持つてつても、内地では就職の機会もない。そうすると、人間やはり生きて行かなければならぬから、いろいろよくないこともするようになるのです。帰すように努力することは、もう自由党も社会党も御異議ないと思いますから、どうかそういうことについて積極的に努力する意思があるかどうか、それをひとつお聞きいたしたい。
  28. 三浦寅之助

    三浦政府委員 北鮮関係の人が向うへ帰つて日本に再び帰つて来ないのだという意思のもとに、帰国の希望者であれば、これはできるだけの援助の方法考えて、大いにそういう方面考えるべきだと思いますし、またそういう方面については、何とかそういう方法があるかないか、また少々無理しても、私はやるべきだと思います。そういう点はよく研究してみます。
  29. 田中稔男

    田中(稔)委員 ところで、それは一般論としてそれで御了承いただいたわけだが、問題は今度は李君の場合なんです。李君はこれは行つてつて来る。この李君が行くゆえんのものは、たくさんの在日朝鮮人北鮮に帰らせる。こういう人たちはもう帰つて来ないんです。つまり向うに帰るルートをつけるために李君は行くのですから、これは李君の場合、証明書のいかんにかかわらず、ひとつ大目に見て出すような意思は入国管理局にないのですか。
  30. 宮下明義

    宮下説明員 ただいま政務次官からお答え申し上げましたように、真実の帰国のための出国でございますれば、管理令では出国承認をいたします際に、旅券あるいは渡航証明書がなければならないとなつておりますが、昨年実施いたしました中共への引揚げの際にも、公に中共に引揚げる、帰国するという出国者でございますので、華僑総会の身分証明書出国を認めたわけでございます。そのような措置があろうかと思いますが、今回の李浩然君の出国は、北鮮に行つてまた日本に帰つて来る一時的な旅行という出国でございまして、しかも新聞発表にもなつておりますので、公然としてこのような管理令にない一時的な旅行の出国が許されるということになりますと、一般的に不法出国者を検挙して起訴しておるような他の実情から申しまして、何ともこの取締りがつかなくなりますので、私ども入国管理局といたしましては、はなはだ遺憾でございますが、神戸において李浩然君が思いとどまるよう手配をいたしておるわけでございます。
  31. 田中稔男

    田中(稔)委員 私はどうもそれはおかしいと思う。多数の不特定な人をどうと言うのではないので、李浩然君という特定の個人、しかもこの李浩然君は在日朝鮮民戦中央議長なんですから、普通の朝鮮人とは少し区別して考えていただきたい。これは朝鮮人民民主主義共和国が国際的な承認でも得て、そうして日本と国交が開かれるなら、こういう人は駐日大使にでもなるような人なんだ。実際そうなんだ。そうして今日朝鮮との関係を言えば、韓国だつてまだ日本との国交は回復されておらないのです。朝鮮に二つの政権があることは客観的な事実であつて、南北いずれとも日本はまだ国交は回復していない。しかも韓国の方は、向うから何か代表みたいな者が来ておるし、それから韓国関係の人は出たり入つたりしておる。どうも私は南北両政権に対する扱い方がへんぱだと思うのです。私どもはこういう李浩然君というような特殊な地位にある人が、しかも大勢の人が向うへ帰りたいというそのルートを見つける、あるいはそのほかの使命もあるでしよう。たとえば視察であるとか何とかいう種類の仕事はあるでしようけれども、しかし多数の在日朝鮮人北鮮に帰りたい人をあつせんするという使命を帯びておることは確かであり、そして日本としてもこれはむしろ歓迎すべきことですから、そういう点に着目していただきたい。その場合に今のようなお話では、何か非常にきゆうくつな、そして韓国との関係考えると、そこにへんぱなものがある。これは私どうも納得できない。だから、どうでしようか、この李浩然君の北鮮行きについては、さらにひとつお考えをいただくわけに行きませんか。政務次官から政治的に御答弁願いたい。
  32. 三浦寅之助

    三浦政府委員 どこもこういう問題はそう政治的にばかり行かないだろうと思います。やはり法律の建前から行かなくてはならぬと思つております。同時に李浩然君だけ認めて、ほかの方々を認めないというわけにも行きません。ただ李浩然一人だけをどうこうという特別な扱いも、現在の法規の建前、また現在の立場からむずかしいのではないかと思うのです。今のような御趣旨は、御趣旨として拝聴いたしますが、ただちに御趣旨に沿うようなことはむずかしいだろうと思います。
  33. 田中稔男

    田中(稔)委員 それでは三浦さんは弁護士の立場から少しも離れていない。法律家ですよ。政務次官ですから、李浩然君の地位を考えて、これはやはり少しは政治家らしい御答弁を願いたい。それ以上御答弁がないならばしかたがないけれども、なおこのことにつきましては外務省の政府委員を呼んでありますから、質問を留保いたしまして、外務省当局にあらためて質問いたします。
  34. 稻村順三

    稻村委員長 山崎巖君。
  35. 山崎巖

    ○山崎(巖)委員 法務省から提出されましたこの法案内容に関連いたしまして、きわめて簡単に一、二伺います。  一つは現在の入国管理局機構を見てみますと、空港を含んで約百箇所近くが対象に相なつております。その陣容を見ますると、約千二百四十人というような機構に相なつております。おそらくこれだけの多数の箇所を管理いたしますためには、警察方面と非常に密接な連絡が必要のように私は思うのであります。しかるに現在警察との協力関係が必ずしもうまく行つていないのではないかというような感じを持つのでありますが、具体的に警察とどういうふうな協力をしておられますか、その点をまず承りたい。
  36. 宮下明義

    宮下説明員 御指摘通り非常にたくさんの出先機関があるにもかかわらず、比較的おそい発足をいたしました役所関係上、定員が非常に不足いたしておるのでございます。それで私どもといたしましては、ただいま御指摘がございましたように、入国管理局の職員だけで、港における不法出入国の防止ができないということは、重々承知をいたしておりますので、名港におきまして、密輸、密出入国防止対策協議会というような、いろいろな名前をつけておりますが、警察、税関、海上保安庁、検察庁、入国管理局の出先機関というような、治安関係機関の協議会を持つておりまして、密出入国ばかりでなくて、これに伴います密輸につきましても、随時対策を立てて協議をいたしておる実情でございます。私どもの方でもただいま御指摘がございましたような方針で、前々から各地にこのような協議会を随時つくつて連絡を密にして、各港でしつかりやるようにということで指示いたしておるのでございます。今回の新潟、伏木富山、名瀬港等に出張所を設置していただきたいという改正法案趣旨も、ただいま長期出張という形で、かわるがわる職員を出張させておるのでございますが、このような形では、ただいま御指摘のようなその現地々々における治安関係等の対策樹立、常時の接触ということが、どうしてもうまく行かないのでございます。理由といたしましては、出張旅費がよけいかかる、それから職員が非常に過重負担であるというようないろいろな理由もございまま、ただいま御指摘のような、平生から治安機関とその現地々々で連絡をとつて対策を立てるというためには、必要のございます港にはぜひ出張所を設置していただきたいというふうに考えておるわけであります。
  37. 山崎巖

    ○山崎(巖)委員 入国管理庁で最も協力を求めなければならぬのは、やはり治安機構の警察であろうと思います。ところが今回の法案によりますと、北九州の大部分、すなわち福岡地検の小倉支部の管轄が全部下関の事務所の管轄に入つております。御承知のように今回の警察法の改正によりまして、衆議院はすでに府県警察一本の法案を通過をさしておるのであります。そうなりますと、むしろこの府県の単位を考えることが必要じやないか。もつとも関門港といたしましては、下関と門司とが密接不可分でございますから、これは従来の機構をそのまま踏襲されることは必要であろうと思いますが、今回のごとく警察が府県警察一本になりますと、むしろ警察の管轄範囲をとられることが適当であつて、この地方検察庁の管轄区域を踏襲されることはどうであろうか、こういう感じを持つのであります。入国管理局法務省に所管されておるがために、検察庁の管轄区域を踏襲するという必要は少しもないのであつて、むしろ警察を中心にして管轄区域をきめられる方が適当でないかという感じを持つのでありますが、その点はいかがでありますか。
  38. 宮下明義

    宮下説明員 関門五港を一括いたしまして、下関の入国管理事務所の管轄に移そうといたしているわけでありますが、私どもの方では、この点につきましてはいろいろ研究をいたして参つたわけでございます。発足的には、現在は門司市だけが下関の入国管理事務所の管轄区域に入つておりまして、その他は福岡入国管理事務所の方に入つているわけでございます。しかしながら実際の港の出入国管理の面から申しますと、連絡管理の完璧という点から申しまして、運営がうまく参りませんので、現在におきましても八幡、若松、小倉等の港における管理業務を下関の方で事実上見させておるのでございます。いろいろ議論をいたしました結果、税関におきましても門司税関が関門五港を全部一括して管轄いたしております。私どもの方の港におきましては、警察だけではなくして、各般会社のエージェントと非常に連絡が多いのであります。船会社の協力がございませんと適切な出入国管理ができないわけでありますが、エージェントが門司にございまして、関門五港全部を運営いたしております関係がございますので、あれやこれや考えまして、このような結論になつたわけでございます。なお密入国事件は警察、海上保安庁等が検挙いたしまして、最終的には検察庁に送られまして、そこで起訴されるなり、あるいは起訴猶予になりまして、司法的な手続が一応済んだあとで、私の方へ引継がれて強制退去にするわけでございまして、仕事の関係から申しますと一応小倉の地検支部の管内のものは一括しておきませんと、いろいろ混乱が生じますので、このような結論になつたわけであります。
  39. 山崎巖

    ○山崎(巖)委員 関門五港が非常に関連性のあることは私もよく承知をいたしております。そういう観点から今回の改正になつたことと存ずるのでありますが、警察の関係から見ますと、たとえば港にあまり関係のないような遠賀郡、築上郡、あるいは京都郡でありますとか、こういう方面は、むしろ跡始末の問題が多いように感じますので、警察の管轄区域でありまする県を単位にお考えになる方がいいのじやないか、こういう感じを持ちますので、これは将来の研究問題として御研究を願つておきたいと思います。  なおきわめて事務的なことでありますが、今回の改正案の第二点の新潟港出張所、それから伏木富山港出張所、鹿児島の名瀬港出張所と、この三港に出張所をお設けになるようでありますが、これはむろん人員等については配置転換で十分まかなえると思いますが、事務所等については現在の予算の範囲内でまかなうという御予定であると存じますが、その点はいかがでありますか、念のために伺つておきたい。
  40. 宮下明義

    宮下説明員 人員の点につきましては、現在新潟には入国審査官一名、入国警備官一名をすでに出張駐在の形で置いてございます。それから名瀬には、引継ぎを受けました関係上、現在入国審査官、入国警備官、雇用員を含めまして九人の職員を駐在させております。伏木富山には現在まだ職員は配置してございませんが、名古屋の管理事務所の定員の範囲内でやり繰りをいたすつもりでございます。  事務所につきましては、新潟は県の建物の一部を借り上げまして、現在すでに事務所を開設いたしております。名瀬は国有の建物ですでに事務所ができております。伏木富山だけはまだ事務所は開設しておりませんので、今後借り上げをいたすわけでございますが、この月々の借上料は、現に使つております出張旅費を今度出さなくてもいいことになりますので、それを差引きますとそう大きな金額ではございませんけれども、今度の改正をしていただいた方が、より節約になるというふうに考えておるわけでございます。
  41. 稻村順三

    稻村委員長 飛鳥田委員
  42. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 調達庁の方にお伺いしたいと思いますが、東京の駒沢の練兵場跡に十六万坪の国有地がありますけれども、この問題について伺いたいと思います。この土地は今まで帰農者五十名が農林省の営農資金による開拓農場として使つて来たらしいのでありますが、最近いろいろな話を聞いてみますと、大蔵省当局でこの土地の払下げ方針を確立した。この中には保安隊の用地五万九千坪、こういうものがあつて、この問題について非常に土地の人々が反対をしているという事実を聞くのでありますけれども、なぜここに五万九千坪にも上るような保安隊の用地が必要であるか。こういうような点についてまず第一番に御説明をいただきたい、こういうふうに考えております。
  43. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 調達庁へのお尋ねでありまするが、所管は私の方かと思いますので、便宜私の方からお答え申し上げます。旧駒沢、今三宿と申しておりますが、この保安隊用地は坪数にいたしまして約六万坪でございます。全本の敷地は今の御指摘よりやや広いのでありまして、それ以外に処置せられておる部分もあります。私どもの方の部分について申しますると、あそこに大体三つの設備を予定しております。一つは技術研究所であります。これは現在川崎の方に日本電気の建物など借用しておりまして、これを移しましてあすこに技術研究所をつくる。それから二十八年度予算をもちまして議決を経ております東京中央病院をつくる、第三は衛生学校、その三つのものをあの敷地の中に収容いたしたい、こういうことで今おつしやいました大蔵省の方から移管を受ける次第であります。
  44. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 この土地は現在世田谷、目黒両区にまたがつておりまして、しかもこの地区は東京の住宅地としては重要な地点に当る、こう私たち考えております。しかもこの大蔵省の払下げ方針等を見ますと、公務員住宅として二万二千坪もすでにある。もしここに公務員の住宅が立ち並びますと、ここに立ち並んだ住宅に入る家族の子弟は当然学校に行かなければならないということから考えて参りましても、学校用地などというものは非常に必要なものとして問題に上つて来ることは当然だと思います。さらに住宅地としても先ほど申し上げましたように、これが東京都にとつて非常に重要なものだ、こういうふうに思われることも間違いないことであります。こういうふうに私たち考えますが、こう考えて参りますと、無理にそこを保安隊の用地にしなければならないというような理由は考えられずに、むしろこれは東京都の住民の利益のために開放をしていただくことの方が緊要じやないか。こういうふうに私たちは思うのでありますが、さらに現在の小学校、中学校の状況を聞いてみますと、いまだに二部授業などというものもほとんど解消されていない、二部授業を解消して行くためには当然学校の敷地が必要である、ところが今のような宅地の非常に不足しておる東京の状況においては、もしここに保安隊の用地としていろいろな建物を建ててしまいますと、将来学校の敷地を求めることはもう不可能になつて来る、あるいは民家を買収して立ちのかしてまで学校をつくらなければならないというような事情も出て来ると思います。こういうような事情が当然予見せられるのに、あえてここへ保安隊の用地を設定する必要が一体どこにあるのか。今のお話のような中央病院その他ありますならば、こうした東京都にとつて非常に重要な住宅地域をつぶす必要がないのじやないか、もつとよそへ持つてつてもできるのじやないか、こういうふうにも私たち考えるのですが、この点についての御意見はいかがでしようか。
  45. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 お尋ねの点は、大蔵省管財局の方からお答えをいたす筋かと存じますが、私どもの承知しております範囲内のことを申し上げますと、東京中央病院あるいは技術研究所、衛生学校というものは、大体ある地域の配置を考えましてでき上つておりますので、国会の御承認を得ました当時からそういうような配置を考えております。現在、御指摘のように、用地の取得は非常に困難でありまして、他にあります民有地を買収いたすということは非常に困難な状況なつております。従つてどもとしては、国有財産で現在更地になつておるところで使い得るようなものを、できるだけ相談をいたしまして管財の方から移管を受けておるわけであります。御指摘のような学校の問題、そういうような問題が常にそういう場合に存在をいたしておりまして、私どももそういうような点をいろいろ管財の方から事情を聞き、そこら辺とも十分相談がつくようにいたしまして、管財局の決定を経てこちらの方に移しかえをいたしてもらつておるような次第であります。
  46. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 かりに保安隊の用地とするとしましても、保安隊が国民から離れてしまつたのでは何もならない。ぼくの立場から申し上げるのは変ですが、国民に愛される保安隊になるべき義務があると思います。その場合に、周囲の人々から非常に排斥をされるというような形で無理に用地を確保するということは、いずれの立場から考えても好ましいものとは思いませんが、この場合駒沢の練兵場の跡については、保安隊用地化反対同盟というようなものもできておるという話も聞きますが、こういう人々とも十分話し合つて、この人達を納得せしめておられる現状であるかどうか、あるいはそういう民間の意向などというものは全然考慮に値しないという態度をとつておられるのかどうか。この点もお伺いをしたいと思います。
  47. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 御指摘のような問題がございまして、実は決定をいたすまでに相当遅延をいたしております。全体で十四万坪ほどのものでございまして、これを米軍に接収されておりましたが、接収解除になりましてから処置の決定をいたすまでに相当の期間がかかつております。これは今御指摘がありましたような議論がたくさんございまして、それを管財局において調整をいたすために非常に苦慮をいたしておられたのであります。結論といたしましては、私の承知しておりますところでは、たしか小学校の一校分を敷地として残しておると思います。それからあそこは東京都側の緑地帯というむずかしい問題がありまして、それがあの土地の処分を決定するのに難問題になつております。そういうような観点から、緑地のためにたしか四万坪でありましたか、五万坪でありましたか、そういうような土地を留保いたしまして、そういうような各方面のいろいろなむずかしい要求をいろいろ相談をし、調整をした後にきまつた問題だと承知をしております。これは大蔵省の方から申し上げるべきことかと思いますが、大体現在のような割合と御了承願つてしかるべきじやないかと考えております。
  48. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 今学校用地として何か一万三千坪を認めたというようなお話であります。ところが一万三千坪の学校用地に、今かりに学校を建てましても、それは現在ある二部授業の解消その他をなし得るだけであつて、将来の問題については少しも問題の解決になつていない。先ほど申し上げましたように、公務員住宅として二万二千坪を割当てておられるそうですが、二万二千坪に公務員住宅が一ぱい建ち並びますと、ここに入られる公務員の方々の児童を当然収容しなければならない、いわゆる学校児童の社会増というものが出て来ますが、この問題でせつかく一時解消し得た二部授業その他を再びもたらしてしまうというような結果にならざるを得ないと思うのです。そういうふうに考えて参りますと、一万三千坪を学校敷地として割当てたということは、問題の解決になつていない。同時にまた、従つてそれが反対同盟の人々を満足させる段階に至つていないのじやないか、こういう気が私たちはするのですが、この点についても、反対の意見を唱えておられる人々を十分納得をさせられた上の御決定であるかどうか、こういうことも伺つておきたいと思います。
  49. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 そこら辺のことにつきまして最終の決定をいたしまするまでに、今おつしやつたような方々の十分の御了承を得ているかどうかは、私大蔵省の方でございませんのでお答えいたしかねますが、当然二つできる小学校ということで私は承知いたしておるのであります。それの敷地を考えます場合に、これは推測でありますが、将来の一応の傾向も考えてはやつているだろうと思います。そこの最後のぎりぎりのところがどうなつているかということは、大蔵省にお尋ねを願いませんと、私は正確に承知いたししておりません。
  50. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 これは大蔵省に問題を押しつけられるようでありますが、お使いになるのはあなた方で、将来その土地の住民と保安隊とが融和してやつて行けるか、やつて行けないかということは、非常に重要な問題だと思います。そこで、土地の管理大蔵省関係だから大蔵省に聞いてくれということでなしに、もつと積極的に将来お使いになるあなた方が土地の人々と十分な意見を交換して、納得させるということは、今後の保安隊の運営にとつても非常に重要なことじやないかと思う。たとえて言えば、私自身がよその家へ入れていただく場合でも、大家さんに頼まずに、やはり自分自身が隣近所にごあいさつに行くつもりですが、そういう官僚的なやり方でなしに、もつと保安隊の人が積極的に土地の人々と交渉をして、納得してもらうなり、あなた方が予定計画をかえられるなり、そういう態度をとつていただきたい。各省間の責任の押しつけということでなしにお願いしたいと思います。そこでこの問題については、今後土地の反対意見を持つておられる人々と、十分に御交渉願うようにお願いをしまして、この問題は打切らせていただきます。  そこで第二の問題ですが、これはこの前予算委員会で河野さんがお尋ねをしたいわゆる保安協会の問題であります。その後この保安協会の問題について、木村さんが答えられたことに対して、日経連から反対の声明が出ておりますが、これについて一体どういうことになつているのか、一応の御説明を伺いたいと思います。
  51. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 私ちよつと主務が違いますので、必要に応じましてほかの主務の者にお答えをいたすようにとりはからいをいたしたいと思います。
  52. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 それではこの問題はいずれ委員長の方から答えのできる人をお呼びいただいてやつていただきたいと思います。
  53. 稻村順三

    稻村委員長 善処いたしたいと思つております。  他に質疑はありませんか。——質疑がなければ、これにて三案に対する質疑は終了いたしました。  次いで討論に入りますが、討論はこれを省略し、ただちに採決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 稻村順三

    稻村委員長 御異議がなければ、ただちに採決いたします。  法務省設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。     〔総員起立〕
  55. 稻村順三

    稻村委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
  56. 稻村順三

    稻村委員長 次に航空技術審議会設置法案に賛成の方の起立を願います。     〔総員起立〕
  57. 稻村順三

    稻村委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
  58. 稻村順三

    稻村委員長 次に調達庁設置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。     〔総員起立〕
  59. 稻村順三

    稻村委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なおお諮りいたします。ただいま議決いたしました三案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願います。  午前の会議はこの程度にいたし、一時半まで休憩いたします。     午後零時三十九分休憩     午後二時二十二分開議
  60. 稻村順三

    稻村委員長 休憩前に引続き開会いたします。  保安隊及び警備隊に関する件につき調査を進めます。質疑の通告がありますから順次これを許します。高瀬傳君。
  61. 高瀬傳

    ○高瀬委員 本日ははなはだ突然でありますが、保安隊並びに警備隊の問題に関連いたしまして一、二木村保安庁長官の所見を伺いたいと思います。昨日参議院の方の内閣委員会において木村長官は非常に重大なる発言をなされたそうでありまするが、特に国防会議の問題についてかなりわれわれが考えて重大と思われるような発言をされたようであります。いかなる発言をなされたのであるか、ちよつと御自身から伺いたい。
  62. 木村篤太郎

    木村国務大臣 参議院内閣委員会で総括質問の途上におきまして国防会議の問題が出たのであります。国防会議の構成内容その他の問題についてどうかということであります。そこでわれわれといたしましては御承知のごとく目下三党会談折衝中であります。しかも保安庁においてはまだ自体の確定案というものはない。従つてこの内容についてはわれわれは保安庁の案というものを示すことは不可能であるということを申したのであります。そこで内閣委員会では理事会を開いて、そのことに関していろいろ御相談があつたようであります。その結果保安庁自体においてまとまつていないものでもいいからこれを示してもらいたい、示さなければ審議を進めることは不可能であるというようなことであつたのであります。そこでわれわれといたしましてはまだ保安庁においても未確定であるが、未確定のものでもいいということであれば示そうと私は考えたのであります。そうしてこれを示すにつきましてはせつかく三党会談が今行われつつある途上でありますから、三党会談における改進党の折衝委員堀木鎌三氏に対して内々に協議をいたしたところが、示してもよかろうということでありますので、未決定でありまするが、その案を提出した次第であります。従いましてこれにつきましてはくれぐれもまだ保安庁においても検討中であり、結論は出ていないのであるということをつけ加えて申し述べておいた次第であります。
  63. 高瀬傳

    ○高瀬委員 それでは、この未決定であるところの保安庁研究中の国防会議の構成等に関する問題について参議院からこれを示さなければ審議をしない、審議をされないと困るから、未決定であるけれどもこれを示せば審議をしてもらえる、そういう取引上の交換条件で、保安庁長官の責任と創意においてやられたものなんですか。
  64. 木村篤太郎

    木村国務大臣 もとより審議は進めなくてはいかぬのであります。これを示せば審議を進められるということであれば、未決定の案でも資料としてこれを、いろいろ今後提出すべき法案について考えられることでありますから示してもよかろうという考えで私は示したのであります。
  65. 高瀬傳

    ○高瀬委員 それでは参議院の恐喝にあつて木村保安庁長官はそれに負けた、参議院の恫喝にあつてやむを得ず不本意ながらこれを示した、こういうことに相なるわけですが、それでいいのですか。
  66. 木村篤太郎

    木村国務大臣 私は恫喝にあつたとは考えません。参議院の人たち審議の途上に必要ありと考えられたことであります。私も審議に必要であるというのならば、未確定のものでよければ示してもよいと考えたのであります。決して恫喝されたのでも、恫喝に応じたのでもありません。
  67. 高瀬傳

    ○高瀬委員 それでは長官に申し上げますが、この前われわれが内閣委員会において審議をいたしました際、重々私どももあるいはわが党の須磨委員も、この国防会議の構成について所見を申し述べました。しかもわれわれは、特にこの国防会議内容については政府において公式に当然きめて、別途法律でこれを定むるということにはなつておつたようでありますが、それだけでははなはだ不十分であるから、具体的に国防会議内容について政府はすみやかに決定して当委員会審議を受くべきであるということと、もしそれがいまだそういう段階になければ、非公式でもこれに関する政府の所見をわれわれの方に開陳してもらいたいということをたびたび要請いたしました。しかし、もしそれを何ら示さなければ審議しないとか、かくのごときけちなことをわれわれは一回も申したことはないのであります。これは参議院とわれわれとの立場の相違といいます。か、審議に対するわれわれの心の置き方が違うせいでありましようが、そういうけちなことは申したことはない。しかしながらこの法案審議については、この国防会議の構成というものは非常に重大であるから、具体案がなければせめてその内容だけでも、政府考えている片鱗だけでも示してもらいたいということをたびたび要請いたしましたが、木村長官はこれについてはそれはただいま研究中ではあるけれども、いまだ発表する段階に至つていない、こういうことで強く拒否されました。従つて衆議院をこの自衛隊法案、防衛庁設置法案が通つてから半月もたたないうちに、向うで非公式とは言いながらかくのごとき保安庁において研究中の案、いわゆる未定稿と称する案を発表されたのはわれわれの非常に遺憾とするところでありまして、特に衆議院自体の権威にも関することでありますので、これは非常に重大だと思うのです。衆議院ではけちなことを言わないからまあできるだけ押し隠して行つて参議院に行つたところがこの問題について多少の片鱗ぐらいは示さなければ審議しないというので、これはたいへん、だから片鱗を示したということになると、われわれとしてはまあ木村長官の心境の変化を非常に疑うと同時に重大視するわけなんです。衆議院の方の審議権の無視とは言いませんが、非常にわれわれの審議に対して重きを置いていない、衆議院自体に対する審議に対しては重きを置いていない、これは当委員会のみならず衆議院全体の問題として、私は相当重大なことであろうと思うのです。これらに関する木村長官の所見を伺いたいと思う。
  68. 木村篤太郎

    木村国務大臣 私は決して衆議院に重きを置かないわけではありません。大いに重きを置いておるのであります。当委員会において求められたところは保安庁の案を示せということであります。保安庁の案としてはまだ確定しておりません。しかもそのときあなた方も御存じの通り三党で折衝中であつた。改進党においてはいろいろ案を示されたようでありますが、われわれとしては、それには関知しておりません。しておりませんが、その当時においては今申し上げるように三党で折衝中であつた。しかも保安庁自体の案というものはいまだ固まつていない。それゆえわれわれは固まつていないから出し得ないのだ、こう申したわけであります。固まつていなければ片鱗でも示せということであればあるいは私は示したかもしれません。固まつてないものを軽々しく示さない方がよかろうということで私は答弁したつもりであります。参議院におきましては、固まつていなくてもいいんだ、ただ資料として見るだけだからということであるから出したのであります。固まつているものを出したわけではありません。現在におきましてもわれわれは慎重に検討しておるのであります。いずれ三党折衝が決定を得ますれば、これを織り込んで国会において十分御審議を願い得るものと、こう考えておるのでございます。
  69. 高瀬傳

    ○高瀬委員 実は内閣委員会においても固まつていないものを出してもらうことは非常に無理だと思いましたが、とにかく構想の一部分でも示していただきたいということをたびたびわれわれは繰返して申し上げました。しかもこの発表された国防会議の構成等に関する件、保安庁において研究中の案(未定稿)の中には、やはり固まつておりませんが、一つの保安庁のいわゆる木村長官の構想が含まれておることは確かであります。たとえば改進党のわれわれが——われわれというよりは須磨君のごときは、いわゆる民間の人間を国防会議の中に入れて、そうしてややともすればときどき政変によつてかわるところの内閣の責任その他について、大いにこれを補うべきであるというような所見も述べ、いろいろやられたようでありますが、これによるとやはり政府のたとえば防衛庁の長官、外務大臣、大蔵大臣、通商産業大臣、経済審議庁長官、なお必要なときは臨時関係大臣を出席せしめるものとするというようなことで、全然当事者だけで構成しておる。これはやはり一つの政府考え方の一端を示すものでありまして、私はこういうのを見ると単に研究中の案というよりは、政府のいわゆる国防会議に対する考え方をこれで明示していると思うのです。ですから、木村長官は研究中の未定稿だと言われますけれども、明らかにたとえば議長は内閣総理大臣をもつてこれに充てる、統合幕僚会議の議長は国防会議に出席して意見を述べることができる、国防会議の事務は防衛庁で処理する、こういうことになつて参りますと、単にこれを一片の紙くずとして扱うことはできないと思うのです。だからやはりそれが単に紙くずだと言われるならば別でありますけれども、少くともこれを出したことによつて参議院が防衛庁の設置法案、あるいは自衛隊法案審議するということになれば、やはりこれは政府の一端の所見として私どもは非常に重大だと思う。従つてそういう審議の基礎になるような案が、たとい研究中の案としても出て、それによつて参議院審議が進められるということになると、一体衆議院の方はどうしてくれるのだということになるわけでありまして、これは私どもも単に未定稿としてこれを扱うわけには行かないと思うのです。いわんやそれによつて、三党防衛折衝の中において、わが党が何で民間人を入れるということを主張しておるかというような問題について重大な影響がありますので、これは単に未定稿としては私どもは受取れない。
  70. 木村篤太郎

    木村国務大臣 未定稿は未定稿であります。そこでしからば案を今練りつつあるか、どれらの点が問題になるかということが問題になつたわけであります。そこで私は問題になつておる点は、いわゆるこの構成メンバーの中に民間人を取入れるべきか、取入れるとして何名くらいがいいか、しかも事務局はどこへ設置すべきがいいか、この点について今せつかく検討中である。従つてそれらの結論が出ないうちは保安庁の確定案ということは言えない。しかも今三党においてせつかく検討中であるので、それらの結果を得た上において、それらを十分にらみ合せて法案の作成にかかりたい、こう申したのであります。従つて重大な問題であります民間人を構成メンバーに取入れるかどうかということについては、十分保安庁においても検討中である。今その点についてはわれわれはまだ結論が出ていない、こういうことでありますから、この案はやはり未定稿にすぎないとわれわれは考えております。
  71. 高瀬傳

    ○高瀬委員 それでは伺いますが、この四月二十八日の衆議院の内閣委員会において、わが党の須磨委員国防会議に恒久性のある学識経験者を加えるべしとの見解に対しまして、木村保安庁長官はこういうふうに答弁されておるのです。お忘れになつておられないと思いますが、念のため読んでみますが、将来この制定を予想される国防会議の構成内容については、今ははつきりした結論はまだ持つていない。今須磨さんの言われたことはきわめて重大であると考えております。私はこれを資料として十分検討して国会の御審議を得たい、こういうふうに答弁しておられるのです。これは速記録にあります。しかるに今回参議院内閣委員会において木村長官が、この防衛二法案制定の基礎をなした三党折衝の経過を、結果から見ると無視されたということに相なる。それでまた衆議院における答弁と矛盾する点もある案を突如として発表された、これはやはりわれわれとしては重大な関心を持つ、こういうわけであります。この三党折衝の経過を、今十分折衝中で、これからこの案を具体化しようとしておる今日、この案を突如として出されたということは、私は道義的に相当重大な責任があるのではないかと思う。
  72. 木村篤太郎

    木村国務大臣 重ねて申し上げます。私は三党折衝を無視するわけでも何でもありません。参議院内閣委員会でも言つておるのであります。ただいませつかく三党折衝が行われておる、その結果をわれわれは見たいんだ、従つて保安庁としても確定案を持つていない、民間人を入れるか入れないかということについては大いに検討しなければならぬ、われわれもせつかく検討中であるのであります。こう私は述べておるのでありますから、三党折衝を決して無視するわけでもなく、また民間人を構成メンバーに入れるか入れないかということについては、私はまだ検討中である、これは慎重に検討したい、こう申しておるのでありますから、何ら矛盾をいたさないと私は考えております。
  73. 高瀬傳

    ○高瀬委員 あまりくどく因縁をつけるようなことを申し上げても恐縮でありますから、はつきり申し上げます。それでは伺いますが、この国防会議の構成等に関する件という長官の発表されたこれは、紙くず同様のものと解釈してよろしいのですか。
  74. 木村篤太郎

    木村国務大臣 決して紙くず同様ではありません。われわれはこの構成メンバーのうちにあげてありまする六名の者、これらの者は入れたいと考えております。また統合幕僚会議の議長もこの会議意見を述べることを許されてしかるべきものであると私は考えております。
  75. 高瀬傳

    ○高瀬委員 そうしますとこれは相当重大なる政府の決意を示したものと解釈してよろしいわけですか。
  76. 木村篤太郎

    木村国務大臣 決意と申しますか、何かその点の言葉はわかりませんが、今申し上げた点はわれわれは当局の意見として申し上げておるのであります。
  77. 高瀬傳

    ○高瀬委員 わかりました。そうするとわれわれとしては政府はこの衆議院の審議権に対して重大なるあやまちを犯した。いわゆる衆議院の審議権は非常に無視して参議院の恫喝にあつた、しかしてかくのごとき重大なる決意の一端を披瀝した、こういうふうにわれわれは結論いたしますが、それでよろしいですか。
  78. 木村篤太郎

    木村国務大臣 先刻私は恫喝にあつていないと申したのであります。また恫喝さるべきものじやありません。審議の過程においてさようなことになつたわけであります。われわれは審議が円満円滑に行くためにとつたことであります。しかしてこのわれわれの未定稿なるものについてはまだ結論を得ていないのだ、ことに重要な点で民間から構成員を参加させるかどうか、その他の点について重大なる事項があるので、これはせつかく検討中である、決してこれは保安庁の固まつた意見じやない、大きな重要事項が残つておる、従つてこれは未定の案にすぎない、こうくれぐれも私は説明しておるのであります。
  79. 高瀬傳

    ○高瀬委員 あまりくどくこのことを伺つても水掛論になります。私どもとしてはこれは非常に衆議院の審議権の無視、また政府のいわゆる重大なる所信の披瀝、かように解釈いたしまして、こういうような処置を政府がとられたことは、はなはだ遺憾であるということを表明しまして、私の質問を終ります。
  80. 稻村順三

    稻村委員長 明日午前十時から質疑を続行することにしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十五分散会