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1954-05-15 第19回国会 衆議院 内閣委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月十五日(土曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 稻村 順三君    理事 江藤 夏雄君 理事 大村 清一君    理事 平井 義一君 理事 高瀬  傳君    理事 鈴木 義男君       大久保武雄君    永田 良吉君       船田  中君    山崎  巖君       粟山  博君    中村 高一君       辻  政信君  出席政府委員         内閣官房長官 江口見登留君         総理府事務官         (恩給局長)  三橋 則雄君         総理府事務官         (南方連絡事務         局長)     石井 通則君         科学技術行政協         議会事務局長  千秋 邦夫君         厚生事務官         (引揚援護局         長)      田邊 繁雄君  委員外出席者         専  門  員 龜卦川 浩君         専  門  員 小關 紹夫君     ――――――――――――― 五月十三日  受勲者に対する年金復活陳情書  (第三〇一四号)  憲法改正並びに国軍確立等に関する陳情書  (第三〇三八号)  恩給法改正に関する陳情書  (第三  〇七〇号)  奄美大島軍関係恩給実施促進に関する陳情  書  (第三〇七一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一七一号)     ―――――――――――――
  2. 稻村順三

    稻村委員長 これより開会いたします。  総理府設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。山崎巖君。
  3. 山崎巖

    山崎(巖)委員 今回提案されました総理府設置法の一部を改正する法律案の中に、世論調査機関の廃止の問題が取上げられておりますが、これに関しまして一、二お伺いをしたいと思います。  現在ございまする総理府世論調査機関は、昭和二十四年の設置にかかるものと存じますが、これは申すまでもなく占領政策の遺物でございまして、その当時占領政策遂行上、司令部が自己の便宜上特に設置を勧奨してできたもののように私は存じております。もとよりこの機関がその機能を相当発揮せられたことも、いろいろの資料によつて私は承知いたしておるのであります。しかしながら各国の例を見ましても、現在世論調査機関政府が持つておるというのはきわめて例が少いように思います。戦争中は各国とも相当政府世論調査機関をつくつておりましたが、戦後におきましては、漸次これを廃して民間にこれをゆだねておるような状況が各国の例のように伺うのであります。またこの世論調査の問題は政府がこれを取扱いますと、その結果が十分でないような点が必ず私は出て来ると思います。政府都合のいいような結果はどんどん発表されますけれども、政府都合の悪いような世論が出ました場合には、むしろこれを発表しないというようなことすら行われがちのように私は存ずるのであります。そういう意味合いにおきまして、この世論調査機関を廃止せられることは賛成でございまするが、今年度の予算を見ましても、なおこの世論調査のために二千万円の予算が計上されておるのであります。この予算をどういうふうに使用されるのか。また定員について見ましても、二十八年度は五十三名の定員に対して、二十九年度は三十八名、十五名の減になつております。三十年度の計画はさらに二十三名に減員され、それが継続するような形に相なつておるようでありますが、将来この世論調査事務をどういうふうに取扱つて行く御予定でありますか、まずその点をお伺いいたします。
  4. 江口見登留

    江口政府委員 世論調査所の将来の予算の使い方についてどういうふうにするつもりであるかというお尋ねでありますが、予算につきましては昭和二十八年度は二千四百三十四万円ばかりでございました。二十九年度にはそれが二千八十九万円ほどになつておるのであります。三百四十五万円ほど本年度は減少する見込になつております。これは主としてただいまお話になりましたように、十五名の減員に伴う人件費の減が百四十七万円ほど、それから一般事務費の減が三十万ほど、それを合計して百七十八万六千円の減となつておるのであります。これは二十八年度に比べまして、事務減少と申しますかいろいろ節約を行わなければならないというふうな大きな建前から、世論調査回数を二十九年度におきましては二回減少することにいたしておるのであります。その関係で三百四十五万円ほど減少することに相なりますが、それ以外におきましては特にどういう点を縮小するとかいうことはないのであります。大体回数を二回減らすということと、人員の減に伴います減少でございまして、特にそれ以外に、方針を非常に変更してやるというようなことは考えていない次第であります。
  5. 山崎巖

    山崎(巖)委員 国内におきましても、すでに御承知の通り民間機関として世論調査機関は相当現在できておるように思います。いただきました資料によりましても、大新聞を初めとして二十くらいのりつぱな世論調査機関がすでに国内にできておるように思うのであります。先ほど申し上げましたように、私はこの世論調査はむしろ民間機関でやる方が、政府がやるよりも実効を上げるのではないか、こういうふうな考えを持つております。ところが世論調査機関を廃止しても、定員は二十九年度三十年度もずつと継続してやる、こういうふうな建前なつており、また予算の点から見ましてもなお二千万円程度経費が計上されておる。これはむしろこういうものを政府が人をかかえてやるよりも民間委託する経費、そういうものにかえてしまつた方が私はいいのじやないか、こういう考えを持つているわけでございまするが、その点についての御意見を伺つておきたい。
  6. 江口見登留

    江口政府委員 先ほどお答えが非常に不足でございましたが、ただいまのお尋ねのように調査費というような名前で二千万円程度は計上いたしておりまするが、これは実はそういう民間機関委託して調査させようという気持を持つております。これを大蔵省との話合いでいわゆる調査委託費として使用するつもりでございまして、政府みずからが従前通り調査を続けて行くというつもりでは決してございません。その点をお含みおきを願います。
  7. 山崎巖

    山崎(巖)委員 ただいまの御答弁で大体了承いたしたのでありまするが、その委託をされるのになお三十数名の政府の職員を擁する必要があるかどうかというような点についてももう一度御説明を伺いたいと思います。
  8. 江口見登留

    江口政府委員 現在五十数名ございますが、それを二十九年度と三十年度とで三十名ばかり減らしまして、二十三名が残ることになるのでありますが、これは調査民間委託するに際しましても、どういう調査をすべきか、あるいはその調査の際にどういうふうな方法によつてつてもらうかというようなことにつきまして、その根本的な企画、立案と申しますか、そういうことにつきましてやはり常に調査研究をしておくスタツフが必要だと思いますのでそのために二十三名くらいは必要になつて来るのではないだろうか、そう考えましてとりあえずこの二十三名だけを残置するということにいたした次第でございます。
  9. 山崎巖

    山崎(巖)委員 なおこの二千万円のうちで民間調査費と、それから事務費とわけてちよつと御説明を願いたいと思います。
  10. 江口見登留

    江口政府委員 二千万円の内訳を申し上げますると、ただいま申しましたように二十九年度では減員をいたすのでありまするが、それでもまだかなりの人員が残りますので、その者の人件費が千三百万円ほど占めておるわけでございます。従いまして調査費として委託して流しまする金は七百三十万円ばかりの予定にいたしておるのであります。
  11. 山崎巖

    山崎(巖)委員 今伺いますとやはり人件費がほとんど七〇%以上になつておつて調査費が非常に少いというような結果に相なつておるようでありますが、こういう機関は将来だんだん先ほど申しますように民間委託すれば、むしろ政府がやるよりも実効を上げるわけでありますから、なるべく調査費の方に重点を置いて、人件費その他の事務費については漸次縮小するような方針をぜひとつていただきたいと思います。二十九年度は予算も成立しておるのでありますし、しいて私は申し上げませんけれども、三十年度以降におきましてはこの点について特に政府に深甚なる御考慮を促したいと存じます。これだけの希望を申し上げまして質問を終ります。
  12. 大久保武雄

    大久保委員 在外資産問題のことは政府委員が見えていないようですから、官房長官の心構えを伺つておきたいと思います。私はこの在外財産問題について今回審議会が法制化されましたことはきわめてけつこうだと思います。しかし今まで長年外地におつて粒々辛苦の末、汗と血によつて築かれた財産を失われて、内地に帰還されてみじめな生活をしておられる方々に対しましては、まことに御同情にたえないわけであります。何とかしてこの御不幸な方々に対してお報いしなくちやならぬという一般の与論があつたわけでありますが、政府におかれましては今回この審議会を強化されるわけでありまして、きわめてけつこうだと考えております。そこで強化されまして、今後いかなる実際上の具体的な強化方策考えておられるか、内閣におきましては在外財産の補償について今後これをさらに推進する相当な抱負を持つておられるかどうか、ひとつ官房長官抱負をお聞きしておきたいと思います。
  13. 江口見登留

    江口政府委員 たいへん政府の施策の重要な点に触れられた御質問でございますが、確かにお話通り粒々辛苦海外におきましていろいろ働いて来られた人たち財産がそのままになつておるということは、まことに当事者にとりましてお気の毒なことだと考えております。一昨年の暮れから大体終戦処理と申しますか、そういう問題につきまして大きな問題がだんだん片づいて参りまして、軍人恩給の問題も片づき、その次にはこの在外財産問題の処理ということが非常に大きな問題になつて来るわけでありまして、政府も何とかこの問題について手をつけなければならないということで寄り寄り相談して参りまして、ようやく去年の春ごろ実を結びまして、法令の規定に基かない事実上のこの調査会設置されたのであります。その調査会を今回法律上の調査会にしようとするものでございまするが、これもやはり法律に根拠を持つた強力な調査会にいたしましてその審議を推進いたしたいという考え方から出ておるのであります。すでにこの調査会はいろいろな事項を調査いたしまして、政府に二、三の答申もいたしております。在外財産問題はいわゆる対外折衝の問題も横たわつておりまして、なかなか急には進行いたさないのでありますが、個々に具体的に切り離し得る問題だけは、だんだん処理されて参つておりますので、今後いよいよ最後の大きな問題を外交問題と合せてこの調査会が運営して行くことになろうかと存じますので、ただいまのお話のように相当政府といたしましても、この法律に基きまして審議会を強力に運営して行くことになろうかと考える次第でございます。
  14. 大村清一

    大村委員 議事進行について。この際政府及び委員長に伺いたいのでありますが、延長後の国会会期ももう一週間しかないということになつた。そうして提出されている議案は本委員会にも政府から八件を提出されておる。本日は午前十時からこの委員会が開催されることになりまして、自由党の諸君は定刻少し遅れたようでありますが、ごらんのように出席をしておる。このようなときにあたりまして、野党のことに社会党の人はほとんど一人も御出席がない。さらにまた政府委員は言を左右にして本日はなかなか出席しなかつた。いかなる都合でこのようなぐあいの運びをされておるのか。国会議案審議に対して重大な責任を持つておる今日、このような委員会の怠慢も私は反省しなければならぬと思いますが、政府はいかなる方針国会に臨んでおられるか、この会期中におきまして提出された議案審議は進行しなくてもいいというようなつもりでいらつしやるのか、その辺のところをはつきりと伺つておきたいと思います。
  15. 稻村順三

    稻村委員長 委員長の分だけ答弁いたしますが、委員長といたしましては、昨夜おそくまでおつた関係もありまして、委員の御出席もきわめて少いことは遺憾と思つております。しかし会期わずかなうちに法案を通したいという意思がおありなら、政府当局としては当然に責任の閣僚及び最高責任を持つている政府委員出席すべきものであると信じております。従いまして私といたしましては、でき得るだけ政府に対して出席を要求し、今後の委員会の運営を処置して行きたい、かように考えております。
  16. 平井義一

    平井委員 今日提出されておる法律案は、実は大したものではないと思いますので、月曜日にやつてすみやかに片づけるというなら、私の質問も月曜日に延ばしたい。しかしいろいろ御質問もあり、また十分審議すると社会党の方でおつしやるなら、私はやはりきようおそくなつても質問しなければならないと思いますが、この点委員長の信念をお尋ねしたい。
  17. 稻村順三

    稻村委員長 委員長といたしましては、これはそれほど長く審議にかかるほどのこともない、さように信じておりますのが、政府委員委員がそろつたとき、すなわちそれを月曜日として本格的な審議をすることにし、本日はこの程度にしておきたいと考えます。
  18. 高瀬傳

    高瀬委員 先ほどの平井君の御意見にも関連して申し上げますが、今回付議されておる議案は大したものではないと言われますけれども、私は大したものだと思う。ことに恩給法の一部を改正する法律案の中に、戦犯にして処刑された人あるいはいまだに獄中につながれている人、これらの人に対する恩給適用の問題もあります。今朝も私は現在巣鴨におる戦犯家族夫人の方、これは前中将の夫人でありますが、二人の方の訪問を受けて、一刻も早くこの恩給法の問題を解決してもらいたいという陳情を受けておるのです。ですから特に恩給法改正の問題は大した問題で、国会としても、この前恩給法審議をして通過させたわれわれとしては、一刻も早くこれらの遺族家族生活の安定ができるようにとりはからいたい。従つて私は本日この恩給法の問題の審議があると思つて定刻よりちよつと遅れましたが参りましたところ、恩給局の係員が私のところに来て、恩給局長は何かの事情で出られないということです。私は改進党の理事ですから、私に言われても困るから委員長に言つてくれと言つたが何ゆえ恩給局長が出られないのかわからない。政府としてもこの会期幕切れ近くにこういう重大な法案を出して来て、官房長官も来なければ恩給局長も来ない。われわれ委員だけここに集まつて盛んに審議続行を期待しておるわけだ。だから特に当面の責任者である恩給局長が何ゆえに本日今ごろ出られたかその理由をまず、今後の審議都合もありますから、ここではつきり伺つておきたい。
  19. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 実は十時からの委員会に出る予定にいたしておつたのでございますが、十時前後、まだ委員会が開かれる模様もなかつたものですから、緒方国形大臣連絡をとつてお目にかかりました。またちようど岡山県の遺族方々が数人、十一時ごろから来られて、委員会が開かれつつあつたときに陳情を受けておつたのであります。その方に気をとられて時間のたつのを忘れておつたのでありますが、あるいは私の方の連絡に参りました者の申し上げ方が悪かつたために、高瀬委員がお気を害されたとすれば申訳ない次第であります。陳情団に会つておるときに電話がありましてすぐ参りましたような次第で、決してこの委員会に出ることを避けておるようなことは全然ありません。初めから出るつもりでおりましたことを御了承願いたいと思います。
  20. 平井義一

    平井委員 先ほど高瀬君はこれは非密に重大な問題だと言つておりますが、巣鴨におつて恩給を停止されておる者に対してやるという、これくらいのものは満場一致で賛成だと思う。公務死の範囲をどうこうするということになれば大きな問題になつて来ますが、政府の出したものくらいは一時間か二時間で片づけられる。日本人ならば全部賛成だと思う。その他のことで、あるいは議員提出で修正を加えるというような問題があれば、われわれも日夜専心しなければならぬが、この程度のものなら、もうにらんだだけで賛成だ、日本人の当然の気持だと思いますので、本日はもう延ばしてもよいのではないかと思つております。
  21. 稻村順三

    稻村委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明後十七日、月曜日、午後一時より理事会、午後一時半より委員会を開会いたします。  本日はこの程度で散会いたします。     午前十一時五十九分散会