○飛鳥田
委員 同じことを繰返すようで恐縮ですが、私たちはむしろここで
日本が強力な軍備を持
つて行くということはバランスを失し、それが第三次世界大戦のきつかけになるおそれすらあるのではないか、こういうように
考えておりますが、この点についてはあなたと全然
考え方が違
つて来るわけであります。
従つてこれを一々あげつら
つておりますと、時間がかかりますので、最後にこういうことをお伺いいたしたいと思います。と申しますのは、
日本の中に
アメリカ軍の軍事基地が非常にたくさんあります。今までは原爆基地にはな
つていなか
つた日本の軍事基地に、
アメリカが原爆、水爆を持
つて来ているとはまだ思えないのでありますが、しかし最近の情勢、アジアの情勢を見ておりますと、仏印を中心にして、
アメリカは英、仏、タイその他の国を誘
つて中共に対して共同申入れをしよう、共同宣言をしようという形にな
つて参りました。これはすなわち数日後に行われるジユネーヴ
会議の難航を見越して、その前に中共に対して一本と
つておこうということだと思います。この点については別にあなたと私との間に
意見の違いはないと思います。そこでそういう共同宣言がどういう
性格を持
つているかと申しますと、これは
アメリカのニユー・ルツク戦術の適用だということもほぼお互いに
意見の違いはないと思います。もしニユー・ルツク戦術の適用だとするならば、それに対する準備を
アメリカはやはりしなければならない。こういうことでその準備としてにアジアに原水爆を投ずる基地をつく
つておかなければならない、足がかりをつく
つておかなければならないということにな
つて来ると思います。そういう場合にどこにその基地を求られるかといえば、
日本の軍事基地か一番適当であろう
——私は軍事専門家ではありませんからわかりませんが、適当なものの一つだと思います。ここ数日間のアジアの諸情勢を見ておりますと、
日本にある米軍の軍事基地に
アメリカが原水爆を持
つて来る可能性は非常にふえたと言わざるを得ないと思います。もし原水爆を持
つて来るとすれば、これは中共、ソ連の側からしましても、この国自体の自衛権の発動というものもあり得ると思います。そうした場合に
日本は原水爆を
アメリカが持
つて来たばかりに、かえ
つて逆に他国の原水爆の対象になる可能性が出て来る。これを一刻も早く除去しなければ、
自衛隊をつくるかつくらぬかということよりも、
日本の国土を守る上において一番重要なことではないか、これが今まずなすべきことではないかというふうに思うのであります。そこでお聞きしたいと思いますことは、
日本の軍艦基地に
アメリカ軍が原水爆を持
つて来ることについて
木村保安庁長官は
日本の国土を守るという立場から抗議をする意思があるかどうか、そうしてこれを阻止するために努力をせらるるかどうか、この点であります。