○下川
委員 先ほど山本
委員から、私の
質問に関する関連した御
意見がありましたが、ま
つたく山本
委員の言う
通りでありまして、これは
大蔵省あるいは
各省全般にわたりますけれども、
人間だけを減らして、
行政機構の何らの変革がない、ケースが改められておらない。要するに
簡素化ということは、これをそのまま押し進めて行くと、
人間を減らして、残されセ少
人数でこれをより多く働かして、
事務を
処理するという、まことに
人間を奴隷にした
簡素化の方式であると私は
考えております。
従つて、先ほどの山本
委員のおつしやる
通り、やはり
簡素化には
簡素化の
一つのケースがつくられなければならぬ。ケースを無視して、ただ
人間を減らし、残された人聞だけを酷使することによ
つて簡素化しようとする、そういう
考え方がこの中に現われて来ておる。また先ほどの
財務局の問題でありますが、この
財務局の問題もあまり現実的に見ておらない。たとえば
関東財務局へ
行つてみると、この無数の、四万件の中の約過半数であると思いまするが、それを十人ぐらいの
人間が小さな部屋でや
つておる。なお未
処理の財産が約四割ある。そういう状態をわれわれは見て来おる。だから現在までの状態をあなたが見て来ておるならば、これだけの
人数で四万幾つのの案件を
処理する、あるいはまた未
処理の財産が約四割ある。これを
処理するには、どうしてもこれだけの
人数がいるのだ、単なる
行政の
簡素化をするとか、いろいろなことを口では言
つて、実際的には配置転換などして来るけれども、いわば
人間を持
つて来て、実際的にいろいろなケースはそのままにして、いろいろな操作をして
処理しなければ、実際に急速にはいかぬということの現実はわかると思う。それを見ずして、そういうことをうのみにするから、こんにやく問答が現われて来るわけであります。ま
つたく山本
委員の言う
通りであります。そういう点を私は今後十分
考慮していただきたいと思う。ただいまも大蔵
委員会から要望がありました
通り、
大蔵省関係は重要なる部門として、この
定員法に対する批判的な
立場で、要望を持
つて来られた。それはおそらく全員が賛成だ
つたと思いまするが、そういう点も十分あなたも
考慮してもらいたい。実際今度の
定員法は片ちんばの
定員法で、
行政機構の
改革とい
つているけれども、
人間だけを減して、何ら
機構の
改革が伴
つておらない。そういう片ちんばの
定員法を持
つて、天くだり的にわれわれに押しつけようとした
つて、そうはいかない。むしろあなた方自身の方から、それに似通
つた意見を出され、大蔵
委員会においても、大蔵
委員会の
諸君も、あるいはまた
大蔵当局としてはそういう意思がにじみ出たからああいう一致した
意見が要望されて来たと私は思う。われわれに示されたあなたの
意見というものは、実際ただいま山本
要員が
指摘された
通り、曖昧模糊としている。ほんとうの
行政の
簡素化とか、
能率の増進とか、あるいはまた財源を生き出すとかいうことにな
つておらないと私は思うこの点を留意されたい。答弁はいりません。
印刷局の問題について少々伺いたいと思います。御
承知の
通り印刷局は、一種の企業体とい
つてもいい。それがこの表を見ると、相当数削られて、二百五十五名も減員されておる。この
印刷局もほんとうに
政府の
機関的な
一つの
印刷局でありまするが、これがもつと
政府が、あるいはまた
大蔵当局が手を入れて
——あの滝野川の
印刷局にわれわれ行
つたのでありますが、その
実情を見て参りますると、古い機械を使
つておる。そうしてあの
印刷局の
仕事の何パーセントかが外へ出されておるのです。現実的に
政府が持
つておる
印刷の
機関がありながら、その
仕事がよそに出されているという原因はどこにあるか。それを
考えてみると、非常に技術的に、あるいはまた
印刷機が古いというよう点が数多く
指摘される。あそこは印紙とか、証券とか、いろいろな公債とか、そういうものがやられておる。あるいは一般的な、いわゆる
政府が使う一切の書類等々が
印刷されておるのですが、その幾分かが外へ散
つておる。その原因はやはり
印刷が不鮮明だとか、あるいは
印刷技術の悪い結果が
指摘される。あるいは高いとか、いろいろ言われておりますけれども、その根本原因は、やはり
政府がその
機関をよく注意し、監督し、そうしてもつと技術の向上とか、あるいは
職員自身の技術的な研究ということに目を注がないで、他の大きな
印刷所と比べてみると、日本の
政府が持
つている
印刷機関と、私物の
印刷所と比較すると、非常に低下するところが多い。たとえば戦時中のあの
印刷機をつくり直して使
つているのももある。そのように日本の
政府の
機関であるところの
印刷局は、きわめて劣等な機械を使
つておる。そうして普通の
印刷所の職工と、現在の
印刷局の
職員との賃金を比較すると、一割から二割くらい低い。賃金は低い、機械は悪い、そういう
関係で、勢い
政府の急を要する書類とか、いろいろなものが外へ流れて行く。これはやはり
印刷局自身に問題はなくて、
政府の指導とか、補償とか、それに対する監督とかいうものがきわめて薄いからだと私は思う。
従つていわゆる企業体的な
立場にある
印刷局が、より以上に発展するということは、どんどん
仕事が発展して行けば、勢い黒字になり、
政府にプラスする。それができないというところに欠陥があると私は思う。
従つてこれから
印刷局を発展させるためには、やはりいい機械を入れ、
職員の待遇をよくする。そうして外の商
人たちよりもいいものが、当然
政府の
機関としてつくらなければならぬ。それをわれわれは今後十分見きわめなければならぬと思うのです。そこでこの二百五十五名の減員についてでありまするが、これも今日非常に
印刷物が多い。そのときに二百五十五名というものが減員されておる。しかしこれは先ほど申し上げた
通り、企業体でございますから、より以上にいい品物をつくるということによ
つて相当注文が来る、発注される。そういうときには、この人人が、当然黒字をかせぐ
一つの大きな柱にな
つて来る。
従つてみずからが反省がない。技術面において、待遇において、あるいはまた機械において、
政府自身が
印刷局に対するみずからの反省なくして、ただ単に、いろいろな条件づきで首を切るということはも
つてのほかだ。こういう企業的な
立場にあるものは、一歩飛躍し、もう少し
政府自身が
考えて、利益があ
つてもうかるような、黒字になるような、そういう
立場に置くのが私は当然だと思う。この点に対してどのようなお
考えを持
つておられますか。