○
松前委員 この
お話の糸口がどこから出たのかわかりませんが、私の接するところにおいては、
正力さんが何とか
マイクロウエーブのものをやりたいというような
お話であります。われわれにも御相談がありました。ありましたけれ
ども、あの人の初志を通すということについて、何とか方法はないかとも
考えてみたのでありますが、どうしてもないのであります。ただ私はそのときに
正力さんにご
説明申し上げたのを記憶しておりまするが、この
フイルコの方式は、
アメリカにおいてはいわゆる
海上通信とか、あるいはまた
防衛通信に使
つておるのであるから、
電電公社の用に供するというようなことには、
理由が立たないのだというようなことを申し上げたことを記憶しております。
防衛庁と
正力さんとの
関係がその後どのように運ばれたのか、私は存じません。けれ
どもこの
フイルコの
システムを輸入するという建前からいたしまして、当然ある
中心からいろいろな
方面に網を張りまして、その
中心点との間の
通信を確保する、大体
海上通信が
中心だろうと思いまするが、こういうことを実施しようという目的でありまして、
一般の
通信用には使えない、こういうことであります。そこでただいま
片島委員から
お話がありましたところの
防衛庁の何とか
課長さんの
お話ですが、いろいろ書かれたのを今私は初めてここで拝見いたしましたが、非常に
牽強附会なところが多いのであります。先ほど
長官から今から
検討するというような
お話がありましたけれ
ども、とにかく
技術的に言うならば、私
ども多少
専門家としてはもう
検討の
余地はないのでありまして、
フイルコの
システムは私
どもは優秀ではないと見ております。決して経済的でもなく、優秀でもない。いわゆる政治的な
外国資本の
導入を
防衛庁の中に持
つて来るというようなことがいいか悪いかは、これはわれわれの
愛国心に訴えればわかると思います。
日本の将来については私
どもは非常に心配はいたしますけれ
ども、
技術的に見て、少くともこれが劣
つておるということはもう明らかであります。こういう点からいたしまして、ただいまの
大臣の御
答弁の中にありましたところの、今から
研究するというような
お話につきましては、私はどうしてもわからない気がいたします。
愛国心に富んでおられる
防衛庁長官でありますから、当然国の将来から
考えて十分お
考えであろうと思うのであります。まず第一に、この
システムは
アメリカの
防衛通信の
システムと大体似通つたものでありますので、それらとの連絡は当然とれるのであります。すなわち
アメリカの一元的な
コントロール下に
わが国の
防衛通信が置かれるというような、資本的にも
技術的にもそのような
態勢をとること‘は、いくら今日いろいろな言いのがれの
言葉がありましようとも、そのようなことを私
どもは想定することができるのであります。この問題についてどのように
長官はお
考えにな
つておられるか。第二の問題は、ただいま申し上げたところの
技術的な問題と政治的な問題について、今から調査するというような
お話ですが、これはもう明瞭なことであ
つて、いろいろ
魅力——それはすべてのことには多少の
魅力はありましようが、全体としてわれわれが歯を食いしば
つて行かなくちやならないときに、このようなことをなすべきでないと私は思うのであります。これについてもう一ぺん御
見解を承りたいと思います。