○
齋藤委員 それは私も文書によ
つて承知いたしておるのでありますが、そういうような研究を従来の研究費からわずか六千三百万円増額でも
つてやり得るかやり得ないかというところに、この
予算に対して非常に
不満があるわけであります。たとえて申しますならば、これは
電波というものに対する認識の相違でございましようけれ
ども、私の想像でありますが、ラジオが大体二千万台今あるのじやないかと私は予想しておるのであります。この二千万台を一日に五時間スイツチを入れ、一時間の電力量を五十ワツトと計算してやりますと、大体一日に五百万キロワツト・アワー使う。これはずいぶん厖大な電力をラジオは
食つているわけです。五百万キロワツト・アワーの電力をトランジスターにかえますと、大体二割で済むということです。そうすると四百万キロワツト・アワーというものがもうかるということになる。これを一キロワツト八円に換算いたしますと、相当なもうけにな
つて来る。私の計算は間
違つているかどうかわかりませんが、一年間やりますと大体百二十億円くらい電力を使うという計算になります。ですからこういうものに対して思い切
つた研究費をかけるということを、私はこの
委員会を通じて何回となく
NHK当局及び郵政
当局に要請をしてお
つたのであります。これはま
つたくこの
予算に対する
根本的な
不満でありまして、本来ならばこの
予算の一項目に対しても、この
予算に対するところの
承認は与え得られない立場に立たなければならぬと思うのであります。今日のごとき
電波の
情勢を
考え、
放送の実態というものを
考えた場合に、その他の項目も非常に重要でございますけれ
ども、
放送に関するところの研究というものは、
NHKの研究所しか充実したものはない、これに対してわずか六千三百万円の増額によ
つて、今後あるいはしばらくの間こういう
状態でも
つて、研究費をも
つて行かなければならないというようなことに対しましては、非常に私も
不満を感ずるのでありますが、一体これでも
つてNHKは
日本の代表的
放送設備として、将来の研究が十分にや
つて行けるかや
つて行けないか、これに対してひとつ御所信を伺いたいのであります。
〔
委員長退席、
橋本(登)
委員長代理着席]私はこういうような貧弱な研究所の
予算でありますと、これはまつこうから不
承認というふうに傾かなければならない。これは党内事情を申し上げては非常に悪いかもしれませんけれ
ども、改進党といたしましても、この際
聴取料の
値上げには絶対反対という空気がある。一方には、いや六十七円というがごとき低額の
料金値上げには不賛成である。むしろ八十円ないしは百円の増額をすべきであるという二つの説です。一人として六十七円という
料金の
値上げに賛成をいたしておる者はないのであります。六十七円の
料金の
値上げというものに反対をしておる者はほとんど全部の空気です。
料金の
値上げを必要としないという人は、いわゆる緊縮財政の今日において、公共企業性を帯びたところのものの
値上げというものは、一切これを否定するという立場です。しかし八十円ないし百円の
値上げが適当であると
考えておる人たちは、
電波に理解があり、
電波の将来というものを
考えて、どうしても国家的見地に立
つて発達を策して行かなければならないという立場に立つ者は、この際
NHKの研究所等に対しては思い切
つた研究費をつぎ込んで、ここから次の時代に即応するところの
電波のあり方というものを生み出させようという観念が多いのであります。しかるに中途半端な六十七円の
値上げでも
つて、目的とするところのこの研究所に対して、わずか六千三百万円の増額しか行われていないというようなことでは、
予算の編成に対する精神上から
言つて、改進党というものは、おのずから
予算承認に対して反対という空気をかもし出すよりほかしかたがないと思うのでありますけれ
ども、御
当局におきまして、六千三百万円でも充実した研究を責任を持
つておやりになれるというような御決意の御表明があれば、これはまた別であります。私はこの点に対して、非常に党といたしまして重点を置きますがゆえに、これに対してはつきりとした御決意を会長から伺
つておきたいと思うのであります。