○川上説明員
重油の規正の問題につきましては、三月の末に
石炭との関係におきまして、あるいは外貨の節約の問題に関連いたしまして、閣議の
了解があつたわけでありまして、また当
委員会におきましても、そのころやはり決議があつたわけなんですが、私
どもの方としましては、そういう
閣議了解及びこの
委員会の決議の線に沿
つて、その後いろいろな方法によりまして、規正をや
つておるわけであります。その後講じました実行の方法としましては、
重油の元売り
業者に対しまして、月々の販売数量というものを指示いたしまして、その販売数量の範囲内において販売するようにということを通知しております。これは単に
重油全体として幾らということではなくて、各
業者別にそれぞれの扱い数量を通知しておるわけであります。それから九月末におきまして在庫を幾ら持
つておれという通知もいたしておるわけであります。もしその数量に違反した場合におきましては、あるいはそれを越えて非常によけい販売したとか、あるいはまた九月末におきまして、布庫が非常に少くな
つておるというような場合におきましては、元売り
業者すなわちこれは
輸入業者でありますので、外貨の方で
調整をするということで
行つておるわけでありまして、言いかえれば外貨において罰則的な
措置を講ずるということで
行つておるわけでございます。一方
需要者につきましては、いわゆる標準購入景というものを通知いたしまして、これ以上購入しないようにというような通知を出しておるわけであります。もちろんこれは農水産関係につきましては、あるいはその船舶用というようなものにつきましては、これは
石炭を使うというわけに行きませんので、こうした方面に対しましては、別途確保の
措置を講じておるわけでありますが、一般陸上用につきましては、今申し上げましたような
措置をと
つておるわけであります。その後の規正の効果を申し上げますと、この四月、五月におきましては大体月々五十万
程度の出荷実績を示しております。これはわれわれの方からいいますと、少くとも五百三十七万
キロリツトルを本年度それ以下において納めるということになりますと、とてもこれではや
つて行けませんので、六月からは急激にこれを締めまして、六月におきましてはすぐこれを極端に締めるということはできないので、計画としまして大体三十九万
程度の計画を示したわけであります。それから七月におきましては三十四万
程度、八月、九月は三十三万
程度の数字を示したのでありまして、すなわち四月、五月におきましてよけい食つた分を九月までにとりもどす、あるいはすでに三月におきましては今年の外貨をある
程度食
つておりましたので、これも返すということで、普通の常識からいいますと、特に七月、八月、九月は非常に極端な削減をやつたわけであります。この計画に対しまして、その後八月、九月はとうていこういう数字ではやりきれないのじやないかということも考えられましたので、十万
程度の十月以降の分を繰上げて使わせることにいたしたわけなんですが、それにいたしましても、実績を見ますと、六月の最初の計画三十九万幾らというものに対しまして、三十九万八千
程度の実績を示しておりまして、計画に対しましてまあとんとんという状況にな
つております。それから七月におきましては三十七万
程度の実績であるわけでありまして、この三十七万の実績というのは、最初の十万をふやさない前の計画からいいますと、これは三十四万
程度でありますから、三万幾ら実績はふえておるということにな
つております。それから八月におきましても大体実績は三十九万、九月も大体、三十九万というような状況にた
つておるわけでありまして、十万をあとで追加したことによ
つて大体とんとんで
行つているというのが現在の状況であるわけであります。数字につきましては今申し上げましたように、七月、八月、九月というのは、最初は極端な圧縮計画を立てましたが、それでは特に中小
企業関係の
石炭への
転換というものは、
金融の問題とかいろいろな問題がありまして急激にできないので、そういうようなことを考えますと、やはりある
程度の増加をしなければならぬということで、八月の半ば過ぎに十万
程度の増量をいたしたわけなんですが、大体におきましては、
デフレの影響もいろいろあると思うのですが、行政指導によ
つて、三十八、九万のところで納め得たというような状況にな
つておるわけであります。私はここで行政指導が非常にうまく行つたということを申し上げるわけではありませんけれ
ども、その数字につきましては、われわれが最初計画しておりましたものよりも非常に飛び離れて、四月や五月のごとく四十八万とか九万とか、五十万に近いというような数字を示していないわけでございます。
それから
転換の状況につきましても、これは相当日和見的な気持を持
つておられる方が
需要者の方であつたと思うのです。従
つてその効果というものは
転換が早急に全体にわた
つて行われておるとは私
どもも認めておりませんが、たとえばセメント工場のごときは
転換を相当進めておるようでありまして、あるいはその他の
産業につきましても現在いろいろ調べておりますが、だんだん
転換をしつつあることは否定できない状況と考えるのであります。ただ問題は先ほど申し上げましたように、中小工場のごときはいきなりこれを
転換するということは、
資金の問題、いろいろな点から見てなかなか期間を要しますので、私
どもの方といたしましては、なるべく早くやりたいのですけれ
ども、そういう点も考えて対処しなければならぬというふうに考えております。
それから今後の問題でありますが、今後の問題につきましては、大体下期のこの五百三十七万
キロリツトルで納めるということにしますと、大体この十万の繰上げを
差引きまして、月々四十五万ぐらいということに相なるわけでございます。私
どもの方としてはこれをどういうふうにするかという問題を今いろいろ検討いたしております。
一つは月々の計画をどういうふうに持
つて行くか、下期と上期と全体の数量そのものは相当違いますので、毎年上期よりも下期の油を使う量は非常にふえるわけでございます。特に十月、十一月あるいは十二月というようなことになりますと、
一つは水産関係あるいは船舶関係、こういうものが上期よりも相当
需要がふえて参りますし、それに水産、船舶両方とも毎年十万ぐらいずつ最近はふえておりますので、去年の五百三十七万
キロリツトルに、合せてことしもその数字をとつたわけなんですが、水産船舶関係は合せて二十万ぐらいは去年よりはことしはふえるとわれわれは考えておりますので、その分だけはやはり一般工場分は削減されるという結果になりますので、特にまた下期におきましてはそういう水産関係、船舶関係の数字がふえて参りますから、私
どもの方としましては、その点を考えますと、上期で大体三十八万、九万
程度で納まつたからとい
つて、その
程度でこれをそのまま進めて行くことはなかなか難しい問題ではないかというふうに考えておりまして、現存いろいろ十月の数字をどういうふうにするか、十一月をどうするか、特に十一月、十二月というのは相当
需要期でありますので、十分その点は考えて数字をつく
つてや
つて行きたいというふうに考えております。
それから根本的な問題としましてはやはり私はこの
重油と
石炭の
消費分野というのをはつきりしなければならぬというふうに考えております。先ほど申し上げましたように原則として大体何パーセントぐらい削るというふうに各
産業に対しましては言
つているわけなんですが、ボイラー用はなるべく早く
転換しろ、ボイラー用については大幅削減してこれぐらいにするぞ、あるいは特定炉については大体これぐらい削減するというふうに、そういうことも一面においてはや
つておりますけれ
ども、一面においては全体の
産業として大体電力は幾ら、あるいはガスは幾ら何は幾らと、その削減の率を出して、そのいわゆる標準購入量を指示しておつたわけですが、やはりこの問題につきましては根本的な問題として
消費分野というのをはつきりさした方がいいのではないか、これを急いでやらなくちやいかぬというふうに考えているのですが、この
作業につきましても相当長きにわた
つていろいろ実は検討しておるのでありますけれ
ども、この
消費分野というのは技術的に見ましてもなかなかむずかしい点がありまして、まだ最後的な案ができておりません。私
どもの方としましては、これは一日も早く、こういう施設は
石炭を使うのだ、こういうものはやはり
重油を使わなければならぬということを、単に農水産関係だけではなくて、陸上のものにつきましてもその点をはつきりさした方が私はいいのではないかというふうに考えておりまして、一日も早く最終的な案をつく
つて決定をしたい、そうしてそれによ
つていつまでにこういう設備はこつちの方に
転換させるというふうにはつきり持
つて行きたいというふうに私は考えております。これは私は今後の早急になさなければならぬ
対策だというふうに考えております。
それから暖厨房の問題につきましては、閣議におきまして十月の一日ごろから、場合によりましては法的な
措置をとるのだという
了解にもな
つておりますし、またこの
委員会におきましても、行政的な
措置または――言葉ははつきり覚えておりませんが、法的な規制をやれという決議にな
つております。私の方としましては、大体十月の一日からそういう法的な規制まで持
つて行つたらどうかということで進んで来ていたのですが、数量的にもそう大きなものではないという面もありますし、また一面からいいますと、暖厨房関係について法的な規制なり行政的な
措置を講ずるということはなかなかむずかしい、いろいろな問題もあるし、法的な規制で行つた方がいいか、行政的な
措置に行つた方がいいか、どつちが効果があがるかという問題についても、いろいろ検討の余地もありましたので、さしあたりやはり行政的な
措置を講ずるということで、さつき申しました
転換の計画は従来の方針に基いてやることにしておりますが、法的な規制ではなくて、さしあたり行政的な指導で行きたいというふうに現在や
つておるわけであります。そういうふうに私
どもの方としましては、この
委員会の決議なりあるいは閣議の
了解に対しまして、でき得る限りのことは実はや
つておるわけでありまして、これをさらに非常に強く締めまして、そしてさらに百万キロとかあるいは百五十万とか、あるいはそれ以上の数字でとに
かく締めるということは、一般の
産業界のことにつきましても十分考えなくちやならぬと思いますので、もちろん
石炭関係の方面に対しましては私は極力協力いたして行きたいと思いますけれ
ども、今申し上げましたような関係もありますので――それに大体六月以降の実績を見ますと、計画に対しましてそうむちやな払い方もしておりませんし、大体計画
通り行つておるとわれわれは考えておりますので、今後におきましても、行政指導をこのまま続けて
行つて、あるいはもつと強く続けて
行つて、そして私は
石炭対策に対しましても何とか協力をして行きたいというふうに考えております。