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長谷川四郎君
局長の
検討を加えなければならぬという言葉、これは私は非常に不可解に感ずるのであります。たとえばベンゾールにしても、アセトンにしても、現実に
日本がどの
程度国際価格から見て高いものをつく
つておるかということを考えなければならぬ。たとえば現在の
日本の、ベンゾールにしても、そうだが芳香族からと
つてどのくらいの値段がついておるか、現在は八万円台、それから輸入すれば七万円台、これを
石油化学の方であなた方がやらせてごらんなさい、逆に計算して行けば三万円でできる。こういうような点、今のアセトンでも同じです。ですからほかの方で
関連があ
つて、ほかのものが困るからというのではなく、この種のものを
国際価格まで落さなければならぬ。落すために現在われわれは苦労しておるわけであります。一兆円というのはすなわちそこから出ておる。われわれも一兆円の予算には賛成しておる。
国際価格までいかにして落とすかということがわれわれの主眼である。そこで
石油化学を何ゆえやらなければならぬかということもそこから出発している。
石油化学の全製品は七千四百二十六品目できておる。高いから
国内でこれをつく
つて行くと、そこから影響するから、その影響するところまで
価格をなるべく落すようにして行かなければならぬと私は思う。先ほ
ども鉱山局長がいろいろ言
つているようだけれ
ども、ぼくは
石油化学をやらないのなら
原油なんか
日本に持
つて来させちやいけない、大きな間違いをしておる。フランスのモネーがどのような政策をとつたかということをまず考えてみる必要があると思う。これは行政官そのものが考えてみる必要があると思う。フランスと
日本とで
石油事情がどのくらい違いがあるか。
石油事情は
日本の方が優位じやないですか。しかもその優位である
日本とフランスと比較してみて、現在のフランスの
石油化学というものがどのくらい進んで来ているか。しかも行政官自身がこれをどのくらいの指示をして、どのくらい大きくな
つているかということ、今手も足も出ないのじやないか。こういうようなことはやはりモネー
計画だ
つていくらか考えて、そしてただ行政官だから、おれはうまく答弁して逃げていればいいのだというのでなくて、もつと献身的な、国民をおれの力でも
つておれの行政でも
つてそこまで持
つて行くのだということをやはりや
つてもらわなければだめだと思うのだ。大体われわれがそうや
つてもらうのが当然な立場にあるけれ
ども、どうもわれわれはそういう提案についてはしろうとでわからない。だからそういう点についてもう少しじつくり話し合つた方がいいのじやないか。ただここでも
つて答弁がうまくできたのが偉いのだという
考え方からもう抜け出てもらいたい、こう思うのです。そこで
石油化学を
日本でやる
程度がどの辺までできるか。今も私が申し上げたように、七千四百二十六品目つく
つているのだ、それを全部出せということはむずかしいでしよう。それには前提としなければならない要するに
経済単位というものがあるだろうと思う。またベンゾールだ
つてそうです。今の五箇年
計画を
政府が立ててや
つている合成繊維を見てごらんなさい。あとはどれからやるか。繊維
局長だ
つて何から合成繊維をと
つて行くか、もうここまで追い詰められたのだから道がないじやないですか。
石油化学というものは本年のうちにあなたがもうやり遂げなければだめです。ここまで追い詰められてお
つて、輸入が七万円、
国内で八万四千円、
石油化学から出して行
つて三万円だと明らかに出しておるのだ。それをさつき
委員長が心配しているように、排
ガスを三分の一は出ないけれ
ども、捨てているじやないか。燃料にしておるということは捨てていることだ、捨て場がないから燃しているじやないか。それをまんまとそのまま見のがしておくという政治は私はないと思う。だから私が人類観に立
つてと言つたら、人類観とは何だと尋ねられたことがある。
日本にさえ
原油を持
つて来なかつたら、世界の人類のためにどのくらい貢献したか。世界人類が、
日本にこれだけの
原油を持
つて来なかつたならばどのくらい
希望を達することができたかということを考えてみる必要がある。こういうようなことから考えても、
原油を
日本に持
つて来るな、入れさしてはならないという
議論が成り立
つて来ると思う。そこである
程度大きなものをや
つて、あとのこまかなものはさつき
委員長が言つたように、それを
国策でも
つてや
つて行く、そういう場合にある
程度の援助政策というものもおのずから出て行く。あなた方のや
つているような、そこにバーター制というものも許して、直接われわれの税金をやらないとしたならば、そこにやらなければならない求償という問題もこの中に織り込んで行けるじやないか、そういう根本的の
考え方をかえてもらわなければならぬ。今出て来ている
重油と
石炭の問題で、こうやつたら
石炭が云々だ、そんなことよりも、八千五百万の
日本国民が、いかに経済の安定をはか
つて生活をよりよくするかという、いかに国民を幸福に導くかというのがわれわれの役目なんです。だからそこにともに手をつないで行くのには、これは答弁がうまいことではなく、ほんとうに腹を打割つた小
委員会においてでつち上げて、これを
委員会に移して、末端までわれわれの
計画を行わしめて行かなければいけないのじやなかろうか、こういうふうにも考えています。ですから
石油化学というものがいかに
日本にと
つての重大な問題であるかということだ。そこでさつきちよつと私が聞いたように、中間体云云ということにな
つて行く。それでなくてそれよりもどんなに小さくともアセトンくらいなものなら
日本で出して行けるじやないか、そこまで追い詰めなくても、中間体くらいなものまで行つたものを全部集めて
国策的にや
つてもいいだろうし、やり方もあるだろう。われわれしろうとでわからないが、
専門家の皆さんならいろいろな
考え方が出て来るだろうと思うし、この次の
委員会のときには、
日本ではこれだけのものならば現在の製油
会社がこれだけあ
つてこれだけ以上のものはできるんだというようなものを出す。ただやたらにどれもこれもごつち上げていいものじやない。そこまで行つたときにおいて、あとをまとめ上げて
国策会社を立てて行くとか、他の
関連会社にあとをさせて行くというようなやり方もあるじやないか、こう思うのです。ただ求償問題にしてもバーター制にしても、そういう面を生かして行つたならばそう深く考えなくてもやり得られるだろう、こう思うのですがどうですか。