○小山
説明員 第一番目の世界銀行に対する融資要請の問題でありますが、私
どもの
関係では、鉄鋼業
関係と機械工業の
関係につきまして、融資の申請を進める段取りで、いろいろの機会をつかまえて
説明をいたしております。今までの段階では、概括的に現在までの
合理化の進捗
状況、その結果どの
程度まで
合理化が果されたか、なお国際競争力その他の
関係からさらにどれだけの
合理化をしなければならないか、従
つてそのために、国内の資金
状況がそういう
状況でありますので、どれだけを世銀に期持したいというような、鉄鋼全段の問題の中で特に
合理化の必要性、進捗
程度、その他
合理化の問題を中心といたしまして、
一般的な
説明をや
つております。
御存じのように、電気その他の
関係では、前の借款の問題もありますし、今度は話が具体的にな
つておりますが、私
どもの鉄、
石炭、機械の
関係におきましては、そういう前哨的
説明と申しますか、
一般的な
説明をいたしておる段階でございます。
御存じのように、今回来られましたドール氏を団長といたします視察団は、ドール氏は事務屋でありますが、あとの人は全部農業
関係の人でありまして、それだけに、われわれの具体的な借款の
計画につきまして中身をいろいろ聞いていただき、理解していただくというような向うの態勢もないわけでありまして、主としてドール氏にわれわれの
考えておる事柄の全貌を御
説明するというような調子であります。ことに鉄につきましては、ある
程度時間をかけて概括的なことを聞いてもらいましたが、機械については、時間の
関係その他もありまして、十分
説明していないという
状況であります。鉄につきましては
御存じのように、二十六、二十七、二十八の三年にわたりまして、第一次
合理化計画と称して、総額約千百億
程度の
合理化事業を行う。これは高炉
関係も平炉
関係もございますが、主として圧延
関係を主体として、それに付属の輸送
関係を含み、約千百億円
程度の
合理化をやりまして、現在までのところ約九〇%
程度工事が進捗しております。もちろん圧延設備等は、
御存じの
通り操業に入りましても、ノーマルな調子、その設備担当の調子を出しますために、相当の期間を要するのが常でありまして、
従つて合理化の
効果はまだとても九〇%も出ておりませんけれ
ども、仕事としては約九〇%済ましております。あと約一〇%が続いております。しかしながら鉄鋼業は国際的には、競争力その他の立場、具体的に申しますと、鉄鋼素材そのものの帰趨を見ましても、あるいは今後大いに輸出を伸張しなければならぬと
考えております機械
関係の素材として
考えてみましても、まだまだ
合理化をや
つて参らなければいかぬ。大ざつぱに申しましてまだ一〇%ないし一五%の
コスト高というような見当ではないかと思います。なお
合理化を進めて行くという要請は、役所といたしましても、それから業界の方にも相当あるわけでございます。
第二段の
合理化として、大体一体どのくらいやつたらいいだろうかということを
検討いたしますと、これは各社の
合理化の今後の希望といいますか、そういうものを集計してみますと約千二百億
程度の
合理化をなおやりたい、こういうことになるわけであります。ところが昨年後半から資全引締めの——財政資金ももちろんですし、
一般金融
方面でも引締めの情勢になり、とてもそれだけのことはやりきれないという情勢になりまして、その千二百億の
合理化計
計画工事希望に対する私
どもの基本
方針といたしましては、第一期の継続工事はどこまで無理をしてもや
つてしまう、これが前に申しました千百億の一〇%見当、百億
程度のものでございます。純然たる第二次のものといいたしましては、いろいろ
内容を
検討いたしまして、
合理化効果が非常に大きいということ、品種別等を見まして、
合理化計画が非常に遅れておるというもの、さらには独占形態的な形を多小それによ
つて緩和する、これはもちろん需給の全般のバランスの上に見ますけれ
ども、そういうような考慮、その他を加えまして五つの工事を取上げております。
一つは八幡の厚板の設備工率であります。これは中板を含めまして三つあります。工場をつぶしてしまいまして、そのかわり、その能力は全然減りませんで見合う新鋭設備をつくろう、これが
一つであります。それから冨士製鉄でありますが、広畑に御
承知のようにストリツプ工場が
完成して稼働いたしましたが、そのあとに続きまして電気メツキのブリキの設備をつくろうというのが
一つございます。それからパイプの
関係で日本鋼管と住友金属に、これは品種が違いますし、大した大きな工事ではございませんが、それぞれ
一つずつ
合理化計画をや
つております。それから最後は神戸製鋼で線材の最新的設備、この五つの
計画は、
先ほど申し上げました
趣旨におきまして取上ぐべきだという大体の
方針を先般きめまして、これはあるいは自己資金でやれるものはやりますし、開銀その他の応援を得て、国内資金でやれるものは国内資金でやる、それ以外にその力の及ばないものは世界銀行に融資を期持する、こういう段取りになろうかと思います。
それからこのほかに
一つ大きな問題といたしまして、後ほど
先ほどの質問の第二点に触れますが、薄板
関係といたしまして、川崎製鉄の千葉工場のストリツプ設備をどうするか、これは相当資金額も多くに上りますので、いろいろの内外の資金
需要から獲得ができるかどうか、そういう機会があるかどうかということと関連いたしまして
考えて行かざるを得ない。ストリツプ
関係設備だけで百七、八十億でございますが、そういうことで内外の資金
状況に期待できるかどうかというような点を
考えまして取上げて行く。第二段の
合理化計画といたしましては今申しました五つのほかに千葉工場のストリツプ設備、こういう
関係でございます。
第二番目の薄板の問題でございますが、薄板の
需要は大体大ざつばに申し上げまして
年間百万トン
程度だと思います。そのうち現在ストリツプ
関係で、最近比較的新しくできました第一次
合理化計画の設備でできておりますものが今度約三十万トンくらい、それに乗つかか
つて来るのが三十万トンくらいではないかと
考えております。あと七十万トン見当は古いプルオーバ一という設備で
生産されておるような
現状であります。問題は
お尋ねのように設備をどんどん近代化して行く、それはそれとしてよいわけであるが、それにしても
需要が全体としてふえないうちに古いものを置きかえて行かなければならない、こういうことになるわけであります。われわれとしてはいろいろ作業をやりまして、薄板
関係がほかの品種に比べまして相当
程度に
需要というものがふえて来るだろう、いろいろの観点からそういう予想をいたしております。百万トンは数年後には百五十万トンになるか、あるいはもつと大きな期待を持てるのではないか、それについても新鋭設備をだんだんつく
つて行こうと言
つておりますし、行こうとしておるわけでありますが、そういうものが大体全部できて、
経済稼働に入りました場合には——今は古いのが七、新しいのが三の割合でございますが、これは一応今
考えております
合理化計画ができた場合は逆になりまして、新しい設備が七、古い設備が三、総供給量は多少ふえるといたしましても、大体逆になるのではないか、大ざつぱにそういう見当をつけております。それで個々のおもな設備につきましての
状況を申し上げますと、八幡では従来からホツト・ストリツプ五十万トン、コールド・ストリツプ十二万トン、フルに稼働しております。そのほかに一時
合理化計画といたしまして、新しいコールド・ミル二十五万トン
程度のものをつくりました。これは二十五万トンでありますから、月二万トン
程度になりますが、まだ稼働早々でございまして、今は四分の一くらいしか出ておりません。それから念のために申し上げておきますが、ホツトとコールドの設備というものはダブるわけではございませんで、ホツトにかけたものが、ホツトを通したままの製品としても出ますが、しかしストリツプ・ミルで一・六ミリ以下の薄板をつくりますためには、ホツトを通したものをさらにコールドにかけて、数字としては足す勘定にはならないわけであります。大体薄板の
関係は、われわれとしては今の
合理化をしました能力をもちまして、さつきの七—三が三—七になるような見当で、それで大体需給は納ま
つて行きやしないかという
見通しを立てております。なおその
見通しにつきまして詳しい数字的なことにつきましては、また資料をつくりまして差上げたいと思います。
それから三番目の
輸入税の免除でございますが、
輸入機械に対する税の免除は、どうしても
輸入を必要とするかどうかということで、その都度、どうしても国産でできないようなものは
輸入しなければいかぬ、それが相当
合理化に役立つというようなものなら
輸入税を免除しようということで、しよつちゆう税の免除品目が追加に
なつたり、また税をかけるように
なつたりいろいろかわ
つておりますが、
ちよつと資料を持
つておりませんので、
輸入税を免除した実績の資料をつくりまして、あとで御返事申し上げたいと思います。大体以上であります。