○中崎
委員 最近といいますか、近年国民の考え方というものは、特にすさんでおるというようなふうに感ずるのであります。それは政治のやり方に
一つの大きな原因があるのではないかというふうに考えております。特に最近、きよう出て来ておられる運輸省の方においては陸運汚職あるいは海運汚職、あるいは保安隊
方面においてはひんぴんとして内部におけるいまわしいいろいろな問題がとりざたされておる。これが表面に出ておるのはよくわか
つておりますが、どろ沼だと言われておるくらい、非常に腐敗しておるような印象を、私たちでも持たされる。通産省におきましては、そう表面立つた問題は今のところあまりないようでありますが、先般来やはり日平産業の問題等についても、いろいろ新聞紙上等をにぎわしてみるような事実もあるのであります。それはほんの表面に出た、氷山の一角とでも考えられるようなことでありますが、こうしたような問題が出る一面において、政治というふうなものについて、次から次へとなされる場当りのやり方が、絶えず国民の信頼感を失わしめており、
希望を失わしめておるということが、大きな原因でもあるのではないかと思うのであります。たとえば燃料の場合においても、か
つては重油をしきりに奨励されて、いろいろな
設備等をや
つてようやく軌道に乗つたのを、今度は重油はぐあい悪いから石炭に転換しろというようなことになりますと、相当
業者はこれによ
つて迷惑を受ける、ある
程度まで軌道に乗
つておいたものが、燃料というような重要な要素の転換等によ
つていろいろな打撃を受ける。そういうふうな
事情になりまして、政府の方においては何らこれに対する責任をとらない。こういうふうなことが幾多あるのであります。この
航空機製造法案についても。ややそういうふうな感があるのであります。今から二年ほど前にとにかくああした
法律ができた。ところがそれから二年もたたぬ間に、またまた今度は相当強化されるような方向にこの
法律案が出されておる。これは時の動きだと言えばそれは一応そうであるかもしれませんけれども、こうしたような面においても私たちはもう少し
はつきりした根本的な大きな政策と方針を持ち、その方針のもとに一糸乱れないところの政策が、次から次へと秩序よく打出されて行くというふうな、そういうあり方でやらなければならぬのではないかというふうに考えております。また次に憲法の条項に関しましても、初めは警察予備隊である、それが保安隊になり、自衛隊になりというふうに
なつた。しかもそれが憲法に違反しておるということは、国民的の常識です。それを平気でやられておるということが、やはり国民の信頼感、遵法精神というものを失わせるところの大きな行き方ではないかというふうに考えておる。そうしたものの一環として今回こうした
航空機に対するところの行政というものが打出されておるのでありますが、これらの問題についてももう少し全般的な計画の線に乗
つて、そうして国民の納得の行けるような、そういう大きな方針のもとに政治が進めらるべきではないかというふうに考えておるのであります。これは私の政治に対する根本的な考え方であります。さてそうしたような考え方から見まして、ことに
アメリカに対する
日本の政治というものはあまりに卑屈である、ことに外交が非常に腰が弱いという印象を持
つておるのであります。重要な問題は国民をつんぼにして、そうして
秘密的にどんどん進められておる。既成事実として今度は国民が、また
国会において
一つの
法律なり何なりつくらされるというような
状況にな
つておるのではないかということを心配しておるのでありすが、経済の面においてもそうなんです。ことに兵器、飛行機等に関しましては、
アメリカの鼻息をうかが
つて、そのもとにや
つて行きつつあるのであるということを感ずるのでございまして、これらの点をもう少し腹をすえて、そうして
日本はどこまでも
日本として——それはまあ負けたのですから、百パーセント
戦前の
日本みたいなことを夢見ることは無理でありましようが、少くとも占領から解放されて独立国家と
なつた
日本ですから、占領中において不利益な状態に置かれた
日本というものを、もう少し正常の状態に返すべく、政府の方においてあらゆる
努力を傾けらるべきではないかというふうに考えておるのであります。そうした面におけるところの一環としての通産行政として、武器なりあるいは飛行機の面において、もう少しそうした考え方というものがあ
つていいのじやないか、ことに保安隊の場合においても、これはもし責任のある方から実は意見を聞きたいと思
つておるのでありますが、きようは課長か何かしか見ていないというのでありまして、こうした問題について意見を聞く責任の立場にないということは残念でありますが、一応
通産大臣からそうしたことに対する心構え、この飛行機なりあるいは武器等に対する行政について、あなたの腹構えをひとつ聞いておきたいと思うのであります。