○
記内政府委員 初めにお断り申し上げておきたいと思いますのは、繰返し申し上げておりますように、この
製品は新
製品でございます。従いまして在来の粗悪な
スレートをつく
つておる者が、これによ
つて圧迫を受けるじやないかという点でございますが、われわれが希望いたしておりますように、この品物が市中に出まわ
つて建築用材に使われるということにな
つて参りますと、むしろ
木材の
業者の方が影響を受けるのじやないかというふうにすら
考えておるわけであります。また現に
内地の
業者が今申し上げたように、A、
B社あるいはそのほかにさらに二社現在これに類するものをつく
つておるわけでございますが、この両社は、いずれも同じようなものを今後といえ
どもつく
つて参りたいということにな
つて来るわけであります。そういたしますと、この面で、
日米石綿がもし
外資導入をいたしませんでも、やはりこの種のものは
日本としては出てもらわなければ困る
製品じやないか。そういたしますと、
日米社が入る入らないにかかわらず、この四社が出て参りますと、それが
木材の代用にもなるわけでございます。但しこのうちの一部が在来の
スレート業者に食い込むということにはなろうかと思うわけでございます。これは
日米社が出る出ないにか
かわりませず、こういう優秀
製品を今後も伸ばして参らなければならぬということになれば、在来の粗悪なものをつく
つておる
業者がある
程度それによる影響をこうむるということは、あるいはやむを得ない現象ではないかとも
考えられるわけであります。もし
日米社を食いとめて、それによ
つて今後もこの種の
製品をつくらないということをわれわれの指導方針といたしますならば、あるいはその問題は解決するかもしれませんが、われわれが企図いたしますように、
日米社の問題いかんにかかわらず、この種のものを伸ばすということを建前といたします限りは、在来の
業者はやはりそれによ
つてある種の影響を受けるということはこれはわれわれとしてもやむを得ないのじやないか、但しわれわれといたしまして期待いたしますのは、そういう方面に食い込むのではなくて、むしろ
木材の
使用合理化の方に食い込んでもらいたいということをねらいといたしまして、この種のこういう新しい
製品の産業というものを伸ばして参りたいということになるわけでございます。
従つてそれを前提といたします限り、在来の
業者あるいは世間に言われております中小の
スレート業者と
日米社との問題ではございませんで、この種の新
製品をつくることによる中小企業の問題ということにな
つて参るわけであります。従いましてこの面におきましては、この
日米社の問題は一応解決したものともお
考え願えるのじやないか。問題は
日米社と今新しく出ようとしておる四社との問題にな
つて参るわけであります。これはいずれも
相当な
資本と実力を持
つている
会社でございます。あるいは今後の勉強、努力のいかんによ
つてはもつと伸びて参るということも予想されないでもございません。しかしながら今までこの種のものは
ジヨンス・マンビルによ
つて、すでに市販されておるにもかかわらず、
内地では今までなか
つた。ただ昨年からこの種の問題が起きましたのに刺激を受けまして、
会社として新しく出始めたというところでございます。また
内地におきましては、この種のものは一種のノスタルジアと申しますか、やはり
木材にいろいろな愛着を持
つて、むしろ
相当積極的な宣伝をしなければ、これの
使用はあるいは進まないのじやないかということも懸念いたされる次第であります。そういう際におきまして、やはりある
程度の宣伝費というふうな
意味も兼ねて、
日本でこの種のものを使わせるような方向に持
つて行くことがまず必要なことではないだろうか。しかもそれが
日本におきましても、今の新しい
製品と、旧来の
アメリカの
製品とを
考え合せてみますと、これは一部にはすぐれた点もございますが、総合的に判断いたしてみますと、やはり
相当な進歩を見せており長所を持
つておる。また価格の点におきましても一応推算される点においてはそういうふうな状況にな
つておる。しかも
アメリカの
資本が一部入るとは申しながら、やはり
日本の
会社であり
日本の産業でございます。従いましてこの
意味におきましては、われわれとして
技術の提携をするのもやむを得ないじやないか。またした方があるいはいいのじやないかと
考えておる次第でございます。ただその際におきまして先方に支払うべき
代金と申しますか、
ロイヤリテイ、あるいはイニシアルというふうなものにつきましては、やはり
内地にもある
程度の
会社ができか
つてかおる次第でもありますので、この辺等は十分にらみ合せて行かなければならぬ。向うの
会社の要望する
通り、うのみにするわけにも参らないのじやないかということで、せつかくその面を
検討しておる次第でございます。