○吉田説明員 先ほどお尋ねがありまして留保しておりました硫安の点でございますが、
ガス事業者が生産しております
副産物としての硫安は、大体月千八百トンでございまして、日本全体の生産量の約一%
程度に当る数字でございます。そこで工場の置場渡しで一万八千円でございます。その
原価構成につきましては、一応市価主義をと
つておりまして、
副産物控除も全部市価主義をと
つておりますので、硫安そのものについての
原価計算というものは出ておりません。
第二の津島瓦斯の点でございますが、
会社のこまかい書類を持
つて参ればいいのかもしれませんが、表面的と申しますか、
原価計算の構成にな
つて出て参
つております数字を申し上げますと、これを津島瓦斯と規模その他におきまして最もよく似ておりますものが、あの付近にあります岡崎瓦斯でございます。ちよつとこの場合と比較して申し上げますと、原材料費といたしまして、岡崎瓦斯が
ガス一
立米あたり十八円四十三銭というようにな
つております。それに対しまして津島瓦斯は十七円二十三銭、結局
炭価といたしましても岡崎瓦斯よりも津島瓦斯の方が安い炭を使
つておるわけでございます。
炭価といたしましては、一
立米あたり岡崎瓦斯は十八円三十二銭、これに約五百倍していただければ
炭価になるのでございます。それに対しまして津島瓦斯は十六円八十銭というようにな
つております。
なお労務費でございますが、同じく労務費も岡崎瓦斯は四円十二銭八厘、それに対しまして津島瓦斯三円四十銭六厘という数字でございます。
それから福利費もその
基準で参りますと、岡崎瓦斯が三十八銭六厘、津島瓦斯が三十七銭四厘でございます。経費といたしましては岡崎瓦斯が四円三十三銭五厘、それに対しまして津島瓦斯が三円二十八銭一厘、こういうふうな状態でございまして、いわゆる通常の経費なり、
原料なり、生産の点におきましては、津島瓦斯が明らかに岡崎瓦斯より安いのでございますが、ただその
算定の
基準にな
つております固定資産額というものを
考えました場合に、岡崎瓦斯は千二百十一万六千円、それに対しまして津島瓦斯は全然新規でございますために、その固定資産額が一億四千六百三十三万六千円、こういうふうに約十倍以上の固定資産額にな
つております。それから資本金にいたしましても、岡崎瓦斯は三百万円でや
つておりますが、津島瓦斯は御承知のように五千万円という資本金にな
つております。
また借入金につきましても、岡崎瓦斯は六百四十七万円の借入金でございますが、津島瓦斯におきましては八千二百七十一万四千円という借入金にな
つているわけでございます。
それからあと多少
原価に響いて参りますのは、大体
ガスの販売量は年間津島瓦斯が百万
立米、岡崎瓦斯が百十七万
立米というような数字でございます。そういうふうな点がございますために、
減価償却費が岡崎瓦斯におきましては八十五銭九厘というふうな数になりますのが、津島におきましては、
減価償却費が五円十一銭九厘という数字に相なります。
なお借入れの金利でありますが、この金利の織込みが岡崎瓦斯におきましては五十五銭三厘でありますものが、津島におきましては八円二銭二厘という金利の高になるわけでございます。
それから利潤につきましては、これは一応三年間を通じまして三年目に五%ということで
考えておるわけでございますが、これが岡崎瓦斯の場合には一五%の
配当基準にいたしまして、一
立米当四十二銭三厘で済むものが、津島としましてはこういうふうな五%にいたしまして一円八十二銭になる、こういう形にな
つております。従いまして岡崎瓦斯の
原価が二十九円十二銭、津島瓦斯が三十二円九銭という数字になります。これに対しまして
コークスその他の販売品の
副産物控除をいたしておりますが、これにつきましては岡崎が九円二銭五厘、津島におきましては十円七十七銭七厘というものを
副産物控除をいたしております。これによりまして、結局現有の
ガス料金の
原価が、岡崎瓦斯が十九円九銭五厘、これに対しまして津島瓦斯が二十八円五十圧銭二厘と、約九円ばかり高くな
つておるのでありますが、その点は今申しましたように
減価償却費、借入れ金利の相違で十三円以上も高いものにな
つておるのでありまして、そのほかの面につきましては一応安いのでございますが、こういうような状態が、全然新規の事業としまして、固定資産の額が非常に大きいということの結果現われておりまして、なお固定資産が大きいために借入金も相当大きいということから来る金利の支払いが非常に莫大なものにな
つておるという状態でございます。従いまして岡崎瓦斯自体も、もしこれを新規にやるといたしますと、あるいは津島と劣らないような数になるのではないかというように
考えられるわけでございます。最近の非常な問題といたしましては、たとえば最近できました富士吉田というふうな
ガスの
会社におきましても、やはり二十六、七円の
原価にならざるを得ないというような形にな
つております。これは今申し上げましたように、固定資産と借入金から来る金利の
償却にほとんど問題が集中しておると申し上げていいのではないか、こういうふうに思います。