○
岡田(秀)
政府委員 代理店の
熱意いかんによりまして、当該
地方への
公庫の金の貸出しが左右されるということから
関連いたしまして、さような場所に対して
相談所をまずつくつたらどうだという
お話だと思うのであります。
代理店の
熱意というものが、この報告書等の各
府県別の貸出し残高等を見ますとかなり
でこぼこがあるのでありますから、これによ
つて代理店の
熱意いかんということも推定はされるかと思うのでありますが、それはやはりそれぞれの
地方の
経済力と申しますか、
公庫の金に対する欲求の
程度等もございましようから、ある県の貸出し残高が悪いというのが、すなわち全部
代理店が
熱意がないのだというふうに見てしまえるかどうか、これは多少の余裕を見て行かなくちやならぬかと思うのであります。要するにある
地方で、その経済的な
状況が違わぬと思われるような
府県があるのに、一方の県にはかなりの金が出てお
つて一方の県にはほとんど金が出ない。それから与えられた
わくから見れば大差がないという場合には、何かそこに
代理店のやり方にも批判されるべき点があるのじやないかというふうに
考えられるわけであります。さような場合におきましては、
先ほど私が申し上げましたように、貸してもらえなかつた人が、なぜ貸してもらえないのかということが納得できるようにさせて行くということによ
つて、問題の解決をはかり得る面がかなりあるのじやないか。たとえば
公庫なら
公庫で、そういう人が
苦情を言
つて来るところを設けてお
つて、自分は何々
代理店に行つたら断わられたんだが、どうしても納得が行かないということを聞きまして、なるほどと思えば、その
公庫がその
当該代理店に対して、ああいうものをけるというのは、少しおかしくないかというふうに内部的に連絡し、また
公庫の立場から
指導するということも可能であろうかと思うのでありまして、各
府県にそれぞれ
相談所をつくるということも困難かと思いますので、さしあたり支所といたしましては、大阪でございますが、
相談室
程度のものをブロツクの
中心地点くらいに設けまして、その
相談室と申しますのは、中金の支所を大体活用して参りたいと思
つておるのでありますが、それも
公庫の
相談室ということにいたしまして、今のようなことも重要な
仕事の
一つとして扱わせて行かせたらどうかと
考えておるのであります。いずれにいたしましても
公庫と
代理店、
代理店とその
代理店におられます
中小企業者との
関係が、もう少し円滑に行き得るようなくふうを今後一段と重ねて行くべきものであろうと
考えるのであります。
設備費の貸出しの中で増設というのがかなりの割合を占めておるという点から、いわゆる大
企業その他におきまする二重投資その他の他の
関係、これが
中小企業の方面においても起るようなことがあ
つてはいけないということでございます。まことにさように存ずるのでありまして、私
どもといたしましては、大体から申しますれば、設備能力の増加を来さざる内部の補強、内部の近代化あるいは当該
企業として設備全体がバランスがとれておらないというふうな場合、そのバランスのとれておらない点に設備の若干のつぎ足しをやれば、全体が調子よく動くということになることもありましよう。さような場合においては、若干の設備の拡張ということにな
つても、これは金を貸すということが必要であろうかと思うのであります。私も今年の春ごろ若干
公庫の貸出先を歩いてみたのでございますが、なかなかみな設備の急所急所をとらえまして、そこを
公庫の金によ
つて合理化して行くという
方向へ
努力をされておるのを目のあたり見まして非常に愉快に感じたのであります。私
どもといたしましても今後単に
代理店の
金融上の見地からのみの、貸す貸さないの決定のほかに、大きく申しますれば政府全体の
経済政策、あるいはさようなものから来ます、
公庫の貸出しについての方針というものが要請されることに相なりますれば、それが
代理店に十分に反映するような
方向に持
つて行かなければならぬと思います。特にこれが二重投資でありますとか、あるいはむだな
方向へ金が流れるというようなことにな
つては相ならぬのでございます。さような
方向はもとよりやめるとしても、
中小企業全般の各業種に金を流して行く
関係でございまするので、あまり重点主義的な貸出方針というようなことをむずかしく
考え出しますと、この
公庫の
運用というものはなかなかむずかしかろうと思うのでございます。ごく大まかな点についての御注意のありました点は、今後運営の上でも十分注意して参りたいと思います。
運転
資金に関しましては、当初
公庫が業務を開始いたしまして以来、
審査能力その他の
関係から、運転
資金はちよつと見送ることにいたしまして、設備
資金でスタートをした、その後運転
資金につきましても、一応一年以上の長い運転
資金というものはかようなものであ
つて、これに該当するものには金をお貸しいたしますということを申したのでありまするが、すでに設備
資金を貸してくれという、俗語で申しますと行列が相当長くでき上
つておりましたために、運転
資金の
希望者が何十番目かの行列のあとにつかれたというふうな
関係もありまして、今までのところ設備
資金貸出しの方が非常にふえておるわけであります。もとより設備
資金と運転
資金とは
企業としてうらはらになるのでありますから、両方見合
つて出さねばならぬということは当然であろうかと思いまするが、私
どもとしましては、今後デフレの
状況にありまして、
金融が引締ま
つて来る、財政の面もこれに歩調を合せて来るということから、
中小企業者が非常な苦しみに出あうということになりますれば、いわゆる長期運転
資金によりまして、
企業の安定を期するということが非常に必要にな
つて来るのではなかろうかと思うのでありますが、インフレの状態にあ
つてはごまかしきれた
企業の内部の欠陥というものがデフレのときには隠そうとしても隠しきれずに、必ず外へ現われて来て、その
企業を倒すというふうな結果に相なるわけであります。
公庫の運転
資金等につきましては、さような面に使
つていただいて、
企業の内部を健全にする、
企業の運営を安定せしめるという
方向に御利用願いたいと思うのであります。さような
趣旨から
公庫におきましても、今後運転
資金の貸出しの面に特段の
努力を払うというふうな
態勢にいたしておるのでございます。今後さような
意味において、御注意にありました点を、十分
公庫の
運用に生かして参りたいと
考える次第でございます。
資本金一億円の点は、従業員が三百人未満のもので資本金一億円というのがまぎれ込んだのではないかと思うのであります。
それから五百八十八名というのは、おそらく鉱山等で従業員千人まで認めるということにいたしましたから、五百八十八名というものが入
つておる。これは五百八十八名で資本金が一千万円未満で入
つて来たというよりは、むしろ炭鉱の
関係、あるいは鉱山の
関係で、入
つて来たと
考える方が正しいかと思うのであります。業種は調べまして別途お答えいたしますが、りくつから言えばこれはおそらく三百人で入
つて来ましたか、あるいは鉱山等における従業員千人というので入
つて来たか、要するに従業員
関係で逃げたやつだと思います。