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中崎委員 現に
イランの
石油は品質がよくて
値段が非常に安いということは、
説明を要するまでもないことであります。同時にこれはたとえば五千万ドルの
外貨の
節約になるという、あるいは六千万の計算も立てられる。それでは
相当に買えばということでありますが、これはいろいろ、計算の立てようもありましよう。いずれにしても何千万ドル
程度の
節約ができるということは、はつきり私は言えると思う。それでありますから、一面において向うは
石油が余
つているのだからこつちへ売りたい。
日本でも今度は物の輸出をする。たとえば船の場合でも非常にほしが
つておる。あるいは医薬品も非常にほしが
つておる。繊維品もほしが
つておる。そういう
日本で余
つている、売りたくてしようがないものが頭打ちとな
つて、どこへも輸出ができぬで四苦八苦している。向うはこつちへよくて安い
石油を売りたい。プラント輸出であるとか、あるいは繊維品であるとか、医薬品あるとか、余
つておるものを向うはもつとどんどんほしいといわれる。こんなにいいことはない。一挙両得です。両方ともいいんだ。こういうことがあるのに、なぜこれを強力に推進しないのか。言いかえると、あまりに
イギリスに気がねし過ぎやしないか。
日本の八千万、九千万の人間をどうするのか。
日本の国をどうするのか。もう少し情熱を持ち、良識を持
つて今後すべきことはして行くんだ。これだくの腹構えがなければ、向うにけし飛ばされてしまう。話もへちまもない。ロンドンに代表が行
つてどういう話をして来るか知らぬけれ
ども、あるいは
イランの
石油は
輸入しない、そのかわりポンド圏における輸出入の
金額をほとんど対等にするというような交換条件でも、もしあるとするならば、われわれは国民とともに黙
つておられない。もしそういうふうな最も弱いところの、向うの言うがままになるような
話合いをして来たとすれば、断固としてわれわれは
承知できないのであります。この点についてはいずれ、今言われるように
関係者も帰
つて来て
実情を報告すると思いますが、この問題とほんとうに関連性のないことをわれわれは要望しておくと同時に、さらに
政府側においてはこの大きな問題――たとえば
日本の輸出がそつちに向けられる。
輸入した
金額と対等のものを向うがほしが
つておる。そうしてお互いに向うからは安いものを買い、
日本からはあり余つたものを輸出できるという関連性において、しかも
英米のこの
日本におけるところの
独占的なものをある
程度チエツクすることができる。言いかえれば、そういうものを
輸入するとすれば、まだ
石油の
値段は下ります。これははつきり言えます。ほ
つておけばまた一割、二割は上ります。去年の暮れから一割上
つておるから、まだ一割、二割は上ります。一体物価引下げであるとか、
日本国民のための
経済振興をほんとうにはかるなどとい
つても、から念仏にな
つてしまう。これは私は根本的にこの問題をもう少し真剣に腹をすえてや
つていただきたいと思います。まだいろいろたくさんこれについての具体的な
数字を持
つており、
意見もあり、議論もしたいと思いますが、いずれにしても、外務省の
関係者にも出てもら
つて、いずれ通商局長などあつちへ行つた諸君も帰
つて来ると思いますから、それらの人等の
意見によ
つて、あなた方の方でも腹をきめてもら
つて、
イランからどのくらいの
程度手を打
つてみようとか――現在
イランが
英米の
石油側と
話合いをして、一〇%
程度は自分の国の自由にさせてもらいたい、一〇%か一五%や
つてもらいたいということでしきりにもんでおるようでありますから、その自由に許された範囲において
日本が買うということは当然のことである。これを
日本が側面的に
イランに連絡してや
つて、
日本の方では一〇%か一五%買うから、君の方も強力に
英米石油資本に対してがんばれということをうんと連絡した方がよいと思います。そのくらいの腹をも
つて外交的な
一つの手腕を持ち、ゼスチユアを持
つてやられたらこの問題は解決がつくと思います。ひとつ強力にそういう意味において案を立
つてもらう、そうして両三日中に
委員会において通産
大臣の確固たる
意見をひとつ聞きたいと思います。