○帆足
委員 関連して……。
需給の問題がただいま出ておりましたが、
硫安の
需給状況が
相当逼迫した
状況にあるということは、ちようど春肥の前でございますし、
当局が心配されておることは、ある
程度の妥当性があると思います。しかし同時に、この問題につきましては、与党の各議員の方々ともしばしば私
意見の交換をする機会を持ちまして、わが議員連盟三百名の議員は、ほとんどこの問題について満場一致理解をしておる問題でございまして、
中国の五億の農民を擁する市場に対して、最初の窓が開けようというときに、五万四千トンならずとも、せめて三万トンでも二万トンでもいいとまで同僚議員が言われておるのでありますから、私はこれは方法はあると思います。実は農林
当局の方々とも、たびたびこの問題について話し合いまして、そうして内輪のことでございますから、言いますのには、確かに
需給の
状況は切迫しておるので、慎重な考慮を要する。しかしこれについては、農民団体並びに農林
委員諸君の御了解と、通産省の御了解があれば、一段
努力すればできない情勢ではない、しかしこれには
政治的了解がいる
輿論の支持がいる、そういうすれすれの
状況であるから、結局今日の
状況で、
輸出はどのくらい重要であるか、そしてこの
硫安の発注をま
つたくキヤンセルしてしまうことがいいかどうかということについては、それは重大な問題であるから、農林
当局としても、これをキャンセルするようなことを進めるわけに行かないので、ひとつ通産
当局にも
事情をよく話しておいてくれ。最後に結論としましては、通産
当局は
輸出第一主義の今
立場に立
つておりますし、農林
当局としては、今永井
委員の言われるように、多少農民を守るという
立場で、控え目な
立場なんですから、両省が協議してひとつ何とか打開策を考えたい、ついては、通産省からまだ積極的御要望がないということが、非常に事柄をやりにくくしておることが
一つと、同時に農林
委員会の方々の御了解が必要である、問題は、こういうことで今展開しておるのでございます。従いまして、本日はまだ昼でございますので明日最後の通産
委員会があるとしますれば、私は外務省並びに農林省と、本日の夕刻でも連絡していただきまして、明日は農林省、外務省
当局もここでお立会いの上で、一挙にこの問題についての基本国策をきめていただいたらどうかと存じますが、数字の上のことはすべて検討し尽してございます。農林
委員の方々のお気持もほぼ了察できる段階にな
つております。農業団体は相次いでその意思を表示しておるような
状況でございます。そういう
状況のもとで、とにかく
中国へ出す、全面的にキャンセルということはしない。そして五万四千トンならずともせめて四万トンでも三万トンでも捻出する。こういう
程度の結論に一両日中に到達いたさねば、少くとも数日中にこれの諾否を返事しなければ、国際信義上から申しましても、
——実は大体できはしないかという、できそうなそぶりをわれわれは北京の方に電報を打
つてあるのでございます。いよいよできないのであれば、北京も西ヨーロッパに発注しなければならないと思いますので、この問題につきまして、深甚な御考慮を願いたいのでございます。
さらにただいま
電力の問題も出ましたが、多少の
電力増配は考えていただけるのではあるまいか。さらにまたこれの見返りは主として粘結炭でございます。粘結炭につきましては、三月までアメリカ炭の手当をしておるということで、多少
業者の一部で消極的な部面があ
つたと思いますが、これも来年、再来年度のことを考えますと、どうしても
日本の粘結炭の二、三割は開らん炭に依存しなければならぬ
事情もございますので、そういう長期の計画に心をいたされまして、この
硫安の見返りの粘結炭の問題はあわせて重要な問題である、こういう点からお願い申し上げたいのであります。どうか
政府当局におかれましても、もう各
委員の言われますことは超党派的に尽されておりますので、本日の午後でも連絡を持
つていただきまして、この問題が多少なりとも窓を開きますようにお願いいたします。
最後に一言私が経験したことの
一つだけを申し上げます。実は
中国で北京に参りましたときのことですが、昔の
中国というものは非常に暗い、犯罪に満ちた治安の悪い国でございましたので、今度普通に統一されて近代国家の一員のような
態勢を整えますと、いいところばかりが対照的に目につくというようなことで、
貿易の相手方としてはやや安定した国であるということは一致した
意見でございます。しかし悪い点はどういうところかということを一言だけ御参考に申し上げますと、何分にも非常な後進国でございまして、
日本より五十年も百年も遅れておる部面が至るところにあります。北京の町に参りまして悪い点は、たとえばお医者さんの数が非常に足りぬ。五億の人口に対して五十二万の医者が必要なのに、一万二千人の医者しかいない。従いまして漢方医薬から解放されて、医者に通うことを覚えた—もちろん漢方薬も大事でありますが、近代医学の世話になることを覚えたので、一ぺん病気になりますと、お医者さんに
行つて二十四、五人も待たなければならぬ。この一万二千人のお医者さんの大部分は
日本で勉強したお医者さん
たちである。従いまして
日本の医薬や、
日本の医療器械を実にほしが
つておる。そこで私そういう会に出たのですが、漢方医の方を集めて短期教育をしております。すると中にはこれから初めてペニシリンを使う、初めて体温計を使うというような講習を受けておるのでございますが、体温器
一つに例をとりましても、一億戸数ありますので、帆足さん、体温計は一戸に一個必要であるとして、一億本必要なことになりますが、
日本の産業界はそれだけの御準備がありましようかというじようだん話が出まして、私はせめて百万本くらいどうかと言いましたら、実は仁丹体温計に一万本発注したというようなこともございました。こういう大きな市場でありますから、どうか真剣にひとつこれに御協力くださいますよう、明日もあらためて申し上げますが、お願いいたします。