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帆足委員 アメリカ政府の圧力及び臺灣政府の圧力があることは、私は具体的に実はよく存じておりまして、それではいずれお教えしたいと思いますけれども、しかし公開の席では都合が悪いと思いますから、いずれプライヴ工ートにお耳に入れたいと思います。(「そんなことはない、公開々々」と呼ぶ者あり)しかし外務省
当局は、そういう商業の問題に対して、独立国に対して不当なる圧迫が来るという
ようなことはあり得べからざることであるというくらいの独立心をお持ちの
ようでございますから、それは私はたいへんよい心がけだと思います。かくあるべき性質のものであろうと思います。(「与党の言う
ようなことを言うな」と呼ぶ者あり)そこでかくあるべき性質のものであると思いますの、で私は
川上さんの御批判もさることと存じておりますけれども、
川上さんの非難が当らぬということを外務省
当局は実行において証明していただきたい。とにかく多少なりとも正道を歩もうとして
努力しておる、ましてや与党野党の議員は、これは国民の代表でございますから、もし政府がそういう態度をとられるならば、公正にこれを支持するであろうと思います。というのは、中國との貿易はすでに衆参満場一致の賛成を得ていることですから、一年前でしたら籬を隔てて隣の娘をくどく
ような思いもしましたが、今は天下晴れて許されておる範囲の貿易についてはや
つてもさしつかえないのですから、われわれは明朗な気持でやろうと思
つておるわけですから、ひとつ政府も明朗な気持で御協力願いたいのでございます。こういう見地に立ちまして、しからば
現実においてはアメリカや臺灣の方の圧力が多少、
部分によ
つてははなはだしく参
つております。しかしこれは私は別にお知らせいたします。そこでこれを突破いたしますために、技術的な考慮も私いろいろ
考えて申し上げておるのですから、
川上委員の御了承も得たいのですが、とにかく実行することが大事です。そこで農林
委員会の有志の方々の御意見も承りました。また農林省農業経済
局長肥料
課長の御意見も承りましたが、結論は、かりに二月末を
基準にとりますと、二十万トンの余力があるのでございます。しかし二十万トンの硫安の持越しのうちで、硫安需給調整法が通
つても、また通らなくても、十数万トンぐらいはひとつ多少の準備期間を持たねばならぬ、また多少はランニングストツクも持たねばならぬというので、需給が逼迫しておりますことは、これは
通産省の御
当局においても御苦心の点だと思います。しかしそれならばわずか四、五万トンの
輸出が中國にできないかというと、今
日本の
国際収支が余裕綽々たる時代であり、中国の市場にも三十万トンや五十万トン硫安の出ている時代ならば、需給が逼迫しているからこのところ
ちよつと譲
つておこう、これもいいのですが、今
日本の
国際収支はまさにSOSの
状況であ
つて、しかもその上中國の事情は、まさに
世界各国があそこに売込み戦を始めておる。中國の市場がやわらかなときに入らなければ、一、二年後にもう市場がかたくな
つてからははすの実といえども育たない、こういわれている新しい市場でございます。そこで一週間後にこの五万四千トンの発注を全部キヤンセルすることは、私はせつかく開けかかつた窓口をふさぐものであ
つて、経済の専門家としてわれわれのたえることのできないことでございます。従いまして五万四千トン全部でなくても、せめて四万トンでも三万五千トンでも出す
ように御
努力なさることが大局の国策から見て必要ではないか、農林省は本来農民を守る受動的立場にある省でございますので、多少積極的に動きにくい事情があることも私存じております。農林省
当局の言うことでは、どうも自分の方は受動の立場にある、
通産省においては
輸出振興第一主義という立場に今立
つておるのであるから、この点ひとつなんとかして
輸出市場の窓口だけでも残しておかなければ、これは大問題だ、年内にキヤンセルしてしまうということはあまり軽卒ではないか、そこで農林省
当局で二十万トンなり二十一、二万トンのもののうちで、三月にな
つてでも多少でも中國に出すことを考慮しないか、四月になれば豊水期に入りますし、年度がかわ
つて融通もきくわけでございますから、従
つて三月にせめて三、四万トンだけでも出す方法はないか、そうすると農林省
当局としては方法はある、あるけれどもとにかくすれすれのところであるから、農林
委員の皆様並びに通産
委員の皆様の、やはり国民の輿論の御了解というものが必要だ、こういうことでした。そこでこの農民問題で一番神経がとが
つておるのは御
承知の
ようにやはり農民団体、これを使う需要者の立場でございます。農民の代表としては各種の協同組合があり、そしてまた農民組合があります。特に農民組合は社会党左右両派はこれと密接な
関係がありまして、特にそれを守る
関係にな
つておりますし、また与党たる自由党、改進党の方もまた多数の協同組合側の
委員を出しておられますので、これらの有志の方々と御相談いたしまして、大体の空気としては、ひとつ硫安
業界も自粛し、政府側も監督を厳重にするならば、その
程度の硫安の
輸出は捻出でき
ようじやないかという空気が今圧倒的でございまして、わが党におきましては農業議員団の総会を開きましてすでに決議をいたしました。また農民組合の大森眞一郎君にも相談いたしまして、農民組合もそういうふうに自粛してやるならば何とかして出して来る、それで為替を節約して、綿花なり羊毛なりその他の輸入力が増すのであるから、この際わずかばかりの硫安でも中国の市場に出しておく方がよかろうというふうに農民団体とも申合せをしました。それからまた全購連にも御相談しましたら、非公式でありましたけれども、大体その点は了承して、場合によ
つては文書をも
つて政府に要望書を出すことも大体できそうだという空気になりました。そこで、本日も農林
委員会の
理事会等においても御相談が進んでおると思いますけれども、
通産省当局におきまして今
輸出第一という
観点から農林省
当局並びに外務省
当局にお申入れくださいまして、何分にもこれを二、三日中にキヤンセルしてしまうことは惜しいというので対策を講じております。農林省としてはそれではひとつ何とか措置を講じ
ようというので、両議院の農林
委員長と農林
理事と御相談くださ
つて、そうして
理事会または
委員会で、とにかくこの運用上御了承くださるならば技術的には適当な措置を講じ
ようと思うがというふうにお諮りくたされば、大体これは通るのでないかというのが一般の方々の今日の見通してございます。漫然とこれをほ
つておきなすと、確かにこれは政府
当局の責任だけでなくて、需給の
状況が逼迫しておるということは事実でございまして、多少調整に骨を折らねばならぬ
状況であることは
承知いたしておりますけれども、しかし先ほど申し上げました今の為替の
国際収支の状態が最悪の事態であるということ、中国という人口五億を擁する厖大なる農業国の市場に対して今や西ヨーロツパの肥料が殺到しつつあるという事情から見れば、この際
通産省が
輸出の突破口を確保しておくことが国家百年の計から
考えてもきわめて重要だという認識を当然通産相及び次官は持たるべきである。そうだとすれば、今機械的に発注を断るよりも、何とか成功させるためにお骨折りくださるならば、五万四千トンならずとも、四万トンあるいは三万五千トンでも成立せしむることが国の利益上必要ではなかろうか、こう思うのでございます。従いましてこれは大臣、次官の政治的な裁断の問題にかかるわけでありますから、次官からひとつこれに対してせつかく
努力するという御言明をいただきまして、具体的に二、三日中にそれぞれの事務的措置に御着手願いたいということを切にお願いする次第でございます。またこのキヤンセルをするとしますならば、私は次官から正確に、もう万事休すである、断
つてくれというぎりぎりのところまで承つた上でなければこれは軽卒な措置ができかねますので、
業界各種のオファーを引き受けておる方から相談を受け手下りますけれども、目下自重を要望しておる次第でございます。また多少政治的圧力に対しましては、それは貿易商なり問屋なりまたは中京貿易
関係の
メーカーなりがそれぞれの立場において責任をとるという
ようなことも下相談ができておりますから、政治上の圧力についてはあまり御心配なさらぬでいい
ような技術的方法もあろうと存じております。次官からどうぞ。