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1954-10-23 第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第85号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十月二十三日(土曜日)     午前十一時三分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 熊谷 憲一君    理事 佐藤 親弘君 理事 吉田 重延君    理事 藤田 義光君 理事 西村 力弥君    理事 門司  亮君       灘尾 弘吉君    前尾繁三郎君       三池  信君    中嶋 太郎君       並木 芳雄君    石村 英雄君       井手 以誠君    北山 愛郎君       伊瀬幸太郎君    大石ヨシエ君       中井徳次郎君    松永  東君  委員外出席者         警察庁長官   斎藤  昇君         警  視  長         (警察庁警備部         長)      山口 喜雄君         自治政務次官  石村 幸作君         自治庁次長   鈴木 俊一君         総理府事務官         (自治庁行政部         長)      小林与三次君         参  考  人         (佐賀県議会議         長)      安永 沢太君         参  考  人         (佐賀県議会副         議長)     向  虎治君         参  考  人         (佐賀県議会議         員)      宮崎  茂君         参  考  人         (佐賀県議会議         員)     田久保与一郎君         参  考  人         (佐賀県議会議         員)      山下 徳夫君         参  考  人         (佐賀警察本         部公安部長)  山口 末夫君         参  考  人         (佐賀警察本         部警備課長)  江間  恒君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 十月二十三日  委員鈴木幹雄君、古井喜實君及び和田博雄君辞  任につき、その補欠として中嶋太郎君、並木芳  雄君及び井手以誠君議長の指名で委員に選任  された。 同日  理事鈴木幹雄君の補欠として藤田義光君が理事  に当選した。 同日  熊谷憲一君及び西村力弥君が理事補欠当選し  た。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員会設置の件  参考人招致の件  地方自治及び警察に関する件     —————————————
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより会議を開きます。  本日は去る九月十八日及び二十一日、佐賀県議会におきまして起りました事件について、参考人よりその実情を聴取することになつております。伝え聞くところによりますと、この問題は議案採決をめぐりまして種々紛争が惹起せられた模様でありまして、地方行政を所管いたしまする本委員会におきましては、その実情について調査するため、委員を派遣して実地調査をするか、あるいは関係者参考人として出席を求め、その実情について調査をするかなど、議論をされたのでありますが、結局本日参考人より実情を聴取することに相なつた次第でございます。もとより本委員会といたしましては、これによりまして地方議会の健全円滑なる運営を期するとともに、紛争解決の糸口でも見出すことができ、これによりまして地方行政の上に資することができれば幸いであると存ずるのであります。参考人各位におかれましては、この趣旨を了承せられ、忌憚なくその実情陳述くださることを希望いたしますとともに、遠路かつ御多忙中にもかかわらず、わざわざ御出席くださいましたことに対し、委員会を代表して厚くお礼を申し上げる次第であります。  なおこの機会参考人追加選定につきましてお諮りをいたします。すなわち、先般選定いたしました警察側参考人公安部長のほかに、具体的の実情につきまして、警備課長江間恒君よりも説明を聴取する必要があるように存じますので、同君を参考人とするに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、委員方々の中からさらに一両名の参考人の喚問を御要求をしておられる実情ではありますが、これにつきましては、一応すでに決定せられました参考人を取調べました上、必要あればあらためて各位にお諮りをして、これの採否を決定いたしたいと存じますから、さよう御了承願います。
  4. 門司亮

    門司委員 この問題は警察関係の面を含んでおりますので、昨日の委員会で一応斎藤国警長官佐賀県会における警察官の処置その他については質問をしたのでありますが、斎藤長官自身ただ通り一ぺんの答弁であつて内容等については十分知つていなかつたように考えられまするので、この機会斎藤国警長官委員長からここに呼んでいただきまして、そうして同席でやはり私どもまた聞くべきことがあれば聞いた方が、この問題の真相を知ることのためにも、また将来のためにも必要かと思いますので、委員長からひとつ斎藤国警長官出席要求していただきたいと思います。
  5. 中井一夫

    中井委員長 お答えいたしますが、実は御趣旨を体しまして、斎藤国警長官出席要求しておるのでありまして、ただいま来つつあるという報告でございますから、間もなく出席されると思います。
  6. 三池信

    三池委員 ただいま議題となつている本問題の審議進め方について。実は実情その他について本委員会委員方々も知悉されない面が多分にあるのではないかと思います。参考人に対して各委員からいろいろの具体的な問題について種々質問があるでありましようが、その前に一般的な情勢について、委員各位はそれを承知される必要があるだろうと思いますから、各委員質問に入ります前に、委員長から各参考人に対して、その当時の情勢がある程度委員に知悉されるように、一般質問をまず始められて、それが終つたあと委員からの参考人に対する質問を始められるよう議事進め方をしていただくように要望したいと思います。
  7. 中井一夫

    中井委員長 お聞きの通り、ただいま三池委員から質疑方法につきまして御意見が開陳されたのであります。ごもつともな御意見と存じますが、御意見趣旨を体しまして、各参考人陳述進行中に事案の内容がよくわかるように進めて行くことにつき、格別注意をいたして参りたいと存じます。  なおこれに対しましての質疑委員長から総括的にまずやれ、こういうような御趣旨と存じますが、一応そういうふうにとりはからつてよろしゆうございますか。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  8. 中井一夫

    中井委員長 それではさよう決定をいたし、そういう順序で進行いたして参ります。  本委員会において決定いたしました参考人の名前を申し上げます。佐賀県議会議長安永沢太君、佐賀県議会議長向虎治君、佐賀警察本部公安部長山口末夫君、佐賀警察本部公安部警備課長江間恒君、日本社会党佐賀支部連合会佐賀県議会議員宮崎茂君、この五君であります。  まず安永県議会議長から御陳述を願いたいと存じます。安永参考人
  9. 安永沢太

    安永参考人 佐賀県議会の九月県議会混乱の原因は、これは本年の当初予算にさかのぼつておるのでございますが、佐賀県の昭和二十九年度の予算総額は、大体七十億四千二百万円になつております。このうちに県税収入が約九億でございまして、総予算額の一三%になつております。残る八七%は国依存になつておりますので、予算が非常にきゆうくつになつておりまして、当初予算編成の際におきまして、すでに歳入見込みのつかない分が六億を見込まれておりました。このうちに教育費が二十五億一千九百万円、教育費のうち教職員人件費が二十億八千三百万円という関係になつております。この当初予算における六億の赤字を中心にいたしまして、非常に論議がかわされました。県議会における自由党におきましては、その当初予算の中から三億七千万円の減額修正を用意いたしまして、予算の組みかえというよう議論が出ました。この減額修正中心といたしまして、県議会勢力分布の変動がありました。それによりまして、これをわかりやすく保守派革新陣営ということに、用語の適不適は別でございますが、かりにこの言葉で以下述べることにいたしますが、県議会総員四十三名のうちに、三十三名の保守勢力、それから社会党の七名、これに同調する無所属の新政クラブの三名、いわゆる保守三十三対革新陣営十という分野にわかれました。そういたしまして、この当初予算は少額の減額修正にとどめまして、保守陣営におきましては、知事に対し、当初予算は一応これで通すが、次の県議会までに県費の節減目標とするところの機構の改革と人員整理機構簡素化ということを具体的な議案として提出するよう決議案を出したのであります。知事は、この決議案趣旨に基きまして、本年五月の県議会におきまして、府県の部の縮小と地方事務所廃止その他いろいろの機構廃止人員整理というような案を出しまして、人員整理につきましては、閣議決定による五・五%を基準といたしまして、県職員関係において百八十四名減、教職員関係において百四十五名減、予算額において約一億程度節減目標といたしたのであります。五月の県議会は、この大きな問題につきまして、いわゆる保守陣営革新陣営との論議が非常に活発にかわされたのでございます。会期の終りに近づきまして、なかなか県議会が順調に参りませんで、非常に混乱をいたし、どうしても日程による議事ができないので、保守陣営におきまして一日の会期延長議会運営委員会にかけ、革新陣営の方ではその必要なしということでありました。しかしながら、議事は進んでいないということで、議会運営委員会交渉が不調のまま本会議に臨みました。そういたしますと、議長開会宣言と同時に革新陣営から一時に発言要求がありました。しかし、その発言要求の前にすでに会期最終日で、午後十二時に迫つておりますので、まず会期延長をはかることの先議の要求がありましたので、革新陣営発言要求を私は許可いたしませんでした。これがきつかけとなりまして、革新陣営議員団議長席に数名、殺到いたしまして、ある議員議長の持つております議事用メモ議案を奪う、マイクを奪いとるということで、議長席はここに非常な混乱を来しまして、どうしても収拾ができません。この状態ではどうしても議長の手元ではできない、副議長とかわりましたが、その騒擾は相かわらず続きました。晩の十二時が定限でありますが、十一時四十分からその議長席における騒動が始まりまして、十二時までにあと七分、五分となりますと、傍聴席から、あと七分、あと五分、あと三分というような声援があつた。さらにまた議場には一般傍聴人——私はこれは労働組合の人と見ております。一般傍聴者もあつたでしよう、それが議場に乱入いたしまして、議長席騒動と相呼応して、議場は騒然となりました。そしてあと三分、二分、きつちり十二時になりますと、万才の声が起つた。壇上における某議員傍聴者と相呼応して万才と手をあげた。そしてそこに流会がはつきりとなりますと、国際労働歌歌つて流会となつた。これが五月県会流会のいきさつであります。このときに私は、机をころがされて、議長に対して配付された議案とか、いろいろの議事に必要な書類を机から落された、こうしてそこに議長職務執行が、そういう事実上の力によつて妨害されましたので、この問題をいかように取扱うかということを非常に考えました。これを公務執行妨害として告発すべしというような強硬な意見も出ましたが、しかし私は佐賀県会七十年の歴史を顧みますとき、いまだかつてこうした議会内の騒擾のためにそういうことがあつたということは聞いておりません。この七十年の歴史を汚したくないということで、与党側の非常に強い要求でありましたけれども、そういう理由から再びかかることはないだろう、議員各位の良識によつてこういうことはないだろうという信念のもとに、告発をいたさなかつたのであります。それから県の財政がますます窮迫をいたしまして、七月に入りますと、これにいよいよ県の歳計現金が枯渇をいたし、県関係職員に対する給与の遅払いというよう現実にぶつかつたのであります。知事の方ではこの流会となりました議案の取扱いについてさらに検討を加えまして、この九月県会に臨んだのであります。九月県会におきまして、知事の方ではこれを前回よりも非常に緩和をいたして参りまして、部の廃止ということには二億円、それから現実職員首切りということはやらない、もつぱら希望退職あるいは欠員の不補充ということをやりまして、府県職員の動揺なり、現実首切りというような犠牲を避けて、一面においては予算執行抑制による節減をはかる、これを一億円と見る。それから次には県の単独事業節減をして、これによつて六千八百万円を浮かせる、しかしこれは県の補助事業追加がありましたから、正味は四千九百万円の単独事業節減になつております。次に人件費節減につきましては八千六百四十五万円、このうち県職員関係を三千四百五十万円、教職員関係五千二百万円、これは人件費節減でありまして、いわゆる予算の操作によつてそこに首を切らないで、人件費の方からそれだけを持つて行こうというような方針であります。機構の点につきましてはただ地方事務所廃止するということにとどめた次第であります。これが九月県会における執行部の提案の骨子になつておるのでありますが、この議案に対しまして、保守側におきましてはこの程度ならばやむを得ないだろうと言う。しかし革新陣営におきましてはこれもいけない、これは絶対にいけない、そうするとこの議案を通すことによつて県職員の県民に対するサービスの低下であるとか、あるいは教育低下を来すおそれがあるからこれをしもいけないということで、保守革新陣営意見は、そこにまつこうから対立をいたしておつた次第であります。この議会が九月七日に始まりまして、会期を九月二十一日までとりました。そうしましてこの質疑が一週間ほどずつと続きまして、九月十六、七日ごろから議論が非常に白熱して参りました。九月十六日には傍聴人取締規則議長の方で改正をいたしまして、三百人を限度とするということにしておりましたが、革新陣営の方においては傍聴人取締規則をまず撤廃せよというよう申入れがあつた。しかし私は、傍聴人取締規則地方自治法において議長に義務づけられておることだから、これを撤廃するわけには行かないと言つた。そうすると、撤廃するわけに行かなければ、規則はとにかくとしてその制限を撤廃したらいいじやないかというような強い御要望がありまして、井手代議士なんかもこの傍聴人の問題についてはごあつせんがあつたようであります。そこで傍聴人取締規則をかたく守るということによつて、当日の議事の円滑な運営ができない、これはどうしても臨機措置をとらなくちやしかたがないだろうということで、当日はこの傍聴人人数制限を緩和いたしまして、そうして当日の議事は進んだ次第であります。  今度は九月十七日であります。九月十七日になりますと、質問も大分進んでおりましたが、まだ七、八名残つておりました。日程によると十七日が質疑終了日になつておる。そこで革新陣営の方から、まだ質問者も残つておるから、日程を明日まで延ばすようにやつてもらいたいというよう申入れがありましたので、保守陣営とも話をいたしまして、一日質疑の時間を延ばそうということで、九月十八日まで延ばしたわけです。越えまして九月十八日になるわけでありますが、九月十八日が質問最終日でありまして、議会開会いたしましたが、予定の質問者、これは革新陣営議員ですが、それがなかなか本論に入らないわけです。いわゆる議事運営に関する新聞記事の問題、あるいは警察官が待機しておつたとか、傍聴をしておつたとかいうことに対する緊急質問をいたしまして、なかなか日程によるところの質問に入らなかつた。またその間にその議員の言辞が議員を侮辱するものだということで、それに対してまた保守側の方から懲罰にかける必要があるかもわからないから、ここで速記録調査のために、しばらく議事の休憩をやつてもらいたい、こういうよう日程以外の言論によりまして午後二時ごろまでなかなか話がつかない。そこで議長の方ではこの日程を急ぐ必要がありますので、日程によるところの質問に入つてもらいたいということを数回話しましたが、これはなかなか聞き入れてくれない。そこでどうしても日程に入ることができないので、保守側緒方という議員が立ち上りまして、なかなか日程によるところの質問が開始されない、しかし本件につきましては数日質疑が繰返されておる、大体もう質疑も済んでおる、今のよう状態ではとうてい日程によるところの質疑終了ができない、議長の再三の勧めにもかかわらず日程による質問をしないということであれば、これは他に方法がない、この際上程中の議案について質疑打切つて、そうして討論を省略して一挙に上程議案に対するところの採決をしてもらいたいという緊急動議が提出されたのであります。これを聞き取りました革新陣営の方におきましては、この緊急動議の提出に対して、十名の革新陣営のうち三名を除きまして、あとの七人の議員の人が同時に議長席に殺到をなさつたわけであります。議長としては、その議員団発言もしくは議長席に上るということを許しておりませんが、同時に殺到して来まして、議長の机を押し倒す。押し倒すことによつて議長席の机の上にありました議案議事用メモ議会規則議事提要、そういう書類が全部下に落ちる。また騒擾を制止するために槌を載せておいた、これも落ちる。議事進行に必要な書類はいずれも机を押し倒されることによつて落下いたしました。議長席には場内用マイクテープ・コーダーマイクと二つありますが、私はこの二つをにぎりまして議事進行をはかつた。そうしますと、ある議員はそのマイクを奪い取り、ある議員は片一方のマイクのコードを二箇所にわたつて引きちぎつた。それからある議員は、今度は議長席の後にまわりまして、議長いすの下にもぐり込んでいすを持ち上げ、いすを傾けることによつてとうとう議長いすから転落させた。それをまた後の革新議員団がもみくちやにして、議長席から議場の出口まで私を押して行つた。これを見かねた保守議員団は、その暴行を極力制止した。こういうふうな暴力が振われたのであります。議長の当日における仕事は、いかなる騒擾があり、いかなる混乱がありましても、議事の結末をつけなければならない。私は当日における議場混乱は朝から予想しておりました。いかなる事態が起るかもわからない、その臨機措置について、いかなる障害があつて自分仕事だけはやらなくてはならないということを考えておりました。緒方動議が成立いたしまして、私はただちにその採決に移りました。私は緒方動議賛成者起立を求め、これを聞きとりました与党議員二十六、七名は、全員起立をいたしまして、その動議賛成しております。議長動議成立可決を宣告しております。その動議可決されると同時に、すかさず引続き本案に対する賛成者起立を求め、これを聞きとつた与党議員全部が起立いたしまして、本案起立多数ということによつて可決確定された。私は本案可決をいたしましたので、散会宣言をいたしました。ところがその緒方動議発言と同時に革新議員団議長席に殺到しておりますから、議長席の周辺は極度の混乱騒擾をきわめております。ある議員のごときは速記者ボツクスのところにおつて、大きな声を上げてわめいている。しかし私は私の肉声の続く限り数回繰返して動議採決本案採決をやつた。そういうようにして散会いたしましたので、私は私たち控室に引上げておりました。ところが革新議員団議員、それから労働組合の幹部、組合員、あるいは一般傍聴者もおつたでしよう。多数の人が——人数はおそらく数百名でしよう。その人たちが私たち控室に押しかけて来まして、議長に会いたいということでありましたが、その空気が非常に険悪であります。そこで私の同志議員は、この際はどういう事態が起るかわからぬから、面会しないがよかろうということでありました。しかしぜひ会いたいということで、結局山下運営委員長のはからいによりまして、革新議員団十名と十分間程度県庁貴賓室においてお会いしようという話合いができまして、県庁貴賓室に移りました。私は議会散会と同時に、極度に疲労を感じまして——九月七日開会以来、毎晩一時、二時まで議案調査、あるいは知事執行部との話合いで非常に疲れておりました。疲れが一度に出ましたので、貴賓室において話を始めましたが、非常に苦しい。前には十分くらいということでしたが、十分くらいではとても話がつきません。その議員団に対して、自分は疲れてもいるし、約束は十分間だ、ひとつこの程度で許してもらえぬだろうかと言つたが、なかなか聞入れてもらえない。そうして議員団との話が大分時間を食つた。一応議員団が引取りますと、今度は約束していない労働団体代表者、これが労働組合員と一緒に部屋一ぱいつて来まして、私に会つた議員団労働団体とが私に面会を求めまして要求されたことは、きよう議事は非常にああいうふうに混乱をしておつた。だからあの打切り動議以前の状態に帰して、審議のやり直しをやるべきだという御主張であります。しかし私は混乱はしておつたけれども、議長仕事として動議採決もやり、本案採決もやつている。すでに採決の済んでいるものを再びやることは無意味であるから、その御要求には応じられないと断つた。ところが先方では、あなたはそう言うけれども、今日の議事の経過はテープ・コーダーにも速記にも出ていないじやないか。何をもつてあなたは証拠とするかという話である。私はテープ・コーダーもまた速記録も読んでおりません。それがどういうふうにされているかわからない。しかし私の信念として、テープ・コーダー速記録議事運営に対する一つの補助的な機関である。問題は事実問題である。事実がいかようにとりはからわれているか、議長信念をもつて議事ルール間違つた点はないというかたい信念がありましたから、それが記録の上に載つているかどうかは確かめていないが、あなた方の御要求に応じてそれをやるわけには参りませんということで、革新議員団労働団体からかわりばんこでずつとお話があつた。その間私はもう非常に疲れている。医者も参りまして、議長のこういう衰弱した状態で複雑な問題を長時間交渉されることは、健康上許されない。この状態ならばただちに入院させなくちやならないから、私は医者として議長自分の方に連れて行くというお話があつた。しかし議員団においても、労働団体においても、これを聞き入れてくれない。医者は私のそばについておつて絶えず注射しております。しかもその交渉中には、自分たち議長との話だから、議長以外の者は出てくれ、余人を交えないで議長一人、それから相手方は議員団の諸君、それから労働団体部屋一ぱいですからして、数十名あるいは百名を越しておつたかもわからない。これが午後五時から始まりまして、午前零時半までその交渉を続けさせられた。私はその交渉継続の意思はなかつた。また議長としてその話を受けるにつきましては、これは限界があります。十分の約束を破り、かりに三十分、長くて一時間も話せば、もう話はきまつておる。先方要求と私の主張は、どこまで行つて平行線の問題である。交渉の過程において、あなた方が言われることに対して、今夜どちらかの結論を出さなくてはならぬということは不可能だ。平行線の問題であつて、幾らやつても切りがない。私も病人である。医者も入院の必要を迫つておる。だからひとつこれで帰してもらいたいといつても、なかなか許していただけなかつた。とうとう私はその交渉に耐えかねて卒倒をいたしました。じゆうたんの上に倒れてしまつた。そこでそれによりましてようやくそこを解放されたというような次第でございます。それによりまして私は病院の方へ入院をいたしました。そういたしまして翌日会見の約束をしておりましたが、病院へ行きまして考えてみますと、要するに相手方の要求と私の主張は食い違つておる。何べん会つても結論は出ないということを考えましたので、また同志議員の勧めもありまして、私ここに静養の必要を認めましたので、佐賀市におりましてはとうていその静養もできないだろうということで、佐賀市を去る七、八里の山間部、これは佐賀県神崎郡三瀬村にある同志議員の親戚の宅に身を寄せました。そこで三日ほど静養をし、さらに温泉に三日ほど静養し、一週間ばかり静養して帰つたような次第であります。  この間におきまして、議会における勢力分布は、今日では三十二対十でございますから、議会における議決の問題ということになりますと、多数決の原則で行くと、これは反対でございます。多数決がとうとうものを言わないというよう状態になつたのでございます。  ここに特に注目を要しますることは、院外勢力の動きというものが、議会に非常に強く出ておりました。佐賀県労働協議会というのがあります。これは佐賀県下で加盟しておる十五単産の組合員が三万五千名、この佐賀県労働協議会が九月七日、県議会開会の当日、午後一時から佐賀県議会内の社会党控室におきまして、その幹事会を開いて県議会対策を協議し、その運動方針の大綱をきめております。これによりますと、「対県議会闘争は各単産毎に戦術を練り十四日以降官公労組は定時退庁他の単産は抗議職場大会を開き反対闘争を進める。また経費節減に伴う県単独事業費の市町村負担増大および教職員整理による教育低下など地方実情を取上げて県議会開会傍聴者を動員し支援闘争に入る。なお七日の幹事会では次の声明書を発表した。(要旨)地方財政の窮乏が最も集中的に現れている本県の赤字対策県会は本日より開会されたが知事保守議員団の一部と通じ大幅な予算削減、人員整理上程した。地方財政窮迫の真因は政府の再軍備政策とデフレ金融政策によるもので県が政府の政策に協力し政府の指導によつて行おうとしている予算削減は政府がその責任を県へ転嫁させようとしているものである。われわれは今回の予算削減、人員整理に反対し広く県民と相携えて闘争を展開、県自治制度の確立を闘い取ることを明かにする。県ならびに県会は県民とともに国に財源措置を講ぜしむるよう努力し真に県民生活の安定と県経済文化の発展の道を開くべきである。」これが九月七日の開会当日に県労協の幹事会によつて出された運動方針の大綱であります。この線に沿つてその後の動きがずつと出ておりまして、傍聴者の総動員ということが九月十六日に私の手元に具体化して参りました。さらに九月十七日の午後三時半に議事堂前の玄関、これは議事堂と議長室との距離をはかりますと、中間に壁と廊下があるだけであります。距離にして四、五間もございません。議事堂における議長席とその玄関が四、五間しかない。その議事堂の玄関にすわり込みによるところの集団示威運動が始められた。これが二十一日まで継続いたされました。この集団示威運動に対しましては、議事堂構内の中立性はあくまでも保つておきたいというのが私の議長としての信念でありました。五月県会におきましても県職員組合が議事堂構内ですわり込みをやりたいから許可してもらいたいと申し出ました。私はこの中立性の点からそれをひとつほかの方でやつてもらいたいということで断りました。五月県会のときにはそれによつて入れられた。ところが九月県会におきましては何ら相談もなく、十七日の午後三時私どもが県議会をやつておりまするそのときに、この集団示威運動が始められた。佐賀県におきましては、この集団行進または集団示威運動につきましては一つの条例をつくつておりまして、これをやるにつきましては七十二時間前に届出をするということになつております。ところが何らの届出をやつておりません。そこで私どもはこの集団示威運動、これはもうなさることはけつこうでございまするが、少くとも構内だけは中立性を確保したいという念願であつた。まあそこだけは避けてもらいたいということで、これは再三再四私は組合幹部とも会いまして、あるいは事務局長をして夜明けまでかかりまして四団体の代表者の私宅を訪問させて、そうして何とかこれをひとつあの議事堂以外のところへお立ちのき願えないだろうかというような相談をいたしましたが、これも拒まれたというような次第でございまして、こういうふうなことが一回ならず二回までもこの議事がいわゆる力によつて妨害をされるということになりますると、ここにほんとうに円滑なる正常なる状態におけるところの地方議会運営というものができない。これはどうしたものであろうということを私自身議長といたしまして、非常に反省をいたしております。こういうふうなことが二回までも繰返されることは、まず議長その人の器の問題だ。確かに私まずこの議長としての器の問題については反省をし内省をしておりますが、器の点も多々あるだろう。しかしまた一面において議案の性格、これは革新陣営方々から言わせると、首切りの問題とかあるいは給与の問題であるとか、これはやはり真剣なる一つの生活上の問題でございます。これは議案の性格が多分にそうさせることになると思います。いずれにいたしましても、この日本の政治情勢がこういうふうになつて参りますと、これに相似寄つたところの議案は次々と出て参りまするので、いかなる困難、いかなる階級的な、対立的な問題がそこに出ても、正常なる状態において議会運営ができるように、何とか衆知を集め、国政の点からひとつ御検討を願いたいということを申し上げたいと思います。はなはだ長くなりましたが、以上であります。
  10. 中井一夫

    中井委員長 御陳述の要旨につきましては大体了承いたしました。  一、二点お確かめをいたしておきたいと思います。  あなたが卒倒せられた場所は県の貴賓室なのですね。
  11. 安永沢太

    安永参考人 さようでございます。
  12. 中井一夫

    中井委員長 十八日の県会で、あなたが散会を宣告せられて終了した時間は何時ごろですか。
  13. 安永沢太

    安永参考人 午後四時五十七分くらいと思います。
  14. 中井一夫

    中井委員長 貴賓室でいわゆる革新派の県会議員の諸君とあなたの会見の始まつたのはその直後ですか。
  15. 安永沢太

    安永参考人 五時半前だというふうに記憶しております。
  16. 中井一夫

    中井委員長 それから貴賓室内においては、ずつと引続きあなたとの会見が続いたわけですね。
  17. 安永沢太

    安永参考人 さようであります。
  18. 中井一夫

    中井委員長 倒れられたのはいつですか。
  19. 安永沢太

    安永参考人 午前零時半。
  20. 中井一夫

    中井委員長 午前とは翌朝十九日ですか。
  21. 安永沢太

    安永参考人 はい。
  22. 中井一夫

    中井委員長 午前零時半とすると、五時半から十二時半までちようど七時間あなたとの会見が続いたわけですね。
  23. 安永沢太

    安永参考人 さようでございます。
  24. 中井一夫

    中井委員長 なぜあなたはその会見を拒絶し、その貴賓室から立ち去ることができなかつたのですか。
  25. 安永沢太

    安永参考人 会見は再三拒絶しております。もう話を打切つてくれ、しかし相手の方では、とにかくあなたが自分たち要求をいれてさえくれれば、いつでも話を打切ることができるじやないかという話です。しかし私はその要求をいれるわけには参りません。
  26. 中井一夫

    中井委員長 あなたが要求をいれぬから、あなたはその貴賓室から立ち去ることを許されなかつた
  27. 安永沢太

    安永参考人 許されません。
  28. 中井一夫

    中井委員長 結局倒れるまで許されなかつた、こういうことですね。
  29. 安永沢太

    安永参考人 はい。
  30. 中井一夫

    中井委員長 それから労働団体の人人が来たのですが、何時ごろから来たのですか。
  31. 安永沢太

    安永参考人 それも第一次の会見が議員団でございますから、議員団の話が一時間くらい続いたかと思いますが、その次に労働団体が入りました。
  32. 中井一夫

    中井委員長 貴賓室内においてはあなた一人ですね。
  33. 安永沢太

    安永参考人 一人です。
  34. 中井一夫

    中井委員長 その以外に一番多く入つてつたときは何人くらい入つてつたのです。
  35. 安永沢太

    安永参考人 議員団との会見のときは議員団だけでございます。
  36. 中井一夫

    中井委員長 何人です。
  37. 安永沢太

    安永参考人 十人です。
  38. 中井一夫

    中井委員長 その後は。
  39. 安永沢太

    安永参考人 その後は労働組合四団体の代表者及び組合員です。
  40. 中井一夫

    中井委員長 何人ぐらいですか。
  41. 安永沢太

    安永参考人 数十名あるいは百名を越しておつたかもしれませんが、人数の点検はいたしておりません。貴賓室一ぱいでございます。
  42. 中井一夫

    中井委員長 貴賓室一ぱい多数の人が入つてつたわけですね。そうするとあなたは卒倒されて、後は議会運営については直接御関係になることができなくなつたわけですね。
  43. 安永沢太

    安永参考人 卒倒いたしまして翌日から静養に出かけました。静養に出かけます際副議長に病院に来てもらいまして、九月県議会における上程中の重要なる議案はすでに審議終了しておる。あとに残つておりまするのは継続審議中でありました県税条例と、それからまだ上程しておりません議長手元にあるところの懲罰動議三件であります。本格的な議案は全部審議終了しておりまして、あとは副議長にやつていただくことにいたしました。副議長も、もうあと自分がやるから、あなたはこの健康状態ではまた出ることは非常に心配だ、ひとつ静養して来るようにという話をいたしまして、そして後事を副議長に託して私は静養に出かけました。
  44. 中井一夫

    中井委員長 入院された病院は何という病院ですか。
  45. 安永沢太

    安永参考人 佐賀市中ノ小路迎医院でございます。
  46. 中井一夫

    中井委員長 それからもう一点。質疑打切りの動議本案採決動議が出された問題につきましては、その後佐賀県の県議会関係者から自治庁にあてて照会が来ておることを先般承りましたが、これは決議が有効であるか無効であるかなどという問題に触れることのようであります。もとより無効有効というような問題をお聞きするのではありませんが、すでに自治庁の問題になつておりますからその実情だけを確かめておくのです。あなたの御説明によつて大体は了承いたしましたが、念のために確かめておきたいと思います。この質疑の打切りの動議と、本案採決動議というものにつきましては、別々に採決をせられたのですか。
  47. 安永沢太

    安永参考人 これははつきり区別いたしております。
  48. 中井一夫

    中井委員長 お話によつて大分議場混乱をいたしておつたようですが、その採決等につきどういうふうにして一般議員に知らしめられ、またその決議をどういうふうにして御確認になりましたか。
  49. 安永沢太

    安永参考人 緒方動議賛成者起立を求めるという簡単な発言でございます。
  50. 中井一夫

    中井委員長 一般の議員には十分徹底したのですか。
  51. 安永沢太

    安永参考人 私は私の肉声の限りを尽してこれを発言しております。
  52. 中井一夫

    中井委員長 何か議院内には連絡委員とか進行係とかいうようなものがあつて、その連絡に当つたというようなことはないのですか。
  53. 安永沢太

    安永参考人 議会運営委員長がおります。議会運営委員長が、議場が非常に混乱をいたしましたので議長席のところに来ております。運営委員長は今から動議採決だ、動議採決だということを、取次いでおります。
  54. 中井一夫

    中井委員長 別々に採決した、こういうことですね。
  55. 安永沢太

    安永参考人 はい。
  56. 中井一夫

    中井委員長 それからその後になりまして警察官の救援を求めたという問題がありますが、これはそうするとあなたの要求によるのでなくして、向副議長要求によつてそういう事態が起つた、こういうことになるわけですね。
  57. 安永沢太

    安永参考人 十八日でございましようか。
  58. 中井一夫

    中井委員長 いや、あなたが卒倒された十九日——二十一日でしようか、その後になつてあらためて県議会が開かれて、そうして警察官の出動を求めたという事件が起つておりますね。
  59. 安永沢太

    安永参考人 はい。この点は私の留守中でございまして、直接その衝に当りました向副議長が本日参つております。私報告は受けておりますが、報告を申し上げてよろしゆうございますか。
  60. 中井一夫

    中井委員長 いや、その点は向さんからお聞きすることにしましよう。なおあなたに対しましては、他の委員諸君からも後に御質疑があるわけでありますから、退室をされずにそのままひとつ自席におとどまりを願いたいと思います。
  61. 安永沢太

    安永参考人 委員長、一言落しております点を申し上げてよろしゆうございますか。
  62. 中井一夫

    中井委員長 重要な点ならばおつけ加えください。
  63. 安永沢太

    安永参考人 貴賓室における会見中、私はもう苦痛に耐えなかつた。こういう長時間の苦痛に耐えなかつたので、それじやそう言うならば休憩しようというので休憩いたしました。その休憩の際に、私は運営委員長と事務局長を呼びまして、事務局長に対しましては議決通知をすでに知事の方に出しておるかどうかということを確かめました。山下委員長に対しては、自分は長時間こういうふうでは苦しい、だから何とかしてここを出るようにひとつやつてもらいたいということを話しておりました。ところが、革新議員団は全部退場しておりましたが、その休憩中私を監視しておる一人の議員がありました。その人が、議長は休憩すると言いながら、その同志の方と密談をしておる、けしからぬ、密談をするよう機会があるならば、休憩の必要はないじやないかということで、また自分たち同志議員を室内につれ込まれた。それで私は、そういう話もできぬようなきゆうくつなものであるか、自分は小便もやりたい、小便ぐらいやらしてくれてもいいじやないかということを言つた。そうすると、小便のときにはその監視の議員が便所までついて来るという状況です。それから食事のことですが、夕食を食つておりません。まだ食事も食つていないのだ、食事くらいいいじやないか、こんな大事なときに、自分たちも食事を食つていないのだからということで、食事もとつておりません。  これだけつけ加えます。
  64. 中井一夫

    中井委員長 そうするとあなたは倒れるまで夕食もせずに終つたんですか。
  65. 安永沢太

    安永参考人 はい。
  66. 中井一夫

    中井委員長 この貴賓室は他の同志諸君はなぜ入ることができなかつたのですか。
  67. 安永沢太

    安永参考人 それは入場を拒否されております。ただその間に向副議長が来た事実がございます。
  68. 中井一夫

    中井委員長 それではその程度で。向虎治君。——参考人に申し上げますが、ただいま議長お話によりまして大体経過は明瞭になつております。従いましてなお多数の参考人の諸君もおありになることでありますから、重複する点は一切省略を願いたい。ことにただいまの安永議長お話によると、安永議長は十九日の零時何分ごろかに卒倒されております。あなたはその後のことをお話くださることが適当だと思います。そういう趣旨においてひとつ簡明にお話をお進めいただきたい。ことにあなたの場合におきましては、警察官の出動を要請しておられるという問題があるのでありますから、主としてあなたのお話はこの点について主力を集められたい。また本委員会における問題は主としてこの点にあるのでありますから、そのおつもりでお話も進められんことを希望いたします。
  69. 向虎治

    ○向参考人 それでは十九日の朝私が議長を迎医院に訪れまして、後事を託されましてから以後のことについて申し上げます。  二十日は佐賀市に金立村外四箇村の合併に関する四村の廃置分合に関する議案審議の予定であつたのでありますが、午前中は十八日の事態収拾あるいは革新議員団から十九日は自然流会になつておるというふうに言われますので、私は休会だと心得まして、自治庁に問い合せたりしておりましたので、午前中は開けません。午後に入りましてもなお話合いを続けましたがまとまらなかつた。それで午後二時四十分ころ予鈴を鳴らさせる、その予鈴と前後いたしまして安原、田久保両議員が私のところへ来られまして事態収拾について話し合おうということで二階の議長室に連行された。それで二人は十八日の議決は先ほど議長から言われました通りの事情で議決はなされておらぬと言われますし、私は議決されておると言つたんです。その間話合いをしようと両名も言われたんですが、話合い話合いとして、ともかくもう会議の時間——佐賀県の議会会議規則によつて会議は午前十時に開き午後三時に散会するというふうになつておりますが、それで二時四十分予鈴を鳴らしたのですから、あと時間もございませんので、ともかく本会議を開いて時間を延長して流会等のぶざまなことを避けて話合いを続けようじやないかということを私は言うておつた。そうしておりますうちに革新議員団あとの八人の人が入つて来られた。そうしてその時分に藤井議員でありましたか、ほか一人の議員から副議長議長代理を指名したかと聞かれた。これと前後しまして二時五十分ころ本鈴が鳴つたわけです。それで私は出ようとしたのでありますが、まあ話し合おうじやないかというようなことで押しとどめられました。ついで黒川議員が本会議は開こうと言つてドアを開けて私を引出しに来たんです。迎えに来たんですけれども、黒川議員は入室させられません。私もこれに応じて出ようとしたのですが、腕か肩かを押えて出られなくさせられた。この際部屋の中には私と革新議員団のほかにはいなかつたわけなんです。先刻の藤井議員の言葉からしましても、私一人を取押えておけばよいというふうな意図が私もわかつておりました。またこの日は労働組合の大会が議会前で開かれ、およそ五百名の人が参加しておりました。外部の事情もほぼ察知されましたので、無理に私が出ようとすればどんな事態が起るかもしれぬと懸念いたしましたし、とやかく考えております間に三時が来て流会になつてしまつた。  次に二十一日に移りますが、二十一日も午前中から議事運営について話合いましたが、結局まとまりませんので、前日の流会にかんがみましてやや早目に、午後一時四十分過ぎに予鈴を鳴らさせました。私は当時県政同志会の控室におつたのでありますが、予鈴を鳴らす前から高橋議員ほか一、二議員控室の出人口におつて見張りをしておる。がんばつておる。予鈴と同時に革新議員団の人々や労働組合の人々その他の人たち数十名が出入口に入つて来て入口をふさいでしまつた。午後二時過ぎだつたと思いますが、本鈴を鳴らさせまして、私は議員と一緒に出ようとしてその出入口に行つたのですけれども、これもたくさんの人に押し返されて、数回そういうことを繰返しておるし、片一方にはそれを遠くで見ている。結局自由を拘束されて職務の執行ができないという状態である。先般来流会のこともありましたし、また十八日のことでいろいろ憂慮される点が少なからずあつたし、いかなる事態が起るかもしらぬという懸念もありますし、議事の健全円滑なる運営というものは、この状態では絶対不可能だと考えましたので、やむを得ず緒方議員警察官の出勤を要請するように、事務局へ連絡方を依頼いたしました。引続きましてその後も出ようとする者とこれを押しとどめようとする者との押し合いが続けられたのでありますが、警察官はなかなか来てもらえませんので、私は電話で事務局に連絡して早くこの救出をはかつてもらいたいということを連絡しました。さらにまた山下議員に私の名刺と判を持たせて出動の要請方を依頼した。ところが二時半過ぎになりまして警察官が出動して来られたということがわかりました。そして最初のうちは普通の出人口の方を何とかしてあけようとするけはいがあつたのでありますが、内部からかぎがかかつてつた関係でどうしてもあかない。そうしております片一方では、平常は閉鎖しておるガラス窓の出入口があるわけなのですが、そこの出入口が押しあけられまして、警察官の手によつてその通路が開けましたので、私は議場議員と一緒に入つて、さつき申し上げましたような町村合併の議案その他を議して、その日の会議を終り、議案全体を議了したということを宣告しまして、今期県議会を閉会いたしました次第でございます。  以上でございます。
  70. 中井一夫

    中井委員長 警察官の出勤を要請せられた時間は何時ごろですか。
  71. 向虎治

    ○向参考人 二時十分ごろかと思います。
  72. 中井一夫

    中井委員長 警察官はただちに来たのですか。
  73. 向虎治

    ○向参考人 なかなか見えなかつたのです。
  74. 中井一夫

    中井委員長 いつごろ来たのですか。
  75. 向虎治

    ○向参考人 二時半過ぎだつたと思います。
  76. 中井一夫

    中井委員長 どのくらいの数が来たのですか。
  77. 向虎治

    ○向参考人 三十名程度でありました。
  78. 中井一夫

    中井委員長 警察官の出動を要請するということは、よほどの事態でなければなすべきではないと思いますが、そのときにはどうしてもこれを要請せざるを得なかつた事情があるのですか。どういうところからその必要ありと判断されたか。
  79. 向虎治

    ○向参考人 私もなるべく警察官の出動は要請したくないということで——もう以前から呼べ呼べということも言われておつたのですけれども、呼ばないでおつたのですが、予鈴を鳴らしてから長らくの間押し合いへし合いをしましても、どうしても議場に入ることができないわけです。それで、これでは公務執行をすることができない、これを無理に押し合つてようとすれば、いかなる事態が発生するかわからない、あるいは人命に危害があるようなことが起らんとも限らぬと思いましたので、それよりも法規で許されているものですから、やむを得ず要請する方法をとつたわけです。
  80. 中井一夫

    中井委員長 あなたは現場をよく御承知でありますが、われわれは現場がよくわかりません。そこで押し合いへし合いと言われるが、どうしてもあなた方が議場に入ることができなかつたという事情について、もう少し明かにしていただきたいと思うのです。あなた方のおられる議員控室にとじ込められたのですか。
  81. 向虎治

    ○向参考人 はあ。
  82. 中井一夫

    中井委員長 どういうふうにしてとじ込められたのですか。
  83. 向虎治

    ○向参考人 控室が相当広いのであります。三十何人入るのですから相当広いのですけれども、その出入口は——これは二部屋一緒にしましたもので、元来は二つあつたのですけれども、片一方は二部屋を一緒にしたために閉鎖しまして、三尺のとびら一枚だけを出入口にしておつた。その前に革新議員団の人々、それから労働組合の人あるいはその他の人がおよそ五十人程度立ちふさがつたものですから、狭いところを幾ら押したつて、どうしても出られないのであります。
  84. 中井一夫

    中井委員長 そうすると室内には入つていないのですね。室外からこれを……。
  85. 向虎治

    ○向参考人 今の妨害する人ですか。
  86. 中井一夫

    中井委員長 そうです。
  87. 向虎治

    ○向参考人 皆室内に入つておる。
  88. 中井一夫

    中井委員長 控室にまで入つて来て、そのとびらの前に立ちふさがつて、あなた方のとびらから出て行くことを妨害した、こういうわけですか。
  89. 向虎治

    ○向参考人 そうです。ある人は、控室の出て行くとびらの横にちようどこれくらいの錠を、秘密会や何か開きますから、内部から下せるようになつておる。その錠をかけたり、あるいはそこについたてがあるのですが、そのついたてをとびらの前に持つて行つてふさぐというようなことをして、その前に人間が立つておる。
  90. 中井一夫

    中井委員長 その立つておるのが四、五十人もおつたのですか。
  91. 向虎治

    ○向参考人 そのくらいおつたと思います。
  92. 中井一夫

    中井委員長 それから警察官が来たときには、もとよりとびらの外へ来たのでしようね。
  93. 向虎治

    ○向参考人 そうです廊下の……。
  94. 中井一夫

    中井委員長 警察官は廊下の方からとびらをあけようとしたのですか。
  95. 向虎治

    ○向参考人 そうです。
  96. 中井一夫

    中井委員長 それを今の人たちがあけさせないのですか。
  97. 向虎治

    ○向参考人 その当時たしか警察官が来たというけはいは、内部でわかりましたけれども、あけようとしているようなことも察知されたのですけれども、ちようどかぎがかかつてつたと見えまして、普通の窓は向うからあかなかつた。それでさつき申し上げました閉鎖してある方のところを押して入つて来た。
  98. 中井一夫

    中井委員長 そこに一つの問題が起つておるのです。警察官がドアを押しあけて入つて来たときに、そのドアにガラスが入つてつた、そのガラスをたたき割つてつて来たということが伝えられておるのですが、その実情はどうなんです。
  99. 向虎治

    ○向参考人 あけるときに同時にガラスは破れたのですけれども、内部からは、向うで押し破つた、たたき破つたということはわかりません。
  100. 中井一夫

    中井委員長 それではなぜガラスは割れたのですか。
  101. 向虎治

    ○向参考人 向うから押す力で割れたと思います。
  102. 中井一夫

    中井委員長 あなたは現実に入つて来たときは見ていなかつたのですか。
  103. 向虎治

    ○向参考人 その時分には、割れたのは見たのですけれども、どうして割れよるかということは見なかつた
  104. 中井一夫

    中井委員長 結局警察官が入つて来て、それによつてあなた方は部屋を出ることができたのですね。
  105. 向虎治

    ○向参考人 そうです。
  106. 中井一夫

    中井委員長 どういうふうにしてできたのです。
  107. 向虎治

    ○向参考人 警察官が入つて来て、そして両方に警察官がずつと列をつくつて、通路をつくつてもらつた、その中を通つて行きました。
  108. 中井一夫

    中井委員長 その当時廊下には多数の労働組合人たちも来ておつたのですか。
  109. 向虎治

    ○向参考人 当時私はするすると入つたものですから、あまりその当時のことは記憶しておりません。
  110. 中井一夫

    中井委員長 副議長さんですが、あまりはつきり御承知ない。この程度にいたしておきましよう。  次に佐賀警察本部の公安部長山口末夫君。  山口公安部長におかれては、ただいまお聞きの通りの事情だけはわれわれも聞いておるわけですから、あなたにつきましては、警察官の出動を要請せられた理由と、またその要請に応じて警察官を出さなければならぬと判断した、こういうことのいきさつ、それから警察官を出して後どういう事態が起つたか、こういうことにつき主としてお述べをいただきたい。簡明でよろしゆうございます。
  111. 山口末夫

    山口参考人 九月二十一日の県議会最終日には、直接利害関係のある県職とか、あるいは佐教組、高教組、こういうふうな関係の労組の方々とか、傍聴者の一部の方も加わられまして、議事堂の廊下と県政同志会控室の前に約二百名くらいが集まつておられたようであります。それから事態が非常に険悪と見た県議会の副議長さんは、事務局長を通じまして、午後二時五分か七分ごろだつたと思いますが、警察官の出動を、当時本部長の異動がございまして、新任の本部長がいまだ着任しておられませんでしたので、私に対して口頭で要請されたのであります。このため私は一個小隊——約三十三名になりますが、一個小隊の制服の警察官議事堂付近に出動させまして、ただ問題は、議場そのものではございませんが、議事堂での問題でございますので、より慎重を期するため、マイクを通じまして、県議会議長より議会内の秩序維持のため警察官の出動要請があつたので、傍聴券を持つた人は傍聴席に、その他の議会関係者以外の方は議事堂外に出てください、こういうことを十余回にわたつて繰返し警告させたのであります。しかしながらこれにこたえる気配もなかつたのであります。しかもこのよう状態の中で、副議長は事務局長さんを通じまして、県政同志会控室に副議長並びに議員が監禁されて、非常に身体に危険が迫つている、だからすみやかに救出してくれというような要請が再度にわたつて行われたのであります。さらに午後二時十八分ごろ、警備本部に電話で三回目の警察官の出動要請があつたのであります。その間マイクを通じまして、いよいよ廊下にいる人が立ちのかなければ、実力行使をするよりほかに道がないということを繰返し申しまして、ただいまから実力行使に移りますということまで言つたのであります。そうしてもなお廊下の労組関係の方と思われる方々が退場されませんので、現場指揮に当つていた県の警備課長は、県政同志会控室の方に参りまして、その控室の状況をのぞき見たわけです。ところが約十数名の労組関係者と思われる人々が県政同志会控室の中になだれ込んで、とびらの内側から施錠して、さらに出入口、廊下などは労組員で固められて、副議長及び県政同志会議員を監禁し、同議員等を控室の一方に追い詰め、今にも身体に危険が生ずるという急迫した状態であるということをガラス越しに現認して来たのであります。またその当時控室前にはやはり七、八十名の労組の方々がおられたのであります。こういうような状況でありましたので、これを排除して遂に午後二時四十二分ごろ、警察の実力行使によつて救い出したような状況でございます。
  112. 中井一夫

    中井委員長 現場の指揮者は警備課長と言われたが、これは江間恒警備課長ですか。
  113. 山口末夫

    山口参考人 そうです。
  114. 中井一夫

    中井委員長 問題のドアをあけて、そうして議員を救出したという現場にはだれが指揮しておられたのですか。
  115. 山口末夫

    山口参考人 その当時の状況は江間警備課長が直接当つておりましたので、江間警備課長が現認しておられると思います。
  116. 中井一夫

    中井委員長 あなたがおられた場所は、普通の出入口の方なんですか。普通の出入口の方であなたは指揮しておられたのですか。
  117. 山口末夫

    山口参考人 議場内の問題でもございますので、先刻も申しましたよう警察官の出動のより慎重を期するため、大体において議場付近におつたのでございますが、一時四十五分に予鈴が鳴りまして、本鈴が鳴つたのが二時五分ころだつたと思います。それから私は議会がただちに開会されるものと思いまして、議場の中に入つて行こうとしておりましたところが、たまたま県議会事務局長と会つたわけであります。事務局長から、県政同志会控室に副議長並びに議員が押し込められておるから、早く救出してくれという要請があつた、従つて警察官を出動してもらいたいということを口頭で直接聞いたのでございます。その時間がちようど二時七分ごろではなかつたかと思います。二時十分ごろだつたかもしれません。それから第二回目の要請があつたのが、二時十五分前後でございます。三回目が二時十八分ごろ、これは事務局から直接——公安委員会室を警備本部に一応きめておりましたので、公安委員会室の方に事務局から電話がかかつて来まして、早く救出してもらいたいという要請があつたのでございます。それから一応制服の警察官を呼んで、そうした緊迫した情勢であれば、救出する態勢をととのえなくちやならないということで、現場付近に警察官を呼んだのでございます。その時間が二時十五分ごろだつたと思います。それから先刻申し上げたような状況でございまして、私が現場で現認しておりますのは、普通の出入口の方でございます。従つて実力行使に移つたのは、午後二時四十分ごろだと思います。そのころは廊下に多数の労組の人たちがおられました。普通の出入口の方に、直接制服部隊のうしろについておりまして、まず廊下におる人たちを外に押し出す措置を講じさせる、それから議員控室の内部のとびらをあけよということで、とびらをあけようとしましたところが、とびらは完全に施錠をしてありました。しかもすりガラスでございますが、向うからあけるなあけるな、押せというようなことで、押しておられる姿がガラス越しに見えた。廊下では労組の人たちが、また盛んに何をするかというようなことで、警察官に対して牽制されておつたような状況であつたのであります。わずか三尺くらいの幅の開き戸でございますから、こちらから制服の警察官が押しても——向うからも押しておる、しかも施錠してあるというような状況でございますので、なかなかあからないというような状況であつたのでございます。従つてその間に反対側の、平時使われない、これは開き戸になつておるドアでございますが、その方にまわつた制服部隊がとびらを押しておる状況を認めたのであります。その後ガラスが割れまして、同時にとびらが開いたというところまで現認いたしまして、私は議場の方に入つたのでございます。従いましてとびらの割れた方の現状については、当時現場で警備課長が指揮をしておりましたので、警備課長が詳しく御存じのことと思います。
  118. 中井一夫

    中井委員長 警察官の服装にはどういう注意を払われたのですか。
  119. 山口末夫

    山口参考人 特に議場でもございますし、制服警察官を派遣するにいたしましても、でき得べくんば、私服でと、こういうふうに思いましたが、警察官であるか、警察官でないかの区別が一般の人たちにわからない。従つて制服でなければならない。そういう関係から最小限度の制服の警察力を出すということを一つの考え方といたしまして、さらに拳銃を使わせない。それから帯革だけははめて行く。これは制服警察官の規定の服装でございますので、制服はつけさせる、——これは傍聴券を持つた方だけであつて、しかも傍聴に入る場合に身体検査などをして入れるような状況ではございません。従つてその間に警察官の公務の執行を妨害するような問題が起つたりするようなことも考えられます。また整理する措置として必要でございますので、鉄帽をかぶせる。それから警棒だけは持たせるというようなことで、相手方にけがをさせるようなことのないように、十分注意をいたしました上出動させたような次第でございます。
  120. 中井一夫

    中井委員長 あなたに対しましてはこの程度にいたしておきます。  次に江間警備課長にお願いいたします。江間参考人に申し上げますが、事情はただいまお聞きの通りであります。従つてあなたの御関係になつた部分のみを簡明にお述べいただきたい。すなわち二十一日副議長からの要請によつて警察官を出勤せしめたあなたの部署、及びあなたの部署の警官たちがとつた行動、それらのことについて、要点のみ御説明願いたい。
  121. 江間恒

    江間参考人 ただいま委員長さんからのお話の問題につきまして申し上げます。  私は当日、山口公安部長から、副議長から要請があつたから出動せよ、そして議事堂内の秩序維持に当れ、同時に副議長及びその他の議員方々が監禁されておるから、それを救出せよというような命令を受けました。よつて私は、私を加えて三十六名の制服警察官を引率いたしまして、まず、先ほど公安部長から申しましたような警告を、私自身がいたしました。しかし、先ほどのお話ように、数名の者はこれに応じましたが、大部分の者はこれに応じません。そこでちよう警察本部と議事堂の境のところに警察官をとどめまして、そして県政同志会の控室の内部の状況を見たわけですが、これはすぐに阻止されました。ところがそれは要請の通り状態でございまして、その内容については、先ほど話がありましたので省略いたします。  そこで私は、さらに内部の人の意思を確かめましたところ、身に危険が迫つておるのでただちに救出してくれという意思でありましたので、これはいかぬ、ただちに制止をしなければならない状況が存在する、こういうふうに判断いたしまして、二時四十二分に部隊を引率いたしまして、まず一個小隊をもつて普通の出入口から中に入つて救出すべく努力しましたが、先ほどのお話ように中から施錠がしてありまして、しかもそれを数人で先ほど話のありましたように防衛をいたしておりますのであけることができませんでした。そこですぐに事務局に参りましてかぎを取寄せようといたしましたが、かぎがございません。そこで力でこれをあけるよりほかに方法がありませんので、数名の警察官に力で押させたわけでありますけれども、先ほどのような条件であきません。そこで、すでにそういう緊迫した状況下にありますので、他のいま一つの二枚の開きとびらになつた方、通常締め切つてある部分でございますが、その方に警察官を向けまして、そしてその警察官の力によつてそのとびらを押し開けたわけであります。そして、その際に内部にいろいろ書類だなその他がありまして、これは内部のところはふだん締め切つてありまして、書類だながそのとびらの前に置いてあつたのでありますが、それを私ども警察官の方で押している間に、内部の人がその押している状況を知つて、その中の書類だなを一生懸命どけてくれたようであります。そういつたこともありまして、私の方で押した力でとびらがあいたわけですが、あいた際に、そのとびらがその内部にありました書類だなに当つて、上の窓ガラスがこわれたというふうなことになつたわけですが、そういうふうにしてとびらを開きまして、内部の人を救出した、こういうことであります。救出した後におきまして、私に対して、私を取巻いて議員団の人々が何をするかというふうなことで盛んに抗議を申し込み、私の帽子をとつて投げる、あるいは小隊長の鉄帽をとつて投げるというふうなことが議員さんによつて行われたというふうなこともございました。しかしながら、そういつた状態の中に、すでに議会は短時間で済んでしまいまして、その後警察官はもういいから引揚げてほしいというふうなことも、ちよつとあつたようでありますが、私が副議長さんに会いまして真意を確かめましたところ、さらに警察官に治安維持に当つてほしいというようお話が再度ありましたので、引続いてその秩序維持に当りました。その後副議長さんの方は、私の方に要請がありましたので、私の方で防衛をいたしまして、自宅の方にお送りするということにして、ほかの議員さん方も帰られましたので、ただちに部隊を元にもどした、こういうことであります。私が最初警告を始めましたのが、大体二事十五分から二十五分ごろまでの間警告をいたしたわけであります。それから三十分ごろ、たしかここにもおいでになられますが、井手さん、それから県労協議長の八木氏、社会党の高橋議員さん、こういう人々が自力で退去せしめるから、しばらく待つてくれというふうなことでお待ちしておつた等の時間がありましたので、私どもが、もうこういう急迫した事態を急遽収めなければならないという判断をいたしまして、私が議事堂の内部に部隊を入れましたのが二時四十二分ごろであります。その間そういう経過があつたわけでして、それから約五分間ぐらいでとびらをあけて救出ができたわけであります。その後議会でもんちやくが、そういうふうに私に対する抗議その他もありまして、その間に議会が終つて、副議長さん以下議員さんが出て来る。それからさらに副議長さんを防衛してお送りしたというふうに、大体鎮静するまでの時間、要するに最後の部隊を引揚げて——部隊は、二箇小隊だけは議会が終ると同時にただちに本部に引揚げさせまして、あとの一箇小隊だけであとの秩序維持に当つたわけですが、その最後の部隊を元にもどしましたのが大体三時五分ごろであります。従いまして、私が議会の中に部隊を入れて事態を収束いたしまして、最終的に部隊が引揚げましたまでの時間が約二十数分間というふうなことでございます。以上であります。
  122. 中井一夫

    中井委員長 今あなたのお話の中に、ここにおられる井手さんと言われたが、それは井手以誠代議士ですか。
  123. 江間恒

    江間参考人 そうです。
  124. 中井一夫

    中井委員長 何で井手代議士がそんなところにおられたのですか。
  125. 江間恒

    江間参考人 当時の状況を申し上げますと、一応私がマイクで警告を数回にわたつて申し上げております。まず最初には、議事堂の廊下及び控室におられる皆さんに申し上げます、ただいま副議長さんから議会内部の秩序維持のために警察官の出動要請があつたから、ただちに傍聴券を持つた人は傍聴席行つてください、それから議会関係者以外の方々は外に出てほしい、そういうふうに申し上げ、さらにそれを数回繰返してもなお同じよう状態でございましたので、私はこういう状態が継続すれば警察として当然実力行使をしなければなりません。それに対して妨害を加えますれば、公務執行妨害という不幸な事態が発生いたしますので、ぜひすぐ出てほしいということ、これも数回にわたつて繰返しましたが、依然として出ません。そこでまあ事情やむなしということで、これから実力行使をいたしますから、ただちに出てください、こう申し上げても、なおかつ応じない。数名の者のみしか出ない。大部分の人はそのまま居残つておるというよう状態でございましたので、すぐ私はそう申してから部隊の先頭に立つたわけでありますが、その際初めて私は井手さんを見たのであります。井手さんとそれから先ほど申しました県労協議長の八木氏とそれから県会議員社会党の高橋議員との三人が、私のところにかけつけて来たわけであります。そこで部隊を出すのをしばらく待て、こういうことでありました。しかし私はすでにこれだけ申し上げてもなおかつ応じてくれないのだから、もうやむを得ないから実力行使をする以外にないのだ、こういうふうに申しました。待て、待たぬ、こういうふうなことで悶着が起つたのですが、ただちに公安部長交渉をして来るからしばらく待つてくれ、こういうことでした。それなら交渉して来なさいということで待つたわけであります。そして若干待つてから井手さんと八木さんと高橋議員の三名は私のところにもどつて参りまして、私に、自分たちの力で退去せしめるからしばらく待つてくれ、こういうふうなことでした。そこでそれなら井手さん頼む、あなた、実力で出してください、こういうお願いをしたわけであります。私どもといたしましては、議事堂内のことでもありますので、警察官議事堂内に入れるということはできるだけ避けたいという気持がありましたので、そうお願いをいたしたわけであります。一部には手ぬるいという声もあろうかと思いますが、そういうふうにお願いをいたしたのであります。そして井手さんと八木氏とがただちにそこで出るように申されました。ところがこれも数名が応じたのみで、大部分は動きません。そこで私はもうしびれを切らしてすぐにまた井手さんのところにかけつけて、井手さんあなたは引受けてくれたのだが出ないじやないか、出してください、こうさらにお願いをいたしました。ところがまたさらに努力をしてくださつたのですが、これもやはり結果においては同様なことでありましたので、再度、再々度私はお願いしたわけです。その際に、附近の声もありましたし、井手さんからこれは傍聴人じやない、陳情者だ、陳情者だからいいだろうというようなことで、事態は全然変化いたしません。そうこうするうちに高橋議員を先頭として十数名の議員が同志会の控室になだれ込んで行く姿を見ましたので、すぐに内部の情勢が相当急迫しておると判断したので、それについて内部に行つたわけです。そしてとびらの中に入ろうとしたところに、すぐに高橋議員が飛んで来て、とびらを締めて、内部からかぎをかけまして、数人の者がそれを妨害した、こういうふうに事態が急迫して行つたのであります。そういつた事情で私は井手さんとそのときに会つておるわけであります。
  126. 中井一夫

    中井委員長 労働組合議長と言われた八木氏ですか。
  127. 江間恒

    江間参考人 佐賀県には佐賀労働組合議会という組織が存在しております。先ほど県議会議長さんの方からその内容等を申されておつたようですから省略いたしますが、八木氏は、電産の佐賀県の支部長であつて佐賀県支部の執行委員長ですが、同時に、先ほど申しました通称県労協と申しておりますが、そこの議長であります。八木昇氏であります。
  128. 中井一夫

    中井委員長 もう一点だけ。井手代議士警察官でも何でもない。その人に、こういう場合、あなたはなぜあなたの職務としてなすべきことをしてもらいたいと依頼したのですか。
  129. 江間恒

    江間参考人 依頼したわけではありませんが、私ども警察官としましては、警察官議事堂の内部に入らなければならないというような不幸な歴史は、佐賀県には残したくないという気持もありましたし、できるならば自主的に解決をしていただきたいという気持もありましたし、もしそれでできるならそうした方がより穏健な処置であろうと考えたからであります。
  130. 中井一夫

    中井委員長 あなたとしては、当時そういう依頼をしたということは、井手代議士やら八木なんという人が、この運動の上において非常に重要なる立場におられた、こう考えたから、これらの人の言われることならば大勢の人が聞くであろう、こういうような考えからやられたのですか。
  131. 江間恒

    江間参考人 そうです。井手代議士は御承知のよう佐賀県の労働団体を背景に、と申し上げては言葉がどうかと思いますが、そういう人たちの支持によつて選出されているというふうに伝えられておりますので、私どもはそう承知しておりますし、八木氏も県労協の議長ということで、県下の労働組合に対しては相当の強い指導力を持たれておりますし、当時集まつておりました労働組合は、先ほど申しましたように、県労協の傘下の組合でもあります。そこで、こういう人たちならば、当然その人たちの言うことを聞いてすみやかに退去するであろうというふうに私は判断をいたしましたから、そういうできるだけ穏健な処置をまずとつて、やむを得なければ、それでなおかつ出なければ、警察官を出動する以外に方法がなかろう、こういうふうに思つて、まずその処置を講じたのであります。
  132. 中井一夫

    中井委員長 一応承りましたし、時間も一時になりましたから、この程度で休憩をいたしまして、午後二時より再開をいたします。     午後零時五十八分休憩      ————◇—————
  133. 中井一夫

    中井委員長 これより午前中に引続いて開会をいたします。  参考人として日本社会党佐賀県議会議員宮崎茂君から事情を聴取いたします。宮崎参考人におかれましては、大体の事情は午前中にお聞きの通りと存じます。よつて事柄の進行につきましては、何とぞ二重になるところは省略を願つて、主としてあなたの見聞の上で言わんとせられるところを、率直簡明にお述べをいただけばけつこうだと存じます。
  134. 宮崎茂

    宮崎参考人 私が佐賀県議会宮崎でございます。佐賀県議会に起りましたところの紛争を、国会におきまして皆さん方からいろいろ御審議いただくことにつきましては、非常にわれわれとしましては申訳ないと考えておるわけでございます。ただいままで午前中参考人として喚問されました四方におきましては、私と立場を異にせられておる方のみでございまして、この四名の方の発言に対しまして、私がここにおいて反撥をしようという考え方は毛頭ございません。しかしながら佐賀県議会におきまして起つて参りましたところのこの紛争に対しまして、私は事実を皆さん方に御報告申し上げまして、皆さん方の審議の足しにしていただきたい、このように考えておる次第でございます。  問題の起りは、大体議長も申し上げましたように、三月の県会から始まつてつておるわけでございます。特に佐賀県は、皆さん方も御存じの通り、非常に財政的に逼迫をいたしておるわけでございます。そこで三月の県議会におきまして、鍋島知事が七十億四千百万円の予算を提示されたわけでございますが、そのときに佐賀県の財政状況からして、どうしても二十九年度におけるところの見通しのつかない六億円の予算を計上しなくては、佐賀県の最低のぎりぎり線を守るところの地方行政はやつて行けないということで、六億の赤字を見積つて予算上程されたわけでございます。従いましてそのときにおきまして、もし六億円の赤字を佐賀県議会が認めないとするならば、具体的な予算内容審議に当つてもらわなくてもよろしいのだ、もしこの知事が出したところの六億円の赤字を県議会において認めていただけるとするならば、その上に立つて予算内容につけるところの具体的な要件を御審議願いたい、このように申されまして上程されたわけでございます。そのよう佐賀県は非常に地方財政が逼迫いたしまして、まつたく今日どうにもならないという情勢の中に置かれておるわけでございます。特に問題になりますのは、そのときの予算可決にあたりまして、幸い鍋島知事の与党といわれておりますところの改進党と社会党、並びにこれに付随する無所属の議員さんたちが賛意を表しまして、そうして六億円の赤字予算をそのまま四百万円くらいの予算修正をいたしたのみによつて通過をさして参つたわけでございます。そうして三月の三十一日になりまして、会期最終日でございますが、そのときに佐賀県はよその県に先だちまして、保守合同の線を打ち出して参つたわけでございます。そのときの決議が、午前中に申されましたところの議長発言によりますところのあの決議案でございます。つまり機構改革と人員整理によつて佐賀県の財政を節約して行ける、こういう決議によつて三月県会終了いたしたわけでございます。従いまして予算の六億の赤字は通過せしめたものの、決議案というものが保守派の方から出されましたので、鍋島知事は五月に一億円の予算節減案を出して参つたわけでございます。そのときにいろいろ問題もありました。流会という問題に最終的にはなつて参りましたが、五月県会の様相と申しますのは、特に機構改革と人件費削減の予算でございますが、全県下の県民は、この予算削減に対して相当の反対をして参つたわけでございます。従いまして五月県会会期は、鍋島知事が臨時県会で招集いたしました関係上、わずかに五日間の会期だけでございます。五日間の会期とさらに延期をする五日間を合せまして十日間の会期になつてつたのでございますが、そのときに社会党中心とするところの革新派は、こういう重要な問題、特に人員整理機構改革の問題につきましては、単に議長労働組合という表現を使われたようでございますけれども、労働組合のみではございません。農業団体あるいは学校団体、すべての各種団体が、この機構改革と人件費節減予算案に対して、相当反対をして陳情をいたして参つたのでございます。従いましてわれわれ当初からこの重要な議案審議する場合においては、どうしても臨時県会のわずか五日間で審議することは不可能である、従つて少くとも今期県会のみならず定例県会にして二十日間くらいの会期をもつて慎重に審議すべきである、こういう要求議会運営委員会に対してしたわけでございます。ところが議会運営委員会におきましてもいろいろ意見が対立いたしましたが、結論的には臨時県会でやつてよいという結論が出て参つたのでございます。従いましてやむを得ず多数決に従いまして、臨時県会で五月県会を開いたわけでございますが、その間いろいろ議案内容あるいは県民の反対陳情に対しまして、どうしても議事が臨時県会では進んで行かないという立場に立たせられて参つたわけでございます。そこで最終日の午後六時くらいから十時くらいまでの約四時間にわたつて保守派議員さんたちのみによつて控室において秘密会議を持たれまして、それでは会期延長ようじやないかということが決定されたようであります。議会運営委員会におきましては、その問題が保守派の方から出て参りましたけれども、当初われわれの二十日間くらいで会期を持つて行くべきである、審議すべきであるという要求を一顧だにせずして、臨時県会決定して行こう、こういう線を出されておつたわけでございまして、最終日には、その議会運営委員会では、社会党中心とする革新派の議員の反対にあいまして、議会運営委員会では結論が出なかつたわけでございます。従いまして保守派議員さんたちは四時間にわたりまして、それでは本会議において会期一日間の延長をやろう、こういうことに計画をなされたようでございます。ところが佐賀県の県議会規則は、臨時県会は、会期が五日間、並びに五日間の延期ができることになつて、都今日になつております。従いまして十日の最終ぎりぎりの線でございますから、どうしても会議規則の条例を変更しなくてはならない。こういう立場に保守派議員さんは追い込まれて参つたのでございます。従いましていろいろ論議されたようでございますが、最終的に本会議を開かれましたのが、私は午後十一時三十五分であつたと考えております。そのときに、われわれはもちろんいろいろ検討を加えましたが、どうしてもこの議案を通過させることは県民のためにならないというところで、いろいろそれ以前に問題がありましたので、議事進行に関する緊急動議を出したわけでございます。佐賀県の会議規則は、議事進行に関する緊急動議がなされる場合においては、たとえば他の議員が演壇に上つて質疑応答をやつておりましても、議事進行に関する緊急動議が出た場合においては、その質疑応答を中止をせしめて、そうして議事進行に関する緊急動議を取上げなくてはならないというようになつております。従いましていろいろ問題はありましたけれども、議事進行に関する緊急動議議長社会党議員側から要請した。ところが議長会議規則を蹂躙して議事進行に関する緊急動議を取上げなかつた。そういうところからあの紛争が五月県会に起つたわけでございます。従いましてわれわれは会議規則をとりまして議事進行に関する緊急動議を許せ、許さない、こういうところから五月県会流会事態が生じて参つたわけでございます。しかも五月県会会期延長あるいは審議の遅れたという部面というものは、すべて保守派議員さんたちが毎日々々何時間もの自分たちだけの協議をやられまして、審議時間というものはわずかに一日に三時間か四時間くらいしかないという情勢をつくり上げられまして、そうして最終的には審議未了という形に追い込まなくてはならないという段階に入つたのが事実であります。従いまして五月県会におきましては、そういう事態で幕をとじたわけでございます。  さらに九月県会におきましては五月の県会を上まわりますところの三億円の予算削減という問題が出て参つたわけでございます。三億円の予算削減と申しますのは、一億円が人件費、一億円が行政費、あとの一億円が県単独事業予算を削減して行こうという予算案であります。従いまして佐賀県の赤字というものは、議長も申したのでございますが、少くとも佐賀県の責任において赤字が出て来たのではございません。簡単に申し上げますというと、二十八年度災害、あの関西を襲いましたところの災害で佐賀県は財政的に相当逼迫を来しております。その二十八年の災害の赤字が、二十九年度には約五億円繰越されて参つております。それから今日とられておりますところのデフレ政策によりまして、佐賀県には中小炭鉱約六十九鉱山ございますが、この中小炭鉱というものはまつたく潰滅に瀕する状態になつてつております。従いまして佐賀県の中小炭鉱という問題につきましては、生活資金なりあるいはその他中小企業に対する融資という問題につきまして、約一億六千万円ばかりの焦げつきを持つております。これは当然中小炭鉱その他中小企業に対する融資という問題につきましては、政府からやつていただかなくてはならないとわれわれは考えておりますけれども、今日の情勢の中におきましては、いかに佐賀県に財源がないとはいいましても、そういう中小企業なり中小炭鉱が潰滅して行くという現状を私たちが現場において見ておりまして、それをそのまま放任して置くということはできません。従いまして佐賀県の県政の中におきまして、融資なり生活資金という形で一億六千万円の金を出しております。これが今日焦げついておるわけでございます。  さらにもう一点は、先般乱闘国会と申されておりますところのあの国会においてでき上りましたところの警察法の改正によりまして、佐賀県は大体七箇月間で七千万円の赤字を出しております。これを一年間に割振りいたしますと、約一億円の赤字を出す、こういう状態になつておるわけでございます。さらに問題になりますのは、今日の地方税制制度、この制度が農村県に非常に不合理に出て参つております。シヤウプ勧告以来佐賀県はこの税制改正によりまして、約三億円程度の減収になつております。従いましてこれら赤字の原因というものが、すべて国の責任によつて解消されなくてはならないという考え方を、私たちは持つておるわけであります。しかもその上に予算を三億円節減するということにつきましては、県で三億円予算を削減いたしましても、これがすべて県民に肩がわりをさせられて行く。県で予算を削減いたしましても、その予算削減をしたものが県民に対して間接税としておおいかぶさつて行く、こういう事実がはつきりして参つたわけでございます。そういう予算削減の議案知事上程して参りましたところに、今回の紛争が起つてつたわけでございます。従いましてわれわれ会期決定されておりますように、九月七日から二十一日までの十五日間の会期でありまして、さらに定例県会でございますから五日間の会期延長することができるわけでございます。従いまして合計二十日間で審議をやつても、これはほんとうに慎重に審議をやろうという考え方に立つ場合におきましては、会期延長してでも審議をやつてよろしかつたわけであります。ところが十八日、つまり質疑応答の最終日でございます。最終日に至りまして——十九日が日曜でございますので休会、二十日が討論採決という議会運営委員会決定になつております。しかも会期は二十一日まででございますので、二十一日は、もしという保守派議員さんの心配から、五月県会よう流会するのではないか、こういう御心配から二十一日の一日間は会期をあけてあります。二十日に討論採決をやつて、二十一日まで会期をつくつておく。これがもし二十日の日に審議未了になるといけないというので、二十一日まで会期を持つておる。こういう情勢の中において、十八日に突如として質疑応答を打切り、討論を廃止して採決をやつて行こうという緊急動議が出て参つたわけでございます。その緊急動議におきましては、緒方という議員さんがこの緊急動議を出したわけでございますが、その提案理由の中に次のようなことが言われております。現在の審議の過程を考えてみますと、尋常一様の手段ではこの審議を進めて行くことができない。従つてこの際質疑応答を打切つて、討論を廃止して一挙に全議案採決すべしという、こういう緊急動議が出されて参つたのでございます。そこでわれわれといたしましても、当然会期は二十一日までになつておりますし、二十日が討論採決になつております。そういう会期になつておるにかかわらず突如としてこういう緊急動議を出されて参りましたので、われわれとしては非常に驚きまして、議事進行に関する緊急動議議長に対して要求をいたしたわけでございます。この議長に対する議事進行に関する要求議長が取上げてくれない。従いましてわれわれとしましては、議長のそういう無謀なやり方、しかも会議規則を蹂躙するようなやり方に対しては、当然議長を追究しなければならない。従いまして社会党議員中心とする十名の議員議長に詰め寄つてつたわけでございます。そのときに保守派議員さんは、社会党が演壇に上つた場合においてはすぐさまそれに反撃を加えられて、ああいう混乱した状態に立ち至つたわけでございますが、いずれにいたしましても、議長さんがさいぜん、午前中にも申されますように、私がこれを可決決定したのだ、こういう証言をなさつておりますけれども、ああいう混乱した場合において、はたして可決確定ができたかどうか。私たち議長の演壇におりまして、議長発言されることを聞いておつたわけでございますが、そういう点はまつたく見られない。しかも速記録にも載つておりません。あるいはテープレコーダーにも載つておりません。そういうことを私たちが認めるわけに行きません。しかもその間におきまして、どういう発言をやつたかということになつて参りますと、議長さんの午前中の証言の中にもありましたように、議長さんは自分いすからころばされておつたのだ、そういうときに確認したのだと言われておりますが、これは確認することはまつたく不可能な事態にあつたわけでございます。そこでわれわれといたしましては、特に皆さん方に御報告申し上げておきたいと思いますことは、当時の速記録には載つておりませんけれども、テープレコーダーがとりつけてあつたわけでございます。そのテープレコーダーの中に入つております問題は、午前中の安永議長発言とは非常にかわつております。それは緊急動議と全議案の一括採決、この両方を一緒に採決ようとする議長の声がテープレコーダーの中に入つております。このことは議長緊急動議は成立し、しかも成立した緊急動議可決決定して、そして全議案をさらに議員の皆さん方に諮つて可決決定したのだ、こういう発言をなさつておるようでございますけれども、私たちはそういうことも聞き取つておりませんし、またこのテープレコーダーの議事録をとつてみますと、次のようなことがテープレコーダーの中から読みとれるわけなんであります。テープレコーダーの記録をちよつと読んでみたいと思います。「緒方浩四郎君の動議——緒方浩四郎君の動議は成立しました。よつて——つて上程中の議案に対する——上程中の議案に対する質疑、討論を省略、採決いたします。議員各位は自席に着かれんことを……。」それから先はほとんど雑音で、入つておりませんが、議長さんが言われておられることは今読み上げましたように、まつた緊急動議と三億円予算削減に関する十六議案を全部一緒に採決をいたそうという行動に出られておつたのでございます。しかもそのときの議場状態と申しますのは、わずか七、八名の議員さんが議席に着いておつたのみで、ほとんど議長の演壇を中心といたしまして押し合いへし合いをやつてつた、こういうことが事実でございます。議長もはつきり確認をいたされたと言われておりますが、確認される事態ではなかつたわけでございます。しかもこの質疑打切りという問題につきまして、私たちが大きな問題を持つておりますのは、われわれが三億円の予算削減に対して、いかに県民に不利になつて行くかということを、事こまかに執行部を追究して行きますと、どうしても執行部がかぶとを脱がなくてはならない情勢になつてつたわけでございます。従つて革新派の議員にこの際議会において発言を許す場合においては、ますます保守派議員は不利になつて行く、そういうところで質疑応答を打切るということが、前日に保守派の中において話合いをされて、質疑打切りの問題が実施されたのであります。しかもその質疑を打切る前におきましても、約二時間にわたりまして秘密会議を持たれておりますし、高橋議員が懲罰委員会に付されようといたしましたが、懲罰委員会に付される場合におきましても、議長は高橋君が質疑をやらないから質疑の打切りをやつたんだ、緊急動議緒方議員が出したんだ、こういうことを言つておられますけれども、佐賀県の議会会議規則は懲罰委員会の懲罰に付するという動議が出た場合におきましては、ただちに懲罰委員会に付さなくてはならない、これが本議会におけるところの問題の先決に取扱わなくてはならないよう佐賀県議会会議規則になつております。それを取扱わずしてただ単に高橋君に対して発言を求められました。しかしながらその発言に対する高橋君の答弁というものは、私を懲罰委員会にかけようとしておりますから、この懲罰委員会会議規則に従つて取上げてもらつて、その問題が結論が出てから質問をやりましよう、こういうことで終つておるわけでございます。その間におきまして議長緒方議員緊急動議を取上げた、こういう事態になつてつておるわけでございます。そこで私たち議長に対しまして——その時間が三時二十分くらいじやなかつたか、このように考えますが、議長に対しまして、本会議から出て行こうとされる議長に、今の議長のやり方というものは、まつたくむちやくちやである、こういうやり方では佐賀県議会の今後の問題として大きな問題が残つて来るので、少くとも高橋君が質問に立つたそのところから再度やつてもらいたい、こういう要求をして参つたわけでございます。そこで私たちが特に申し上げたいことは、もし保守派議員さんたちがほんとうにこの佐賀県議会運営を円満に持つて行こうという考え方に立つておられるとするならば、少くとも会期は二十一日までございますし、さらに五日間の会期延長することができる。しかも五名まだ質問通告をやつた人が残つております。従いまして県会の勢力分野を考えて参りますと、三十二名対十名でございますから、ほんとうに会議規則を守つて円満に慎重に会議を進めて行こうというお考え方があつたとするならば、会期延長し、質問通告のあつた分だけの質問が済んでから最終的に採決に入られた、こういうことをやられてしかるべきではなかつたか、このように考えるのであります。しかも問題になりますのは、佐賀県議会には議会運営委員会がございますけれども、こういう混乱した状態、こういう状態に置かれたときに何ら議会運営委員会というものが運営されておらない。議長さんは議会運営委員会を開いて円満に議会運営をやつて行こうとして、議会運営委員長に再三運営委員会を開くように要請されておりますけれども、議会運営委員長は一回も議会運営委員会を開いておらない、こういうことを私たちが考えて参ります場合において、当然これはそういう紛争をまき起して、そして一挙に採決に入つて行こうという計画的なやり方であつたということを断定せざるを得ないわけでございます。従いましてそういう紛争が起りまして、議長には、その紛争の事態を収拾するべくわれわれは要請して参つたわけでございます。そこで最後に県知事の応接室に入りまして、議長と政治折衝をやつて参りました。議長と政治折衝をやつて参りましたときのことを、議長は監禁をされたという表現を使われておるようでございますけれども、知事室には保守派議員さん、並びに県庁側の人、あるいは県議会の事務局の人、これが約十四、五名入つておられます。その隣が県の応接室でございますが、その間議長と副議長社会党新政クラブの十名の議員議長と政治折衝をやつてつたわけでございます。この政治折衝というものは、保守派議長さんも承知をいたされまして、社会党議員さんが議長と政治折衝をやつて行かれるならば、われわれは出て行く、あなたたちは出てもらいましようという話合いの中において、当然これは政治折衝をやつてつたわけでございます。従いまして私たちは軟禁をしたとか、あるいは議長の自由を拘束した、こういう表現をとつておられることはまつたくおかしな話ではないか、このように考えております。しかも議長は非常に疲れておつたんだ、卒倒したということを言われておりますけれども、私はそれはまつたく当らない言葉じやないかと、このように考えております。私たちは五時半ごろから十二時近くまで議長と政治折衝をやつたわけでございますが、そのときに迎というお医者さんがおいでになりまして、お医者さんの言われることによつて、われわれは議長話合いをやつてつたわけでございます。従いまして十時近くになりまして、お医者さんが二十分間くらい休憩を議長さんに与えたらよろしいでしようということでございましたので、それでは二十分間休んでもらおう、こういうことで休んでもらいました。それからしばらくいたしまして、一時間くらい議長さんに休んでもらえぬだろうか、こういうことでお医者さんの申入れがありましたので、私たちもその間休憩をいたしましようと言つて議長さんに休んでいただいたわけでございます。ところがその間に、隣におりましたところの私たちの同志の人が、議長さんが保守派議員さんを呼んで話合いをしておるのだ、自分はからだが疲れておるから休ませてくれと言つて申し入れられたのにもかかわらず、保守派議員さんと話合いをしておられるのだ、こういうことでございましたので、そういうことではいかぬじやないか、お医者さんが休ませてくれなくちやいかぬという発言をされておるのであるから、休ませなさいと言つて、われわれは再び議長に休んでいただいたわけなんです。そこで十二時近くになりまして、私たちはいろいろ話合いを進めて参つたわけなんでございます。もちろん代表者を出しまして議長話合いを進めて参つたわけでございます。とにかく議長は積極的に事態の収拾をやつて行こう、さらに議決通告は話合いがつくまでやらない、それから政治折衝は今後十分続けて行こう、従つてあす九時から議長室において再び話合いをやりましよう、こういう話合いをつけて、お互いが代表者を出して了解し合つたわけなんです。そこで議長さんはわれわれと話合いをやつたわけなんですが、これはもう少し話合いを進めて行つた方がよろしいのじやないかと言つて、われわれは議長さんのところに十二時近くになりまして参りまして、そして議長さんと話合いをやつておりましたところが、議長さんが、私はからだが疲れております、この上話合いはできませんからと言つて、あの応接室の土間の上に横になられました。失礼いたしますと言つて横になられたわけでございます。私たちはそういう状態話合いができないので、それでは明日の午前九時半に議長室で話合いを進めて行きましよう、こういうようなことで、議長さんもそれを了承されまして、わかれて参つたわけでございます。ところがその状態を卒倒されたというような表現で言われておりますが、私はそういうことはまつたくあり得ない、このように考えておる次第でございます。  次に警察問題について一、二申し上げておきたいと思うわけなんです。二十一日の二時三十五分ごろ警察官が武装いたしまして、県政同志会の控室に入つて来て、そしてわれわれ八名の議員を部屋の片すみにこん棒で押し込めて、保守派議員さんだけを会場に入れまして、そして本会議を五分間で済ませたということになつておるわけでございます。ところがきようの午前中の話を聞いておりますと、なかなかそういうことではないようでありますが、とにかく私たちは、この十八日の事態を収拾しないでこのまま本会議を開いたのでは再び紛糾するだろう、そういう紛糾があつて会議を開いても、また県民に対して申訳がないよう事態が来るから、どうしても事態収拾の話合いをやろうではないか、こういうことで副議長話合いをやつてくれという申入れをやつたわけであります。そうして代表者二名を出しまして話合いを続けておりましたが、こういう事態ではどうしても問題にならないということになつて参りましたので、それでは総務委員会において何らかの形を出して話合いを進めた方がよろしいのではないか、こういう話合いになつてつたわけでございます。ところが、副議長はそういう発案でございましたので、総務委員会を私たちは開いておりました。総務委員会を開いておりましたところが、二時ちよつと過ぎころになりまして、本会議の予鈴が鳴つたわけでございます。そこで驚いて、私たちは県政同志会の控室に副議長をつけまして、われわれの話合いとは違うではないか、この事態を収拾せぬまま本会議を開いたのでは毎び混乱が来るであろうから、少くとも事態収拾をやつてからやろう、そこで副議長議長室に来てもらいたい、われわれ革新派と話合いを続けて行こう、こういう申入れをいたしましたところが、副議長議長室ではなくて県政同志会の部屋でやつてもらいたいという申入れがありましたので、われわれも、それでは県政同志会の部屋、よその控室ではございますけれども、議長さんがそういうことをおつしやるならば県政同志会の控室話合いを進めましよう、こういうことで私たちも受入れまして、話合いを続けて参つたわけでございます。そこで控室に入りまして話合いを続けておつたわけでございますが、その間副議長は、いろいろ警察官の要請を午前中からなさつてつたようでございますが、私たちはあくまでも事態収拾をやつて行こうという話合いをやつてつたわけでございます。その中に労働組合組合員が入つてつたように言われておるわけでございますけれども、そういうことはまつたくございません。もちろん佐賀市に合併しますところの金立村の陳情者がおいでになつておりまして、そういう人たち佐賀市合併に反対をされておつたというような事実はございますけれども、あくまでも革新議員団と副議長との間において政治的な折衝をやつてつたわけでございます。ここにおいでになつております江間警備課長が二時半近くになりまして、控室の様子をとびらをあけてながめられた。そこで高橋君が、この佐賀県議会には警察官が入つて来るべきではない、従つてあなたは向うに行つていなさいと言つてとびらを締めまして、中から錠をかけたわけでございます。そうやつておりますときに、二時三十五分ごろだつたと思いしますが、警察官の方たちようなけはいがありまして、とびらをける、こん棒でぶつという情勢の中において、一つのとびらはとびらの下の方をけ破り、片一方のとびらはガラスをこん棒でたたき破つて侵入して参つたわけでございます。そこで侵入して来ましたときに、われわれは県会議員である、しかも革新議員団だけを押えて保守派議員は本会議場に入つたではないか、そういうことをやるべきではない、保守派議員が本会議場に入つたならば、われわれも入らなくちやならないから、とにかく道を開けろと幾ら申しましても、ごん棒で片隅に押しつけて、保守派議員を本会議場に入れまして、五分間で会議を終つたよう情勢になつておるわけでございます。しばらくしまして、本会議場で会議が始まつておるということでございましたので、私たちは走つて会議場に入つて行きましたが、そのときには会議終了しておつたわけでございます。そこで私たちは憤りまして、どうしてわれわれだけを本会議場に入れなかつたか、こういう抗議を警察官申入れて参つたのでございます。ところが最後に、事態が収拾されましていろいろ問題を話し合つておりましたが、何ら紛争の状態にかかわりなかつたので、副議長警察官の退場を命じてくれという要請をいたしました。そこで副議長は、それでは退場を命じましようということで、玄関の警察官がおられるところまで来られまして、退場を命ぜられたのであります。ところが副議長が退場を命じられましても、一向に警察官が退場いたしませんので、私は再び県政同志会の部屋に副議長を尋ねて、どうして警察官は退場しないか、こういう申入れをいたしましたところが、いましばらく事態情勢を見るまでは、警察官をここに警備させておつた方がよろしいんだという要請があつたので、私は再び警察官の退場を取消しました、こういうことで、副議長はわれわれの警察官の退場申入れを断つたわけでございます。従いまして、私が今日ただいま申し上げましたように、午前中に発言されましたこととわれわれが実際見たところとは大きく食い違つておりますので、この点につきましては十分皆さん方の御審議をお願いしたい、このように考えるわけでございます。  以上申し上げまして私の御報告を終りたいと思うわけでございます。
  135. 中井一夫

    中井委員長 一応参考人陳述は終りました。門司君、議事進行についての御発言ですか。
  136. 門司亮

    門司委員 本日の委員会は、これから陳述人に対する質問を継続いたしますと結局五時か六時になるかもしれない。昨日の委員会議員出席が悪いということで、午前中の会議はやらず、午後の会議等におきましては、非常に急がれるということで四時過ぎに大体会議を終つてわれわれも帰つおります。こういう議事方法でやつておりますならば、私も発言の通告をいたしておりますが、私どもの発言の時間は非常に遅くなるだろうと考えておりますので、本日はここでひとつ全体できめていただいて、明後日さらに当委員会を継続してやるように私は要請しておきます。その理由の一つといたしましては、従来本委員会における証人あるいは参考人等の発言には、最初から各派でその持時間の制限をいたしておりまして、聞くべきものはその要点だけの話を願うことにしておるのであります。しかるに本日の状態を見ておりますと、およそ一人の発言時間が一時間に及んでおります。こういうことは本委員会にかつてなかつたことであります。委員長は一体こういうことをどうしておやりになるのか。少くとも公平に委員長が職務を遂行しようとするならば、やはり時間等の問題は十分勘案して、そうしてやはり従来の慣例というものを重んずべきであると私は思う。もしこういうことが許されるということになつて参りますと、これから先の公述人、あるいは公聴会等において時間の制限はおそらくできないと思う。そうすると、委員会の将来の運営というものは非常に困難な状態が必ず出て来ると思う。だから委員長にあらためてお伺いいたしておきますが、本委員会のきよう運営ようなことを慣例とされるかどうかということ。私はかつての本委員会における慣例を破られておりますので、その点委員長に一応お聞きをしておきたいと思います。
  137. 中井一夫

    中井委員長 お答えをいたします。本日の参考人のうちに一時間にわたるような長い陳述があつた、こういう陳述を許すことはけしからぬ、こういうような御趣旨と思うのであります。多数の陳述人がおつたのでありますが、長過ぎるとお考えになるその御陳述人は、最後に陳述した宮崎茂君の陳述をさされるのでありますか、門司君にお尋ねをいたします。
  138. 門司亮

    門司委員 私の聞いておりますのは例を引いたのであります。従来の慣例から言いますならば、本委員会は最初から二十分ないし十五分の間で発言をしてもらいたいということを委員長から言うておるはずであります。本日はそういう制限委員長がしなかつたということであります。
  139. 中井一夫

    中井委員長 お答えをいたします。制限はいたしませんでしたが、簡明率直に述べるようにということは特に注意いたしております。しこうしてただいままでお聞きした参考人のうち、午前中の参考人陳述は必ずしも私は長過ぎるとは考えておりません。あれだけの内容につきあれだけの時間ならば、まずは相当なりといわねばならぬと思うのであります。ただ長過ぎると考えてしかるべきものは最後の宮崎茂君の陳述でございました。しこうして特に委員長が格別の制限もしくは注意をいたさずこれを聞いて参りましたゆえんは、午前中の参考人の述べるところによれば、あの佐賀県会混乱の原因は、いわゆる革新派が労働組合の諸君等を引連れて、力をもつて、むしろ少数をもつて多数の決議を妨害しようというところにあつた。やむを得ずその緊急事態にかんがみて議会側は警察官の出動を要請したのである。その要請をしたことにつき理由あり、また警察官が出て来て職務の執行をしたことについても相当の理由があるということを述べておることに帰します。これがよろしくないということが一面の攻撃者の立場なんであります。その攻撃者の立場を代表したものが宮崎県議だと思うのであります。午前中多数の参考人の言うところは、一致してこの宮崎君の言うところとは異なつた立場に立つておるのでありますからして、宮崎君をして十分に言わしめることが公平なる委員長の取扱い方だろうと考えましたので、できるだけ多くを宮崎君に言わせた次第であります。それがよろしくないということならば、それは門司君の御判断にまかすよりしようがございまん。私としてはむしろ大いに努めて宮崎君の言い分を皆さんに聞いていただき、私もまた聞いたつもりでおるのであります。  なおこの委員会におけるところの発言が、あまり長過ぎるのではないかということにつきましては、私も常々さように考えておるのでありまして、われわれの考えによれば、それはむしろ一番門司さんの御発言が長いのであります。この委員会における速記録をごらんになりますとわかりますが、大体この委員会における速記録門司君の御発言でその大部分を占められておるよう実情であります。従いましてもし委員発言が長過ぎるということであるならば、願わくば門司君に自粛せられることをお願いできますならば、この委員会はもつと簡明に済むと思つております。(「ノーノー、問題は別だ。」と呼ぶ者あり)
  140. 門司亮

    門司委員 奇怪なるお話を聞くわけでありますが、私の発言が多ければ少くもいたしましよう。しかし聞くべきことを聞き、ただすべきことをただすのが議員の職責だと考えております。従つて質問のない方はおやりにならないでけつこうであります。質問のある者は発言が多くなることは当然と考えております。もしそれがいけないというならば、国会の規則なり何なりをかえていただいて、議員はこれ以上発言してはいけないというような規定でもつくつていただかない限りは、私は発言をいたします。それだけはつきり申しておきます。  それからもう一つ御答弁願いたいと思つておりますが、先ほど申し上げましたように、本日の委員会はおそらくおそくなつて議事のすべてを尽すわけには参らぬと思いますので、二十五日にあらためて会議を開くということを、せつかく定員がそろつておりまするときに、一応委員に諮つていただきたい、こういうことであります。
  141. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 議事進行について。門司さんからるる議事進行について御意見がございましたけれども、いろいろ社会党の方たちの間にも月曜は御都合の悪い方もございますし、かれこれ諸種の事情を勘案いたしまして、この佐賀県議会の問題につきましては、保守側質問もこれを自制いたしまして、同じく社会党側の御発言も自制していただくことにいたしまして、大体のところで打切つていただきまして、そして門司さんの十分なる御質問の時間を確保いたしたい、そういう考えでございますが、そういうふうな方法によりまして議事を進められんことをお願いいたします。
  142. 北山愛郎

    ○北山委員 先ほど来議事進行についての応答がつたのですが、午前中からの本委員会調査を見ておりまして、実は私自身もきよう委員長議事運営については、どうも平素と違つたようでふに落ちない。初めから一つの成心を持つてかかつておるような感じがいたすのでありまして、この点非常に平素公明なる委員長に対して残念に思つておる次第であります。というのはこの佐賀県の県議会に対する調査という問題は、必ずしも委員長が先ほど申されたような、あるいは午前中委員長みずからが質問に立たれたような角度からのみ審査さるべきものじやない。本委員会委員それぞれの角度からそれぞれの意見、それぞれの立場を持つて調査あるいは質疑要求があると思います。でありますから、委員長が十分おれが聞いてその点が明らかになつたから、あと聞く必要はないじやないかというような考え方をどこかに示されておるように見えるのは、私としてはまことに残念でありまして、それはあくまで委員長は、委員長質問をされると同時に、また委員に対しても十分な時間をさいて調査機会を与えるというふうに進めていただきたいと思うのであります。また同時にこの門司委員の要請に対しましても、実は本日の日程佐賀県の問題のみならず地方財政に関する件という問題もあります。従つて日程がほかにもあるわけでありまして、その日程等も勘案して、この議事運営を進められるのが当然だつたわけでありますが、時間が佐賀県の方にとられまして、そしてあとの案件をやる時間がないようになつて来ておるということについての門司委員の不満は、相当理由があると思うのであります。でありますから、ひとつこれらの点を十分くみとつていただきまして、平素の名委員長にお返りになつて、この際二十五日に委員会を開くなり何なり公正な措置をお願いしたいということを要望いたすものであります。
  143. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 ただいま議事進行について北山委員から御発言がありましたが、平素の北山委員の論理的なる発言と非常に違つておりまして、満場一致をもつて委員長が全員にかわつて事情を聴取する、その説明に対しまして代表的に質問をして真相を明らかにするということをきめたのにかかわりませず、その決議をしたことを忘れてしまつて委員長議事進行に対して何かとんでもない悪口を言うような形のことは、これはお互いに委員同士として徳義上はなはだよろしくないと思うのであります。それで現に委員から動議を出して、委員長にかわつて聞いてくれと頼んだのはわれわれ全員なんですから、その点はお取消しを願つたらどうかと考えておるのであります。  次に本日はまだ時間も早いのでございますし、また月曜日一日委員会を続行するということは、今諸種の政治活動の輻輳しておりまする時局におきまして、はなはだどうも支障が多いのでございまして、その点万事御了承の上、本日佐賀県議会の問題の真相が相当明らかになりまして、ほぼその目的を達したものと認めますので、革新陣営におかれましても、一応このへんで打切りまして、次に重要なる質問をたくさんお持ちの門司さんの御質問に入つていただきたい。再びそういうふうなことを熱望する次第であります。
  144. 西村力弥

    西村(力)委員 北山委員発言取消しの要求がありましたが、それならば先ほどの委員長門司委員、に対する発言自粛の要望を取消し願いたい。そんなばかなことがあるものじやない。それは今のは審議上の問題として言つておりましたが、委員長発言審議上の問題を通り越して、議員の職責を侮辱するというか、制限するというか、そういう発言ように思いますので、これは当然のことであると私は思うのであります。それから最初そちらの方から動議が出まして、委員長が一応大綱について質問する、その後に委員質問に移る、こういうことになつておるのでございまして、委員長に全面的に一任してわれらは口を緘して語らずというようなことをきめた覚えはない。それであるからこれはやはりどうしてもわれわれも質問を許してもらわなければならないのです。ただ門司委員の重要なる質問を不可能ならしめるということは、これはいけないことなんでございますので、少くとも佐賀県議会の問題は一応保留して、門司委員質問に移つて、それが済んでからこちらに移るということ、その点に関しては加藤委員の御意見賛成したい、こう思つております。
  145. 中井一夫

    中井委員長 いろいろ御意見がございました。ことに私の発言につき格別の御注意をいただきました。私いまだに血の気が多くありまして、ついどうも不行届きな言葉を申すようであります。門司君に対し申しましたことは、お聞き苦しいようでございまするならばこの際あらためて御容赦をお願いいたします。  なお門司君の御発言につきましては、すでにその内容等につきましても委員長まで申し入れられておるのでありまして、問題は、佐賀県の問題の重要性に譲らざる問題であるということを私も承知いたしておるのであります。従いまして、この際もし皆さんの御同意が得られるならば、門司君の発言を許し、その問題に触れて参りたいと思うのであります。実はそれゆえにこそ、この佐賀県の問題はこの程度において一応打切りといたし、そうして問題は、現地についてさらに調査を進めるかいなやということがなお残されておるのであります。従つてこの問題は理事会においておきめいただきたいと思うのであります。参考人諸君といたしましては、わざわざ遠方から参つておられるのでありますから、参考人の取調べを明後日まで残しますことは、いかにも参考人諸君にお気の毒に思いますので、佐賀県の問題については一応この程度で打切られるということであるならば、この際これを終了し、そうして門司君の御発言を承ることにいたしたいと思うのであります。  なお、私が今申しまする終了ということは、一切これで終つたという意味ではありません。それゆえに申しておるのであります。一応これをもつて終了するという言葉を使つておるのであります。従つて、この程度で終られたらいかがかと思います。
  146. 井手以誠

    井手委員 先刻の西村委員の提案は、せつかく門司委員の重要な質問があるから、それを終つてから佐賀県議会の問題を取上げてはどうか、こういう提案であつたと私は記憶いたします。ところがただいまの委員長の提案によりますと、一応佐賀県議会の問題はこの辺で打切りたい、すべて打切つたわけではない、実地調査も残つておる、こういうふうな言葉でございまして、一応本日はこれで終了したかのごとき印象を与えるのであります。それでは西村委員の提案とはまつたく違うのでありまして、せつかく遠方から呼んで事情を究明しようというこの委員会において、ただ問題を提起された程度のきようの証言だけでは、喚問した意義が非常に薄いのであります。重要な問題でございます。ただ一佐賀県議会の問題だけでなくして、これは各府県の赤字財政あるいは議事運営に重要な影響がございますので、ぜひこの問題は委員会においてさらに質疑を許していただきたい。この点私は強く要望いたしまして、一応これをもつて打切るという委員長発言に対しては、私は反対をいたします。ぜひ引続き質問いたされんことを、重ねてお願いをいたします。
  147. 藤田義光

    藤田委員 ただいまの御発言でございますが、実は数日来山梨県議会におきましても非常な紛糾を来しております。当委員会の性格上自治体の実態を調べることは当然の職務でございますが、地方自治体の独立性をあくまで維持いたしまして、国会は地方自治体の自主的な運営を円滑にやるように陰からお手伝いするという、この大きな立場を忘れない範囲内において審議を進めて行くべきであると思うのであります。その意味におきまして、私は本日は演説会で中座いたしたりしておりましたが、この佐賀県の問題は、私は議長と同じ政党であるから申し上げるわけではございませんが、もし当委員会が従来非常に円滑に運営されて来ておつたにもかかわらず一自治体の問題で審議を続行、打切りの意見が対立するということがありますると、地方政界の紛糾が当委員会に持ち込まれるという危険が——これは私の老婆心かもしれませんが、感じられますので、地元から選出されておる井手さんの御発言ではございますが、ここで委員長いかがでございましようか、暫時休憩して理事会を開くなり、何か円満な妥結の方式をひとつ考えていただきまして、われわれは本日の御発言速記録で詳細勉強させていただきまして、大いに自治法の改正審議等の勉強材料にしたい。その材料は大体出尽しておるのではないかと思います。つきましてはここで続行、中止の採決等の事態に持ち込まぬように、ひとつ老練な委員長の何らかの御配慮をお願いいたす次第であります。
  148. 中井一夫

    中井委員長 井手さんのお話藤田さんのお話もよく了承をいたしましたし、私といたしましては実は同感なのであります。私の言い方を少し井手さんは誤解をされておるのではないかと思うのです。それは佐賀県の問題をこのままで打切るというのではないのです。私の言うのは、参考人がわざわざ朝から来ておられますから、参考人の取調べをこの程度で終りたい。それで参考人にお帰りを願いたい。なお佐賀県の問題等については、さらにいつでもこの地方行政委員会で御発言なり御質疑なり御究明なりされることは当然なことでありますから、これをもつてやめるという意味ではないのであります。ただ参考人の取調べをこの程度でやめたい、こういう意味のことでありますから、どうぞその点を誤解のないようにお願いをいたしたいと思います。井手君にお伺いをいたしますが、そういう意味においてこの際参考人に帰つてもらうということには御同意くださつたらいかがでしようか。
  149. 井手以誠

    井手委員 実は私は先刻の証人の発言並びに委員長発言について一身上の弁明もあるわけであります。ただいまは一応参考人に帰つてもらつて引続き審議したい、こういうことでありますが、そうなれば後日佐賀県議会の問題を取上げるということになるわけでありまして、それではせつかく参考人をこちらに呼んで事情を聞くということについて、まだその目的の半ばにも——まだ序の口だけであります。それではせつかくの委員会の意図が達せられませんので、もし門司委員質問が重要でありますならばそれを先にやつてもらつて、本日中に引続き佐賀県議会の問題を取上げて質疑を許していただきたい。私はきようおいでになつた参考人の方は、一分間でも早く帰りたいというお考えではないと思います。せつかくおいでになりましたので、もし質問があれば自分の立場、それぞれの立場からお答えしようというお考えが多分にあろうと信じております。私のみならずほかの委員の方も相当質問したいという希望があることを聞いてもおりますので、私ははなはだ恐縮でありますけれども、ぜひ参考人をこのままにして引続き質問に入られんことを重ねてお願いいたします。
  150. 中井一夫

    中井委員長 それではあらためてお諮りしたいと思います。佐賀県の問題につき熱心に長くやりますと、他の方のお話をなさる機会がなくなります。他の方のお話を聞こうと思いますと佐賀県の方を短かくやらねばなりませず、その関係につきあらためて理事会を開きまして御相談をしたいと思います。     —————————————
  151. 中井一夫

    中井委員長 なおこの際理事に欠員がありますから、その補欠をいたしておきたいと存じます。すなわち委員の異動に伴い理事に欠員を生じておりますので、その補欠選任を行いたいと思いますが、これは投票の手続を省略いたしまして、委員長より指名するに御異議は、ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  152. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認め、理事には    西村 力弥君  藤田 義光君    熊谷 憲一君を煩わすことにいたします。  しばらく休憩をいたしまして、さつそく理事会を開きます。     午後三時三十一分休憩      ————◇—————     午後三時五十二分開議
  153. 中井一夫

    中井委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。  先ほどの各委員諸君の御発言趣旨にのつとりまして、この際兵庫県の問題につき特に門司委員発言を許すことにいたします。門司委員発言の終りましたあと佐賀県の問題を引続き取調べることにいたします。事情右の通りでありますから門司委員におかれましては、特にその質疑を簡明率直にかつ短かい時間になされんことを希望いたします。門司君。
  154. 門司亮

    門司委員 一応自治庁の次長にお尋ねしておきたいと思います。兵庫県の問題はすでに御承知の通りだと思いますが、いわゆる岸田知事の治政に対しまして副知事であつた吉川君から告訴をされておる幾つかの問題であります。問題のすべては行政上の処置がはなはだおもしろくなかつたということが大体この原因になつておるようであります。従つて私が今日聞きますのは、それらの問題について自治庁としての考え方が一体どうであつたかということ、それからもう一つ自治庁で十分気をつけてもらいたいと思いますことは、この事件はすべて不起訴になつております。ただ中で一人当時の出納長でありました馬君だけが起訴猶予という形で処刑を受けております。いわゆる刑罰を受けてはおりませんが、行政罰を受けておるということになつております。そういう事態もありますので、その辺ひとつ十分考えて答弁をしていただきたいと思います。ごく簡単にいたしますが、一つの問題は旅費の支出の問題であります。この問題はMRAに出席をいたします兵庫県知事並びに正副議長に旅費の支給をいたします場合に、知事夫人の費用がこの中に含まれておつたということであります。MRAの会費に二千ドル、七十二万円が二人分、さらにその他の費用を合算いたしまして、知事に三百万円の金が与えられておるのであります。このことは夫人はもとより県の吏員ではありません。特別公務員でも嘱託でも何でもないのであります。当然県会の旅費規程にあてはまるものでもありませんし、同時に県がこれに旅費を支出することは、私は旅費規程の上からいえば非常におもしろくない問題であるというように考えるわけです。自治庁はこの問題をどうお考えになるかをお尋ねいたします。
  155. 鈴木俊一

    鈴木説明員 ただいまお尋ねの問題でございますが、MRAに出席する当該の地方団体と全然関係のない県民に対して、その旅費の一部を補助するということを行うかどうかということは、これは一般の公務員の旅費とは全然別個の観点から考えなければならない問題かと考えております。たとえばオリンピツクに派遣します選手について、これにその関係の所属地方団体から若干の旅費を補助するかどうかというのと同じような観点から考えるべき問題だと考えております。ただこの場合は単なる一般の県民ということでなくて、特定の知事夫人ということでございますから、その点についてこれを支給するという場合におきましては、もちろん予算措置が必要であることは当然でありますが、その予算が適当であるかどうかということにつきましては、十分あらためて当該団体において論議せられてしかるべきものだと思います。
  156. 門司亮

    門司委員 この問題は当該委員会においてのその後の裁判の状態その他を勘案いたして参りますと、明らかに三百万円を渡した。その中には知事夫人の旅費が含まれておつたということが大体書かれておるのであります。今の自治庁の答弁にありますように、県議会において当然これは支出すべきものであると考えておりますが、この問題はそうなつておりませんので、各党派における幹事会等の了承を得たというだけで、議会には事実しかかつていないのであります。ただ了承を得たという程度にすぎないのであります。事実上の議会が開かれておらない。そこで旅費として出されておらない。こういうことが私は問題になると思いますが、これについてかりに議会委員会も開きませんで、ただ各党の幹事会あるいは幹事長の間で相談をしたからそれで出したという程度で、この問題は今の自治庁の答弁から考えるといけないということになりますが、一体これでよろしいかどうか、こういうことは各府県に実は慣例になるといけませんので、明確にしていただきたい。
  157. 鈴木俊一

    鈴木説明員 ただいまの問題について私も今具体的の書面を持つておりませんので、事実がどういう事実になつておりますか、その点明らかでございませんが、ただいま門司委員の仰せになりますような事実でありますならば、おそらく専決処分といいますか、そういうような処分であるいは法的な措置を講じておるのではないかと考えます。またもし県との間に、嘱託とか特別に委託されるといつたよう事態がこの間にございますならば、これはそういう趣旨において支給するということも可能かと思いますが、そういう場合におきましては、必ずしも県会の議決を要しないで、規程の何らかの措置の中でやれないことはない、そういうふうな法的の措置も可能かと考えます。しかしそれは法的の問題である。そのことが一体適当であるかどうかという問題とは、これはまた別の問題でございまして、それぞれの具体的のケースにつきまして考えらるべき問題であろうと思うのであります。
  158. 門司亮

    門司委員 非常に時間を急がれておりますので、ごく簡単にしてあまりよけいなことは言わないことにします。もう一つお聞きしておきたいと思いますことは、岸田知事がやめられたことについての記念品の贈呈であります。知事がやめられました場合に記念品を出すということは当然あり得るのであります。あるいは退職金、慰労金を出すことはあり得ることであります。しかしこの場合の支出は——知事昭和二十六年四月四日に退職しておいでになります。そうして記念品を出すことをきめましたのは翌日の五日であります。そうしてこの当時はちようど選挙の最中でありまして、県議会も開かれないのが事実であります。従つて知事の裁決によつてこれが支出をされております。そうしてさらに当時の出納長でありました馬君と合議の上これを出した。それを起案いたしました者は、県議会の事務局の議事課長が起案をいたした。そうして副知事と出納長との間の合議の上出された。こういうことになつておりますが、これが合法であるか非合法であるかということであります。
  159. 鈴木俊一

    鈴木説明員 知事が退職いたしました場合に、これに対して退職金を支給する、あるいは記念品料という名において退職金に相当するものを交付するというようなことは、これは知事が有給の常勤の職でございますし、そういうような見地から申しまして、退職金等の、団体の金を交付するということは、法律上も可能であろうと思うのであります。ただ具体的な手続といたしまして、退職金に関する条例等がございますならば、もちろんそれに従わなければならぬわけでございますし、そういうものがございませんといたしますならば、それはそのケースにつきましての具体的の予算上の措置がやはり必要になつて来ると思うのであります。
  160. 門司亮

    門司委員 当然私も予算上の措置の必要が生ずると思いますが、そういう形で、県議会も開かれておりませんし、同時に副知事の専決で出されております。  それからその次に聞いておきたいと思いますことは、この記念品料の計算の基礎についてでありますが、この基礎については、公選四箇年間が、一箇年について百五十万円の割合で、六百万円となつている。この算定の基礎が高いか安いかということにつきましては、私は異論はないのであります。その次問題になりますのは、官選知事でありましたときの十四箇月の在職期間に対する記念品の贈呈料として、六十五万円が計上せられておるのであります。従つて官選の知事の退職に対する記念品代というものは、一体県議会が出し得るかどうかということであります。これは決議すれば出し得るというかもしれませんが、この場合は決議も何もされておりません。さつき申し上げましたように、副知事と出納長との間で合議の上出されておるのであります。このことが非合法であるか、あるいはそのまま認められるかということであります。
  161. 鈴木俊一

    鈴木説明員 退職金の支給につきましては予算上の措置が必要であるということを先ほど申し上げましたが、これは法律的には御承知のよう議会を招集いたしまして、議会において議決を得るというのが最も正道であるわけでございますが、事件内容によりましては、軽易な事件として専決処分をするということも許されておるわけでございますから、その辺の法律上の規定をどのように、このような場合に運用するかということが一つ問題があるわけでございます。法的の道は開かれておるわけでありますが、官選知事時代の分あるいは公選知事時代の分というふうに区分をいたして支給をするということについて、どういうふうに具体的になつておりますか私もよくわかりませんが、若干考え方の点におきましては違いが出て来るような感じがいたしますけれども、しかし今日の公選知事として退職する場合におきまして、過去のさようなことについて何らかの考慮を払う、その適否の問題もございましようが、その事自体はやむを得ない面もありはしないかというふうに考える次第でございます。
  162. 門司亮

    門司委員 今の答弁でございますが、ちよつとおかしかつたので繰返すことになりますが、私が聞いておりますことは——今の自治庁の答弁はその通りであつて、記念品を贈呈する道の開かれておることもわかつておりますし、同時に緊急やむを得ない場合は専決もわかつております。わかつておりますが、社会通念として考えて参りますと、知事が退職された場合には新しい知事ができ、さらに新しい県議会ができて、そうして先任知事に対していかにするかということをきめるのが通例であります。これはやめられた翌日であります。一体それほど急速にやらなければならなかつた退職金であつたかどうかということであります。当時岸田さんは選挙をやられておりまして、見方によりましては、悪口を言うようでありますが、知事の選挙費をただちに県費でまかなつたと申し上げても、私は抗弁の余地はないと思います。こういうきわめてまずい行政処置が行われております。従つてこれに対してもう一応聞いておきますが、時期的の問題で今の自治庁の答弁のような道が開かれておるからいいんだということでは、私はこの問題は済まされないと思います。やはり緊急を要するか要しないかということが問題であります。何もやめられた翌日にお出しにならなければならないほどの緊急性はなかつた。これは社会通念の上からいつておかしいと思う。このことに対する御答弁をもう一応願います。
  163. 鈴木俊一

    鈴木説明員 御指摘の点は、御指摘のよう議論もあろうかと存じます。
  164. 門司亮

    門司委員 その次に聞いておきたいと思いますことは、記念品代として一応六百六十五万円が支給されておるのであります。そうしてその支給も昭和二十六年の四月五日に三百八十五万円、五月十八日に二百三十万円、五月二十一日に五十万円が支給されて、合計六百六十五万円になつておるのでありますが、それが渡されたあとで、この問題が実は清算をされておるわけであります。この問題は私は、こういう算定の基礎で求めて出したものであるとするならば、当然これは記念品代として岸田前知事に対して贈つてあるはずであると考えておりましたが、書類を見てみますと、二十六年九月十六日にこの記念品代の清算書が実は出て参つてつて、そうしてその清算書によりますと、大体二百一万八千百三十五円というものが記入されておるのでありまして、従つて、これが当時における記念の品物を買つたのか、買つたとすれば、こういう問題が残つたということは一応言えるのでありますが、しかし少くともこれが岸田氏に現金で渡されておるということになりますと、この清算をしたということが私は非常におかしいと思う。一旦記念品としてあげておいて、それを清算してこれだけ返しなさいと言われることは、どうも私どもにはわからないのであります。そうしてさらにもう一つ奇怪なことは、ついでに申し上げておきますが、この記念品代の清算の基礎というものは、公選四箇年については一箇年に百万円、四百万円が出されております。それから官選十二箇月を日数に割当てて参りまして、そうして公選の場合の六割として六十三万一千八百六十五円というものが支給されておる。これが清算書の内容であります。従つて知事が最初に決裁いたしましたときの基礎、それから清算されておりますときはこういうような基礎に基いて清算をいたしたということになつて参りますと、前に出したのが間違つてつてあとでこれはどうもおかしいから清算をし直した、こういう形になるのであります。これは実に奇怪な話でありまして、一旦副知事が決済して出したものを、どうも少し多過ぎるから、これを返してもらいましようというようなことで返すということは、私は実におかしな話だと思いますが、こういう取扱いが一体妥当であるかどうかということを一応聞いておきたい。
  165. 鈴木俊一

    鈴木説明員 記念品の名義におきまして支出いたしましたものが、成規の手続から計算をいたしましてはじき出したものと食い違つてつたということで、爾後において戻入をしてもらうというような清算の措置を講じたものではないかと、ただいまお述べになりました事実から判断いたしますと考えられるのでございますが、私も実は手元にさよう書類を持つておりませんで、的確でなくてはなはだ恐縮でございますが、お述べになりましたような事実だといたしますと、今申し上げましたように判断するほかないと考えております。もちろんそういうことは通常の場合にはあまりないことと考えておりますが、おそらくそういうよう関係になつておるのではないかと考えます。
  166. 門司亮

    門司委員 それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、この問題について法的の問題になりますのは、施行令との関係でございますが、施行令の百五十一条でありますかにおいて、概算払いのできるものについては旅費であるとか、あるいは官庁に支払わなければならない金であるとかいうようなことで限られております。こういうものの概算払いはないはずになつておると私は思います。従つてこの処置は明らかに施行令の百五十一条に違反しておる事実だと私は考えるのだが、次長はこれをどう考えるか。
  167. 鈴木俊一

    鈴木説明員 ただいまの点は私もなおよく事実に即して調査をいたしました上でないと的確なことは申し上げられませんが、おそらく支払いを誤つた、要するに過誤払いをした。従つてそれの清算をいたしたというような形に相なつておるのではないかと思いますが、概算払いということは御指摘のように今のような場合にはできないと思います。
  168. 門司亮

    門司委員 なかなか要領のいい答弁をいたしておるのでありますが、私どもの考え方からいたしましては、しかも議会を通じないでこういうことがかつてに行われておるわけであります。その点についてはわれわれも非常に奇怪に考えておるわけであります。過誤があつたからと申しましても、先ほどから申し上げておりますように、副知事の決裁で、議会にも何もかけておらない。そうして一旦渡したものである以上は、少くとも概算払いであつたということが考えられなければ、次に清算の届けは出て来ないわけであります。それが書類によりますると、概算払いを清算した結果、こうなつたということにちやんとなつておりまして、この点は私ども実は非常に疑義を持つておるわけであります。  それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、この金の支出でありますが、この金の支出が実は県庁費の中の需用費の消耗品費から支出をされておるわけであります。この費目が一体適当であつたかどうか。
  169. 鈴木俊一

    鈴木説明員 この点も予算の款項目節の運用の許される限度においてなされなければならない問題でありまして、おそらくその点は法の規定によりまして許される限度において処理いたしたものではないかと考えられます。
  170. 門司亮

    門司委員 これらの面が要するに議会の承認を得てないという一つの問題から現われて来た。私は金の出し場がなかつたからこういうことで出したというようにしか考えられない。当然議会の議決を経ておれば、何もこういう苦しい出し方をしなくてもよかつた。  さらに一点聞いておきたいと思いますことは、費目はそういう形になつておりまするが、実際は県の収入証紙売りさばき金の中から立てかえてこれが出されておるのであります。これらの金は税外収入といたしまして当然県の金庫に一応入るべき金である。しかしこれが入らないで、その前にこちらに出されておるという事実があつたというように聞いております。一体こういうことが適法であるかどうか、この点についてひとつ伺つておきたいと思います。
  171. 鈴木俊一

    鈴木説明員 ただいまの点は、県の収入に一旦なりましたものでなければ県の経費として支出することができないわけでございますから、税外収入、印紙収入等で支出いたします以上は、これが県の収入になつたものというふうに考えるほかないのでございますが、この点もなお事実が的確になりませんと、ちよつとそれ以上のことを申し上げる段階でないかと存じます。
  172. 門司亮

    門司委員 どうもはつきり問題の所在がしないようでありますが、さらに要求をしておきたいと思いますことは、こういう事件が兵庫県下に起つて参りました。その他まだ三つ四つ実は事件があるのであります。私学総連合との関係、あるいは住宅建設会社との関係、それから薬品の関係、預託金の関係等、六つの問題が、大体今度の吉川副知事から岸田知事を告発しました内容でありまして、いずれもかなり県政の運営の上においては、私どもが見て参りましても疑義のある問題でございますが、きようは時間もございませんので他の問題は一応省略をいたしまして、以上二つの問題についてお聞きをしたわけであります。  最後にはつきりこの機会に聞いておきたいと思いますことは、こういう問題が起つて参りまして、そうしてこれらの問題は、その支出が必ずしも妥当でなかつたということによつて、実は馬という当時の出納長だけが先ほど申し上げましたような刑罰を受けておるわけであります。そうしてこの金を受取つて参りました前知事にも何らの関係がありませんし、その他の諸君にも何らの関係がなかつた。従つて行政上の処置としては、あるいは司法上の処置としては、われわれはどう考えてもふに落ちないのであります。金を出したことが不当であるといたしますならば、やはりそれらの問題に関連いたして参つておりまする諸君も、当然そういう刑罰を受けるべきではなかつたかと実は考えておりますが、この点は兵庫県の県民全体のなぞみたいな問題であつて、大騒ぎをやつて、県費が成規の手続を経ないでかなり濫費されておるが、それをつつついてみたところが、結局は出納長だけがそういう行政罰を受けただけで納まつておるということについては、われわれ疑問といいますか、ふに落ちない点が幾多あるのでありますが、こういう問題について出納長だけがそういう法的の責任を負うことが自治庁の立場から考えられるかどうかということであります。この点についてもう一応ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  173. 鈴木俊一

    鈴木説明員 兵庫県の場合におきまして、関係のございました副知事はさきに解任をせられて、やめておるわけでございまして、また関係のございました出納長はみずから辞表を提出してやめたというふうに私ども聞いておるわけでございます。その関係の出納長が起訴猶予になりましたことは、これは検察側の方の処分でございますので、私から何ら申すべき筋合いではありません。行政上の問題といたしましては、この関係の問題につきまして関係の副知事がやめ、関係の出納長がやめたという形になつておるわけでございまして、これをどういうふうに批判をするかということは、それぞれ関係の県民諸君の問題であります。おのずから批判は定まるところに定まるであろうと私ども考えています、あまりに事件が直接的な問題でございまするので、この席におきまして私から何らかの結論的なことを申し上げることはいかがかと思いますので差控えたいと思います。
  174. 門司亮

    門司委員 もう一点最後に聞いておきたいと思いますことは、これらの問題について自治庁はどういう態度をおとりになつたかということであります。おそらくこの問題は、自治庁に対しましても相当の問合せなり、あるいはいろいろな情報が入つておると思いますが、これについての自治庁の今日までとられて参りました態度がもしございまするなら、この機会に発表していただきたいと思います。
  175. 鈴木俊一

    鈴木説明員 この問題は通常の行政上の紛議の問題と異なりまして、事が始まりましてただちに告発というよう事態がございまして、検察庁等の手を煩わすというよう事態に相なつてつておりましたので、自治庁といたしましては、いろいろ関係の者から話は時折聴取いたしておつたのでございます。その辺のいろんな関連も十分考慮いたしまして、事態に対する直接具体的な指示というような挙には出なかつた次第でございます。
  176. 門司亮

    門司委員 そういたしますと、自治庁としては具体的の指示をしなかつたということでありますが、こういう県庁内の——何と言いますか、紊乱という言葉は少し行き過ぎかもしれませんが、結局常道でない行き方というものを、そのまま看過して、おきまするなら、私は各地方でこういうことが行われると思う。同時に先ほどの自治庁の答弁では、概算払い、その他についても、一応の道が開かれておるわけであります。知事あるいは副知事の決裁というようなことがあれば、という話でありまするが、これについてもおのずから限度があるわけであります。支出した、いわゆる知事が単独で議会に諮らないで出し得る限度というものは当然あるわけでありまして、これがないということはおかしいと思います。従つてその限度を越えたこの六百六十万円という金は、議会に諮らなければ何にもできない費目についてはそういう形で消耗品費から出るということは、実はおかしいのでありますから、どう考えてもわれわれには考えられない。従つて将来これらの問題について自治庁としては、各府県にこういうことがあるとも申し上げませんが、ないとも申し上げません。従つてどういう態度で臨まれるか、この際その態度を聞かしていただきたいと思います。
  177. 鈴木俊一

    鈴木説明員 公職にございますものがやめまする場合におきまして、これに退職手当あるいは退職金を支給するということは、地方自治法上規定されておるわけでございまして、一般職の場合におきましては、それぞれ条例あるいは法令に明らかになつているわけでございますが、特別職の場合につきましても、大体法令ないし条例が今日できているわけでございます。条例に明らかにそのことを規定いたしまして、実際の支給にあたつて紛議を生じないようにするということが、一番適当なことであろうと考えております。そういうような意味の一般的な指示はいたしておる次第でございます。
  178. 中井一夫

    中井委員長 それでは門司君の御質疑はこの程度で、一応終了したものとしてよろしゆうございますか。
  179. 門司亮

    門司委員 一応よろしゆうございます。     —————————————
  180. 中井一夫

    中井委員長 それではこれから佐賀県の問題につき質疑の開始をいたします。井手君。  なおこの際格別の御了解を得て来ていると思いますることは、佐賀県の議会における問題はもとより佐賀の問題でありまして、その範囲におきましては国会の問題ではないことであります。従いまして当委員会としてこの問題を取上げまするのは、どこまでも地方行政の国家的立場からこれを見ることが一つ。また具体的な問題といたしましては警察官の出動を要請する、その出動の適否等の問題等につき検討をせられること、この二つであります。そういうようなわが地方行政委員会所管の事項に関する範囲においてこれを取上げて審査をいたすべきであると信ずるわけでございますから、何とぞ各委員におかれましてもこれからの御質疑は右範囲の外に出ないように、率直に申しまするならば、佐賀県会の紛議をこの国会へ持ち込むというような醜態の出て来ませんよう格別の御配慮を願いたいと存じます。
  181. 井手以誠

    井手委員 ただいま委員長が御配虚になつたことを体しまして、主として警察官の出動についてお尋ねをいたしますが、その前に一言一身上の弁明をいたしておきたいと思います。それは参考人の証言の中に私の名前が出たことについて委員長は奇異にお感じになつた、またそのような御発言があつたのであります。私議員の立場から聞き捨てにならないことでございますので弁明をいたしたい、かように存ずる次第でございます。問題のあつた九月二十一日の日に私が佐賀県議会に参つてつたことは事実であります。私も関心を持つてその日出向きました。しかし今委員長お話通り佐賀県議会の問題は主として県会議員のことであり、また傍聴人傍聴人の立場から行動なさることでございますので、その点について私は関知しないのであります。この点をはつきり申し上げておきます。ただ私が傍聴いたしておりまする際に事態がますます切迫いたしまして、いよいよ警察官がただちに出動する、こういう事態になりましたので、そのことのよしあしは別にいたしまして、警察官議会に入つて来るということは、これは県議会にとつて不祥事件である、これは防がなければならぬ、回避しなくてはならないという考え方から、これを回避するために、先刻名前の出ました八木県労協議長とともに、これは私どもの手で傍聴人を退去せしめたい、しばらく出動を待つてもらいたいということを私は要請いたしました。またお話があつたよう江間警備課長からの依頼を受けまして中に入つたわけであります。幸い先刻は、私の勧告にもかかわらず数名しか退去しなかつたという証言がございましたが、多くの傍聴人は廊下から玄関の外にいたのであります。私はこの目ではつきり見たのであります。この点については後刻私が公安部長に会つたときに、おかげで傍聴人に対してこれを出動せしめないでよかつたということを申されておりますので、これは事実で、明確であります。どうぞその点は曲解のないように、委員長のかねての公正な判断によつて、私がとつた態度を御理解願えまするようお願い申し上げる次第であります。一言弁明申し上げておきます。  そこで警察官の出動についてお尋ねいたします前に、一言、二言議長並びに副議長にお尋ねをいたします。  あなたや宮崎参考人の証言によつて、十八日の混乱した議会——そのときにはなお会期三日間を余しておる、討論は二十日に予定されている、なお会期延長の余裕もある、質問通告者も数名残つておるし、社会党側からは修正案提出の通告もある、あなたは円満なる議事運営が必要であることを繰返し強調されたのでございますが、もしその際にこれの採決を強行すれば混乱が生ずることは、議長さんも参考人も予想されたところであろうと私は考えるのであります。なお日にちもある、討論の予定は二十日である、こういう場合に混乱が予想されることを知りながら、どうして無理に採決を強行されようとしたのか、ほかに話合いということはできなかつたのか、日にちがあるということを私は前提に置いておるのでありますが、こういうことを重ねて参りますと佐賀県議会の問題ばかりでなくて、ほかの県議会にも波及するおそれがありますので、私は地方行政委員の立場からお尋ねするわけでございます。ほかに方法はなかつたか、この点をお尋ねいたしますとともに、いま一点は、円満なる議事運営を強調されておりますのでお尋ねいたしますが、お話よう議場混乱しておる、議員もほとんど議席を離れておる、あなたも議長席に正常な姿ではついておられなかつた速記もとれないし、録音もとれない、そういうよう混乱の場合にやるということがはたしていいものかどうか、この点は今後の地方議会運営に非常に重要な点でございますので、議長さんのお考えをこの際お聞きしておきたいと思う次第であります。     —————————————
  182. 西村力弥

    西村(力)委員 御答弁願う途中で失礼でございますけれども、定員に満ちましたので、この際事務的な案件を決定して行きたいと思うわけでございます。  第一番目には本委員会において前々から審議し、各党の意見の一致しておる消防に関する小委員会を設置して、徹底的に消防強化の施策を研究立案しようという意向があつたのでございますが、本日その小委員会設置の件を決定していただきたい。小委員の各党の割振り及び指名は、委員長に御一任申し上げたいと思います。
  183. 中井一夫

    中井委員長 お諮りをいたします。消防に関する小委員会設置の件につき、ただいま西村委員より動議が提出されました。右動議につき御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  184. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。動議の御趣旨に基きまして、その人数並びに指名は委員長においてしかるべくこれを定め、後刻発表をいたすことにいたします。     —————————————
  185. 西村力弥

    西村(力)委員 次に一昨日、中央区の高速度自動車道路問題ですが、このことに関して陳情がございました。事の重要性にかんがみまして参考人として意見陳述を求めたのであります。それゆえにただ聞き放しということもどうかと思われまするので、これはやはり事後措置について当委員会としては何らかの措置をとらなければならない、かように思うわけでございます。よつて次回の機会におきまして参考人を喚問いたしたい、かように存ずるものでございます。参考人といたしましては東京都の知事、中央区の区長及びその高速度自動車道路を経営する会社の社長、この御三名、かようにいたしたいのでございます。右提議いたします。
  186. 中井一夫

    中井委員長 お諮りをいたします。すでにこの委員会において問題となり、その参考人の取調べ等もございました高速度自動車道路の問題、地方行政に関する限りにおきましてさらに参考人の喚問の必要ありとして、西村委員より三名の参考人の喚問の要求のありましたことはお聞きの通りであります。動議通りこれを参考人として喚問することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  187. 中井一夫

    中井委員長 異議なしと認めさよう決定いたしました。     —————————————
  188. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私、昨日あなたの留守中そこにいらつしやいます佐藤委員長代理に発言しておいたのですが、今年の十月十日の読売新聞に、日本興行組合連合会からわれわれ地方行政委員会に約一千万円の金をばらまかれて、入場税を地方税にあるものを国税に移管するのを反対した。しかもそれは左右両党の代議士がおもだつて反対したということが出ております。この意味におきまして二十五日警視総監それから第二捜査課長、それから日本興行組合連合会を代表する人は目下警視庁に留置されておりますから、それにかわるべき人、それから読売新聞の編集局長、それからこれを取材した記者、これをここに参考人として呼んでいただきたい。そういたしませんとわれわれは自分の身の潔白が立ちませんから、選挙区に帰つて国会の報告演説会ができませんから、ここではつきりしていただきたい。もしこれに異議のある人はこの興行組合連合会から一文でも金をもらつた代議士と、私はかく信ずるものでありますから、皆さんの賢明なる判断で御返答を望みます。
  189. 中井一夫

    中井委員長 大石さんにお伺いをいたしますが、御承知の通りこの委員会は本日をもつて一応終了することに予定されておるのであります。あなたの動議を拝聴いたしますと、二十五日にそれらの人々を喚問するようにということでありますが、もしそういたしますと、その前提として二十五日にこの委員会を開くやいなやを決定しなければならぬのであります。従いまして右の動議は喚問すべき日時を除いてこれを御提起になつたものと拝承し、従つてその取調べの時期につきましてはあらためて委員会においてお諮りをした上、これを決定する、かように承知いたしてよろしゆうございますか。
  190. 大石ヨシエ

    ○大石委員 われわれは、吉田さんが帰られたら、多分国会は解散になると存じます。それでたびたび各委員会を開かれては非常にわれわれ支障を来します。だから継続的に開いていただきたい。それを私は要望します。お互いに選挙区へ帰る必要があります。またしてはちよつと来い、またしてはちよつと来い、これは困る。ただちに二十五日に開いてください。私が言い出したら、これは聞きません。
  191. 中井一夫

    中井委員長 それではもう一度申し上げますが、日時の問題につきましてはあらためて理事会においてこれを決定いたすことにして、あなたの実質的な動議だけをここでおとりきめを願う、こういうことにいたしてよろしゆうございますね。
  192. 大石ヨシエ

    ○大石委員 いやです。二十五日に開いてください。またしても来るのは困りますよ。こうして国会報告演説会に歩いているのに、十万もらつた、二十万もらつた——左右両党の者はもらつておりませんですよ。二十五日に開いてください。
  193. 中井一夫

    中井委員長 御趣旨は同感なんです。だからその日時につきましてはあなたの御趣旨にかなうようにできるだけとりはからうごとにいたして、あとで諮りますから、あなたの実質的な動議をそのまま動議として決したい、かよう趣旨であります。何とぞ御承知を願います。
  194. 大石ヨシエ

    ○大石委員 わかりました。
  195. 中井一夫

    中井委員長 あらためてお諮りをいたします。入場税移管の問題につき、地方行政委員会関係において贈収賄が行われたということが読売新聞に出たことは、まつたく無実のことを記載したものであつて、われわれの名誉上断じて黙過することができない、従つてこの記事の出所につきこれを明らかにして、われわれの名誉の汚れることを断固防ぎたい、こういう趣旨における御発議であります。従いましてこれに関連するところの人々を参考人として喚問するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  196. 中井一夫

    中井委員長 異議なしと認め、さよう決定をいたします。  そこで引続きお諮りをいたしますが、この委員会開会につきましては、二十五日引続きこれをなすべきや否や、この点につき御意見を承りたいと存じます。加藤精三君。
  197. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 ただいま大石委員からの御提議はもつともでございますけれども、二十五日はそれぞれみな予定がございますので、あらためて理事会におきまして開会の日取りを御決定願いたいと思います。
  198. 中井一夫

    中井委員長 皆さんの大体の御意向も右のように察知いたしました。よつてこれはあらためて理事会において決定することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 中井一夫

    中井委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  200. 三池信

    三池委員 議事進行。今井手委員質問中でありますが、昨日井手委員も一身上の弁明をなされたようであります。先ほど宮崎県会議員からの陳述の中に私たちが聞いていてはなはだ了解に苦しむ点があります。と申しますのは、九月十八日の議場混乱の際、議長はしばしば運営委員会を開くようにという要請を運営委員長にしたにもかかわらず、運営委員長は一向にそういう措置に出なかつたというよう陳述があつたようでありますが、これは私たちまことに了解に苦しむ点であります。どうしてそういうよう事態になつたのか。ちようど幸い運営委員長もこちらに傍聴に見えておるようでありますから、その諸般の事情を明らかにするために、運営委員長に一身上の弁明を許していただきたいということを提議いたしたい。
  201. 中井一夫

    中井委員長 この際便宜井手君に御相談いたしますが、ただいま三池君から、山下運営委員長の喚問方につき申出がありました。この問題につきましては、あなたからさきに県会議員田久保与一郎君を参考人として喚問されたい旨申出があつたのでありますが、あまり事こまかに入りましてもいかがかと思い、両者とも御遠慮願いたいということを申し上げておいたのであります。しかしすでに三池委員から山下運営委員長の喚問の要求のありました以上、もしこれを許すならば、やはり反対側におられる田久保議員も許し、ともにその意見を聞くことが公平ではないかと思うのであります。従いましてあなたの方からも田久保県会議員の喚問を御要求になつたらいかがですか。
  202. 三池信

    三池委員 私が今提起した問題について、今の委員長井手君に対する勧誘の提議は私はまことに不可解に思う。私は別に田久保県会議員参考人として追加喚問されることには一向反対でない。しかし私は、運営委員長の問題が参考人の口述の中に出たが、その問題が私たちにはまことに不可解であるから、その問題に対して運営委員長が幸い見えておるから、一身上の弁明を許してはどうかということで、提議、要望したのであります。だからといつて私は別に田久保県会議員追加されることに一向反対するものではない。ただ委員長が私の提議に対してこれとバランスをとるかのごとくに、あなたの方も参考人を出したらどうかという議事進め方に対して、はなはだけしからぬということを一言申し上げる。
  203. 中井一夫

    中井委員長 御趣旨はよくわかるのでありますが、しかしながら委員長といたしましては、先ほど山下運営委員長の申請に対して田久保県会議員の申請もともにやめていただきとたいということを申し上げましたから、一方についてお諮りする以上は、他方についてもこれを申し上げ、その機会を与えることが公平であろう、こういう考え方から、それを申したのであります。従いまして井手君において田久保氏の問題を御申請にならなければ問題はありません。あらためて井手君の御意見を伺います。
  204. 井手以誠

    井手委員 実は田久保議員傍聴に見えておりますので、聞きたいことがありましたが、先刻委員長お話がありましたので、遠慮いたしておりました。このことでいろいろ論議いたしますと長くなりますので、好むところではございません。せつかく三池委員の希望もありますのでよかろうかとは思いますが、私の質問中でございますので、私が済んでから、三池さんの質問の必要に応じてそのとおりはからいを願いたい、かように私は希望いたすわけであります。私もまたあとで必要に応じて田久保県会議員の喚問をお願いしたいと考えております。一応私の質問中でございましたので、それが議員自身の一身上とかなんとかであれば何でしようけれども、議員外の問題でありますので、一応私の質問進行さしていただきたい、かように希望いたす次第であります。
  205. 中井一夫

    中井委員長 ただ御承知の通り、あなたの質問中でございましたけれども、各派の申合せによりまして、いろいろ定めておくべき問題を協議いたしたのであります。従つて、この際協議に関係するようなものはいつときにやつておくということが便宜であろうと思うのでこれをいたしておるわけであります。もしできますならば、そういうことでこれを決定するだけ決定して、そしてあなたの質疑を進められんことを願いたいのであります。何とぞ御承知を願います。それでは田久保君も御要求になる、こういうわけでありますね。
  206. 井手以誠

    井手委員 さようでございます。
  207. 中井一夫

    中井委員長 それではあらためてお諮りいたします。三池君から御要求山下徳夫運営委員長、それから井手君御要求田久保与一郎県会議員、この両名をあわせて参考人として呼ぶことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  208. 中井一夫

    中井委員長 なおさらに追加してお諮りをいたしますが、この両君につきましては、陳述は大体五分間、言わんとするその要点だけを聞きたい、こういうことで時間を制限して参りたいと思いますから、さよう御承知おき願います。
  209. 井手以誠

    井手委員 今の御両氏の喚問は質問者質問の都度御陳述を願うというふうに私は理解いたしておりますので、先刻に引続いて安永議長にお尋ねをいたしたい。  先刻私は、まだ会期もあるのに、また話合い機会もあるのに一気に採決まで持つて来られることはどうであつたかという点についてお尋ねしたわけであります。証言によれば、県政同志会は三十三名、一方の革新陣営は十名、数において帰趨は明確でございます。そう無理をなさる必要もなかろうかと考えます。この点もあわせて御答弁いただきたいと思います。
  210. 中井一夫

    中井委員長 井手君、いかがでございましよう。あなたの御質問を承りますと、これはやはり県会における議長議事進行ぶりについてのよいか悪いか等にかかわるようであります。これをやり出したらたいへんなことなのであります。まつたく当時の県会混乱情勢をここで再演をして、そしていいとか悪いとかいうことになるわけであります。私初めに申し上げましたように、この委員会におきましては県会の縮図を現わしたくないということは当然のことでありますから、願わくはこの委員会として、国会のこの委員会における問題の範囲においてその質疑をせられることが当然であろうと思います。時間もよほど切迫いたしました。願わくはそういう意味に集中されんことを希望いたします。
  211. 井手以誠

    井手委員 私は先刻の質問の中に、そういう議決は将来悪例を残し、またほかの府県に波及するおそれがあるので、地方行政の立場からお尋ねしたいと前提をしたわけであります。しかしせつかくの委員長の御忠告でもございます。なお警察の方が主体でございますので、私は百歩を譲つて、それでは議長に対しては質問をとりやめることにいたします。
  212. 中井一夫

    中井委員長 感謝をいたします。何とぞそういう意味で御質問を願います。
  213. 井手以誠

    井手委員 と同時に、委員長に対して、あとで御質問もありましようけれども、私が申しました通り、また委員長趣旨通り発言も励行されますように御進行方を特にお願いいたしておきます。
  214. 中井一夫

    中井委員長 了承いたしました。
  215. 井手以誠

    井手委員 そこで、先刻来の参考人の証言によりますと、問題の採決が有効であるか、無効であるか、この点について議長さんは、自分緊急動議も、あるいは一括議案採決も別々にやつたとおつしやる。一方宮崎参考人は、緊急動議採決をしなかつた、こう申しておるのであります。その点が非常に重大である。この点を自治庁において十分お聞取りを願いたい。今のところこの点は水かけ論のようになつておりますが、ともかくそれが正常の事態でなかつたことだけは事実である。     〔委員長退席、加藤(精)委員長代理着席〕 その際に絶対的な条件ではございませんけれども、速記なりあるいは録音というものは貴重な資料になるのではないかと私は心得ております。その速記録は中断されたままになつて、空白である。録音において若干これを聞き取ることができるのでありますが、県議会の事務局の速記者が録音からとつたものによりますと、先刻も宮崎参考人が申しましたように、「動議は成立いたしました。よつて上程中の議案に対する質疑、討論を省略、採決いたします。」かようになつておりまするから、緊急動議採決が行われていないことは、これまた事実だと私は考えます。  そこで私はこの際お尋ねいたしますが、緊急動議採決が行われていないものを、これに基く議案採決をするということがいいことかどうか、正当なことか、違法なことか、こういうことが今後許されていいものかどうか。私はこの点が佐賀県議会の問題では一番重要な点ではないかと考えます。これは県議会の事務局で作成したものでありまして、一方でかつてにつくつたものではございません。「動議は成立いたしました。よつて上程中の議案に対する質疑、討論を省略、採決いたします。」というこの議案採決方法は正しいことかどうか。その点明確に自治庁の見解を承りたい。とともに、もしこのことが許されるならば、今後各地の地方議会においてこれが容易に行われ得る、これは恐るべき事態であると私は考えます。ただ事なかれ主義、地方の主体性、自主性を守らなければならぬというようなことではなくして、地方自治法に基いてしかるべき勧告が必要ではないかと私は考えております。この点に対する自治庁の見解を承ります。
  216. 小林与三次

    ○小林説明員 お答えいたします。議会議事は自治法並びに議事規則の定めるところによつて行われなければならぬことは明瞭であります。それで、ただいまお尋ねの議事進め方の問題では、要するに質疑打切り、討論省略の動議が出て、その動議に対する採決と、それから本案採決と一緒にやつたら、それがいいか悪いか、こういう問題になりますが、これは事実問題は別といたしまして、法律的な解釈だけを申し上げますれば、質疑打切り、討論省略の動議についての採決が済んでから、片がついてから本案採決をやるべきであることは明瞭だと思います。あとは、今の本件の具体的の場合に、事実関係はどうあるかということが問題になるのでありますが、法律上の解釈としてはそうあるのが正しい解釈だろうと存じております。
  217. 井手以誠

    井手委員 正しい解釈では、というお答えでございますが、それは議事規則あるいは自治法に照して違法であるかどうか、その点を重ねてお尋ね申し上げます。
  218. 小林与三次

    ○小林説明員 さようでありますと、これは仮定の問題になりますが、もしかりにその採決を一緒くたにやつたといたしますれば、これは会議規則にかなつておるものとは言えないだろうと思います。
  219. 井手以誠

    井手委員 なかなか自治庁も立場が苦しいのか、そのものずばりとはおつしやりかねておるようでありますが、大体自治庁の見解についてはわかりました。そこで事実問題ということが盛んに出ますが、この際先刻許可になりました参考人田久保与一郎議員にお尋ねいたしたいと思います。佐賀県議会には県政同志会、社会党新政クラブの三つの会派があるということを私聞いておりますが、先刻社会党宮崎参考人の話によりますると、緊急動議採決が行われていなかつた、こういう証言でございましたが、新政クラブの田久保参考人はその事実についていかにお考えになつておるか、その点をお尋ねいたします。
  220. 田久保与一郎

    ○田久保参考人 先ほど宮崎参考人から申し上げました通りのまことに混乱した状況の中でありまして、従つて議長議事進行についての発言は全然議場内に徹底いたしておりません。そういうような状況でありましたので、緊急動議はもちろん成立をいたしておりません。
  221. 井手以誠

    井手委員 もう一点だけで自治庁は終ります。行政部長、ただいまお聞きの通りの事実でございます。こういう正常ならざる違法な議決に対して、もし自治庁がこれを看過なされば、今後各府県において予算削減をめぐる混乱が生ずる危険が非常に多いのであります。この際やはり自治庁は自治庁の立場から議会運営を軌道に乗せ、正常なる運営をなすような指導なり、あるいは当面佐賀県議会に何らかの勧告を行うことが、自治庁としての責務であろうと私は信じておりますので、その御意思があるかどうか、その点をお尋ねいたします。
  222. 小林与三次

    ○小林説明員 ただいまの問題は、結局今お尋ねの事実を前提にして、私も先ほどお答え申し上げたのでありまして、問題はその事実関係をいかに認定するかという問題であろうと思います。それでありますから、事実の認定は県会自身、それに関連して地元において解決すべき問題でありまして、私の方でその事実についてとやかく申すのは差控えたいと存じておるのであります。ただ一般的に申しまして、佐賀県の事態がえらい紛糾があつたことは事実でありまして、こうした形で将来地方議会において議事運営が行われるということははなはだ遺憾でありますから、地方議会全般に、議事運営は公正に、適正に、円滑に、静粛に行われることだけは、われわれといたしましても強く念願いたしたいと考えておるのでございます。
  223. 井手以誠

    井手委員 部長の答弁は私は不満でありますけれども、大体事情は御存じでありまするし、どうあらねばならぬかについては部長もお考えになつておるようでありますから、私は再びかかることのないように、また当面の起つた問題でも一日も早く軌道に乗せるように、十分の指導を強く要望する次第であります。そうでなければ、聞くところによると、両派は対立して県会もなかなか聞きにくいということを承つておりますので、十分の御指導を願いたいということを強く要望する次第であります。  次に副議長にお尋ねをいたします。副議長さんは警察官の出動を要請せられるのに、午後二時十分ごろだと証言なさつたのであります。ところが私の聞くところによりますと、その日の午前中から事務局長に対して要請を依頼しておる。その時間なり方法については事務局長に委任されておるということを承つておりますが、どちらが正しいのか。お互いやはりときには記憶違いもあるはずでありますので、よくお考えの上にその点を明らかにしていただきたいと存じます。
  224. 向虎治

    ○向参考人 お答えいたします。午前中から事務局長にそういうことを依頼しておいたという事実はございません。二時十分ごろしたのであります。
  225. 井手以誠

    井手委員 向参考人控室話合いか、あるいはもみ合いをしておつたときに、控室から本会議場に無理に出ようとすれば人命に関することが起るかわからないと先刻証言なさつたわけであります。そういたしますと、警察官の出動で一番重要なる点は、察察官等職務執行法の第五条、第六条に関するわけでありますが、御存じのように、「人の生命、身体又は財産に対し危害が切迫した場合」こういうふうに限定されておるのであります。同志会の方々控室からほかの方に行こうとすれば、そういう事態が予想されるという証言から考えますと、要請された場合には人命、財産に危害が切迫しておつたとは受取りがたいのであります。また先刻も申しますように、三十何名と七、八名の議員の対立ということからいたしますれば、常識的にも切迫した事態とも考えられませんし、また議員同士のことでありますので、私は生命に関するようなこととは考え得ないのであります。この点についてお尋ねをいたしますとともに、もう一点、早く切り上げますためにまとめて申し上げますが、あと追加議案が出た。それを議するために県会が開かれたと聞いておりますが、その一つの追加議案に対してはこういうふうにもめれば後日臨時県会を開いてもよい。また自治庁との連絡についても、町村合併は時間的余裕があるということを県当局が申しておつたと聞いておるのであります。そうであれば私は不祥事ともいうべき警察官の動員を要請するということは避けなければならなかつたのではないか、かように考えるものであります。そこでただいまお尋ねいたしました、生命に関するほど危害が切迫しておつたかという点、それから、そうまで無理してその日に議了しなければならなかつたか、警察官まで動員しなくちやならなかつたか、その点についての当時の模様なりお考えを承りたいと存じます。
  226. 向虎治

    ○向参考人 お答えいたします。警察官を入れました当時の状況は、先ほども申し上げました通り、非常に緊迫しており、そしてわれわれ同志会員は部屋の隅の方に押し込められておりまするし、婦人の方、かなり年寄りですけれども、これも隅の方にちぢこまつておるというよう状態でありましたし、われわれの公務執行を妨害されるという点が一つ、それと、先ほど申し上げましたように、強行突破をしますると、非常に重大なことが起るのではないかというふうに考えられた。それから臨時県議会を開くということ、それはちよう佐賀市と付近町村の合併でありまして、二十三日までに自治庁に書類が届かなければならぬというように聞いておりましたので、二十一日に議決をする必要があると思つてつたわけであります。     〔加藤(精)委員長代理退席、委員長着席〕
  227. 西村力弥

    西村(力)委員 関連。ただいまの生命の問題、危険を感じたということですが、人数の比率はどういうぐあいでありましたか。それからもう一つは公務執行に支障があるといいますけれども、議員同士の話合いでやつている間に公務執行に支障があるということはどうも解せないのでございますがね。それは相手方も議員でございましよう。他の乱暴者が入つてどうこうということなら公務執行妨害ということもあるでしようけれども、議員同士の話で、一方が公務執行を妨害され、一方が妨害するという立場があるということなど、ちよつとどうかと思うのですが、その点の解釈はどうなんです。
  228. 向虎治

    ○向参考人 お答えいたします。当時部屋の中におりましたのは、私たちの方で県政同志会の議員が十五、六名です。そうしてそれを阻止する方の側の人は、革新議員団の十名、それが、最前列といいますか、そういうふうな立場におつて、私どもなんか解釈しますと、そのあとにずつと傍聴人とか、いろいろな組合の人——いなかつたという話ですけれども、私どもなんかそういうふうに思つた。そういう人が合せて四十人程度部屋の入口に立ちふさがつておるわけなんです。それでちよつと公務執行ができなかつたわけです。その時分に何といいますか、乱闘というか、首を締めたり何かするということもあつたわけです。
  229. 西村力弥

    西村(力)委員 そうしますと、公務執行妨害というのは、部屋の外にたむろしておるであろうと思われた人々から来る一つの圧迫感というか、そういうことをさされるわけですか。
  230. 向虎治

    ○向参考人 いいえ、部屋の中にいた人、外の人もみなでやられたということです。
  231. 西村力弥

    西村(力)委員 議員同士の話で一方が公務執行を妨害して、一方が公務執行を妨害されるという立場がありますかね。その点の政治家としての感覚ですな。
  232. 向虎治

    ○向参考人 議員同士の話合い議員同士で話合いするのですけれども、傍聴人とかその他の人が部屋の中に入つておるわけです。
  233. 西村力弥

    西村(力)委員 どうも先ほどの陳述と違うね。
  234. 井手以誠

    井手委員 ほかの人が入つているというのは、近所の人か、陳情に来た人だけで、宮崎参考人の証言によると、労働組合とかほかの人は入つていなかつたというのですが、あなたは御存じでしようけれども、警察官が立入りする場合には、公務執行とかなんとかでなく、人の生命、身体または財産に対し危害が切迫した場合に限るとある。その場合以外には立ち入ることはできない。いやしくも議会の内部で、幾らか話合いが激化しておつたかは知りませんけれども、そういう場合には警察官の出動を要請すべきものではないと私は考えるのでございますが、参考人はいかがでございますか。
  235. 向虎治

    ○向参考人 先ほどもちよつとお話しましたが、首を締めたとかなんとかいう乱闘もありましたし、危害は相当切迫しておつたと私は考えます。
  236. 井手以誠

    井手委員 その点について私はいろいろ意見を持つておりますが、この程度にいたしまして、最後に向参考人にお尋ねいたしますが、警察官が、本会議終了してもなお玄関に整列しておつた、その際にあなたは退去を命ぜられたことを私は近くにおつて承知いたしておりましたが、あなたは今もその通り御記憶でございましようか。
  237. 向虎治

    ○向参考人 お答えします。玄関のところで宮崎議員でしたかに退去させろということを言われましたので、議事は済んだし、一応いいじやないかと考えましたので、退去してもらいたいということを言いましたところが、指揮者に言つてもらいたいということであつた。それで一応引下ろうとしましたところが、退去させてはだめだという声もありました。そこでまたそれを取消しまして、鎮静に帰するまでやつてもらうことにしました。宮崎議員から言われたのですけれども、警察官の要請があつたわけではございません。
  238. 井手以誠

    井手委員 次に、佐賀警察公安部長にお尋ねいたします。あなたの方で要請に基いて出動されたという御証言がございましたが、その法的根拠はどこでございますか、お尋ねいたします。
  239. 中井一夫

    中井委員長 時間がかかりますから、そのお席から立ち上つてお答えを願います。但し、大きな声で皆によく聞えるように、そうして答弁は簡明にやつてください。
  240. 山口末夫

    山口参考人 警察官職務執行法の第五条には、「警察官等は、犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは、その予防のため関係者に必要な警告を発し、又、もしその行為により人の生命若しくは身体に危険が及び、」云々となつております。従いまして、きわめて急迫した状態にある犯罪がまさに行われようとしているということを判断いたしまして、数回にわたる要請ということを前提として出動させたのであります。
  241. 井手以誠

    井手委員 警察官職務執行法の第五条に基いてやつたとおつしやいましたが、そこはもう御存じの通り県会議事堂の内部であります。先ほどの証言にもありましたよう議員議員との問題であつて、危害が行われようとしておつたという認定については、私はどうも解しかねるのであります。  続いてお尋ねいたしますが、あなたは兵を動かすという言葉を使つて参られましたし、また鉄かぶと、こん棒の武装をもつて三箇小隊を出動さした、こういうことを証言なさいましたが、議員議員との問題について、先刻は傍聴人云々という話ではありましたけれども、傍聴人はあらかた退去しておつた事実からいたしますれば、議員間の問題について鉄かぶと、こん棒まで持つて来ねばならなかつたか。どこかの暴動を鎮圧するような武装をなさることについて、私は非常に遺憾に存じておりますが、やはりそうまでしなくては、あなたのお考えになつている危害の予防ができなかつたか、その点をお尋ねいたします。
  242. 山口末夫

    山口参考人 午前中も御答弁申し上げましたように、警察官が私服であれば、一般の傍聴者なりあるいは廊下にその当時四、五十人の人がおりましたので、警察官であるかどうかという区別がつかないというようなことから、制服をまとわせたのであります。それから鉄かぶとをかぶせたあるいは警棒を持たしたということは、午前中も御説明いたしましたように、佐賀県の傍聴人に対する取扱いは別に身体検査などはいたしません。一般の傍聴券を持たない人も多数廊下に入つておられましたので、あるいは警察官職務執行について妨害をするというようなことがあるかもしれない。従つて相互にけがをするようなことのないように、制服に警棒を持たせたような次第であります。
  243. 井手以誠

    井手委員 ただいまの点について警察庁本部にお尋ねいたしますが、先刻来申しますように、議員控室において両派の議員話合いをしている、それが激化してもみ合いが起つた。まああなた方のお言葉によりますと救出とか、あるいは危害が切迫している、こういうふうにおつしやつていますが、鉄かぶととかこん棒まで持つて行かねばならなかつたのか。あなたは現場にいらつしやらなかつたけれども、警察としてそういうあり方が正しいのかどうか。去る国会の乱闘においてはあの黒い制帽をかぶつてつたようであります。鉄かぶとはかぶつておりませんでした。その点について議会警察官が入るというこの慎重なるべき行動に対して、佐賀警察官がとつた武装がいいか悪いか、その点をお尋ねいたします。
  244. 山口喜雄

    山口説明員 一般的に申しまして、そういう場合にはできる限り警察として慎重な考慮のもとに行動をいたすべきものと思います。ただ当時の状況、周囲の事情等から判断いたしまして、県市の警察がいろいろと紛争の起ることを考え、そういう注意のもとに警察官を出動させたと思うのであります。これは一にそのときの特殊的な事情によるのでございます。一般的に申しますと、そういう議場内における警察官の立入りという場合には、できるだけの慎重な考慮が望ましい、かように存じます。
  245. 井手以誠

    井手委員 次にお尋ねいたしますが、私は現場で見ておつたのですが、武装警官がドアを破つて控室に入られるときには、棍棒をつつ込んでドアを破壊される、腕で押される。破壊されたことは明確な事実でございますが、事態が切迫し危害が加わつているという場合であれば、特に議事堂内部、議員の問題、こういつたことを考えれば慎重の上にも慎重にほんとうに危害が加わつているかどうかということを見きわめて入るのが、警察としての当然の責務であろうと私は考える。廊下の反対側に参りますと全部ガラス張りでございまして、中を見ようとすれば簡単に見れるわけであります。私がこの眼で見たところでは、まつすぐ二階から降りて来て、そのまま警棒をつつ込むというやり方でございましたが、私はこの点についてあまりに軽率でなかつたかと考えます。しかも警棒をもつて革新議員団議員を一方の隅に押し込め、上官に抵抗するなどとはけしからぬというようなことを言われておつたようでございましたが、そういうような行動がその場合にとられる警察の態度として妥当であるかどうか、慎重性を欠きはしないかと私は思うのであります。その点について山口参考人並びに警察庁のお考えなり、さらに当時の模様をお尋ねいたします。
  246. 山口末夫

    山口参考人 警棒でドアをたたき破つたというようなお言葉でございましたが、きわめて、急迫しているというよう事態に対しまして、しかもかぎをかけてある、内部から押しているというような状況でございましたので、ドアに力を加えて、それで自然発生的にガラスが破れたのであつて、ことさらにドアを破壊して中に警察官が入つたわけではございません。それからその中に警察官か入つてから警棒でつつ突くというようなお言葉がございましたが、警棒は単に整理する手段として持つてつただけでございまして、警棒によつて控室の中におられる議員の方方とかあるいは陳情団、労組の方というような方に対して、直接警棒をふるつて職務執行をしたというような事実は全然ございません。
  247. 井手以誠

    井手委員 もう一点だけ伺います。今参考人は、ドアを破壊したという言葉について非常に慎重な言葉で答弁されたほどにこれは重大な問題である。中の事態が急迫していたかどうかについて確めることなく、いきなり破壊して入つた。破壊したということであれば問題になりますので、非常に慎重な言葉をお使いになつておりますが、私は現にこの目ではつきり見ておるので非常に遺憾に存じます。  引続いて私は警察庁のお考えを聞きたいのですが、時間も切迫しておりますから、さらに私が質問をしたあとにあわせて警備部長に御答弁願いたいと思います。危害が加わるのを予防するために出動なさつたというのであれば申すまでもなく慎重でなければならぬ。時間をかけてもやらなければならぬ。ところが先刻宮崎参考人の証言にもありましたように、一方に革新議員団を押えて保守党の議員を開放した。その間に保守党の議員は本会議場に入つて短時間の間に議案を議了した。そのため革新議員団の人は議決に参加しようと考えてもこれに間に合わなかつた、こういう事態を私は承つたのであります。これは非常に重大な問題だと思うのです。おそらく警察としてはそうすることによつていずれの派が有利であるかということについて御配慮がなかつたかもしれません。しかし結果においては革新議員団審議に参加できなかつたという事態がある。危害が切迫したという場合には、この議場にはいれるとかはいれなかつたとかいう問題ではないと思う。議場に入れるために開放するというのではなくて、危害が目の前に切迫しておるから開放する、こういうことでなくてはならぬと思う。このために少数派の人が本会議に出るのに間に合わなかつた。私はこういう事態を非常に遺憾に存じておるのでありまして、そういう意図でなかつたかもしれぬけれども、そういう結果になつた。事政治の問題についてはよほど慎重にやつてもらわなければならぬのでありますが、危害というものと、片一方だけ早く開放して開かせようということと関連があつてはならぬはずであります。そこで結論になりますが、非常に三時前ということを気にしてドアを排してお入りになつた。この点私は非常に不可解に存じますので、明確にしていただきたいと思うのです。危害というものと、三時前に開放しなくちやならぬということとは全然別個のものである。そのために革新議員審議に参加できなかつたという結果、この点について公安部長並びに警備部長のお考えを承りたいと思います。
  248. 山口末夫

    山口参考人 要請が数回にわたつて議長さんからあつたという事実と、その要請もきわめて危険な状態にある、切迫しておるから救出してくれというようなことであつたのであります。従いまして出動する前に十分警告をし、しかも相当の時間の余裕を残して、さらに控室の状況を見た上でとびらをあけた。しかも切迫した状態にあるということを確認してから出動されておるのでございます。従いまして要請がきわめて重要な前提ではございますが、先刻も申しましたようにきわめて切迫しておる。犯罪がまさに行われようとしておる。いわばこれを予防制止するための手段として出動するのは当然というような状況にあつたのでございます。  それから時間の問題でございますが、たまたま二十一日にそうした問題が起つたのでございまして、しかもたまたま要請がその日に行われたということでございまして、二十一日が議会最終日であるというようなことを前提として出動はいたしません。あくまで警察は中立の立場から、しかも議会は政治の場であるから、より慎重を期する、そうしてこの際出動する以外に手がないというようなことを確認して、確信を持つて出動したのであります。
  249. 山口喜雄

    山口説明員 ただいま佐賀県の公安部長からお答えいたしましたように、当時の警察といたしましてはやむを得ず要請によりまして出動いたしたのでございます。議事進行云々の問題に関係なく、警察の立場といたしまして当時出動いたしたわけでございます。その点御了承願います。
  250. 中井一夫

    中井委員長 あなたの質問は最後の一点と仰せられたから、その程度でいかがでしよう
  251. 井手以誠

    井手委員 質問ではありません要望です。もつといろいろお尋ねしたいと思いますが、せつかく委員長から御注意があつたのでこれで終ります。今までの質問で、公安部長並びに警察庁本部のお方は大体お感じになつておるだろうと思いますが、出動について慎重性を欠いた、内部の危害が切迫した事態を確かめなくて入つて来た、そのまま率直に認めるわけには当局の立場としていかないかもしれませんけれども、私は非常に残念なことであると考えます。再びかかることのないように十分ひとつ御注意をお願いいたしまして私の質問を一応打切ります。
  252. 三池信

    三池委員 先ほど来各参考人に対して井手委員その他から御質問がありましたが、先ほどの委員長の御注意にありましたように、佐賀県会騒擾混乱、それを本委員会に持ち出して私たちが再演するということはやめなきやならぬ、私ももつともだと思うのでありますが、今までの御質問では、いささかそういうきらいがあるかのようでありまして、要は事態急迫の認識のいかんによるというような問題、これは私はここで反対的な立場から質問しても、委員長の御注意にももとると思われますから、私はそういう質問はしないことにいたします。ただ議長さんに御質問したいことは、先ほどの井手委員その他からの御質問にありました議事運営については、速記録もない、また録音もない、こういうことでありましたが、こういうようないわゆる補助機関がない状態での議事進行、あるいは採決というようなことは、はなはだ不都合じやないかというようなことがありましたが、私はこれは非常に主客転倒したもののごとく感じました。そういう記録あるいは録音をして議場からなくせしめた原因はだれがつくつたかということが、私は非常に問題じやないかと思う。そういう状態を革新派議員人たちによつてかもしておいて、そうしてそういうよう状態議事を進めたということはけしからぬと言われることは、いささか私にはふに落ちないのでありますが、しかし議長さんの最初の陳述にはいささか革新の人たち陳述と食い違いがあるのであります。しかしこれはここでまた繰返しましても、いたずらに両方の見解の相違なり、あるいは水かけ論になる結果にすぎない思うのでありますから、私は議長さんのあのときの採決、あるいは議事進め方は、最初あなたが陳述された通りであるかどうかということを、もう一度確認をしたいのであります。この御質問を第一問にしておきます。
  253. 安永沢太

    安永参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。当日議場が非常に混乱するだろうということは、私予想しておりました。混乱時における議長の職務は、議事のルールに従つて、いかなる混乱があろうとも、これを遂行しなくちやならないというのが私の絶対的の職務でございます。でございますから、動議採決本案採決、これははつきり区別をしてやつております。速記録の問題は、議事妨害の目的をもつて速記者ボツクスをたたいてわあわあわめいておりましたために、速記はできておりません。テープ・レコーダーの方は不完全ながらも出ております。テープ・レコーダーには出ていないという御主張がありますけれども、テープ・レコーダーにははつきり出ております。ことにNHKの録音盤には私の散会宣告もはつきり出ておる。でございますから、私の動議採決本案採決宣言を聞き取りました県政同志会議員二十数名は、その採決宣言に対して、起立によつてその賛成意思を表しております。
  254. 三池信

    三池委員 当時の混乱は、先ほどの宮崎参考人陳述を、聞いておりますと、どうしてもあの議案は通してはいけないのだというようなことを述べておられた。県民がこれに対しては全部反対であつた。こういう議案は通してはいけないということを言つておられたようでありますが、あのときの議事妨害が革新派の人々によつて計画的になされておつたか、計画的にそういうような行動がとられたかどうか、議長さんはどういうふうな見解を持つておられるか、お伺いしたい。
  255. 中井一夫

    中井委員長 安永参考人に申し上げますが、どうもいよいよ県会状態をここで再現するようなことになります。一応井手君の御質疑が各方面にわたりましたから、自然にそうなつたのでありますが、おそらく三池委員の御質疑もこれで終ると思いますので、あなたの御答弁もきわめて簡明に一言でお答えをいただきたい。
  256. 安永沢太

    安永参考人 数日来の議会の動きと当日における状況からいたしまして、計画的な議事妨害によるものと私は感じております。
  257. 中井一夫

    中井委員長 本日はこの程度でひとつ質疑を打切りたいと思いますが……(「こつちが発言すると言うておるじやないか」「横暴じやないか」と呼び、その他発言する者あり)それではあらためてお伺いいたしますが、ここに政府ざいますが、必要ない政府の諸君には、帰つていただいていいのであろうかと思います。その点をお伺いしますが……(「政府に質問がある」と呼び、その他発言する者あり)北山さんの御質疑は、これは一応の終了ですから、近く先ほどの中合せによつて委員会を開きますので、政府の関係者はどうでしよう。(北山委員「政府の方は別にりますから」と呼ぶ)どうぞこの次におやりいただきましよう。従いまして、政府の方は御退席くださつてよろしゆうございます。本日はおそくまで御苦労でございました。——三池君。
  258. 三池信

    三池委員 委員長は、どうも質問を簡単に打切ろうとするのは、まことに不公平な片手落ちな処置だと思います。たとえば、私の方で要請しました山下参考人には、まだ何ら発言機会を与えないし、私自身参考人宮崎県会議員質問したいこともまだあるのでありますが、早く終りたいつもりかどうかわかりませんけれども、一向質問を許されないのは、はなはだ遺憾であります。どうか井手委員が逐次質問されたその程度に、私の質問も許していただきたい。(井手委員賛成、やらせてください。」と呼ぶ)私は県議会のあのときの状態に対する認識、あるいは見解をここで持ち出して、そして論議ようというようなつもりは、先ほども申し上げましたようにないのであります。本委員会として、地方自治体が、あるいは地方議会が、民主的な健全な運営ができるような結果が、本委員会論議の経過においてできるならば幸いであるということは、委員長も最初に申された通りであります。私自身もそういう趣旨なら、まことにけつこうだと思います。従つて佐賀県会における派生的な、一つ一つの具体的事実に対して、これがどうであつたか、これがよかつたか悪かつたかというような問題よりも、こういうよう事態がかもされたところのほんとうの点をつかないと、私はこの問題の本委員会としての職責を尽しているということは言えないと思う。本委員会が、あの混乱状態がどつちに非があつたかというような判別、あるいは黒白をつけるというような立場には立つべきじやない。むしろ、こういうことが起らないよう状態にあるように、本委員会としては指導あるいは示唆を与えるべきであるという、そういうような観点に立つて質問申し上げたいと思います。  宮崎参考人にお伺いしたいのでありますが、あなたは最初の陳述のときに、三月県会から五月県会、あるいは九月県会に、あの混乱状態に至るところの経過を、あるいはよつて来るところを、あなたの立場においてるる陳述されたのであります。その中に、佐賀県の財政が非常に苦しい、これは政府の施策によるところが非常に多い、それでこの三億削減の予算案を、あるいは議案を通過せしめるということは、県民は非常に反対している、だからこれはどうしても通してはいけないというふうにわれわれは考えておつた。こういうよう陳述がありましたが、あなたの立場においてそう見られたであろうことは、大体私も推察がつくのであります。しかしながら、いわゆる県民の意思を代表しているのは県会議員全部であります。あなたあるいはあなたの同志革新派の人たちが、そういうふうな意見を持たれたからといつて、それが全部の県民の意思であるということは、これははなはだ僭越じやないかと私は考える。従つて、あなた方の意思はあくまで主張されなければならないのでありますが、議会運営は、あくまで民主的に行われなければならぬと私は考える。そして今度の混乱の最大の原因は、むしろ県議会議場外の勢力の応援、協力を求めて、そして議会運営に対するところの圧迫が、今度の混乱を来した最大の要因じやないかというふうに私は見るのであります。従つて、今後佐賀県会の円満なる運営については、議会の民主的、自主的な立場から、そういう議会外の勢力、たとえば労働組合であるとか職員組合であるとか、そういう組織的な力の圧迫あるいは応援を議場内に求めて、議事の円満なる運営を妨げられたというようなことは、私ははなはだ遺憾であると思うのであります。今あなたの言われた県民はこの議案に対して反対であるという主張に熱心のあまり、今後ともそういう議会外の協力を求めて、その通過を阻止するという御意思がおありになろかということを私は承りたい。
  259. 宮崎茂

    宮崎参考人 三池委員は私の陳述を誤解されていると思うわけであります。どうしても通してはならないということは、これは社会党新政クラブ議員が考えたことであります。だから、すべてが県民を代表しているという考え方は持つておりません。従つて陳述の中で私がそのよう発言をしておりましたのは、五月県会流会のときの事情をお話し申し上げたわけなんであります。その点は誤解を解いていただきたいと思います。  それから第二点の九月県会において計画的にやつたのではないか。しかも労働団体、外部団体の勢力を集めて、それを議会内に持ち込んで行こうとしたのじやないか。そういうことは今後やらないようにしてもらいたいという御質問ようでありますが、労働団体がどのように当局に対して闘争を持つて行くかということについては、われわれがタツチする問題ではございません。少くとも労組法に従つて労働組合が経済闘争を持つて行く場合において、私たちが云々すべき問題ではないと考えております。従つて九月県会において私たちがとつた範囲内では、あくまでも議会内闘争でございまして、われわれ社会党新政クラブの十名の議員は、これを通したのではいけない。通すと県民の不幸になるという考え方は十分持つておりましたが、当然これは最終的には三十二対十で、民主議会のあり方においては討論採決の場合に、数の力によつて押されるだろう。従つてわれわれ三億円の予算削減がいかに県民のために不利であるかを議会の演壇に立つて、言論の府において徹底的に暴露して行こうじやないか。そういう暴露をして、最終的には玉砕もやむを得ない。民主的な議会のあり方で、数の力で押されればこれはやむを得ないだろう。こういう考え方に立つておる。しかもわれわれは玉砕するにいたしましても、とにかくこの問題は県民に不利であるから、保守派とも話合いをやつて、修正ができるなら修正をやつて行こうじやないかという結論を出しております。そこで一六日の午後六時ごろだつたと思いますが、私たち佐賀議員クラブにとまつておりますときに議長がおいでになりましたから、うちの代表者の安原県議から、われわれはこの問題について、話合いによつては修正案も出そうと考えているんだ。従つてできるだけ話合いでまとめるようにしてもらいたい、こういう申入れをいたしております。従つてたちは暴力でもつて計画的にやろうと考えたことはございません、当初……。
  260. 中井一夫

    中井委員長 宮崎君その程度で御答弁はいいでしよう県会の問題をここで論議をいたしましても、これは本委員会の所管する以外の問題でありますから、まずその程度でおとめになつてけつこうでしよう。  三池君に申し上げますが、あなたの御申請になりました山下徳夫君は、先ほどの宮崎参考人の説明によれば、県会議事進行の問題について、たびたび運営委員会進行要求したにかかわらず、山下運営委員長委員会を開かれなかつたのだ、こういうお話があつた。しかるに事実はそうでないのだという趣旨において、山下運営委員長を調べることを御要求になつたのであります。従いましてその点についてのみ山下氏に明白にされんことを希望いたします。
  261. 三池信

    三池委員 わかりました。委員長は、私の山下参考人提起の理由を少し曲解しておられる。山下運営委員長が議運開会に対する議長の要請に応じて議会運営委員会を開いたかどうかは、私のまつたく知らないところであります。私が山下参考人追加喚問を要請しましたのは、議長から数回の議運開会の要請があつたにもかかわらず、開かなかつたということは、まことに納得に苦しむところであるから、同委員、長の、身上の弁明を求めたい、こういうことで私は参考人追加を求めた。委員長は先ほど山下参考人を加えるならば、もう一人田久保参考人を加えろということをおつしやつたが、私の動議の提起に対する判断は、私に対する御要望と同じようにまことにどうも間違つておられる。私はそういう意味で山下参考人追加申請したのではない。山下参考人がやつたかやらなかつたか、どういう理由でやらなかつたか、やらないとすれば、まことにけしからぬ話であるというような考えのもとに、参考人追加を要請したのであります。今委員長山下参考人の一身上の弁明を早く聞いた方がいいじやないかというお話でありますから、その点私は委員長のおつしやる通り山下参考人に、宮崎参考人から先ほど陳述がありましたあの混乱のときに議運を開くようにという要請がしばしばあつたにもかかわらず、あなたは一向開かれなかつたという点に関して諸般の事情、そのときの状態を御陳述願いたいと思います。
  262. 山下徳夫

    山下参考人 簡単に申し上げます。あのときあの混乱の中で議長から議運を開くようにというような要請は受けておりません。なお運営委員会議長の要請によつて開くことは、過去においてはあまりありませんで、大体において私が必要を認めた場合に開くのが慣例となつております。しかしながら各派の運営委員の了解がある場合においては、運営委員会を省略して、各派交渉会において運営委員会に付議すべきことを、審議したこともございますが、運営委員会を開かなかつたために、議場混乱したということは絶対にありません。
  263. 中井一夫

    中井委員長 西村君。——西村君におかれてはただ一点のみに質疑を集約せられ御質疑を進められんことを望みます。
  264. 西村力弥

    西村(力)委員 警察官の出動については、議長さん初め十五名の人々の生命の危険が相当のところに来ているという判断のもとにやられたのですか。先ほど副議長の御答弁の中には生命上の危惧も感ぜられるとともに公務執行が阻害されているという理由から警察官の出動を要請したということです。しかしほんとうに生命に危険があれば絶体絶命である。それ以外の理由は考える余地はない。そんなことを理由として取上げられる筋合いではないと思う。そこにひとつの、何とかして議場をしずめようとする意欲だけが先に立つて、それをやる意欲がすなわち生命の危険というような理由をつけて、警察官の出動を要請したのだというようなことにも憶測されるのです。そういう点からいいますると警察官の実力行使という点は、まだあなた方の判断そのもの自体が甘いのじやないか。ほんとうに慎重さを欠いておるじやないか思われる。すなわちわれわれが警察官警察権行使が時の清治勢力によつて左右されるということを一番恐れているのですが、そういうことに警察権がいささか奉仕するような結果を来したのではないか。これは絶体絶命になれば保守党、あるいは与党の人々であろうと野党の人々であろうと、警察権を発動してもらうというのは当然ですが、しかし副議長の言われる通り公務執行妨害のおそれを排除するために要請したという理由も付せられるような状況下において、あなたの方で出動させて実力を行使させられるというのは、いささか軽率ではなかつたかと私は判断するのですが、そういうぐあいに警察が県警察になりまして、その政治勢力の方向に奉仕するような、そのような原案などを通過さすべく奉仕するような方向に行つたら困るのですが、そういうことはないと思うのですが、どうもそういう結果を見ておると私はかように思わざるを得ない。その点はこれから十分に警察側においても考慮して慎重さを期してもらわなければならぬと思うのです。  それで御質問申し上げたいのは、まあ一応道を開いて保守党の議員各位議場に送つたのだが、そのあと野党の連中がなぜ議場に入れなかつたか。なぜその審議に加われなかつたか。そこに警察官の一つの行動というものが加わつていなかつたかどうか、与党の人々が入つたならば、野党の人もさつそく入れるよう措置はとれなかつたかどうか。むしろ野党の人が議場に入ることを阻止するような動きがなかつたかどうか。この点についてまず部長の御答弁を願いたい。これは重大な問題です。私の県においても町村合併の議決を村民の反対を押し切つてやろうとしたときに、やはり村民が押しかけて警察官議場に入つてその護衛のもとに可決しておるのです。これはまことに恐ろしい状態になつて来つつある。これでは民主主義ではなくフアツシヨ形態である。ですからそこのところをはつきり事情を説明してもらいたい。
  265. 山口末夫

    山口参考人 警察官職務執行が結果的に見ますれば一方に偏したような取締りをしたというような御意見でございましたが、先刻も申しましたように、われわれの判断はあくまで危険が切迫しておる。しかも救出してくれという要請によつて犯罪の予防制止をするということを前提として出動したのでございまして、警察の中立性というものは、あくまで確保しておるという確信を現在も持つております。それから委員控室警察官が押し入りまして、ドアを排除して中に入つておる議員以外の方を、控室の外へ押し出したという際において、警察が野党の議員である県政同志会の人だけを誘導して、革新派の議員を誘導しなかつたという事実は全然ございません。ただ議場に入れるように道を開く措置を講じてやつただけの問題でございます。それから控室内に入つておる人たちを外へ押し出したところが、当時現場を指揮しておりました参考人江間警備課長をとりまいて、革新派の議員団の方は、先刻もお話がございましたように、たとえば帽子を二回にわたつて投げるとか、あるいは警棒をとるとかいうようなことがありまして、現場の指揮者である江間警備課長に抗議をされておつたという状態がしばらくの間続いていた。ところが、県政同志会所属の議員の方は、そういうことをされずにまつすぐに議場に入られて、ただちに開会された。そして議案は町村合併の問題と県条例の問題だけでございますので、わずか三分くらいて可決確定されたというぐあいでありまして、決して警察官が一方の議員さんだけをことさらに阻止するとか、あるいは議場内に入られるのを誘導しなかつたというふうな事実はございません。
  266. 北山愛郎

    ○北山委員 二つの質問を一つにまとめてやります。一つは安永議長さんと宮崎さんとにお尋ねいたします。こういうふうな事件が起る根本原因の問題であります。おそらくは佐賀県において起り、また各県に起るであろこのような紛擾事件の原因をどういうふうにお考えになつておるか。安永さんは赤字を処理するということのための再建整備、ことに人員整理ということが、この佐賀県における今回の紛争の根本原因であつたというようお話でございましたが、一体このような大幅の人員整理を含む三億円というような節約を急激にやるということについて、一体これは適当であるとお考えになつてつたかどうか。ことに知事がおいでになつておればよくわかるのですが、私どもの聞いたところでは、どうも佐賀県では給与も払えない。給与の遅欠配を起しておる。その金を大蔵省、中央政府に頼んだところが、いわゆるひもつき融資ということで金を貸してやろう、しかし再建整備案を持つて来いというように言われて、泣く泣くしかたなくこの三億円の節約案を出して来たというように聞いておるのであります。そういうふうな事実があるのじやないか。そうしてそれが今度の紛争の根本原因ではないか、部長さんはそれについてどういうふうにお考えですか。これをひとつ宮崎さんからもお伺いをしたい。  もう一つは先ほどの質疑の中でちよつと変に思つたのは警察の問題であります。これは副議長さんと山口公安部長さんにお伺いするのですが、ちよつと話に食い逢いがあるのではないかと思うのです。というのは副議長さんは二時五分ごろに出動の要請をして、そうして二十分ごろですか、初めの陳述では二時半ごろにその部隊が到着した、このように言われました。ところが公安部長はすでに二十五分ごろには現地に来ておるわけなんです。一体山口さんはいつからどういうわけで県会議事堂においでになつてつたのか、どうもその辺のことが食い違つておる。しかも副議長お話では二十分ごろに到着した、あるいは半ごろに到着したと言われますが、公安部長お話ではすでに十五分ごろにはラウドスピーカー、マイクでもつて何べんも警告したというようお話もされておる。そうすると部隊は到着しておるのです。そういうふうなすでに前々から警察がどつか、近所で待機しているか、あるいは副議長が要請をする前からその辺におつて行動をしておるように見受けられる。その点が御両人のお話に食い違いがあるということ。それからちよつと私変に思いますのは、何べんも何べんも注意をしたけれども反省がないから、そこで二時四十二分ごろから実力行動に出た、こう言うのでありますけれども、私どもから考えると非常に迅速果敢です。二時五分ごろに要請して、それが二十分か三十分か知らぬが到着して、それが四十二分に、十数分で実力行使に移つておるということは、これは警察法が改正になつたせいか知らぬけれども、この種の警備活動としては非常に迅速なんです。国会の周囲でも大衆のデモが非常に起つておりますが、そういうふうな非常にスピーデイなものではない。よほど実力行使というものを慎しんで、よほど時間をかけて、一時間、二時間とかけて、なるべく実力行使を避けて解散させるという手段をとつておるように私どもは見ておるのです。ところがこの佐賀県の今度の場合では、三十分か二十分くらいしかたつておらないのに事態が急迫しておるとかなんとかいつて、すぐ実力行使に移つておるということは、どうも私どもは警察の活動としては納得がいかない。ことにそれが特定の県会議事党という警察が特に中に入るべきでないような場所なんです。その中において実力行使をする場合に、そのような非常にスピーデイにやつたということは、逆に言えば、午前中かその前から公安部長さんがすでにおいでになつておるということでも推測がつくように、前々から待機をして準備をしておつたのではないか、従つてそういうことがまた伝わつて労働組合やそういうものを刺激しておつたのではないか、こういうことを疑わせるのです。御両人のお話を聞いておりますと、そういう疑問が起つて来ますので、その点をひとつ明らかにしていただきたい。以上、二点についてお伺いいたします。
  267. 中井一夫

    中井委員長 参考人に申し上げますが、簡明にひとつお答えになつてしかるべきだと思います。
  268. 宮崎茂

    宮崎参考人 大蔵省からの佐賀県に対する財政節減に対する要請があつたのではないか、こういう御質問でありますので、お答えを申し上げたいと思います。  九月県会の中におきまして、知事が次のようなことを申しました。三億円の予算削減をやらなければ、どうしても政府と折衝することができない、こういうことを申しましたので、なぜそれでは三億円の予算を削減せなければ政府と交渉できないのか、これはひもつきかどうかということを私が質問したときに、ひもつきでございます。こういう答弁をいたしました。そこで私はすぐさま上京いたしまして、井手代議士とともに大蔵省の理財局に行きまして、理財局次長と地方資金課の次席さんとお話をしたわけです。そのときに二人の方は、絶対にひもをつけておりません。佐賀県から財政計画を立てて持つておいでになりましたから、そのようにやつていただきたいと申し上げました、こういう御答弁でございました。そこで私はすぐさま佐賀に帰りまして知事話合いをしたわけであります。その知事話合いをやりましたときには革新議員の十名もおいでております。そこで大蔵省との話合いの結果を知事に申し上げましたところが、知事はそういうことはございません、絶対にひもつきでございます、資金局の方がそういうことをおつしやるならば私は対決してもよろしい、こういう答弁を知事はいたしております。従いまして今度の予算削減にあたりましては、やはり政府から何らかの指示があつたのではないか、こういうことを私は考えております。それからただいま公安部長が申し上げましたが、警察官が県政同志会の控室にドアを破つて参りましたときに、革新議員団八名を片隅に押しのけて、保守派議員議場に入れたわけであります。そのときに私も押されておつたので、会議場に入るからそこを通してくれと言いましても、どうしても通しません。保守派議員さんが入つたと見えまして通路を開きましたので、私は走つて会議場に入つたのであります。会議場に入りましたところがもう会議が終つたのであります。そこで私は引返して江間課長に抗議を申し上げたのでございます。ただいま公安部長が申されました私が抗議を申し上たというのは、会議場に入つた会議が終つていたから抗議を申し上げたわけなのであります。従つてたちを押えつけて会議が終るまでどうしても通してくれなかつた、こういうことに結果的にはなつているわけでございます。
  269. 安永沢太

    安永参考人 三億円の節減予算についてどういうふうに思うか、これは県会議員安永といたしましてはあの場合やむを得ない、県会議長といたしましては多数の決するところに従う。それからあの議会紛争の原因の所在についてのお話でございますが、議長といたしましては定められました議事日程を忠実にとり行うことが義務でございます。しかしたまたまその日程によらないで、議事の通常が戦術的な方面に展開するということになつて、非常に議長としては困るわけでございます。私はあくまでも議会議事日程通り進行するということに、議長議員各位も良識的に深く認識いたしましてやつて行くべきものだというふうに考えております。
  270. 山口末夫

    山口参考人 私が二時五分ごろに議場に参りましたのは、ちようど本鈴が鳴つたのが二時五分でございます。議会開会中は本会議に常に出席しておりますので、予鈴が鳴つてから……。
  271. 中井一夫

    中井委員長 山口参考人に申し上げます。あなたの説明はたびたび承りました。ただいまの質疑に対しては簡明にお答えになつたらいいでしよう。繰返して言う必要はありません。
  272. 山口末夫

    山口参考人 本会議出席するために二時五分に議場に参つております。それから警察官の出動が早かつたというのは、議会最終日でもございますし、労組の人が多数お見えになつておりますし、相当真剣な状況になつたので、地元の署に警察官を一部待機させておりました。地元の署から警察本部まではわずか二、三分で来れるようなところでございます。従つて出動が比較的早かつたような状況でございます。
  273. 中井一夫

  274. 三池信

    三池委員 宮崎参考人にお尋ねしたいのでありますが、先ほどのお話ですと、労組の議場内での行動は、何らあなた方と連絡あるいは打合せがなくて、まつたく別個の行動であつたというお話ように了承したのでありますが、さつきの議長さん並びに副議長陳述によりますと、議長貴賓室に引揚げられたときにも、労組の方は革新議員団と同じ部屋に一緒に入つて話合いをしておられた。また副議長が警官の出動を要請した県政同志会の控室にも、議員団と労組の方が一緒に入つた議長の先ほどの陳述を聞いておりますと、社会党控室では、今度の議案傍聴人の総力をもつてこれを排除するというような決議が行われたことをわれわれは承つたのでありますが、そういうような具体的な事例に徴しましても、革新議員団方々と労組の方々は、まつたく連繋なしに、相協力的でなしに別個に行動をされたということには、はなはだ受取りにくい、この点はどうでありますか。
  275. 宮崎茂

    宮崎参考人 簡単に申し上げます。知事室における議長との交渉におきましては、県会議員団知事の部屋におつたわけでございます。労組の傍聴者は廊下におられました。従いまして議長さんと交渉するのは、私たちは私たち、労組の人は労組の人で議長さんに申し込まれて話合いを続けておられたわけで、何らわれわれの関知するところではございません。県政同志会の部屋におけるところの問題につきましては、労組の人は一名も入つておられません。県政同志会の部屋に革新議員団八名と、県政同志会の人二十名近くが入つておられましたが、そのときに、私陳述で申し上げましたように、金立村の佐賀市反対陳情者が十二名だけお入りになつて、反対陳情をされておりました。そこでさいぜん向副議長が首を絞めたと言われておりましたが、これは金立村の反対陳情者が自由党の県会議員の田中虎登さんから首を絞められた、そこで私がその人は陳情者だと言つて教えたら、田中さんがびつくりして手を放したわけなんです。何らわれわれがやつたわけじやない。自由党の田中さんがやつたのです。そこへ労働組合の人は一人も入つておりません。  それからもう一つ、社会党控室で合同会議をやつたんじやないか、こういう御質問でございますが、もちろん合同会議は次のようなことはやりました。われわれは県会議員でありますし、向うは、学校の先生の組合の人でございますから、向うの人もやはり今度の三億の予算削減に対する資料を持つておられます。私たちもその件に対しまして研究はいたしておりましたが、資料の取合いで、どういう資料をもつてつた方がよろしいかということについて懇談会はやりました。しかしながら、議会活動に対しては、われわれは県会議員同士でありまして労組の人は入れておりません。入れるとかえつて作戦が漏れるという考え方に私は立つておりましたから、絶対に秘密会議には入れておりません。また労組の人が経済闘争をいかに当局と闘つて行くかということについては、われわれが関知する必要はないのだと私は考えております。
  276. 三池信

    三池委員 今のお話を承りますと、労組の、あるいは職組の政治活動と、革新議員団の政治活動は、たまたま時と場所を同じくして起つたのであつて、われわれはその間何らの了解も連絡もなかつたというように言われましたが、常識上はまことに了解に苦しむのでありますが、しかし参考人がそうであつたと言われれば、私はそうでなかつたろうという何らの事実も見ておりませんし、証拠も持ち合せてない、ただ議長の最初の陳述において、そういうような決議がなされた、傍聴人の総力を結集して、議事、あるいは議案の通過を拒否するというような決議をなされた。しかしながら、あなたの御答弁では、それはおそらく労組の連中がかつてにやつたのであつて、われわれ革新議員団としてはそういうことは何ら関知しなかつたということをおつしやるのでございますから、もうこの点には、触れないことにいたします。ただ私としては、常識上はなはだ了解に苦しむ点であります。  それからもう一つお尋ねしたいのは、十八日の混乱のときに、さつきの議長陳述を承りますと、暴行がなされておるようである。あるいは新聞に載つております写真を見ましても、暴行が行われておるように見えるのでありますが、宮崎参考人はその暴行について関与せられなかつたのか。もし関与しておられるとするならば、こういうよう議場内における行動が妥当であつたと考えられるかどうかという点を承りたいと思います。
  277. 宮崎茂

    宮崎参考人 問題は暴行の限界点だと思うわけですが、私たちは暴力を振つたとは考えておりません。議長議事進行に関する緊急動議を取上げなかつたということで、会議規則を守れと言つて議長に詰め寄りはいたしましたけれども、暴行をやつたとは考えておりません。
  278. 三池信

    三池委員 先ほどの議長お話ですと、いすの下にもぐり込んで、そうして議長を転倒させた、あるいは前の机をひつくり返したというようなことは、円満なる議事進行をはなはだ阻害するものである、しかもそれが故意にやられた場合には、それは一種の暴行であると私は考えるのでありますが、宮崎議員はそれに対してどういう見解を持つておりますか。
  279. 宮崎茂

    宮崎参考人 三池委員はあのときの状態を御存じないからそういうことを御質問なさるのだと思います。議長会議規則を守らない、しかも議会運営委員会決定した議事日程を一方的に変更してやつて行こうというやり方をとつて行きましたから、会議規則を守れ、議会運営委員会決定を守つて円満に運営するようにと言つてたちは詰め寄りました。そのときに保守派議員さんは——こういうことを言つていいかどうかわかりませんが、とにかく私たちの倍に当るところの保守派議員さんたちが、私たちにそうはさせじと押し寄せて参つたわけであります。当然そういうことになりますと、少しぐらいの押し合いへし合いは出て参ります。出て参りますけれども、意識した暴行なんというようなことは絶対にあり得ないと思います。私は、そういうことを聞かれることが三池委員の考え違いではないかと考えております。
  280. 三池信

    三池委員 私は当時井手議員と違つて議場に陳情に行つたわけでもありませんし、実際を私の目で見聞したわけでもありませんが、あのときの行動は革新議員団においては暴行であると認めない、こういうふうにおつしやられるというと、私もその点に触れて、あれは暴行であるという見解のもとにあなたに対する質問を続けなければならない。私は見ておりません。しかし写真を見ますと、議長のそばにはだれもおらない。そうして机をまさに転覆させようとするのはあなたである。ところがあなたのお話から言うと、保守派議員が一緒にそこに来て押し合いへし合いしたからその間に机がひつくり返つたり、いすがはずれたりしたのであろうというようなことを申し述べておられるのであります。私の見た写真では、だれも保守派の人は来ていない。議長とあなたが向い合つており、しかも議長の前にある机をあなたがまさにひつくり返そうとしている写真が載つておるのでありますが、それでもあなたは、あの当時は私は何も暴行はしなかつたのだというふうに言われるのかどうか。
  281. 宮崎茂

    宮崎参考人 三池さんがそういうことを言われますと、またこちらも言いたくなるわけであります。私はなるべく遠慮しておつたわけでありますが、机の前におつたのはもちろん私なんです。あのときは、どの新聞をお読みになつたかわかりませんが、少くとも写真に出た人間だけでも四、五名おります。従つて私は、出て参りましたときに机をたたきました。そしてどうして会議規則を守らないかと議長に詰め寄りました。そのときに、保守派議員さんも私たちの倍くらい出て参りまして、私たちを突き倒そうとしたわけであります。従つて私は突き倒されまいとして机を握つて、机も動いております。しかしながらそれでとめ切れないで、私たちは演壇の下に突き倒されております。これも事実なんです。そういうよう情勢ですから、三池委員さんが暴行だとおつしやいますならば、これは佐賀県会議員全部が暴行を行つたということになるわけであります。
  282. 中井一夫

    中井委員長 三池君、この程度で御質疑はよろしゆうございますね。
  283. 三池信

    三池委員 いや、もう一、二点あります。
  284. 中井一夫

    中井委員長 どなたもひとつ県会の話は県会へ譲つて、東京までお持ち越しのないように願いたいと思います。時間も六時半でありますから、いかがでしよう
  285. 三池信

    三池委員 それでは簡単にひとつ……。
  286. 中井一夫

    中井委員長 それでは三池さん、対参考人の問題はおやめになつて、ひとつ地方行政に関するような点で、最後の御質問を願うことにいたしましよう
  287. 三池信

    三池委員 県会の問題を取上げて、県会のものにはまつたく触れるなとおつしやると、はなはだ遺憾なんですが……。
  288. 中井一夫

    中井委員長 そういう趣旨ではありません。
  289. 三池信

    三池委員 警察のお方にひとつ御質問したいのであります。あのときのあなた方の出動はむしろおそ過ぎたのではないか。さつきからの陳述にもありますように、県会議場内のことだから慎重に慎重にということを再三繰返しておられる。むろん議場内のことにあなた方が自発的に警察権の行使をされることは議事規則によつてできないことでありましようし、あるいは治安の任に任ぜられるあなた方の立場から見ても慎重にしなければならぬと思うのですが、議長が要請をして、あなた方に救出あるいは秩序維持を求めたときは、あなた方はあなた方の認識において敏速果敢なる行動をしてもらわないと、議場だからといつて特に遠慮して、遂に機を逸したというような点があつて、かえつて危険がそこにかもされるということが心配の一つになるわけであります。どうか議場だから特に遠慮しなければならぬというようなことでなく、あなた方の認識において、議長の要請があつた場合には敏速果敢なる、そして適切なる行動をしていただきたい、こう思うのであります。  それから議長さんにお伺いしたいのですが、議長の秩序維持の職権は議場内だけでなくてその構内にも及ぶ、こういうふうに考えるわけであります。議事堂の前では数日にわたつてすわり込みが行われた。先ほどのお話では、あなたはしばしばこれに対して事務局をして中止を命じたということでありますが、そういうあなたの意思は行われてない、徹底してない。それをそのまま放任しておかれたということは、あなた自身いささか秩序維持に対する職務怠慢の筋がありはしないか、こういうふうに私は考える。そうしてまたこれが将来の問題になりますと——ほんとうは異例的な、突発的な問題であつたかもわかりません。あるいはほかはどうかわかりませんが、県会議場内の秩序維持というものにはわずかに守衛が一人か、二人で当つているのではないかと私は承知しておる。そういうよう状態で、あのときの陳情者あるいは無制限に入つて来られたであろうと考えられるところの労組の方々、こういうよう状態のもとに秩序維持の権限を持つておられるあなたは、何によつて秩序維持をしようとされたか、これは将来にわたつて地方の議会が民主的に円満に行われる上においては重大な考慮を、そして適切なる措置を講じないと、しばしばこういう問題が繰返されるということを私は非常に恐れるものである。今日までは佐賀県会において何らそういうような不祥事件が起きなかつたからそういう行き方でよかつたが、しかしながらもうすでに二回以上にわたつてああいうよう混乱が起り、そうして議場内で議員自身の自由意思による行動ができないということは、広い意味においては民主主義、議会政治というものが破壊されつつある第一歩ではないかと、私は非常に憂うる。そういう点について議長さんは、議場あるいはその構内の秩序維持に特別なる考慮を払つていただきたい。質問の要旨は、そういう構内におけるすわり込みというようなことに対して、どうしてあなたはただ単に事務局をして注意をせしめた、中止を命じたということだけで終らしたかという点であります。
  290. 山口末夫

    山口参考人 あまり慎重を期し過ぎたんではないかというような御意見でございましたが、出動の要請がありましても、はたして出動をする必要があるかいなかの判断は、警察が独自な立場でするわけでございます。また議事堂の場合でございますので、特に慎重を期して出動が遅かつたというような結果になつたのだろうと思います。
  291. 安永沢太

    安永参考人 議事堂構内におけるすわり込みの集団示威運動、これはやはり警察の方でもつと早く気ずきまして——これはもう佐賀県だけで、佐賀県には公安条例があるのですが、その公安条例によつて退去を命じておつたわけでありますが、それができております。今後ああいうようなことはおそらくなくて済むんじやないかと考えます。  それから議会の秩序維持につきましては、自治法上議長に権限があります。しかし議会運営が法律、規則ということを飛躍いたしまして、事実行為によつて個々の運営ができないというと、これは何とも手がつかないわけであります。その事実行為の結果が、刑法犯的なものがあれば司法権の発動があるであろうと思います。ただ、私議長といたしましては、あの不祥なるできごとを顧みまして議長自身大いに反省し、その責任を痛感し、議会の正常なる運営につきまして、各派交渉会を通じまして正常に引きもどすために目下努力をいたしておる次第であります。
  292. 中井一夫

    中井委員長 最後に加藤委員から御質疑があるのですが、その前に私一言だけお尋ねいたしたい。山口公安部長にお尋ねいたしますが、この問題の結末につきましては、司法権の発動ないしは検察庁の活動、言葉をかえて言えば、司法刑事事犯として成立するというような結果は見なかつたのでありますか。その結果はどういう状態になりましたか、これをお知らせいただきたい。
  293. 山口末夫

    山口参考人 事後における警察措置の問題でありますが、たとえば控室内で議員さんが公務の執行を妨害されたとか、あるいは監禁されておる状態にある。あるいは議長さんが貴賓室に連れて行かれて、相当長い間折衝に当られて軟禁状態にあつたかいなかというような問題につきましては、警察といたしましては、はたしてそれが犯罪になるかいなかを慎重調査中でございます。ところが県政同志会側から革新議員さん十名と関係労組を組手に、そうした問題について告訴をされたのでございます。従つて現在検察庁が主体となりまして、警察は協力的立場で捜査を続けておるような状況でございます。
  294. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 安永参考人にお尋ねいたしますが、本日の会議におきまして、私は非常に強い一つの感情が自分の心の中にわき上るのを押えることができないのでありますが、その感想をこれから述べまするので、その感想についてどういうふうにお考えになるか、簡単にお答えを願いたいのであります。  私たちは子供のときからキリスト教の教理によつて教えられておりまするので、人なんじの左のほほを打たば右のほほを向くべしという教えを、小さいときから母や牧師によつて教えられておつたのでございます。しかるにかかわらず、ある種のすわり込み、つるし上げ、乱闘等の事由につきまして、本日ごの国会の議場におきまして審議しますということは、お互いにまことに悲しむべき事実であると考えるものであります。しかもわれわれ国会議員といたしまして、はたしてこれを審議する——審議は義務としていたさなければならないのでありますが、これに対して裁くということがはたしてわれわれに許されているのかどうか、裁く権利があるのかどうか、私ははなはだこれを疑うものであります。われわれごく最近におきましても、衆議院文部委員会におきまして、あるいは委員長に詰め寄り、あるいはくつをもつて机の上に上り、あるいは国会議員の活動に対してその補助として勤労に従事する速記者の方の歯をくつでもつて傷害したという事実があるのでありまして、私たちその後たびたびの乱闘事件を考えてみまするとき、イエス・キリストが言いましたごとく、はたしてわれらに罪ある者を裁く権利があるのかどうかということを考えまして、私は暗然としたのであります。ことに私が強く感じましたのは、この国会も、県の議会も、大きな歴史的背景から見まするならば、まだ日本の議会政治の年が浅いがゆえに、非常に至らないものがあると考えるのでありまして、しかもわが国には政治の中に宗教というもがの内蔵されていないのじやないか。敬虔な祈りを捧げつつ、国民の幸福を念願して国政あるいは県政を扱うことになるのであれば、もうちよつと政策に専念し、議事の作法を守り、よりよき議会ができるのじやないか。私は強くそれを感ずるものであります。何を考えましても、ある県の議長さんが御病気で健康的に危険な際に、あるいは六時間か八時間か知りませんが、これをつるし上げまして、そうして遂に卒倒するのやむなきに至つたということをお聞きいたしまして、私はまことに暗然としたわけでございます。これらの問題につきまして、手続上のことをかれこれいろいろに審議したのでございまするが、問題の本質はもつともつと大きな社会的背景にあるのじやないか。すなわち政治と宗教、もうちよつと敬虔な気持ちを持つて、国民のために、県民のために事を行つて行くということにあるのじやないか。この国会の乱闘におきましても、もし身体の弱い議長さんであるならば、あの乱闘の中においておそらく生命を失つただろうと思うのでありますが、その乱闘に参加いたしましたという立場を持たない私でありまするがゆえに、あえてこれを言う資格がある。その点発言者は十分考えていただきたいのであります。しかしながらかかることを申しましても、私自身保守派の乱闘を食いとめ得なかつたということにつきましては、非常に国民諸君に対して済まないという考えを持つております。それで今日の論議でことに私の感じましたことは、この県会議長の生命を危殆に陥れ、あるいは場合によつては生命、身体の危険な状態に陥れたというところまで行つた事件について、その本質を真に考えて行われたかどうか。問題はこの個人の生命の尊厳——個人の生命の尊厳をも理解し得ない政治家は、政治家の資格はないのであります。乱闘する者は政治家の資格がないのであります。われわれはしかもなおこの現実の中にあります。われわれは国会議員といわず、県会議員といわず、深く国民、県民に対して済まないという心を持ちまして、国民のために、県民のためにほんとうに奉仕するいい政治をもたらすことにつきまして、ほんとうの真心をもつて祈りを捧げたいと思うのでございますが、安永議長さんにおかれましては、私と同じ気持でないかということをお尋ねして、最後の質問にいたしたいと思うのであります。
  295. 安永沢太

    安永参考人 ただいま非常にありがたいお言葉をちようだいいたしました。私は熱心なる仏教信者であります。議会運営につきましても、常に宗教的立場において運営をして、そこにいかなる事実行為があろうとも、私はこれに無抵抗で今日まで参つたのであります。報道陣は詳しく徹底した平和主義者だ、あの平和主義者がどうしてこれを乗り切れるだろうと心配していただいておるくらいに私はしております。  そこで思いまするに、議会のこういうふうな事案に対して、私がもし力に報ゆるに力をもつてするようなことをいたしましたならば、おそらくより以上の悲しいことが起きたのじやないかと思いますが、しかし幸いにしてそこまで行かなかつたことは私は慰めにしております。また今度の議会の事案は、御承知のような、経営者と労働者が両方とも譲るに譲られぬところの生活上の問題でございまして、ここに深刻なる対立があるわけでありますが、この知事提案に対しまして反対の立場に立たれる方の、そのすべての恐りを議長安永が受けることによりましていずれかの結論に達するならば、その怒りを私は甘んじて受けなくちやならぬということで、この議会に臨んでおります。  ただいま先生がおつしやいました通り、宗教的情操をもつて政治に臨んだならば、日本の政治はここによりよく進歩する。十年、二十年の後に、日本の民主主義の発展過程においてかくのごとき事実行為も行われたという、一つの昔語りとなることを、私は希望いたしております。
  296. 中井一夫

    中井委員長 参考人各位に申し上げます。  本日は遠路御多忙をわざわざ御上京くださいまして、地方行政上参考にするに足るべき有益なる御説明をいただきましたことを厚くお礼を申し上げます。委員会は、佐賀県議会が将来円満に進まれんことを心よりお祈りいたしまして、皆さんの御労苦に感謝し、ごあいさつといたします。  委員会委員各位に申し上げます。本日はすでにはや七時となりました。先日来地方行政問題につきまして種々御配慮御精励をいただきましてありがたく存じます。  先刻の御決議によりまして各位の御都合を勘案いたしました結果、本委員会は来る十一月十日及び十一日の二日間これを開きまして、御決定参考人を召喚して事の真相を明白にすることといたします。なお参考人の喚問の日取り等につきましては、参考人の都合等も聞き合せる必要があると思いますので、願わくば委員長に御一任あらんことをお願いいたします。  皆さんの御労苦を多といたしまして、本日はこれをもつて散会いたします。     午後六時五十五分散会