○
宮崎参考人 私が
佐賀県議会の
宮崎でございます。
佐賀県議会に起りましたところの紛争を、国会におきまして皆さん方からいろいろ御
審議いただくことにつきましては、非常にわれわれとしましては申訳ないと考えておるわけでございます。ただいままで午前中
参考人として喚問されました四方におきましては、私と立場を異にせられておる方のみでございまして、この四名の方の
発言に対しまして、私がここにおいて反撥をし
ようという考え方は毛頭ございません。しかしながら
佐賀県議会におきまして起
つて参りましたところのこの紛争に対しまして、私は事実を皆さん方に御報告申し上げまして、皆さん方の
審議の足しにしていただきたい、この
ように考えておる次第でございます。
問題の起りは、大体
議長も申し上げました
ように、三月の
県会から始ま
つて参
つておるわけでございます。特に
佐賀県は、皆さん方も御存じの
通り、非常に財政的に逼迫をいたしておるわけでございます。そこで三月の
県議会におきまして、鍋島
知事が七十億四千百万円の
予算を提示されたわけでございますが、そのときに
佐賀県の財政状況からして、どうしても二十九年度におけるところの見通しのつかない六億円の
予算を計上しなくては、
佐賀県の最低のぎりぎり線を守るところの
地方行政はや
つて行けないということで、六億の赤字を見積
つて予算を
上程されたわけでございます。従いましてそのときにおきまして、もし六億円の赤字を
佐賀県議会が認めないとするならば、具体的な
予算の
内容審議に当
つてもらわなくてもよろしいのだ、もしこの
知事が出したところの六億円の赤字を
県議会において認めていただけるとするならば、その上に立
つて予算の
内容につけるところの具体的な要件を御
審議願いたい、この
ように申されまして
上程されたわけでございます。その
ように
佐賀県は非常に地方財政が逼迫いたしまして、ま
つたく今日どうにもならないという
情勢の中に置かれておるわけでございます。特に問題になりますのは、そのときの
予算の
可決にあたりまして、幸い鍋島
知事の与党といわれておりますところの改進党と
社会党、並びにこれに付随する無所属の
議員さん
たちが賛意を表しまして、そうして六億円の赤字
予算をそのまま四百万円くらいの
予算修正をいたしたのみによ
つて通過をさして参
つたわけでございます。そうして三月の三十一日になりまして、
会期の
最終日でございますが、そのときに
佐賀県はよその県に先だちまして、
保守合同の線を打ち出して参
つたわけでございます。そのときの決議が、午前中に申されましたところの
議長の
発言によりますところのあの
決議案でございます。つまり
機構改革と
人員整理によ
つて佐賀県の財政を節約して行ける、こういう決議によ
つて三月
県会が
終了いたしたわけでございます。従いまして
予算の六億の赤字は通過せしめたものの、
決議案というものが
保守派の方から出されましたので、鍋島
知事は五月に一億円の
予算節減案を出して参
つたわけでございます。そのときにいろいろ問題もありました。
流会という問題に最終的にはな
つて参りましたが、五月
県会の様相と申しますのは、特に
機構改革と
人件費削減の
予算でございますが、全県下の県民は、この
予算削減に対して相当の反対をして参
つたわけでございます。従いまして五月
県会の
会期は、鍋島
知事が臨時
県会で招集いたしました
関係上、わずかに五日間の
会期だけでございます。五日間の
会期とさらに延期をする五日間を合せまして十日間の
会期にな
つて参
つたのでございますが、そのときに
社会党を
中心とするところの革新派は、こういう重要な問題、特に
人員整理と
機構改革の問題につきましては、単に
議長は
労働組合という表現を使われた
ようでございますけれども、
労働組合のみではございません。農業団体あるいは学校団体、すべての各種団体が、この
機構改革と
人件費節減の
予算案に対して、相当反対をして陳情をいたして参
つたのでございます。従いましてわれわれ当初からこの重要な
議案を
審議する場合においては、どうしても臨時
県会のわずか五日間で
審議することは不可能である、従
つて少くとも今期
県会のみならず定例
県会にして二十日間くらいの
会期をも
つて慎重に
審議すべきである、こういう
要求を
議会運営委員会に対してしたわけでございます。ところが
議会運営委員会におきましてもいろいろ
意見が対立いたしましたが、結論的には臨時
県会でや
つてよいという結論が出て参
つたのでございます。従いましてやむを得ず多数決に従いまして、臨時
県会で五月
県会を開いたわけでございますが、その間いろいろ
議案の
内容あるいは県民の反対陳情に対しまして、どうしても
議事が臨時
県会では進んで行かないという立場に立たせられて参
つたわけでございます。そこで
最終日の午後六時くらいから十時くらいまでの約四時間にわた
つて、
保守派の
議員さん
たちのみによ
つて、
控室において秘密
会議を持たれまして、それでは
会期を
延長し
ようじやないかということが
決定された
ようであります。
議会運営委員会におきましては、その問題が
保守派の方から出て参りましたけれども、当初われわれの二十日間くらいで
会期を持
つて行くべきである、
審議すべきであるという
要求を一顧だにせずして、臨時
県会で
決定して行こう、こういう線を出されてお
つたわけでございまして、
最終日には、その
議会運営委員会では、
社会党を
中心とする革新派の
議員の反対にあいまして、
議会運営委員会では結論が出なか
つたわけでございます。従いまして
保守派の
議員さん
たちは四時間にわたりまして、それでは本
会議において
会期一日間の
延長をやろう、こういうことに計画をなされた
ようでございます。ところが
佐賀県の県
議会規則は、臨時
県会は、
会期が五日間、並びに五日間の延期ができることにな
つて、都今日にな
つております。従いまして十日の最終ぎりぎりの線でございますから、どうしても
会議規則の条例を変更しなくてはならない。こういう立場に
保守派の
議員さんは追い込まれて参
つたのでございます。従いましていろいろ
論議された
ようでございますが、最終的に本
会議を開かれましたのが、私は午後十一時三十五分であ
つたと考えております。そのときに、われわれはもちろんいろいろ検討を加えましたが、どうしてもこの
議案を通過させることは県民のためにならないというところで、いろいろそれ以前に問題がありましたので、
議事進行に関する
緊急動議を出したわけでございます。
佐賀県の
会議規則は、
議事進行に関する
緊急動議がなされる場合においては、たとえば他の
議員が演壇に上
つて質疑応答をや
つておりましても、
議事進行に関する
緊急動議が出た場合においては、その
質疑応答を中止をせしめて、そうして
議事進行に関する
緊急動議を取上げなくてはならないという
ようにな
つております。従いましていろいろ問題はありましたけれども、
議事進行に関する
緊急動議を
議長に
社会党議員側から要請した。ところが
議長が
会議規則を蹂躙して
議事進行に関する
緊急動議を取上げなか
つた。そういうところからあの紛争が五月
県会に起
つたわけでございます。従いましてわれわれは
会議規則をとりまして
議事進行に関する
緊急動議を許せ、許さない、こういうところから五月
県会の
流会の
事態が生じて参
つたわけでございます。しかも五月
県会の
会期の
延長あるいは
審議の遅れたという部面というものは、すべて
保守派の
議員さん
たちが毎日々々何時間もの
自分たちだけの協議をやられまして、
審議時間というものはわずかに一日に三時間か四時間くらいしかないという
情勢をつくり上げられまして、そうして最終的には
審議未了という形に追い込まなくてはならないという段階に入
つたのが事実であります。従いまして五月
県会におきましては、そういう
事態で幕をとじたわけでございます。
さらに九月
県会におきましては五月の
県会を上まわりますところの三億円の
予算削減という問題が出て参
つたわけでございます。三億円の
予算削減と申しますのは、一億円が
人件費、一億円が行政費、
あとの一億円が県
単独事業の
予算を削減して行こうという
予算案であります。従いまして
佐賀県の赤字というものは、
議長も申したのでございますが、少くとも
佐賀県の責任において赤字が出て来たのではございません。簡単に申し上げますというと、二十八年度災害、あの関西を襲いましたところの災害で
佐賀県は財政的に相当逼迫を来しております。その二十八年の災害の赤字が、二十九年度には約五億円繰越されて参
つております。それから今日とられておりますところのデフレ政策によりまして、
佐賀県には中小炭鉱約六十九鉱山ございますが、この中小炭鉱というものはま
つたく潰滅に瀕する
状態にな
つて参
つております。従いまして
佐賀県の中小炭鉱という問題につきましては、生活資金なりあるいはその他中小企業に対する融資という問題につきまして、約一億六千万円ばかりの焦げつきを持
つております。これは当然中小炭鉱その他中小企業に対する融資という問題につきましては、政府からや
つていただかなくてはならないとわれわれは考えておりますけれども、今日の
情勢の中におきましては、いかに
佐賀県に財源がないとはいいましても、そういう中小企業なり中小炭鉱が潰滅して行くという現状を私
たちが現場において見ておりまして、それをそのまま放任して置くということはできません。従いまして
佐賀県の県政の中におきまして、融資なり生活資金という形で一億六千万円の金を出しております。これが今日焦げついておるわけでございます。
さらにもう一点は、先般乱闘国会と申されておりますところのあの国会においてでき上りましたところの
警察法の改正によりまして、
佐賀県は大体七箇月間で七千万円の赤字を出しております。これを一年間に割振りいたしますと、約一億円の赤字を出す、こういう
状態にな
つておるわけでございます。さらに問題になりますのは、今日の地方税制制度、この制度が農村県に非常に不合理に出て参
つております。シヤウプ勧告以来
佐賀県はこの税制改正によりまして、約三億円
程度の減収にな
つております。従いましてこれら赤字の原因というものが、すべて国の責任によ
つて解消されなくてはならないという考え方を、私
たちは持
つておるわけであります。しかもその上に
予算を三億円
節減するということにつきましては、県で三億円
予算を削減いたしましても、これがすべて県民に肩がわりをさせられて行く。県で
予算を削減いたしましても、その
予算削減をしたものが県民に対して間接税としておおいかぶさ
つて行く、こういう事実がはつきりして参
つたわけでございます。そういう
予算削減の
議案を
知事が
上程して参りましたところに、今回の紛争が起
つて参
つたわけでございます。従いましてわれわれ
会期に
決定されております
ように、九月七日から二十一日までの十五日間の
会期でありまして、さらに定例
県会でございますから五日間の
会期を
延長することができるわけでございます。従いまして合計二十日間で
審議をや
つても、これはほんとうに慎重に
審議をやろうという考え方に立つ場合におきましては、
会期を
延長してでも
審議をや
つてよろしか
つたわけであります。ところが十八日、つまり
質疑応答の
最終日でございます。
最終日に至りまして
——十九日が日曜でございますので休会、二十日が討論
採決という
議会運営委員会の
決定にな
つております。しかも
会期は二十一日まででございますので、二十一日は、もしという
保守派議員さんの心配から、五月
県会の
ように
流会するのではないか、こういう御心配から二十一日の一日間は
会期をあけてあります。二十日に討論
採決をや
つて、二十一日まで
会期をつく
つておく。これがもし二十日の日に
審議未了になるといけないというので、二十一日まで
会期を持
つておる。こういう
情勢の中において、十八日に突如として
質疑応答を打切り、討論を
廃止して
採決をや
つて行こうという
緊急動議が出て参
つたわけでございます。その
緊急動議におきましては、
緒方という
議員さんがこの
緊急動議を出したわけでございますが、その提案理由の中に次の
ようなことが言われております。現在の
審議の過程を考えてみますと、尋常一様の手段ではこの
審議を進めて行くことができない。従
つてこの際
質疑応答を
打切つて、討論を
廃止して一挙に全
議案を
採決すべしという、こういう
緊急動議が出されて参
つたのでございます。そこでわれわれといたしましても、当然
会期は二十一日までにな
つておりますし、二十日が討論
採決にな
つております。そういう
会期にな
つておるにかかわらず突如としてこういう
緊急動議を出されて参りましたので、われわれとしては非常に驚きまして、
議事進行に関する
緊急動議を
議長に対して
要求をいたしたわけでございます。この
議長に対する
議事進行に関する
要求を
議長が取上げてくれない。従いましてわれわれとしましては、
議長のそういう無謀なやり方、しかも
会議規則を蹂躙する
ようなやり方に対しては、当然
議長を追究しなければならない。従いまして
社会党の
議員を
中心とする十名の
議員が
議長に詰め寄
つて参
つたわけでございます。そのときに
保守派の
議員さんは、
社会党が演壇に上
つた場合においてはすぐさまそれに反撃を加えられて、ああいう
混乱した
状態に立ち至
つたわけでございますが、いずれにいたしましても、
議長さんがさいぜん、午前中にも申されます
ように、私がこれを
可決、
決定したのだ、こういう証言をなさ
つておりますけれども、ああいう
混乱した場合において、はたして
可決確定ができたかどうか。私
たちは
議長の演壇におりまして、
議長の
発言されることを聞いてお
つたわけでございますが、そういう点はま
つたく見られない。しかも
速記録にも載
つておりません。あるいはテープレコーダーにも載
つておりません。そういうことを私
たちが認めるわけに行きません。しかもその間におきまして、どういう
発言をや
つたかということにな
つて参りますと、
議長さんの午前中の証言の中にもありました
ように、
議長さんは
自分は
いすからころばされてお
つたのだ、そういうときに確認したのだと言われておりますが、これは確認することはま
つたく不可能な
事態にあ
つたわけでございます。そこでわれわれといたしましては、特に皆さん方に御報告申し上げておきたいと思いますことは、当時の
速記録には載
つておりませんけれども、テープレコーダーがとりつけてあ
つたわけでございます。そのテープレコーダーの中に入
つております問題は、午前中の
安永議長の
発言とは非常にかわ
つております。それは
緊急動議と全
議案の一括
採決、この両方を一緒に
採決し
ようとする
議長の声がテープレコーダーの中に入
つております。このことは
議長は
緊急動議は成立し、しかも成立した
緊急動議を
可決決定して、そして全
議案をさらに
議員の皆さん方に諮
つて可決、
決定したのだ、こういう
発言をなさ
つておる
ようでございますけれども、私
たちはそういうことも聞き取
つておりませんし、またこのテープレコーダーの
議事録をと
つてみますと、次の
ようなことがテープレコーダーの中から読みとれるわけなんであります。テープレコーダーの記録をちよつと読んでみたいと思います。「
緒方浩四郎君の
動議——緒方浩四郎君の
動議は成立しました。よ
つて——よ
つて上程中の
議案に対する
——上程中の
議案に対する
質疑、討論を省略、
採決いたします。
議員各位は自席に着かれんことを……。」それから先はほとんど雑音で、入
つておりませんが、
議長さんが言われておられることは今読み上げました
ように、ま
つたく
緊急動議と三億円
予算削減に関する十六
議案を全部一緒に
採決をいたそうという行動に出られてお
つたのでございます。しかもそのときの
議場の
状態と申しますのは、わずか七、八名の
議員さんが議席に着いてお
つたのみで、ほとんど
議長の演壇を
中心といたしまして押し合いへし合いをや
つてお
つた、こういうことが事実でございます。
議長もはつきり確認をいたされたと言われておりますが、確認される
事態ではなか
つたわけでございます。しかもこの
質疑打切りという問題につきまして、私
たちが大きな問題を持
つておりますのは、われわれが三億円の
予算削減に対して、いかに県民に不利にな
つて行くかということを、事こまかに
執行部を追究して行きますと、どうしても
執行部がかぶとを脱がなくてはならない
情勢にな
つて参
つたわけでございます。従
つて革新派の
議員にこの際
議会において
発言を許す場合においては、ますます
保守派の
議員は不利にな
つて行く、そういうところで
質疑応答を打切るということが、前日に
保守派の中において
話合いをされて、
質疑打切りの問題が実施されたのであります。しかもその
質疑を打切る前におきましても、約二時間にわたりまして秘密
会議を持たれておりますし、高橋
議員が懲罰
委員会に付され
ようといたしましたが、懲罰
委員会に付される場合におきましても、
議長は高橋君が
質疑をやらないから
質疑の打切りをや
つたんだ、
緊急動議を
緒方議員が出したんだ、こういうことを言
つておられますけれども、
佐賀県の
議会会議規則は懲罰
委員会の懲罰に付するという
動議が出た場合におきましては、ただちに懲罰
委員会に付さなくてはならない、これが本
議会におけるところの問題の先決に取扱わなくてはならない
ような
佐賀県議会会議規則にな
つております。それを取扱わずしてただ単に高橋君に対して
発言を求められました。しかしながらその
発言に対する高橋君の答弁というものは、私を懲罰
委員会にかけ
ようとしておりますから、この懲罰
委員会は
会議規則に従
つて取上げてもら
つて、その問題が結論が出てから
質問をやりまし
よう、こういうことで終
つておるわけでございます。その間におきまして
議長は
緒方議員の
緊急動議を取上げた、こういう
事態にな
つて参
つておるわけでございます。そこで私
たちは
議長に対しまして
——その時間が三時二十分くらいじやなか
つたか、この
ように考えますが、
議長に対しまして、本
会議から出て行こうとされる
議長に、今の
議長のやり方というものは、ま
つたくむちやくちやである、こういうやり方では
佐賀県議会の今後の問題として大きな問題が残
つて来るので、少くとも高橋君が
質問に立
つたそのところから再度や
つてもらいたい、こういう
要求をして参
つたわけでございます。そこで私
たちが特に申し上げたいことは、もし
保守派の
議員さん
たちがほんとうにこの
佐賀県議会の
運営を円満に持
つて行こうという考え方に立
つておられるとするならば、少くとも
会期は二十一日までございますし、さらに五日間の
会期を
延長することができる。しかも五名まだ
質問通告をや
つた人が残
つております。従いまして
県会の勢力分野を考えて参りますと、三十二名対十名でございますから、ほんとうに
会議規則を守
つて円満に慎重に
会議を進めて行こうというお考え方があ
つたとするならば、
会期も
延長し、
質問通告のあ
つた分だけの
質問が済んでから最終的に
採決に入られた、こういうことをやられてしかるべきではなか
つたか、この
ように考えるのであります。しかも問題になりますのは、
佐賀県議会には
議会運営委員会がございますけれども、こういう
混乱した
状態、こういう
状態に置かれたときに何ら
議会運営委員会というものが
運営されておらない。
議長さんは
議会運営委員会を開いて円満に
議会運営をや
つて行こうとして、
議会運営委員長に再三
運営委員会を開く
ように要請されておりますけれども、
議会運営委員長は一回も
議会運営委員会を開いておらない、こういうことを私
たちが考えて参ります場合において、当然これはそういう紛争をまき起して、そして一挙に
採決に入
つて行こうという計画的なやり方であ
つたということを断定せざるを得ないわけでございます。従いましてそういう紛争が起りまして、
議長には、その紛争の
事態を収拾するべくわれわれは要請して参
つたわけでございます。そこで最後に県
知事の応接室に入りまして、
議長と政治折衝をや
つて参りました。
議長と政治折衝をや
つて参りましたときのことを、
議長は監禁をされたという表現を使われておる
ようでございますけれども、
知事室には
保守派の
議員さん、並びに
県庁側の人、あるいは
県議会の事務局の人、これが約十四、五名入
つておられます。その隣が県の応接室でございますが、その間
議長と副
議長、
社会党、
新政クラブの十名の
議員が
議長と政治折衝をや
つてお
つたわけでございます。この政治折衝というものは、
保守派の
議長さんも承知をいたされまして、
社会党の
議員さんが
議長と政治折衝をや
つて行かれるならば、われわれは出て行く、あなた
たちは出てもらいまし
ようという
話合いの中において、当然これは政治折衝をや
つて行
つたわけでございます。従いまして私
たちは軟禁をしたとか、あるいは
議長の自由を拘束した、こういう表現をと
つておられることはま
つたくおかしな話ではないか、この
ように考えております。しかも
議長は非常に疲れてお
つたんだ、卒倒したということを言われておりますけれども、私はそれはま
つたく当らない言葉じやないかと、この
ように考えております。私
たちは五時半ごろから十二時近くまで
議長と政治折衝をや
つたわけでございますが、そのときに迎というお
医者さんがおいでになりまして、お
医者さんの言われることによ
つて、われわれは
議長と
話合いをや
つて参
つたわけでございます。従いまして十時近くになりまして、お
医者さんが二十分間くらい休憩を
議長さんに与えたらよろしいでし
ようということでございましたので、それでは二十分間休んでもらおう、こういうことで休んでもらいました。それからしばらくいたしまして、一時間くらい
議長さんに休んでもらえぬだろうか、こういうことでお
医者さんの
申入れがありましたので、私
たちもその間休憩をいたしまし
ようと言
つて、
議長さんに休んでいただいたわけでございます。ところがその間に、隣におりましたところの私
たちの同志の人が、
議長さんが
保守派の
議員さんを呼んで
話合いをしておるのだ、
自分はからだが疲れておるから休ませてくれと言
つて申し入れられたのにもかかわらず、
保守派の
議員さんと
話合いをしておられるのだ、こういうことでございましたので、そういうことではいかぬじやないか、お
医者さんが休ませてくれなくちやいかぬという
発言をされておるのであるから、休ませなさいと言
つて、われわれは再び
議長に休んでいただいたわけなんです。そこで十二時近くになりまして、私
たちはいろいろ
話合いを進めて参
つたわけなんでございます。もちろん
代表者を出しまして
議長と
話合いを進めて参
つたわけでございます。とにかく
議長は積極的に
事態の収拾をや
つて行こう、さらに議決通告は
話合いがつくまでやらない、それから政治折衝は今後十分続けて行こう、従
つてあす九時から
議長室において再び
話合いをやりまし
よう、こういう
話合いをつけて、お互いが
代表者を出して了解し合
つたわけなんです。そこで
議長さんはわれわれと
話合いをや
つたわけなんですが、これはもう少し
話合いを進めて行
つた方がよろしいのじやないかと言
つて、われわれは
議長さんのところに十二時近くになりまして参りまして、そして
議長さんと
話合いをや
つておりましたところが、
議長さんが、私はからだが疲れております、この上
話合いはできませんからと言
つて、あの応接室の土間の上に横になられました。失礼いたしますと言
つて横になられたわけでございます。私
たちはそういう
状態で
話合いができないので、それでは明日の午前九時半に
議長室で
話合いを進めて行きまし
よう、こういう
ようなことで、
議長さんもそれを了承されまして、わかれて参
つたわけでございます。ところがその
状態を卒倒されたという
ような表現で言われておりますが、私はそういうことはま
つたくあり得ない、この
ように考えておる次第でございます。
次に
警察問題について一、二申し上げておきたいと思うわけなんです。二十一日の二時三十五分ごろ
警察官が武装いたしまして、県政同志会の
控室に入
つて来て、そしてわれわれ八名の
議員を部屋の片すみにこん棒で押し込めて、
保守派の
議員さんだけを会場に入れまして、そして本
会議を五分間で済ませたということにな
つておるわけでございます。ところがき
ようの午前中の話を聞いておりますと、なかなかそういうことではない
ようでありますが、とにかく私
たちは、この十八日の
事態を収拾しないでこのまま本
会議を開いたのでは再び紛糾するだろう、そういう紛糾があ
つて本
会議を開いても、また県民に対して申訳がない
ような
事態が来るから、どうしても
事態収拾の
話合いをやろうではないか、こういうことで副
議長に
話合いをや
つてくれという
申入れをや
つたわけであります。そうして
代表者二名を出しまして
話合いを続けておりましたが、こういう
事態ではどうしても問題にならないということにな
つて参りましたので、それでは総務
委員会において何らかの形を出して
話合いを進めた方がよろしいのではないか、こういう
話合いにな
つて参
つたわけでございます。ところが、副
議長はそういう発案でございましたので、総務
委員会を私
たちは開いておりました。総務
委員会を開いておりましたところが、二時ちよつと過ぎころになりまして、本
会議の予鈴が鳴
つたわけでございます。そこで驚いて、私
たちは県政同志会の
控室に副
議長をつけまして、われわれの
話合いとは違うではないか、この
事態を収拾せぬまま本
会議を開いたのでは毎び
混乱が来るであろうから、少くとも
事態収拾をや
つてからやろう、そこで副
議長は
議長室に来てもらいたい、われわれ革新派と
話合いを続けて行こう、こういう
申入れをいたしましたところが、副
議長は
議長室ではなくて県政同志会の部屋でや
つてもらいたいという
申入れがありましたので、われわれも、それでは県政同志会の部屋、よその
控室ではございますけれども、
議長さんがそういうことをおつしやるならば県政同志会の
控室で
話合いを進めまし
よう、こういうことで私
たちも受入れまして、
話合いを続けて参
つたわけでございます。そこで
控室に入りまして
話合いを続けてお
つたわけでございますが、その間副
議長は、いろいろ
警察官の要請を午前中からなさ
つてお
つたようでございますが、私
たちはあくまでも
事態収拾をや
つて行こうという
話合いをや
つてお
つたわけでございます。その中に
労働組合の
組合員が入
つてお
つたように言われておるわけでございますけれども、そういうことはま
つたくございません。もちろん
佐賀市に合併しますところの金立村の陳情者がおいでにな
つておりまして、そういう
人たちが
佐賀市合併に反対をされてお
つたという
ような事実はございますけれども、あくまでも
革新議員団と副
議長との間において政治的な折衝をや
つてお
つたわけでございます。ここにおいでにな
つております
江間警備課長が二時半近くになりまして、
控室の様子をとびらをあけてながめられた。そこで高橋君が、この
佐賀県議会には
警察官が入
つて来るべきではない、従
つてあなたは向うに
行つていなさいと言
つてとびらを締めまして、中から錠をかけたわけでございます。そうや
つておりますときに、二時三十五分ごろだ
つたと思いしますが、
警察官の方
たちの
ようなけはいがありまして、とびらをける、こん棒でぶつという
情勢の中において、一つのとびらはとびらの下の方をけ破り、片一方のとびらはガラスをこん棒でたたき破
つて侵入して参
つたわけでございます。そこで侵入して来ましたときに、われわれは
県会議員である、しかも
革新議員団だけを押えて
保守派の
議員は本
会議場に入
つたではないか、そういうことをやるべきではない、
保守派の
議員が本
会議場に入
つたならば、われわれも入らなくちやならないから、とにかく道を開けろと幾ら申しましても、ごん棒で片隅に押しつけて、
保守派の
議員を本
会議場に入れまして、五分間で
会議を終
つたような
情勢にな
つておるわけでございます。しばらくしまして、本
会議場で
会議が始ま
つておるということでございましたので、私
たちは走
つて本
会議場に入
つて行きましたが、そのときには
会議が
終了してお
つたわけでございます。そこで私
たちは憤りまして、どうしてわれわれだけを本
会議場に入れなか
つたか、こういう抗議を
警察官に
申入れて参
つたのでございます。ところが最後に、
事態が収拾されましていろいろ問題を話し合
つておりましたが、何ら紛争の
状態にかかわりなか
つたので、副
議長に
警察官の退場を命じてくれという要請をいたしました。そこで副
議長は、それでは退場を命じまし
ようということで、玄関の
警察官がおられるところまで来られまして、退場を命ぜられたのであります。ところが副
議長が退場を命じられましても、一向に
警察官が退場いたしませんので、私は再び県政同志会の部屋に副
議長を尋ねて、どうして
警察官は退場しないか、こういう
申入れをいたしましたところが、いましばらく
事態の
情勢を見るまでは、
警察官をここに警備させてお
つた方がよろしいんだという要請があ
つたので、私は再び
警察官の退場を取消しました、こういうことで、副
議長はわれわれの
警察官の退場
申入れを断
つたわけでございます。従いまして、私が今日ただいま申し上げました
ように、午前中に
発言されましたこととわれわれが実際見たところとは大きく食い違
つておりますので、この点につきましては十分皆さん方の御
審議をお願いしたい、この
ように考えるわけでございます。
以上申し上げまして私の御報告を終りたいと思うわけでございます。