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田辺説明員 最初のお尋ねの
合併を六キロ以内にとどめたのはどういうわけかということでございますが、これはお尋ねの第三点にも
関係いたしますが、今まで私
どもがやりました
計算によりますと、大体五キロ
程度までは赤字にならない。赤字にと申します意味は、要するに今まで以上に赤字がふえないという意味でございます。大体五キロ
程度以内であれば赤字がふえないというふうにな
つております。それを
町村合併の
趣旨にかんがみまして、六キロ
程度までひとつ延ばそうじやないかというふうにいたしましたのが
一つの理由でございます。
それからもう
一つは、六キロ以上相当長くなりますと、線路に使いますとこの銅の太さというものを相当大きくして参らなければなりません、そういう問題であります。そうして銅を太くいたしますと、やはり相当金がよけいかかるということがありますので、それが第二点でございます。
もう
一つは、これは
合併いたします場合に、現在電話局につきましてはそれぞれ加入区域というものをつく
つておるのでございます。これは大体
全国同一の基準によ
つてや
つておりまして、局を中心といたしまして、小さい局では大体一キロあるいは一キロ半の半径でも
つて描いた範囲内というふうにな
つておるわけでございます。ところが、これを無制限に延ばして参りますと、そういう点につきまして加入区域というものが非常にいろいろな形をと
つて参ります。そういたしますと、その料金の問題、そういうことも出て参るわけでございます。そういうふうな点から考えまして、大体六キロ以内でもとつこの際やろうというふうにきめたわけであります。
それから第二点の、出資に求めるのは公社の性質から考えてどうかというお尋ねでございますが、実は昨年、昭和二十八
年度から昭和三十二
年度まで五箇年
計画というものを立てまして、電話の整備を進めておるわけでございます。その五箇年
計画の金の総額は二千七百七十二億でございますが、それを五年間にや
つて参りたいというふうなことにいたしております。それで現在の電話の
状況は、これは
全国とにかく電話が非常に足りません。現在
全国でも
つて電話が、申し込んでもつかないのが四十万を越しておるような
状況でございます。そして毎年々々大体二十万あるいは三十万という新しい申込みがあるわけでございます。そういうふうな
関係からわれわれとしてはこの五箇年
計画はぜひどうしても予定
通りにやりたい、ただ各
年度の割合は、これはいろいろ外部資金の
関係もございまして、予定
通りには参りませんけれ
ども、少くも三十三
年度末までには予定
通りの工程を進みたいというふうに考えておるわけでございます。そういうふうな点から考えまして、来
年度は五箇年
計画の二千七百七十二億のうち五百七十九億を私の方では
予算として出してあるわけでございますが、今申し上げました四十億は別わくにな
つておるわけでございます。それで現在の三千七百七十二億というものを全部私の方のと申しますか、内部資金でも
つてまかない得れば別でございますけれ
ども、その中には外部資金によらなければならない部分も相当ございます。しかもこの外部資金が財政資金の
関係からいたしまして、私
どもの希望する
通りにはなかなか認めてもらえないわけでございます。従
つて資金的には相当苦しいといわざるを得ないわけであります。むろん資金の
状況が許しまして二千七百七十二億というものをほとんど内部資金でまかなえるというような
状況でありますれば、四十億というようなものも実は
政府出資にたよらずに、私の方だけでや
つて参りたいというふうに考えておるわけでありますけれ
ども、今申し上げましたような
状況でございますので、これはひとつ別わくにする。
それからなお次に申し上げることは赤字と関連するわけでございますけれ
ども、先ほ
ども申し上げましたように、とにかく特定局の全体といたしましては現在三十五億円
程度の赤字を毎年生じておるわけでございます。それでこういう赤字を減らすということはもちろん必要でございまして、現在考えておりますのは、たとえば
地方の電話は小さい手動局、小自動と申しておりますが、それでも
つてや
つて行
つたらどうかということも考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、そういうふうにしてもその完成は相当先でございますし、またそういうふうなことが完成いたしましても、はたして
地方の電話が収支とんとんに参るかどうかということはまだ
はつきりいたしません。そういうふうな
関係からいたしまして、とにかく利子のかからない金だけでも
つてや
つて参りたいと考えたわけでございます。
それから第三の赤字にならないじやないかというお話でございますが、これはお話のように現在交換手を配しております局が
合併されますと、その分は
合併をする中心の方の局に参りますが、むろんたとえば現在四人でや
つておりましても、それを今度は集めた場合には四人はいらないので、集中する局と一緒に使えば三人あるいは二人で済むということもございます。そういうプラスはもちろんございますが、しかし同時に最初の建設費が相当いるわけでありまして、建設費に対しましては減価償却ということをしなければなりませんし、それからまた保守の経費も多くな
つて来るわけでございます。そういうふうなふえる金がございます。それからなお
合併によ
つてプラスになる分としましては、お話のように現在郵便局に委託しております電話の仕事につきましては、委託の手数料を払
つておるわけでございますが、その手数料はなくなるわけであります。一方今まで市外通話にな
つておりましたのが、これがその市外通話の何分の一かは市内通話になりましてなくな
つてしまいます。しかしまた同時に今度一緒になりますと、局によりまして使用料が高くなる局がございます。それは
合併によるプラスでございますが、そういう点もございます。そういうふうにいろいろプラスになる面とマイナスになる面がございます。それを
計算いたしますと、大体ただいま申し上げましたような四キロないし五キロ
程度、その辺のところは大体今までのところ採算がとれるというような
計算にな
つておるわけでございます。