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門司委員 それではこういうふうに解釈しておいてよろしゆうございますか。実はこの問題は今総監も触れられました
ように、この前に、一応こういう問題が諸所であ
つたのであります。従来完全に朝鮮人だけで経営をいたしておりました学校を日本側に接収をするということは、その当時も相当部分的に問題を起しております。これは私のおります
横浜にも、三つばかり学校があるのですが、これも相当問題を起しましたし、大阪等でも相当流血事件もあ
つたと思います。それで今度もこの問題が、必ずあなたの方に何とか影響を持つことになりはせぬか。いわゆる最後の跡始末は
警察がしなければならぬのじやないかと考えられる。
従つて今の
お話では、何も聞いておらぬという
お話でありまするが、ああした学校のあるということが、日本の教育上の問題であるとするならば、これは文部省に聞く以外に私はないと思います。また
予算上の問題であるとするなら、東京都の
関係で、都知事にでもお伺いしなければならぬと思います。いずれにいたしましても、われわれの考えておることは、少くとも一つの学校を閉鎖し
ようというものの
考え方の中には、やはり単に教育上、
予算上というものでなく、同時に教育上と申し上げて参りましても、これはやはり日本の国内の秩序の維持をすることのために、何らか教育上の処置を誤
つておる、
従つてこのまま放置しておくわけには行かないというわけで、必ずこれは治安に
関係のある問題だと私は考える。同時に思想に
関係のない問題ではないと考えられる。
従つて思想の自由は許されておりまするから、憲法の十九条を踏みにじるわけには、いかなる
警察も行かないと思います。しかし御承知の
ように、内閣には
調査室という
ようなものができ、か
つて特審局と同じ
ような性格で仕事をして来ておる。事実上思想の
調査が行われておることに間違いはない。こういう状況下において、おそらくこの学校の閉鎖は主たる目的というものは、やはりこの辺に大体問題があるのではないかということが考えられるのでありますが、そういたしますると、表面上は教育上あるいは
予算上という
ようなことが考えられても、実体はやはりひ
とつの治安
関係から来る問題ではないかという
ように考えられる。もしこれが教育上の問題であるとするなら、全国各所にありまするものを一切これを閉鎖すべきであ
つて、東京だけ特別の
措置を取られるということはおかしいと思う。だから今総監は相談にあずか
つておらないという
お話の
ようでございますけれ
ども、どうも私
どもは、その辺少しふに落ちないのでございます。事実そうだということであれば、国内の治安と関連いたしまして、やがてこういう学校のあることを、思想上あるいは日本の秩序を維持することのためにいけないのだという
ようなことであるとするなら、これもやはりわれわれ一つの
警察行政の建前から、このまま見のがすわけには行かぬので、よくこれをただしてみなければならぬと思いますが、ほんとうに総監の方には何らの
関係はないのですか。もしないといたしましたなら、総監はこれらの学校について、どういうふうにお考えにな
つておるか、この際簡単に、発表されること、あるいは気づかれておること等がありますなら、ひ
とつ聞かしておいていただきたいと思います。