○
小林説明員 私よりその後の
状況を御
説明申し上げます。
まずお手元にお配りいたしました
資料を
中心にして申し上げたいと思います。実はまだ印刷中で時間に間に合わなか
つたものもありますので、今お配りしました順序で御
説明申し上げます。
第一番に
町村合併基本計画に対する
合併進捗状況、こういう一枚
刷りの紙がございますが、これを
ごらん願いますと、二十八年度、ことしの四月一日現在における
合併計画と
合併による
減少町村の、
計画と実際の
状況をまず表わし、その次にことしの七月一日現在における
状況と、それを二十八年度と今年七月一日までに至ります総集計を表わした表をここにつけておきました。二十八年度中の問題はもうすでに御案内の
通りでございますが、この一番下の欄を、
ごらん願いますと、全
計画の一五%を達成するという
計画に対しまして、実際の
実績が一七%に達してお
つたのであります。その実際の
減少町村が千六十、それに加えまして七月一日まで、今年度の
計画は全
計画の六五%でございますが、四、五、六の間に三百五十八の
町村が
減少いたしましてそれの九%に及ぶのでございます。それを集計いたしますと七月一日までに千四百十八
町村が
減少いたしまして、全
計画、二十八年度と二十九年度の
計画を集計いたしますと八〇%になりますが、それに対する割合からいたしますと、二八%という
計画にな
つておるのでございます。二十九年度に至りましてこの数箇月の
状況は、かりに八〇%を月別の
計算に直しますと少し低調である。
数字的にはそういう
計算になりますが、これは
合併には御
承知の
通り一つの山がありまして、ある期を選んでやるというかつこうが多い。四月一日を選んでやるのが相当多か
つたものですから、五月、六月、七月は
数字から言えばやや少いような
状況でございます。それでも毎月直ないし百五十の
町村の
減少を見つつあるのでございます。大体数学的に申しますとこういう
計算にな
つております。それでわれわれといたしましては、まずこの
合併は
計画的にやることが一番大事だというので、全県下を通ずる
合併計画を合理的に、すみやかに調製するということを、かねて
促進法の精神から申しましても各県に対して相当
迫つたのでありますが、その
都道府県の
町村合併計画の
概況を二枚
刷りの表に現わしてお配りいたしてございます。これによりますと、全国的に申しますと、
報告の
集まつたものだけ一応集計いたしたのでありますが、
合併計画が一応つくられて
発表されて進められつつあるもの、これは本式に
自治法、
促進法の定
むる手続によ
つて決定いたしたものもあります。そうでなしに、
審議会の
審議を経て
発表をしあるいは進めつつある、こういう
段階のものな
どもありますが、要するに一応県の
段階において案がつくられましてそれが公表され、それを
中心に
合併が事実上進みつつある、そういう
意味の
資料を集めたのでございます。ここにあります県全部で二十八県ありますが、この二十八
府県から
集まつた
計画を
基礎にいたしまして、大体その
計画においては
合併後の
町村数、
減少町村数がどうな
つておるか、そういう
関係を一枚目の紙に表わしておいたのでございます。これは、
ごらんの
通り全国を集計いたしますと
減少率が大体七二%、最初の
政府のきめました
基本計画で三分の一という
考えでございましたが、各県における
計画を見ますとそれよりも上まわ
つてやや
規模が大きい
合併が
計画され、またそれが進められつつあるというのが、
状況でございます。それでこの二十八
府県の
計画の総計で、
減少町村が四千二百六十という
数字にな
つております。これは
政府の三分の一
計画から見ますと四百ほど多い
数字でございます。大体今案をつくりつつある他の
府県におきましても、おおむねこうした趨勢で
計画を進めつつあるという、かうにわれわれは了解いたしているのでございます。
それからその
計画におきまする
平均人口と
平均面積、
人口密度というものを二枚目の表において一応集計しておきました。それによりますと、
人口の面におきましては
合併前の
平均でまず四千四、五百のところが、
合併計画によります
合併後の案では、大体一万五千という
数字にな
つております。
面積は二十四平方キロが八十四平方キロという
状況が各県における
計画の概要でございます。ただこれは県によりまして
地勢とかその他の
状況がありますので、多少
計画がスケールの大きいのとやや
規模の小さいのとありますが、これはそれぞれの
事情に応じて
審議会その他で
研究の結果、大体案が進んでいるものと存ぜられるのでありまして、特にそれぞれの
状況に応じて
合併計画を立てられてしかるべきものとわれわれは
考えております。
それからいま
一つの表に
町村合併実態表、これはまだ十分な
調査では、ございませんが、七月一日までに
合併のあ
つた町村の
合併の
実績——実際どういう扱いにな
つているかという
実情を
調べた
資料をわれわれの方でまとめつつあるのでありますが、これは正直に申しまして、全部の
資料がまだまとま
つておりません。七月一日までの
合併件数が五百五十八件ございますが、そのうち三百九件
——半分より
ちよつと多いのですが、その程度の
資料を
基礎にして一応まとめたものでございます。まとめ方も、正直に申しまして少し不十分なところがありまして、もう少し精査検討しなければならない点が多いのでございますが、急激につくり上げましたので、大体の
概況だけを御了解願いたいという
気持でお配りいたしたのでございます。
第一は
人口に関する
調べでございまして
人口が今までの既存の
合併で八千
未満の新しい
町村の
人口を押えてありますが、八千
未満の
合併関係町村が七十で、
合併町村数が二十六、こういう
数字が出ているのでございます。それから八千から一万の
段階が三十四、一万から一万五千が五十、一万五千から二万が二十七、二万ないし三万が二十九、三万以上が百四十三、これは
市町村全部ひつくるめて書いでございます。
合併町村数と書いてありますが、これは少し表現がよくないので、市も入れて御
承知おきを願いたいのでございます。そういたしますと、三万以上なのは、百を越える市の
設置がありますので、それは市が大半でございます。それから
町村相互間における
合併では、一万ないし一万五千の
件数が一番多い、こういう
数字にな
つているわけでございます。八千
未満のものは、これは
地勢その他の
関係でどうしても八千を越しがたいというので、やむを得ずこういう形で
合併が進められつつあるのが多いのでございます。
それから
面積の
実績を
調べてみますと、五平方キロ
未満の小さい
町村もありますが、二十平方キロから五十平方キロが九十二、五十平方キロから百平方キロが百八とそれぞれの
数字が出ております。百平方キロ以上が八十四でございます。これはいずれも
山林地が入
つた数字でございまして、ほんとうの
面積ならば、人間の可
住地帯と申しますか、活動可能な
平地地帯を
中心に
計算しなければ正確な
面積が出て来ないのでございますが、実際問題としてはそうした
数字はきわめて言いにくいので、総
面積で一応の
数字を出したのでございます。
それから
議員の
任期、
定数に関する
調べでございまして、御
承知の
通り促進法で
特例を設けておりますが、そこで
議員数がいかにも多いじやないかという御
批判もありますが、
特例を設けているもの、いないものの実際を
調べたのてございます。そうすると、
町村件数三百九のうち、
特例によらないものが百ございます。三分の一は
原則通りや
つておるのでございます。それでありますから、少くとも
原則通りや
つておる
町村におきましては、
議員の数が
——大体これは
概数でございますが、三千七、八百人の数は
減つた計算にな
つております。
定数通り、やれば、大体四箇村
合併といたしまして、総数からい
つて三千七、八百人の
議員定数は
減員にな
つているはずでございます。それから
任期を
延長したものを見ましても、ここにあります六月
未満の期間を限
つて延長しておるものもあるのでございます。それから、六月から一年ぎりぎり一ぱい
延長しているものもあります。そういうので六月
未満が七つと、六月から一年のものは百五十二、こういう
数字が出ているわけでございます。
それから
あとはこまかい
数字でありますから申し上げませんが、もう
一つの問題は、
任期をそのまま
延長したものと、九条二項のもの
——これは新たに
議員を改選しますが、
議員定数は特に
条例で増加できるという
規定を適用したものが九条二項の問題でありますが、これは九件と百五件で、数はそれほどありません。通常の
特例はそのまま
任期を
延長するという形をと
つているのでございます。しかしこれも一年こつきりの問題でございますから、かりに三百九の
調査町村全部につきまして一年後のことを
考えますと、一年後ではわれわれの
計算の
概数では一万千人を越す
議員数の
減員になる、こういう
数字を得ているのでございます。それで
現実のその
議員の数はどういうふうな
状況にな
つているかというのが横の
定数でございまして、これによりますと、
法律に定める
定数のものと、それからそれ以上のもので二十人から三十人、三十人から五十人、五十人から百人、百人以上、こういう
段階にわけて
町村数を押えてあります。
ごらんの
通り百人以上の
議員を現においている
市町村は三十五ある、これはみな市でございます。
町村にはこういうものはありませんが、市では百人以上のものは三十五ありまして、一番多いのはどこかと申しますと、熊本の五名市でございまして、これは十二箇
町村合併したせいもありますが百八十四、きわめて正直な話でございますが、それが一番多いのでございます。
それから四番目は
支所、
財産区及び
選挙区等に関する
調べでございます。
支所はかなり設けておりますが、全部設けているわけでもありません。設けていないものも実はあるのでございます。これは
数字の書き方が
ちよつと正確を欠くのでありますが、全然
支所を設けておらぬものが三十一、一割は設けておりません。
あとは
支所を設けているのでございますが、
支所を設けておりましても、たいてい
職員数は半分ないし三分の一くらいに減らしておりまして、本所の方に大体統合しているのが
実情でございます。それから従来の
合併した
モデル町村などの
実情を見ましても、とりあえず
支所は置いているが、一年たち二年たつに
従つて逐次整理してしまうというような
状況でございまして、
合併前はいかにも役場が遠くへ行くとかなわぬという
気持はありますが、実際や
つてみると、
合併後は
気持もかわるというので、特別の
地勢上遠いところは別として、逐次廃止の大勢を期待できるというふうに存じているのでございます。
それから
財産区の
状況でございますが、
財産区を設けたものが八十一件ございます。これは
合併促進法なり
自治法なりの改正で、
公有林野を設けておるものにつきましては、
財産区の
設置を容易ならしめることにいたしてありますので、その
規定がずいぶん活用されつつあるのがこの
状況でございます。全
町村が
財産を持
つておるわけではありません。特に
山林地帯の方ではこの
財産区を設けておるのでございますが、それでも全部投げ出して、まるまる
合併という姿をと
つておる
町村もございます。われわれの方の
考えといたしましては、
関係町村が全部山を持
つてお
つたような場合は、これは全部統一する
方針で行くべきであ
つて、持
つているものと持
つていないものというようなもののある場合に、そのアンバランスを具体的に調整するために
財産区の
設置を認める、こういう
方針で行きたいと思
つておるのでございます。それとともに
財産区というからには、やはり相当まとま
つた林野等を
中心に
考えるべきであ
つて、ちつぽけな一町歩に満たないようなものでもすぐに
財産区というのは議論を要するところであります。そういうところはむしろ正しい
町村に統一するように指導をいたしておるのであります。
それから
選挙区の
調べもついでにしてみたのでありますが、
選挙区では、この
数字のようにむしろ設けないものの方が多い。三分の二は設けておらないのでありますが、
あとの三分の一近くのものは、一応
選挙区を設けて、大体旧
町村の区域を
基礎にして
選挙をやる、そういう
態勢をと
つておるものを
調べて来たのであります。そのうちでも
人口に比例したもの、
人口に比例しないものもありまして旧
町村間における
議員を適当に
条例で調節できることにな
つております。その結果の
概況がこの表の
通りにな
つております。
次にその他のほかの
法律の
特例の
適用状況を
調べてみたのが第五番目で、ございまして、
地方税の不均一の課税をしたもの九十、
国民健康保険の
特例を適用したもの百十六、それから
水産業協同組合を
特例により存置したもの九、それから
農業委員会はそれぞれ存置できるし、あるいは
選挙をしなくても
農業委員の身分を継続できるという
考えで、一応道が開かれたのでありますが、そういうものについての内訳を示したのであります。つまり知事の認可を経たとか、経ないとかいうことは、これは技術上の問題で、特に申し上げることもありません。
最後に
国有財産の
申請状況というものを一応
報告をと
つたのでありまして、われわれはこの
報告を
基礎にしてもつと積極的に話を進めて行かなければならぬと思
つておりますが、大体その
状況をここに書いておいたのであります。これは大体きわめて大ざつぽで、まだ不十分なところもございますが、今までまとめましたこれまでの結果の
概況でございます。
ごらんの
通り各県によりましてそれぞれ多少早い遅いと申しますか、ちぐはぐのあることは事実でございます。そして各県によましてそれぞれいろいろ
特殊事情が介在いたしまして、
合併の問題は一進一退という点もありますが、大体において
合併の
趣旨はおおむね徹底しつつあると
考えられるのでありまして、われわれ聞くところによりますと、七月一日までは多少
——こうした
数字でありますが、大体において順調に進みつつあるというふうに
考えられるのじやないか。しかし問題は来年の四月の
選挙を控えましてこの後半期に四月の
選挙までに片をつけるという
態勢で強く行かなく
ちや事が進まぬのであります。それが逆に、いろいろな問題が介入して来るというおそれもあるという点からいたしまして今後の動きがこれからの
合併計画の
進捗の成否を決定するものと存じておるのでありまして、われわれといたしましても最大の努力を進めておりますが、また
委員会の
皆さんにおかれましても、この上とも御
協力をお願いしたい、こういうふうに存じているのであります。
以上であります