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1954-02-24 第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月二十四日(水曜日)     午後二時十七分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 佐藤 親弘君    理事 灘尾 弘吉君 理事 吉田 重延君    理事 藤田 義光君 理事 西村 力弥君    理事 門司  亮君       尾関 義一君    河原田稼吉君       木村 武雄君    鈴木 幹雄君       橋本 清吉君    阿部 五郎君       石村 英雄君    北山 愛郎君       伊瀬幸太郎君    大石ヨシエ君       中井徳次郎君    松永  東君  出席政府委員         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      後藤  博君  委員外出席者         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 二月二十三日  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出第  五六号) 同月二十二日  営業用トラックに対する自動車税軽減に関する  請願福田篤泰紹介)(第二〇六七号)  同(天野公義紹介)(第二〇六八号)  同(寺島隆太郎紹介)(第二〇六九号)  同(始関伊平紹介)(第二〇七〇号)  同(竹尾弌紹介)(第二〇七一号)  同(松山義雄紹介)(第二〇七二号)  同(松永東紹介)(第二〇七三号)  同(遠藤三郎紹介)(第二〇七四号)  同(塩原時三郎紹介)(第二〇七五号)  同(足立篤郎紹介)(第二〇七六号)  同(山田彌一紹介)(第二〇七七号)  同(西村直己紹介)(第二〇七八号)  同(中村幸八君紹介)(第二〇七九号)  同(八百板正紹介)(第二〇八〇号)  同(岸田正記紹介)(第二〇八一号)  同(佐藤善一郎紹介)(第二〇八二号)  同(高田弥市紹介)(第二〇八三号)  貨物自動車運送事業に対する事業税外形標準  課税廃止に関する請願天野公義紹介)(第  二〇八四号)  同(寺島隆太郎紹介)(第二〇八五号)  同(始関伊平紹介)(第二〇八六号)  同(竹尾弌君紹介)(第二〇八七号)  同(松永東紹介)(第二〇八八号)  同(遠藤三郎紹介)(第二〇八九号)  同(塩原時三郎紹介)(第二〇九〇号)  同(足立篤郎紹介)(第二〇九一号)  同(山田彌一紹介)(第二〇九二号)  同(西村直己紹介)(第二〇九三号)  同(中村幸八君紹介)(第二〇九四号)  同(高田弥市紹介)(第二〇九五号)  同(福田篤泰紹介)(第二〇九六号)  同(八百板正紹介)(第二〇九七号)  同(佐藤善一郎紹介)(第二〇九八号)  同(鈴木義男紹介)(第二〇九九号)  同(松山義雄紹介)(第二一〇〇号)  乗合自動車事業税外形標準課税廃止に関する  請願山崎岩男紹介)(第二一二一号)  乗合自動車税軽減に関する請願佐々木盛雄君  紹介)(第二一二二号)  同(山崎岩男紹介)(第二一二三号) 同月二十三日  遊興飲食税市町村還元に関する請願山村新  治郎君紹介)(第二二〇三号)  営業用トラックに対する自動車税軽減に関する  請願三輪壽壯紹介)(第二二〇五号)  同(長谷川保紹介)(第二二〇六号)  同(高木松吉紹介)(第二二〇七号)  同(關内正一君紹介)(第二二〇八号)  同(松浦周太郎紹介)(第二二〇九号)  同(中曽根康弘紹介)(第二二一〇号)  同(五十嵐吉藏紹介)(第二二一一号)  同(本名武紹介)(第二二一二号)  同(並木芳雄紹介)(第二二一三号)  同(高瀬傳紹介)(第二二一四号)  同(大高康紹介)(第二二一五号)  貨物自動車運送事業に対する事業税外形標準  課税廃止に関する請願三輪壽壯紹介)(第  二二一六号)  同(長谷川保紹介)(第二二一七号)  同(高木松吉紹介)(第二二一八号)  同(松浦周太郎紹介)(第二二一九号)  同(五十嵐吉藏紹介)(第二二二〇号)  同(本名武紹介)(第二二二一号)  同(並木芳雄紹介)(第二二二二号)  同(高瀬傳紹介)(第二二二三号)  同(大高康紹介)(第二二二四号)  同(關内正一君紹介)(第二二二五号)  乗合自動車税軽減に関する請願塩原時三郎君  紹介)(第二二二六号)  同(亘四郎紹介)(第二二二七号)  同(加藤精三紹介)(第三一三八号)  同(池田正之輔君紹介)(第二二二九号)  乗合自動車事業税外形標準課税廃止に関する  請願加藤精三紹介)(第二二三〇号)  同(塩原時三郎紹介)(第二二三一号)  同(池田正之輔君紹介)(第二二三二号)  同(亘四郎紹介)(第二二三三号)  災害緊急融資金長期起債に切替えの請願(池  田清志紹介)(第二二四七号)  内川村を昭和二十八年法律第二百二十九号適用  町村に指定の請願佐々木盛雄紹介)(第二  二七八号) の審査を本委員会に付託された。 同日  地方財政再建整備法案の審議に関する陳情書  (第九六七号)  都道府県職員給与改訂実施に対する地方財政  平衡交付金の増額の陳情書  (第九六八号)  消防警察行政への吸収反対等に関する陳情書  (第一〇〇四  号)  選挙管理委員会に対する財政補助陳情書  (第一〇〇五号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任の件  昭和二十九年度地方財政計画に関する件     ―――――――――――――
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りをいたしたいことがあります。すなわち町村合併促進に関する調査のため小委員会を設置することといたしたいと思いますが、これに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。  つきましては、その小委員及び小委員長を選任いたしたいと思いますが、これも投票の手続を省略し、委員長より指命するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中井一夫

    中井委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。  これより委員並びに委員長の指命をいたします。委員としましては、    佐藤 親弘君  生田 宏一君    鈴木 幹雄君  北山 愛郎君    門司  亮君  松永  東君この六君を煩わすことにいたします。なを委員長には北山愛郎君を指名いたします。     —————————————
  5. 中井一夫

    中井委員長 これより前会に引続きまして地方財政計画に関する質疑を続行いたします。質疑通告がありますので、順次これを許します。西村君。
  6. 西村力弥

    西村(力)委員 私質疑通告をずつと以前にやりまして、本日まで一回も発言しないで参りましたが、本日幸い機会を与えられましたけれども、二時三十分から本会議が開かれるという状況にあります。本日の本会議の議題その他を考えてみますと、また昨日有田逮捕許諾の問題について採決の結果、ああいうことになつたということについて、それぞれいろいろ自己批判をなさつておられると思うのですが、私の党としましても、この本会議に対する出欠の問題について一応の話になりましたのでありますし、やはり本会議にはぜひ出席しなければならないと思うのです。本日これから十分間質疑をやつても、おそらく十分意を尽さない意味のないものである、かように考えられますので、私はこの際委員会そのものを本日はこれで打切つて、あすからでも精力的にやる、こういうぐあいになさつた方がいいんじやないか、かように思うのでございます。委員長においてしかるべくおとりはからいが願いたいと思ふわけであります。
  7. 中井一夫

    中井委員長 そうすると、西村君は本日は質疑はお進めにならないのですね。
  8. 西村力弥

    西村(力)委員 先ほど申しましたように、質疑むしたいのでございますけれども、また重要な本会議に出席しなければならないという立場を考えまして、本日は委員会そのものをやめてもらいたいと思うわけであります。
  9. 中井一夫

    中井委員長 本会議の始まるまで、委員会は進行いたすということに決定いたしておりますから、さように御承知を願います。もし質疑をお始めにならぬのならば、他の諸君によつて質疑を進めたいと思います。
  10. 西村力弥

    西村(力)委員 それじや本会議が始まるまで十分間質疑を行います。  この入場税の取扱い、これは予算委員会でもいろいろ問題になつたと思うのでございますが、予算の本会計には入らないで特別会計なつた、それがために政府の言う一兆億予算の外観を保ち得たということになつておるわけであります。私たちから見ますれば、こういうことはまつたくごまかしであつて、実際は入場税をプラスすれば一兆億をはるかに越えておるということになるのですが、こういう入場税の扱いについて、自治庁としてはどういう態度をもつて交渉せられたか、あるいは特別会計にせられたについての自治庁としてのいろいろな不便とか、そういう問題があるかどうか、この点についてお話願いたいと思います。
  11. 後藤博

    後藤政府委員 実は入場税関係は、私の直接の担当ではございませんが、財政関係がありますので、私の承知しておりますことを申し上げたいと思います。御存じの通り入場税譲与税になつて参つたのでありますが、その場合に、別に入場税ガソリン税を合した譲与税特別会計を設けるか、それから交付税を合せて特別会計を設けるか、こういうことが問題になつたわけであります。ガソリン税入場税もそれぞれ譲与税でありますが、交付の仕方が異なつております。それから交付税も御承知通り交付の仕方が異なつております。しかし、これをばらばらな特別会計にするよりも、合せて一つ特別会計にして、そしてそれぞれの譲与税のそれぞれの性格に応じた取扱いができるように、特別会計の規則をきめたらいいのではないか、こういうことに相なりまして、交付税等特別会計ということで一諸になつております。しかしそれぞれの異なつた性格を持つておりますので、その異つた性格がそれぞれ生きるような特別会計方式になつておると承知しております。
  12. 西村力弥

    西村(力)委員 それじや自治庁では一向おかまいなしに、そういうぐあいにせられることを黙認せられた、その経過だけは承知しておるということになるわけです。それはそれでいいと思うのですけれども既定財政規模是正をはかられたということに対しては、私非常に敬意を表するのでございます。ところでその是正の仕方でありますが、自治庁としては、今是正を見た一の単独事業費の問題、二の経常物件費の問題、三のその他財源未処置または不足額の問題のほかに、是正を要する項目をあげてあつたかどうかということと、それから、そもそもこの是正された三点については、どれだけの額を是正してもらいたいという要求を出したか、この点についてお尋ねしたいと思います。
  13. 後藤博

    後藤政府委員 既定規模是正につきましては、単独事業経常物件費及び一部の給与費以外に二つの問題がございます。一つオプシヨン二の問題であります。市町村民税所得割の第二、第三方式をとつておるものを増税と見るかどうかという問題であります。私ども調査会での意見は、オプシヨン二の問題は、財政計画上は標準税率を用うべきものであるから、これは増税である、従つてその分だけ税収入を引かなければならない、こういう主張をして来たのであります。ところがこの増税であるかどうかということに一つの問題があるわけであります。と申しますのは、三つの方式市町村民税においては選択することになつております。法律選択方式ということにきまつておるものを増税と見るかどうか、この問題は非常に議論があるわけであります。大蔵省といろいろ議論をいたしたのでありますが、この問題については遂に結論を得なかつたのであります。私どもの方は、大体九十億ぐらいございますがこの九十億くらいのものを増税であるから引かなければならないということでありますが、大蔵省側意見は、地方制度調査会においてもそうでありましたが、これは増税ではない、オプシヨンであるから選択ができるのである、従つて当然それは見るべきである、こういう議論であつたのでありまして、遂に結論を得なかつたのであります。  もう一つの点は、御承知通り昭和二十六年から問題になつております一般職員及び教職員給与費差額の三百何円という問題、これにつきましていろいろ議論をしておつたのであります。その額は計算の仕方でいろいろ出て来るのでありますが、三百億といい五百億といい千億といい、いろいろの計数がごずいます。しかし、二十六年以後一応調査をいたしまして、ある程度是正をいたしておりますが、最近の実情を申し上げますと、教員につきましては財政計画上見ております単価義務教育半額国庫負担法の対象になつております単価とは大体合致しております。小学校教員についてはほとんど一致しておりますが、中学校については多少差がございます、それから一般職員については、これははつきりしたことはわからぬのでありますが、かりに昭和二十六年十月の単価を引延ばして参りましても、その差額が六十億くらいはある、六十億というものがどのくらい縮まつておるかということが現在わかりません。私どもにも資料がございませんし、大蔵省側にも資料がないのであります。この点は水かけ論になつておるのでありまして、これもなかなか結論が出なかつたわけであります。私どもといたしましては、結論の出ない部分は後日研究をいたしまして、是正をお願いするということにいたしまして、はつきりしたものだけをとつてもらいたい、かような方式でもつて既定規模是正をはかつたわけであります。このうち給与関係の費用は、私どもが申しておりましたものは全部大体入つております。  それから、単独事業費及び経常物件費は、要求したものの約半額になつております。たとえば単独事業でありますが、半分入つておる、と申しますのは、この計算方法は二十七年度の決算基礎にいたしまして、その決算額の中から一応単独事業だけを切り抜きまして、その切り抜いだものをその後の公共事業の延びで延ばして参ります。現在入つているものを引いた差額の約半分であります半分を落しましたのは、単独事業でありますから、単独にやつたものも相当あります。継ぎ足したもの全部が財源計算をしなければならぬものではなくて、いくらかは任意にやつたものもあるわけでございます。しかし、一応計算は全部とりまして、半分のものは財源措置をするが、半分のものはほんとうの純粋の単独事業、かように考えたのであります。その辺は論議があるところだと思いますが、大体半分の額が是正されたわけであります。それから物件費につきましても、方式そのものには問題があるかもしりませんが、これは二十五年と二十八年の、国の物件費のうち、外務省関係とか、保安庁関係とかいうものを除きました一般行政費関係の中に含まれておる経営物件費伸びと、それから地方団体財政計画の中に入つておりますところの物件費伸び、それを比較いたしまして、それぞれを率で出しまして、その率を職員が変動がなかつたものとしての計算において約半分を見た、こういうかつこうになつおります。それを三分の一見た方がいいか、半分見た方がいいか、四分の三見た方がいいかということは、議論のあるところであります。しかしこれも内容的にこまかく洗つてみますと、いろいろ問題がありますので、最小限度半分の是正をする、かような結果に相なつたわけであります。
  14. 西村力弥

    西村(力)委員 単独事業費繰出し分を、半分に見るということについての、その機械的な割り方について、どうしてもわれわれ納得できないのでございますが、その単独事業費の中の土木関係については、先日わが党の阿部委員からいろいろ質問がございましたが、この二十七年度の学校建築関係資料見ますと、これは文部省調査にかかるものでごずいますが、二十七年度において建築費の総計が三百三十五億五千万円ほどでございまして、その中で国庫負担が五十八億、それから市町村負担が百九十三億、借入れが五十八億、億寄付金が九億、大体こういう数字が現われておる。こういう数字から見まして、この単独事業費是正があまりにも不足しておるではないか、十分に見られていないのではないか、かように思うわけです。四十五億の是正ということになつておりますが、もつともつとやるべきが当然であつて、これは地方において独自にやつたといいますけれども、それは地方としては好んで趣味にやつているんじやなくて、やらなければならぬことをやつている継ぎ足しである。これでは不足であつて、もつと大きく見るべきじやないか。自治庁としては半分でやつたこう言いますが、それに対して自信がない。地方財政を十分に保障するという立場からいえば、あなたの方ではもつとよけいに見て、百パーセントなら百パーセント見た方がいいという考えな当初から持つておられないかどうか、そういう点についてお聞かせを願いたいわけです。
  15. 後藤博

    後藤政府委員 お答えいたします。先ほどちよつと申し上げましたが、継ぎ足し単独事業費と申しますものは、ほんとうに足りない分を継ぎ足したのであるか、そうでなしに、任意な意思でもつて継ぎ足したものであるか、不明確な点がございます。およそ学校建築をいたします場合に、どうしても足りない部分と、それからついでにもう少し増築しようという継ぎ足しの仕方もあるのであります。そういうものがどの程度つているかほんとう単独事業というものはどの程度つているかということは、ちよつと私どもに見当がつかないのであります。やむを得ず、二十七年度の決算の中を洗つた上で、市町村及び府県分継ぎ足し単独事業分をとらえまして、それを基礎にいたしまして先ほど申しました結果を出したわけであります。これはもう少し精査いたしますれば、内容的にもはつきりいたすのでありますが、何分にも多くの市町村のことでありますのでその間の事情がわかりませんので、一応半分だけで現在は満足しているわけでありまか。しかしこの問題はこれで終つたと私ども思つておりませんので、なお引続いて適当な材料をもちまして考えてみたいと思つております。
  16. 西村力弥

    西村(力)委員 絶対的に必要なものでないにしても、この際やつておこうというようなぐあいに地方自治団体がやつておるというお話でございますが、おそらくそういうことはないんじやないかと私は思うのです。これはやむを得ずして必要あつて、そういう継ぎ足しをやつているのであつて財政計画そのものを立てる場合には、やはり百パーセント見てやるということが、自治庁のそもそもの基本方針でなければならぬじやないか、かように私は考えるのです。それを腰だめ的な半分で打切るということ——是正に努力してくれたこと、ある程度の成果を収めたそのことに対しては、私も喜んでいるものでございますけれども、そういうものも絶対的に必要なものとして自治団体にやるべきである、百パーセント見るべきであるという基本方針を、自治庁としては堅持してくれた方がやはり正しいのではないかと私は思う。この点が、地方団体職員給与とともに、地方財政に対する圧迫というか、影響が非常に大きいのでございますから、こういう点は十分に見てやるという方針を堅持してもらいたい、さように思うわけなんです。  その次に、二番目の経営物件費是正でございますが、これは二十五年度の物価指数を基準として是正をおやりになつておりますが、この是正は、二十五年度を一〇〇とすれば、パーセンテージはどの程度に行つていますか。
  17. 後藤博

    後藤政府委員 私申し間違えたかもしれませんが、二十五年の物価指数ではなくて、二十五年の既定親機基礎にいたしまして、国と地方との二十六年、二十七年、二十八年と伸び方を比較したわけであります。国の方で申しますと、二十五年から八年までの間に、増加率は一・三になつております。地方団体は一・一であります。ところが職員の構成が国も地方も二十五年からかわつております。それを考えなければなりませんので、職員の数を見ますと、二十五年と二十八年では、職員の数は、国におきましては九六%に落ちております。地方団体の方は職員数は一〇三%に上つておるのであります。かりにこの職員数が同じであるという仮定に立つて計算をいたしますと、平均いたしますと、その伸びの率は一・二くらいになる、つまり二割二分くらいの増加率物件費で示さなければならない、こういうことになるわけでありはす。計算的にはそうなるのでありますが、国の物件費の中には、地方団体と異なつ物件費もございます。かりに外交関係とか、防衛関係のようなものは除いておりますけれども、二二%の伸びの率の半分の率で伸びたもの、こういうふうにいたしまして、この物件費の五十三億を出したわけであります。
  18. 西村力弥

    西村(力)委員 そうしますと、卸売物価指数とか、そういうものの上昇とは全然関係なく、国の伸びと対比して、そのまま国の伸びまでの程度是正した、こういうことになるわけでございますね。  その次に、教員とかあるいは地方一般職員給与関係是正の問題でありますが、これは不幸にして大蔵省と話合いがつかずに、問題を残したままになつておるということでありますが、この本年度の財政計画をいろいろ見てみますと、第十八国会に出した財政計画における単価と相当違う点がある。都道府県一般職員ですと、給与単価が一万四千七百二十五円と先に出ておつたのが、一万四千三百五十七円で、大体三百何円安く見積られておる。それから市町村一般職員ですと、一万四千九百五十九円となつてつたのが、一万四千三百七十四円になつている。これは五百何円低めに児積られておる。それから警察消防関係職員は一万四千八百六十四円というぐあいになつてつたのが、一万四千二百八十三円というぐあいに算定されておる。この間わずか五箇月ぐらいになりますが、そのぐらい前にはじいた計数と、今度実際の予算を組む合にはじいた計数とがまるで違つて、今度は低く見積られておる。ちようどこのことは、小笠原大蔵大臣がこの前、来年度予算は一兆二百億程度になるだろう、こう言つておいて、いざふたをあけてみると、突然として一億以内に押えて来たというようなやり口と、非常に似ているように私は思うのです。これはどういう計算から、こういうぐあになつて来ておるのか。それともまた地方財政計画を縮小するといというか、そういうぐあに押えるために、無理にこういう低い計数にはじきだして来ておるのか。そういう意図はないとお述べになるでございましようが、しからばその前の計画と今度の計算が、何がゆえにそういうふうに違つてきたのか、そういう点について御答弁願いたい。
  19. 後藤博

    後藤政府委員 私前の資料を持つておらぬのでありますが、私はさように考えないで、むしろ一月以降のベース・アツプ分を平年度化いたしたいのでありますから、ベース・アツプを含んでおりますので、その上に昨年よりも昇級率を二%見ておりますから、基本級はむしろ上つておると考えております。
  20. 西村力弥

    西村(力)委員 もちろんこの前の十八国会で提出されたのも、ベース・アツプを見込んでのものだろうと思うのですが、事実この通り、私の調査では下つてはじかれておる。こういう算定にどういう確信を持つておられるかどうか。こういう無理をされるから、各地方団体がそこで大きな財源不足を生じて、につちもさつちも行かないといつも言われる。私はそういうぐはいに言わざるを得ないのです。その点については少し御研究願つて答弁を願いたいと思う。また教職員関係にしましても、今回の予算きめ方を見ますと、やつぱり大蔵省自治庁文部省単価のはじき方が全然違つておる。小学校教員ですと、一万七千二百六十円と大蔵省は言う。文部省は一万六千八百二十八円、自治庁が一万六千九百十六円、それぞれこれは違つておる。その点先ほどの答弁によつて文部省のはじいたのと自治庁のはじいたのが、今ほとんど差がなくなつて来たというようなことで、大体一致しておるのでございますが、中学校に行くと、大蔵省は一万七千四百八十二円とはじいておるのに、文部省が一万八千百三十六円、自治庁が一万七千四百五十六円、こういうぐはいにはじいておる。そうすると中学校の場合には、自治庁文部省の間には相当の開きが出て来ておる。それから事務職員の場合は、大蔵省が一万五千四百八十二円、文部省が一万五千三百四十二円、自治庁が一万四千三百五十七円というぐあいに、やつぱり自治庁が一番低く見積つておる。個々の点なんかについても、こういうぐあいにばらばらに出るのですが、ばらばらに出たのに対して、今まで長い間お互いに検討し合つて、高い低いというような問題でやつて来て、この破究も進められてできておると思うのですが、それでもなをかつこういうぐあいに出ておる。しかも自治庁は、職員あるいは教職員給与をすべて低目にはじかれておる。この自治庁の確信のほどというか、そういう点について、このようなはじき方が地方財政を圧迫するようにならないか。これが正確そのものであるというぐはいに、確信を持つておられるかどうか、御答弁を願いたい。
  21. 後藤博

    後藤政府委員 教職員単価の問題でありますが、実は私どもの方は二十八年度は基本給をはじきます場合に、理論定員を基礎にしたはじき方をしておつたのであります。その後いろいろ理論定員につきまして問題がございます。二十九年度の財政計画の中では、実員を基礎にした基本給のはじき方に直したわけであります。この理論定員を基礎にするか、実員を基礎にするかによつて、基本給の単価が多少異なつて参ります。大蔵省本省はそういうことになつておるのじやないかと思いますが、ことしは昨年の方式とかえまして、二十八年五月一日現在の教員数を基礎にいたしまして、その実額をとらえて、そうしてこれは文部省数字基礎にしておりますが、推定学級数による増員の数を加えまして、それにさらに一%の欠員があるものという計算をもつて、人数、実員を出しております。そういう計算の出し方でありますので、それを逆に見ますと、理論定員の数はもちろん出て参りますけれども、実人員を基礎にした財政計画に乗じております。これは半額国庫負担の実額支給制度の建前からいたしまして、私はその方がいいのではないか、かように考えて、この計算でやつておるのであります。従つて従来のやり方を多少かえておりますので、その点少御議論もあるかと思いますけれども、私どもは大体これでやつて行ける、大体三万人程度の増員を抑制するということになりましたので、われわれの財政計画の範囲内で十分、やれると、われわれは現在考えております。
  22. 門司亮

    門司委員 私一点だけちよつと聞いておきますが、これは自治庁の次長がおいでになりませんから、後藤さんから伺うのはどうかと思いますが、この前の委員会で、私は財政計画を立てる場合に、人件費、それから物件費等についてはどういう考え方かと言つて聞いたときに、大体人員というようなものは減らすようなことは考えておらないという自治庁次長の答弁があつたわけであります。これは今の答弁を聞いてみますと、あなたがちそうではないらしい。ある程度人員が減ることを考えられて、一応財政規模が立てられていやしないかという感じがわれわれはするのでございます。  それから定員についての問題でありますが、これはいろいろ説明がされて、さらに鈴木次長さんもこの間の委員会では、人間については減らさないつもりで組んでおるということでありましたが、ここに出ております自治庁次長の通牒、これは昭和二十八年十二月二十一日に自乙発第九三七号で、自治庁次長と書いてある通牒であります。その内容を読んでみますと、「給与費は、改訂後の給与水準において見込むこととし、給与単価の一層の適正化を図るとともに行政機構の縮少と欠員の淘汰を断行し給与費の増嵩を極力抑制すること。なお、従来往々とられていた定員減少を臨時職員に振替るが如き措置を一擲すると共に現存する臨時職員の徹底的な縮減を図ること。」こう書いてあります。これは自治庁の去年の予算編成のときの指令だつた。そういたしますと、人件費、さらに人員もそれに伴つてほとんど数を減らすようなことは考えていないというような答弁であり、今の御答弁もそういうふうに聞えるのでありますが、実際はそうじやないのじやないか。この財政計画を立てられる場合には、こういうものが基準となつて地方に指令されている以上は、やはり地方もこれを基準にして出さなければならない。そこで実際のことを私ははつきり言つておいてもらいたいのだが、ことしは人件費その他について一体どれくらい節約を見込んで財政計画を立てたかはつきり言つておいてもらいたい。こういう指令を出しておるのだから私は間違いないと思う。
  23. 後藤博

    後藤政府委員 お答えいたします。人件費につきましては、一般職員につきましては一応整理そのものは考えておりますが、財政的には整理で落しておりません。ですから考え方といたしましては、整理によつて浮くところの金と、退職金とが同額であるという考え方をとつておりますので、これは国も同じであります。従つて一般職員については、財政計画上は整理しないというかつこうになつております。整理した場合には、整理によつて浮く金と退職金とが大体とんとんである。しかも待令制度というのを行いますと、地方職員は非常に長いので、ほとんど本年内でなしに翌年まわしになる人が多いのであります。そういう関係がありますので、財政計画上は落さないことになつております。しかし整理そのものは国の方針にのつとつてやるということになつております。それから教員の方は整理ではなくて、増員の抑制というかつこうをとつております。先ほど申しましたように、二十八年五月一日の実教員数に、推定学級数を基礎にしたところの増員分を加えて、それに一%の欠員率を見込んで、財政計画上の定員を出しております。そうなりますと、理論定員ではじきました場合と比較して、三万人少くなるということになるわけであります。従つて実員を基礎にして計算しておりますので、整理の数字は載つておりません。ただ警察につきましては職員の整理をいたすことになつておりまして、これは整理によるところの減を立てております。これも待命の問題がございますので、おそらく年度のあとの方になる人が非常に多くはないかと思いますが、一応国警から得ました数字基礎にいたしまして、整理によるところの減を立てております。これだけは立てておりますが、ほかの場合は整理によるところの減は立てておりません。
  24. 中井一夫

    中井委員長 本会議が始まりましたから、本日はこの程度で散会いたします。     午後二時五十四分散会