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1954-02-17 第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月十七日(水曜日)     午前十一時十八分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 佐藤 親弘君 理事 灘尾 弘吉君    理事 床次 徳二君 理事 西村 力弥君    理事 門司  亮君       尾関 義一君    加藤 精三君       木村 武雄君    山本 友一君       吉田 重延君    鈴木 幹雄君       橋本 清吉君    藤田 義光君       阿部 五郎君    石村 英雄君       北山 愛郎君    伊瀬幸太郎君       大石ヨシエ君    大矢 省三君       中井徳次郎君    松永  東君  出席政府委員         自治庁次長   鈴木 俊一君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      後藤  博君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   鳩山威一郎君         大蔵事務官         (理財局資金課         長)      稲田 耕作君         郵政事務官         (簡易保険局運         用課長)    稲増 久義君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 二月十六日  警察法案内閣提出第三一号)  警察法の施行に伴う関係法令整理に関する法  律案内閣提出第三二号) 同月十五日  営業用トラックに対する自動車税軽減に関する  請願佐竹新市紹介)(第一五九六号)  同(岡村利右衞門紹介)(第一五九七号)  同(青柳一郎紹介)(第一五九八号)  同(春日一幸紹介)(第一七〇六号)  同(河野一郎紹介)(第一七〇七号)  同(安藤覺紹介)(第一七〇八号)  同(山本正一紹介)(第一七〇九号)  同(中曽根康弘紹介)(第一七一〇号)  同外一件(岡本忠雄紹介)(第一七一一号)  同(船越弘紹介)(第一七一二号)  同(志村茂治紹介)(第一七三号)  同(三浦寅之助紹介)(第一七一四号)  同(福井勇紹介)(第一七一五号)  同(河野密君外一名紹介)(第一七一六号)  同(高木松吉紹介)(第一七一七号)  同(岸田正記紹介)(第一七一八号)  貨物自動車運送事業に対する事業税外形標準  課税廃止に関する請願岡村利右衞門紹介)  (第一五九九号)  同(青柳一郎紹介)(第一六〇〇号)  同(山崎猛紹介)(第一七二〇号)  同(福井勇紹介)(第一七二一号)  同(春日一幸紹介)(第一七二二号)  同(坊秀男紹介)(第一七二三号)  同(高木松吉紹介)(第一七二四号)  償却資産税創設反対に関する請願粟山博君紹  介)(第一六一一号)  同(山下春江紹介)(第一六一二号)  遊興飲食税国税移管反対に関する請願外一件  (辻文雄紹介)(第一七〇三号)  営業用トラックに対する自動車税等軽減に関す  る請願北れい吉紹介)(第一七一九号)  乗合自動車税軽減に関する請願伊瀬幸太郎君  紹介)(第一七二五号)  同(大石ヨシエ紹介)(第一七二六号)  同(木下郁紹介)(第一七二七号)  乗合自動車事業税外形標準課税廃止に関する  請願伊瀬幸太郎紹介)(第一七二八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方債に関する件     —————————————
  2. 中井一夫

    中井委員長 それではこれより開会をいたします。  前会に引続いて昭和二十九年度地方財政計画に関する質疑を続行いたすことになつておるのでありますが、特に本日は地方起債の問題について、質疑を集中してお進めいただくことになりました。  なお、本日皆さんの御要求によつて出席をいたしておりまする政府当局は、主計官鳩山威一郎君、理財局資金課長稲田耕作君、郵政省簡易保険局運用課長稲増久義君らでありますから、どうぞそういうおつもりで質疑の御進行を願います。
  3. 加藤精三

    加藤(精)委員 委員長お尋ねしますが、起債関係以外は質問していかぬという御決定でございますか。
  4. 中井一夫

    中井委員長 そんなことはありません。ただしかし理事会申合せによりまして、起債の問題をまず取上げて、これに質問を集中したい、ちようど説明員もそれに関連する人が全部来てくれているのでありますから、そうした方が経済的に議事が進める、こういう趣旨であります。
  5. 加藤精三

    加藤(精)委員 そんなら遠慮いたします。
  6. 中井一夫

    中井委員長 ただいま起債の問題について御質疑のある方は、どうぞお始め願います。
  7. 門司亮

    門司委員 起債の問題で、ちよつと先に聞いておきたいと思いますことは、例の学校起債の問題です。あれは十五億を大体予定しておつて文部省は十五億だといい、自治庁大蔵省は十二億だ、こういつておる、三億の開きがあるのですが、この問題についてはこの前の委員会で、何かほかの方法でというお話もあつたように、大体承つておるのであります。地方に出て参りますと、学校起債については相当真剣に取上げられておるようであります。同時にまた起債が十五億認められたということで、老朽校舎等改築が、現実に行われつつある状況である。ところがそれについての実際上の起債は、まだはつきりしていないように私どもつておるのであります。従つて三億の開きがあるが、この三億の開きは、完全に自治庁としては何かほかの方法で埋め合せがつくという自信があるかどうかということ。私がこのことを聞きますのは——学校名前を言うと、さしさわりがあると思いますので学校名前は申し上げませんが、老朽校舎改築を行つておるので文部省起債の申請をしておるが、しかしなかなかこれがはかばかしく行つておらない。従つて起債状態がどうなつておるかということを、ある場所で質問を受けたことがあるのであります。これらにやはり多少の関連性がありはしないかというように私には考えられる。従つて十五億の起債が完全に学校改築その他に使用されるように、自治庁は今でもそういう措置をおとりになる考えであるのか、また現実にそういう措置をとつておられるのか、この点をひとつ聞いておきたいと思います。
  8. 後藤博

    後藤政府委員 中学校起債の十五億の問題でありますが、現在、一月の中旬だと思いますが、十二億を配分いたしました。三億分残しております。これは十二億を機械的に文部省標準によつて配分いたしましたので、いろいろ問題がございますし、三億の分は公募債でありますので、起債つけ方状況を見ました上で、年度末までに三億をさらに出したい、かように考えておる次第であります。
  9. 門司亮

    門司委員 そうしますと、十二億は大体文部省からのさしずではないだろうが、お話のあつた通りに出された、残りの三億だけがそれとのにらみ合せで、こういうことに解釈ができると思いますが、その三億の使途についてであります。さつきお聞きしましたように、地方ではやはり文部省に請求した額が、現実査定で多小削られておる。しかし事実上校舎をこわしてしまつて建て直すというような場合には、どうしてももう少し起債がほしいというのがあるわけです。それらに対する考え方は、今のお話では査定をしてからというお話でありますが、それはそうするとやはり一応文部省査定が先になるのか、そしてそれから自治庁でお考えになるのか、あるいは自治庁だけでお考えになるのか、どつちが先にお考えになつて処理されるつもりであるか、聞いておきたいと思います。
  10. 後藤博

    後藤政府委員 現在配分いたしました十二億につきましては、文部省数字を使つて配分したわけであります。ところがその配分の結果を見ますると、県によつて非常にこまかく割つたところがございますし、そうでなしに大きくつけておるところもあります。いろいろつけ方がまちまちのようであります。あとの三億は、先ほど申しましたように公募債でありますので、起債能力とか起債借入先の問題がございますから、私どもとしてはできるだけ大都市とか中都市起債能力のあるところ、そういうところにつけたらどうかというふうに考えておりますが、まだはつきり決定しておりません。それからさらに二十九年度財政計画の中にも、三十億の中学校起債を持つておりますが、そのうちでやはり二十八年度分の足りなかつた分を補填する意味のものも入れておるつもりであります。こまかい各町村までは今までの十五億では無理ではないかと思います。それでさしあたつて増加の非常に大きいところだけを標準にして、二十八年度分は出して行きたい、かように考えております。あとの三億分は、先ほど申しましたように、つけ方がまちまちでありまして、さらに要求をして来ておるところが相当ございます。それを査定をした上で、さらに配分いたしたい、かように考えておる次第であります。
  11. 門司亮

    門司委員 それではもう一つ聞いておきたいと思いますことは、今の御説明で大体わかりましたが、実際困つておるところは大きい都市ではなく、小さいところです。実際県の配分がどうなつておるかわからぬが、もしそういう公募債能力のあるところの大都市に限られるということになると、現に困つておる小さいところはなお困ると思う。従つてお聞きをしておきたいと思いますことは、二十九年度わくの中からでも、年度を越えると思いますが、これらの小さい団体に対しては大体起債を認められるかどうかということを、あわせてひとつ聞いておきたい。
  12. 後藤博

    後藤政府委員 小さい町村に対するつけ方の問題でありますが、これは先ほどちよつと申しましたが、具体的な例を申しますと、ある県におきましては一つの村に三十万円程度つけておるところがある。三十万円ではとても一教室できません。そういうつけ方をしないで、一教室が完全にできるようなつけ方をしたらどうか、こういうことを私ども申しておるのでありますが、いろいろな状況でそういう割方をしておるところがあるのであります。そういうことでありますと、起債意味がなくなつて死んでしまうような結果になるのであります。二十九年度の追加したものを合せてやるということで、急いで起債をつけた意味がなくなることになるのであります。そういうことでいろいろ問題が起つておるのであります。重点的に起債をつけたところは、そう問題が起つておらないのではないか、全然つけないところが、つけておれば一教室できる、こういうところは割合にいいじやないかと思つております。先ほど申しました三億の残つておる分につきましては、公募債でありますので、できるだけ大都市起債能力のあるところにつけて行きたい、私はかように考えておる次第であります。小町村につきましては、政府資金でありますところのものを二十九年度分で考えて行きたい、かように考えております。
  13. 藤田義光

    藤田委員 先般の委員会におきまして後藤財政部長から御説明がありましたから、それに関連して先般配付になりました印刷物の四ページにあります地方債計画について、まずお伺いをしたいと思いますが、この中の普通会計、その中の政府資金その他の割振り、大蔵省資金をどのくらい出しまして、郵政省関係幾らにするかというようなことを、まずお伺いしておきたいと思います。それからできましたら普通会計公企業会計事業別の大体割当予定をひとつこの機会にお示し願いたい。
  14. 後藤博

    後藤政府委員 第一点の資金割当でありますが、政府資金のうち簡保関係幾らにするか、預金部関係幾らにするかということは、総わくだけを現在決定しておりまして、内容はまだ決定しておりません。これはいずれ大蔵省郵政省との間で、一応お話があることと考えておりますが、私どもの希望といたしましては、できるだけ市町村の方は簡保の方に移してもらいたい、かように考えておるのであります。  それから事業別の割振りでありますが、一般会計分一般補助事業分が四百二十五億であります。それから補助災害復旧事業分が百一億であります。それから単独災害復旧事業分を九十億、それから義務教育施設関係が百二十四億、それから一般単独事業は百十億、合せて一般会計分が八百五十億、そのほかに交付公債がございます。  それから特別会計分は、電気事業関係百億、上水道事業関係百億、病院が十五億、交通事業二十億、その他五億であります。特別会計分で、この公企業会計分が二百四十億であります。一般会計と合せまして千九十億になります。
  15. 藤田義光

    藤田委員 この事業ごとわくに関しましては、われわれとしていろいろ批判したいことがございますが、その前にこの地方財政間の調整と申しますか、富裕府県と、しからざる府県との財政調整の問題その他に関連して、二十九年度地方債計画で何らかのくふうをなされたかどうかをお聞きしたいと思います。それは今回提出予定されております入場税によりまして、百七十三億地方に還付されますが、残る十九億が国に返つて参ります。しかし百七十三億の交付にあたりましても、地方財政でこぼこ調整という大きな理由のために、国税移管ということを政府では計画されているようでありますが、それに伴いまして、当然地方債計画におきましても、富裕府県に対する義務教育費補助の問題とにらみ合せまして一般補助金あるいは起債の問題で、調整のくふうを凝らす必要があるのではないかというようにわれわれは考えております。入場税におきましては、地方財政調整ということがある程度効果は上りましようが、理想的な効果は期待できません。従いまして、地方債配分、あるいは一般補助金配分にあたりまして、富裕府県等財政調整をやる必要があろうかと私は考えております。この点に関しまして、二十九年度地方債配分にあたりまして、何らかの新規くふうをなされますかどうですか、お伺いしたいと思います。
  16. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地方財政状況が、各団体によつて能力に非常に差異がある、その結果これに対して調整をするということは、御指摘ごとく避けがたいことでございますが、今回の提案をいたしております予算に即応いたしまして策定いたしました地方財政計画におきましては、先般御説明申し上げましたごとく、いわゆる超過財源と申しますものの増加は、約十五億でございます。この程度超過財源増加は、今回相当程度自主財源を増強いたしましたので、やむを得ない面があるのでございますが、御指摘のように譲与税創設あるいはタバコ消費税創設ということで、税自体作用といたしましても、相当程度調整ができますようにいたしておるわけでございまして、起債配分等にあたりまして、さらにその上に調整を強化するということについて、どう考えるかというお尋ねのようでありますが、従来ともある程度調整的な作用を考慮いたしまして、公共事業補助起債等につきましては考慮をいたしておるのであります。大体従来考えておりますような方法で、今回も起債配分をすることにいたしたいというふうに考えておる次第であります。
  17. 藤田義光

    藤田委員 先ほど財政部長からお示しの各事業別特別会計地方債配分予定、いろいろ数字をあげられまして、専門的なことはわかりませんが、私たちは昨年の災害の例を見ましても、たとえば熊本県の例をとりますと、三百七箇町村のうち実に三百箇村が水道災害復旧、あるいは新規水道を設置したいという要求をして参つております。全国約一万の町村が、ほとんどこの簡易水道の設置に非常な関心を示しております。これは衛生上あるいは消防士あるいは灌漑上いろいろな理由から、ほとんど全町村がこの問題に重大な関心を持つておりまして、いかにこれを処則するかということは、われわれ国会におきましても非常な注目を受けておるところでありますが、先ほどの数字によりますと、大体昨年度同額というふうに聞いております。私は、少くとも年度間を通じて物価が二十八年度より五%ないし一〇%下る、従つて一割くらいの額をふやした結果になるというりくつならば、ともかくといたしまして、二十九年度予算が二十八年度の単価で編成されておる以上は、大体同じわくしか考えられておらぬ。これは特に来年四月の地方自治体の市長、議員の改選期を控えまして、純理論だけでなくして、政治的にもこの水道わくということについては相当真剣に、特に全国一万の自治体相談相手である自治庁においては真剣に考えていただきたい。もしこの数字が内定でございましたら、いま一回ひとつ大蔵省当局と御相談願いまして、この数字は動かした方が自治庁の将来の行政執行面からもいいのではないか、かように私は考えております。何かお考えがありましたら、この際財政部長よりお聞きしておきたいと思います。
  18. 後藤博

    後藤政府委員 公企業分水道には簡易水道は含まつておりません。簡易水道一般補助事業の方に入つております。来年は四百七十七箇所の新設をして、四億円の補助をすることになつております。
  19. 藤田義光

    藤田委員 今、上水道の問題について申し上げましたが、上水道にも同様なことが言えると思います。それから簡易水道に関しましては、現に予算の修正を予定されておりまして、政府原案の四億が倍の八億になるということになりますと、当然それと同額起債というものが想定されなくてはならないわけでございますが、そういう場合におきましては、どのわくからそれだけ分の——つまり補助金が四億から八億にふえるような予算の組みかえが予定されておる。これはまだ仮定の事実でありますが、当然実現性があると私は確信しておりますので、そういう場合の起債わくを、どこから持つて来るかという点を、この機会にお聞きしておきたい。
  20. 後藤博

    後藤政府委員 もしも簡易水道関係補助が四億から八億になりますと、一般補助事業の方で起債をつけるということになります。従つて財政計画をかえなければなりませんし、起債計画も当然かえて参らなければならぬと考えております。
  21. 藤田義光

    藤田委員 そうしますと、老朽校舎補助金十億ふえるということも確実視されておりますが、そうなれば同様な処理をされる予定でありましようか。
  22. 後藤博

    後藤政府委員 その通り考えております。
  23. 藤田義光

    藤田委員 次にお伺いいたしたいのは、例年の実績が示しますように、大体当年度地方債わくでは不足いたしまして、年度末には次年度わくを一部繰上げ流用ということが当然考えられるのでありますが、二十八年度末には大体どのくらい二十九年度分の繰上げ流用というようなことを考えておられますか、お伺いしたい。
  24. 後藤博

    後藤政府委員 現在の段階では、まだ次年度の繰上げを考えておりません。
  25. 藤田義光

    藤田委員 そうしますとお伺いしたいのは、先般後藤部長からも御説明がありましたように、昨年度の近来まれな大水害のつなぎ資金が、大蔵省から出ております。また簡保の方からも、大分郵便局が積極的に、熊本県あたりに対しましては貸し出しておりまして、年度末にこれが整理をすることは当然でありますが、現実事態といたしまして、たとえば耕地災害等には一二%程度補助金しか出ていないために、五月の植付を前につなぎ資金返還ということが、ほとんど絶望の状態であります。従いましていわゆる三党協定の百五十七億というような問題も出て来るわけでございますが、この際稲田資金課長に、つなぎ資金はあくまで法令の定むるところにより、年度末には全部取上げられる予定でありますか、どうですか、何かこれを長期債に振りかえるとか、あるいは百五十七億の問題と関連して処理するとかいうような研究をされておりますかどうですか、お伺いしたい。
  26. 稲田耕作

    稲田説明員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。災害つなぎ資金は、御承知のように百八億出たのでありますが、そのうち簡保資金が大体十一億程度でございます。ただいまのところ、私の方といたしましては、残高が九十五億くらいになつておりまして、若干の収縮を見せております。なかなか収縮のぐあいが悪うございまして、御指摘のような事情が多々あるかと思うのであります。大体におきましてつなぎ資金は、補助金見返りにして出しておる関係上、年度末までにはお返しを願わなければならないのであります。別につなぎ資金として地方債わくがあるわけでもございませんので、お返しを願わなければならないのであります。しかし一面非常にきゆうくつなことも、われわれ十分承知いたしております。一方におきまして長期地方債わくがまだ大分残つておりまして、ただいま自治庁と御相談いたしております分につきましては、一般補助事業補助災害等につきまして、不日百三十億程度のものが地方に出される予定であります。また災害地の指定が遅れている関係上、延び延びになつておりますいわゆる特例関係の五十億、これはまだ出ておりませんが、自治庁におきましては日夜非常な御努力で、ただいま御検討を進めておられまして、大体二月末までに出るということを承つております。それから単独災害関係が大体におきまして百二十億程度出て参るのではないかと思います。こういう長期債わくが、至急各方面と御相談いたしまして、出て参るようにいたしたいと思います。  それからいわゆる百五十七億の問題でございますが、実はこの件につきましては仕事の進捗状況というものが、一番大きな問題になると思いまして、地方財務局にほとんど一任いたしておるのであります。これも二月中には調査を完了いたしまして、たまたま長期債配分計画と時期を一にいたしますが、いろいろな点を考えまして、自治庁、建設省、農林省ともよく相談いたしまして、至急配分計画を立てたいと存じておりますので、長期債わくとそれから百五十七億というものを——百五十七億はとても無理だと思いますが、彼此勘案いたしまして、従いまして大分政府資金地方に配賦いたされますので、それと見返りに、ある程度の残はありましても、災害つなぎ資金はできるだけ多く回収をさせていたたきたいと思いますし、またできると思います。そうして非常にきゆうくつなところでお返しを願うところが出て参ると思いますが、この問題につきましては年度を越しまして、二十九年度年度初頭にいつも起ります財政調整資金によりまして非常にかさむようなところ、非常にきゆうくつなところは、それで融通をいたしたいと考えております。
  27. 藤田義光

    藤田委員 大体において稲田課長の御答弁了解いたしましたが、この出納閉鎖期年度がわりという微妙な問題がありまして、たとえば三月三十一日までどうしてもつなぎ資金も返さなければならぬ、しかし年度がかわるので財政調整資金その他を貸し出すという事態も起きると思います。その数日間の空白がどうもいかぬというような情勢も出て来るのではないかと思います。何かつなぎ資金をあくまで年度末に処理するということになりますと、非常な無理が生ずるのではないかと思いますが、その際においては、こういう珍しい災害でありますから、何か新しいくふうをいたしていただく、できれば長期債が一番よろしゆうございますが、同じつなぎ資金の形式でもけつこうであります。三月三十一日までは二十八年度つなぎ資金で、四月一日からさらにつなぎとして三箇月ごとのものでもけつこうでありますが、何かそういうくふうはできないものでありますか。この御答弁を願う前に、現在実は自治庁大蔵省資金運用部との関係が、私が議席を持ちまして以来かついてない円滑な協力と申しますか、非常に資金運用部自治庁とがうまく行つておるということは、こういう問題の処理自治体は非常に有利であります。有利でありますから、この機会に私はこのつなぎ資金の、今申しましたこれは非常にまれな例とは思いますが、三月三十一日一応返還ということができないところにおいては、何か四月一日までのくふうはないものであるかどうか。この点をひとつもう一度稲田課長にお伺いしておきたいと思います。
  28. 稲田耕作

    稲田説明員 ただいまお尋ねの点でございますが、法律的には、ただいまのお言葉を返すようでございますが、いたし方ないのであります。自治庁の方からもその点については前々から御相談がありまして、何か方法はないかということでただいま協議中でございますが、今のところまだ結論が出ておりません。
  29. 藤田義光

    藤田委員 この際郵政省の運用課長に簡単にお伺いしておきたいと思います。熊本——南九州の財務局の例を見ますと、郵便局の資金を公共団体に貸し付ける場合におきまして、県庁の地方課はもちろんでありますが、財務局の融資課長と一々相談されて、非常に円滑な運用をされております。従いましてこの町村財政の返還能力の調査ということは、ほとんど財務局と県庁にまかせておられます。私たちは分離運用の場合この点を非常に心配いたしまして、各省がまちまちの調査を重複してやるということになると、自治体が非常に圧迫される。従つて郵政省はさらに二重調査をやるかどうかということを確かめたのでありますが、熊本県の実情を見ますと、非常にその点がうまく行つているように私は感じております。この点運用課長全国的に大体熊本地区の方式を採用されておりますかどうですか、この機会にお伺いしておきたいと思います。
  30. 稲増久義

    ○稲増説明員 大体ただいまおつしやられましたように全国的にやつているというふうに、われわれの方からも、あるいは大蔵省からも、自治庁からも考えているような次第であります。
  31. 北山愛郎

    ○北山委員 ただいま藤田さんのお話では、自治庁大蔵省の今度の起債についての打合せが、非常に円滑に行つておるというようなお話がございまして、了解という声もあつたようでありますが、どうも私には了解がつかぬのであります。というのは、二十八年度起債配分というものが、年度末の二月になつてまだ未配分であるが、これはどういうわけであるか。部内の方の連絡は円滑かもしれないけれども年度末になつてやつと起債配分ができるというようなことでは、実際に事業をやる方の地方団体の側や、あるいは国民の方からすれば、これは了解がつかないのじやないかと思うのですが、どういうわけでそのように未配分になつておるか。それからただいまお話があつたような未配分の内容について、事業別にあるいは理由を付して資料を提出していただきたい。もう少しそれらの点についてお話を願いたいと思うのであります。  それからもう一つは、今度の地方財政計画を拝見しまして非常に遺憾に思いますのは、地方団体の賦政需要というものが、二十八年に比して相当大きくなつておるということは当然のことでありますが、それをまかなうのに、地方税の増徴であるとか、あるいは事業費の大幅な圧縮であるとか、そういうものでこれを間に合せて、平衡交付金と地方債を減らしておるということであります。地方債についても百三十九億でありますか、政府資金につきましては昨年よりも百八億か、あるいは公募資金についても資金減を見ておるわけでありますが、この原因は、地方団体の方でそれだけ所要額が減つたというのではなくて、むしろ政府の方で地方債の財源その他の都合上、こういうことになつたのではないかと思うのであります。従いまして大蔵省にお伺いしますが、本年の資金運用部資金計画、これについて大ざつぱな御説明を願いたいと思うのです。資金源と地方債、それ以外の配分との関連、あるいは資金計画についての考え方というような点について、御説明願いたいと思います。
  32. 後藤博

    後藤政府委員 北山さんの御質問に対して、私の関係した分だけを先にお答えいたします。  未配分起債が今ごろになつてまだあるのはおかしいじやないかという御質問であります。これは私どももさように存じて、非常に督励して急がせておりますが、今残つておりますものは単独災害復旧事業の起債であります。これは百四十億ばかり残つております。それから先ほどお話がありました特例債の切下げ分の十六億は残つております。これ以外は大体特例債の三十四億円のうち県分だけは一応配分したかつこうになつております。市町村分は現在配分しようと思つておりますが、実際残つておりますのが今申しました災害関係のものだけでありまして、これは災害府県の指定は終つておりますが、市町村の指定が終つておりませんので、私どもは非常に困つておるわけであります。現在の状態で参りますと、先日も申しましたように、三月の初めにならないと、災害の指定が完了しないということになりますので、私ども非常に困つて、それまでに何とか配分するようにいたしたい。特に特例債に非常に困るわけでありますが、特例債は一応単債のかつこうで配分しておいて、そうしてあとで振りかえて行くというようなかつこうをとれないものか、こういう研究をいたして、そういう方針で私ども進んでおるわけであります。主として災害関係は、災害の事業量の査定額の決定が遅れたために、特例法の指定地区がはつきりきまらないというところから、市町村関係の分が非常に遅れておるわけであります。  それからもう一つは、地方債が昨年よりも減少しておるのはどういうことかという御質問のようでありますが、地方債が二十九年度に減少いたしますのは、主として災害関係で非常に減少いたして参りました。一般補助事業関係では昨年よりもふえて参りますが、これは財政需要がふえて参ります関係ですが、災害関係で落ちて参りますので、その結果地方債は減少するのであります。別に作為があつたわけではございません。充当率等につきましても、昨年と同様の充当率を私ども見込んでおりますので、一般会計分については、計算の上ではそうきゆうくつにはならないというように考えております。しかし実際問題として私どもわかりませんのは、公共事業の縮減等によるもの、災害関係から単独事業に振りかわつて来るものがどの程度あるか、こういうことが予測がつきません。そういうものが多少しわ寄せの結果、単独事業の起債関係が非常に苦しくなつて行くということは考えられますが、しかし一応計算上はそういう計算はできないわけであります。一応単債は昨年通りにいたしております。     〔委員長退席、門司委員長代理着席〕
  33. 鳩山威一郎

    ○鳩山説明員 ただいまの御質問の中で、私の関係している分をお答え申し上げたいと思います。  財政計画あるいは一般会計の負担として平衡交付——来年は地方交付税というふうに改めたわけでございますが、これが減つておる、地方の財政需要が膨脹しておるにかかわらず、交付金が減るというのはおかしいじやないかという御質問の趣旨と存じますが、その点につきましては、なるべく今後自主財源を与える方が、地方財政の自律性の向上という点から非常に好ましいという観点から、特にタバコ消費税のような新しい税源を地方に付与するという方式で、主として平衡交付金の方の比重が減つたというふうに、私ども考えておるわけであります。財政の点もいろいろ国と同様に節約というようなことをいたしておりますが、これも国と同じ方針をとつてやるという趣旨でございまして、特に地方財政の面に需要面で圧縮を加えられておるというが、特に不均衡に圧縮されておるというふうには解釈いたしておらないのであります。
  34. 北山愛郎

    ○北山委員 資金計画の考え方はどうですか。
  35. 稲田耕作

    稲田説明員 資金計画を申し上げますが、御承知のように昭和二十九年度の財政投融資計画におきましては、二十八年度三千三百八十九億が二千八百五億になつたのでありますが、そのうちにおきまして地方起債がただいま後藤部長からお話のように千二百三十三億が千九十億になつております。これを政府資金と民間資金にわけますと、政府資金におきまして二十八年度は九百九十八億、二十九年度は八百九十億、これを資金運用部といたしましては昨年度八百八億でありますが、ことしは簡保の完全な独立運用がありますので四百三十億、それから簡保の方が昨年百九十億であります。ことしから全面的な運用になりまして四百六十億、それから公募債でありますが二百三十五億が二十八年でありますが、それが二十九年度におきまして二百億、合せまして千二百三十三億が千九十億となつたのであります。資金運用部といたしまして大体この昨年度と本年度との運用計画を比較いたしますと、原資の面におきまして二十九年度におきましては千三百二十四億であります。二十八年度が千三百二十六億であります。それを大別いたしますと、郵便貯金におきまして二十九年度は九百億を見込んでおります。二十八年度は八百六億であります。簡保資金はこのたび完全なる独立運用になりますので、私の方に預託金の伸びと積立金の差額の半分だけが残るという政令によりまして二十九年度は二十億であります。昨年度は二百十五億であります。厚生保険の問題でありますが、これは二十九年度三百億見込んでおりますが、二十八年度は百八十億であります。二十九年度は三百億の見込みでありますが、これは御承知のように社会保険審議会におきまして標準月額報酬を、ただいま最高八千円でございますが、それが一万八千円に改正される等を勘案いたしまして三百億を見込んでおるのであります。それからその他が百四億であります。二十八年度はこれが百二十五億、それからすでに運用いたしましたものの回収が二十九年度におきましては二百五十六億でありますが二十八年度は百十九億でございます。それから国債保有をいたしておりますが、その保有国債の売却を二十八年度におきましては御案内のように百八十一億売却いたしておるのであります。本年度はゼロであります。それで前年度よりの繰越し百二億、二十八年度から二十九年度の繰越しを百二億、これが二十八年度におきましては百九十九億、これを入れまして二十九年度においては運用に充て得る資金合計千六百八十二億、二十八年度におきましては千八百二十五億でございます。これは非常に減少のように見えますが、片方におきまして簡保関係におきまして昨年度の百九十億の運用が四百六十億にふえておりますので、実質的にはほとんどかわらないことになつております。  それから運用の方面でございますが……。
  36. 北山愛郎

    ○北山委員 今のお話なつ数字の比較はここにもございますから、数字をあげられることはいいのですが、ただ配分についての考え方、資金計画を立てられるときの考え方を地方債と関連して、御説明願いたいと思います。
  37. 稲田耕作

    稲田説明員 この財政投融資の問題でございますが、昨年度一般会計から四百七十一億財政投融資があつたのであります。また産業投資特別会計から六百十億あつたのでありますが、このたび今年は一般会計からの四百七十一が二百億になりますし、産業投資特別会計の六百十億が百七十五億というふうに圧縮されました関係上、資金運用部といたしましては一般会計及び産業投資特別会計が融資いたしておりました分につきましても、融資を伸ばして行かなければならないというような関係がありまして、大きくかわつたところを申し上げますと、開発銀行に対する投融資でありますが、これが統計において三百五十億でありますが、昨年度六百億、その昨年度六百億のときにおきましては産業投資特別会計が四百六十億出しておつたのでありますが、資金運用部が百四十億でありますが、このたび産特の会計がゆとりがなくなりました関係上、五十七億の出資にとどまつておりますので、資金運用部から残額の二百七十五億が融資されるということになつたのであります。率直に申し上げまして、資金運用部の性格からいたしまして、国民大衆の零細なる資金を預かつておるのでありますが、その結果地方還元ということが、われわれに課せられた大きな使命だと思うのでありますが、この開発銀行に対して二百七十五億という多額な金を融資するのでありますから、これはいわゆる直接的な地方還元ではないかもしれませんが、この資金は結局電力開発、計画造船、石炭、鉄鋼というような基幹産業の育成に向けられる資金でありますので、一種の地方還元ではないかというような考え方からいたしておるのでございます。そういつた意味におきまして、資金運用部だけの運用計画を見ますと、非常にでこぼこになつたようなかつこうでございますが、これも一般会計及び産特との関連においてそういう姿になつたのでありまして、われわれといたしましてはやむを得ないことと存じております。
  38. 加藤精三

    加藤(精)委員 最初に資金関係のことをお尋ねしたいのでありますが、公企業会計の二十九年度の計画が二百四十億、そしてこの起債計画によりますと、そのうち百七十五億が政府資金になつておるようでありますが、たびたび財政部長からお話を承りますと、これでは電力関係水道関係の継続起債の七割強ぐらいしか充足できないということでございますが、そういうことになりますと、場合によつては、水道の建設がだんだん進渉して、水が出るだろうと思つて当てにしておつたようなところに人口が増加するような場合は、都会で水が飲めないことができる、火事が消えないことができる、工場に工業用水がまわらないようなことができるというようなおそれがないかどうか。そういうようなことがありますことは、どうも国家としても、また地方としても非常に困ることなんでありますがゆえに、何とか政府におかれましては、先ほどいろいろな御説明がございまして、資金面も容易じやないことだろうとは思いますが、公企業会計起債わくを増額していただくことに、もう少し御努力を願えないかという点であります。それで、これにつきましてはなお起債わくの相互間におきましても、ある程度のやり繰りは必要であろうと思いますが、特にただいま承りますと、簡易保険の資金の運用を二十九年度よりは政令の定めるところによりまして、郵政省で統一して運用しようということになりまして、百九十億が百六十億になつたということでございますが、特に百九十億から四百六十億というような巨額な資金郵政省が運用するということになれば、前の三省協定やその他で、たしか費目別の配分については、ここにおられる大蔵省自治庁が御相談になつてきめる、それで何か義務教育施設と保険衛生施設だけに大体郵政省は限つておつたように、私たちは聞いておりますが郵政省の運用する資金が相当大きな額になつた際でもありますから、国民の最も要望しておるような、全国的に希望のあふれているこの水道事業等の起債に、まとめてこの簡易保険の資金を運用して、それにより、簡易保険をすれば資金が潤沢になつて、そうして生活改善の第一着手であるところの水道も敷設できるという気持を起させることは非常にいいことではないか。それがためには必要があれば、現在保険金額の限度が八万円になつておるものを二十万円にでも、二十五万円くらいにでもして——大蔵省はどうも保険会社に遠慮ばかりしておるような気持がうかがわれてしようがない。この前の国会においても、保険課長の御答弁がどうも徹底しないし、そういう民間保険会社等にあまり遠慮することなしに、大きな資金を集めることによりまして、地方住民の生活の向上という方面に乗り出すための資金源を、豊富にされることができないかどうか、こういうようなことを考えるものでございますが、これに対しての御意見を承つておきたいと思うのであります。  それから第二番目に、これは資金関係ではなくておしかりを受けるかもしれませんけれども、さきの質問者が資金関係以外のことも質問しておられましたから、お許しをいただきたいと思います。   [門司委員長代理退席、委員長着席〕 大体今度の地方財政計画の立て方そのものに、私たちはいろいろ疑問を持つておるものでございますが、時間の関係もございますので、本日はその論点の項目だけを申し上げたいのでありますが、第一に、大体財政規模の拡充についての御熱意が、どうも御当局に少いようであります。この点につきましては、自治庁財政部長さんにおかれましても、大蔵省資金課長さんにおかれましても、共同で地方財政の運用ができるような地方財政計画をつくることにもつと御熱心になつていただきたい。大体百三十億の節約に対して財政規模の拡充が百五十億でありますから、実質的にはたつた二十億しか規模が拡大されていないわけでありまして、かくのごときことは地方財政の赤字だけでも三百億を越す実情から見まして、とうていやつて行けるものではないのでございます。しかも今回の財政計画の算定にあたりましては、一兆円に国の財政が縛られましたそのしわ寄せとして道路を中途半端でほつておけないような場合においても、公共事業費の打切りによつて打切られる、水道を中途までつくつて公共事業費の打切りによつて打切られるというような事例も、必ずたくさん出て来ると思うのでありまして、かくのごと公共事業打切りによる単独事業への移行に対して、わずか三十四億の財源を見積つたにすぎない。かくのごときことは、府県当局としてはこんな財政措置を与えられても、とうていしのいで行けるものじやないということを考えるのであります。次に根本的な問題として、この調整作用が今度の財政計画及び税制整理によつて非常に弱くなつているんじやないかという疑いがあります。先ほど言及されまして、超過財源が大してふえてないというような意味に聞えたのでありますが、いずれにいたしましても、府県、市町村の各自治団体間における実質的な経済的な振興の状況、また国民所得の相違が非常に著しい現状にかんがみまして、財政調整はなおなお要するのではないか、そのときにあたりまして自主財源ということをいうて、タバコ消費税その他を創設されたということは、現在地方団体間の財政調整が従来より、より必要になつたのに対してかえつて逆行するじやないか、これをもし逆行だということをお認めになるとすれば、将来タバコ消費税その他の収入に対しても、なお調整作用にその一部を用いて、そうして譲与財源を少くし、調整作用に向ける金額を多くすることが妥当じやないか、こういう気がしますが、それに対しての御意見を伺いたいと思います。  なお門司委員からも言及されましたが、政府といたされましては、昭和三十年におきましても所得税、法人税及び酒税に対して、二十九年度と同じ定率を用いて交付税を算定なさるおつもりでありますか、すなわち定率を動かさないかどうか。この地方交付税という制度を始めた以上は、法人税、所得税、酒税に対する定率は、税制改正があれば別ですが、そうでない限りは数年関すえ置くということを、地方制度調査会では考えておつたようであります。また地方制度調査会では、各年度税収入に対する定率を一定にして、毎年度の過不足は借入金をもつて支弁したり、あるいは剰余金を積み立てておいたりするような御計画であつたようであります。そういう操作があつてこそ交付税ということは意味があるので、そうでなければ、門司委員が言及されたように、何ら意味のないことだと思うのでありますが、そういうことに対しての御説明を承りたい。  なお最後に、近く年度末が迫つて参りまして、今年度においても年度地方起債という問題がきつと起つて来ると思うのでございますが、そういうことをかれこれ考えまして、地方団体の赤字の再建整備法による処理ということを断念なすつたのかどうか、また地方団体金庫というようなものを創設することは非常に急務だと思いますので、これらの点に対しての政府御当局の御意向を承つておきたいと思います。  以上でございます。
  39. 西村力弥

    ○西村(力)委員 いつもこの委員会は一時半、二時までやつて非常に精励恪勤ではありますが、こういうくせは改めなければならぬのじやないかと思います。やはり定刻に始めておそくても一時ごろまでには終る、こういうぐあいにしてもらいたいと思うのです。そこで、ただいまの加藤君の質問に対する御答弁は、保留というか、この次の委員会ででもゆつくり時間をかけてやつていただくことにして、今日は理事会申合せ通り起債関係質問がありましたらやつて、打切つてもらいたいと思います。
  40. 中井徳次郎

    中井(徳)委員 いつもおそくなるというお話がありましたが、今日は大蔵省の方が見えておりますので一、二伺つておきたいと思います。  この前の国会のときに、私は災害に対するつなぎ融資の出し方が、はなはだ政治的であるということをお尋ねして、警告を発した記憶があるのでありますが、それをひとつ結論を出す意味お尋ねしたいと思います。それは現在全国の昨年の大災害に対する査定がほとんど終つたのであります。そこで、各府県に出されましたつなぎ融資の額と、それからその査定の終つた各府県別の額との比率をひとつお聞かせいただきたい。今わからぬというのであれば、あとで書類にしてでも出してください。  もう一つお尋ねしたいのは、藤田君の質問に関連するのでありますが、法律上は年度末までにつなぎ融資は返さなけりやならぬ、これはごもつともでありますが、昨年の災害は六月から九月にわたつております。藤田委員は九州の御出身で私は関西なんでありますが、九月あたりの災害でありますと、査定を終りましたのは昨年のほぼ終りということになります。従つて工事の指令が最近ようやく出た。しかしながら工事はほうつておくわけに行かぬから、応急の措置をどんどんやつておる。政府の方では、国の助成その他については、九月災害あと半年しかないのであるから二・五・三の比率で出しますと、大蔵大臣は議会で言いましたけれども現実には一割だとか、あるいはひどいのになりますと、五%にも満たないようなことしの査定をいたしておる。そういうことになりますと、つなぎ融資を返すだけの国庫の助成などは、二十八年度には出ないという市町村もたくさん出て来るのではないかと私は思う。しかしこれは必ず二十九年度には出るのだ、二十九年度の当初のつなぎでやるのだと言いましたが、これをもつとはつきりと下部機関に指令を出してもらいたい。これはぜひお願いをいたしたいと思うのであります。
  41. 木村武雄

    ○木村(武)委員 西村君から答弁延期の動議が出ているのです。加藤君の質問に対しても、答弁はこの次にゆつくりやる、同様中井君の質問に対しても、答弁はこの次ゆつくりやるように……。
  42. 中井一夫

    中井委員長 それではただいまの西村君、木村君の御動議について、さように決定して御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 中井一夫

    中井委員長 それではさようにいたしましよう。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時三十一分散会