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1954-02-12 第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年二月十二日(金曜日) 午前十一時十三分
開議
出席委員
委員長代理
理事
灘尾
弘吉君
理事
佐藤 親弘君
理事
西村 力弥君
相川
勝六
君
加藤
精三君
田嶋
好文
君
前尾繁三郎
君 吉田 重延君
鈴木
幹雄君 藤田 義光君 阿部
五郎
君 北山
愛郎
君 田中
稔男
君
大石ヨシエ
君 大矢 省三君
中井徳次郎
君
出席国務大臣
国 務 大 臣
塚田十一郎
君
出席政府委員
自治政務次官
青木 正君
自治庁次長
鈴木
俊一君
総理府事務官
(
自治庁行政部
長)
小林与三次
君
総理府事務官
(
自治庁税務部
長)
奥野
誠亮
君
委員外
の
出席者
専 門 員 有松 昇君 専 門 員 長橋 茂男君 ――
―――――――――――
二月九日
委員相川勝六
君
辞任
につき、その
補欠
として加
藤鐐五郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十日
委員加藤鐐五郎
君
辞任
につき、その
補欠
として
相川勝六
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十二日
委員石村英雄
君
辞任
につき、その
補欠
として田 中
稔男
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 二月三日
奄美大島復帰
後の
振興対策確立
に関する
請願
(
山中貞則
君
紹介
)(第五一六号)
償却資産税創設反対
に関する
請願
(
大野伴睦
君 外二名
紹介
)(第五一九号)
警察法
の一部
改正
に関する
請願
(
橋本龍伍
君紹 介)(第五四三号)
入場税
の
国税移管反対
に関する
請願
(
田嶋好文
君
紹介
)(第五四四号)
遊興飲食税
の
国税移管反対
に関する
請願
(前田 正男君
紹介
)(第五四五号)
狩猟者税軽減
に関する
請願
(
橋本龍伍
君
紹介
) (第五四六号)
日本国有鉄道等
に
固定資産税課税
の
請願
(
大野
伴睦
君
紹介
)(第五四七号)
地方事業税
に対する
特別措置
に関する
請願
(伊
藤好道
君
紹介
)(第五四八号)
古書籍業
に対する
事業税免除
に関する
請願
(西
村直己
君
紹介
)(第五四九号)
町村合併促進
に関する
請願
(
橋本龍伍
君
紹介
) (第五五〇号)
地方公共団体
の
財政再建整備法制定促進
に関す る
請願
(
山中貞則
君
紹介
)(第五五二号)
地方公共団体勤務
の
臨時職員
の
取扱
に関する請 願(
門司亮
君
紹介
)(第五五三号)
市営住宅建設事業費起債認可
の
請願
(
原茂
君紹 介)(第五七八号) 同月四日
貨物自動車運送事業
に対する
事業税
の
外形標準
課税廃止
に関する
請願
(
岡田五郎
君
紹介
)(第 六五七号)
営業用トラック
に対する
自動車税軽減
に関する
請願
(
岡田五郎
君
紹介
)(第六五八号)
かま製造業者
を
特別所得税
第二種
業務
に変更の
請願
(
岡田五郎
君
紹介
)(第六五九号)
警察制度改革
に関する
請願
(
野原覺
君
紹介
)( 第六八三号)
自動車税軽減
に関する
請願
(
瀬戸山三男
君紹 介)(第六八七号) 同月五日
自動車税軽減
に関する
請願外
五件(
高橋圓三郎
君
紹介
)(第七四八号)
貨物自動車運送事業
に対する
事業税
の
外形標準
課税廃止
に関する
請願
(
福田喜東
君
紹介
)(第 七七八号) 同(
櫻内義雄
君
紹介
)(第七七九号) 同(
徳安實藏
君
紹介
)(第八二七号) 同(
平野三郎
君
紹介
)(第八二八号)
営業用トラック
に対する
自動車税軽減
に関する
請願
(
瀬戸山三男
君
紹介
)(第八〇二号) 同(
徳安實藏
君
紹介
)(第八二三号) 同(
平野三郎
君
紹介
)(第八二四号) 同月八日 福島県
衆議院議員選挙
第二区の分離に関する請 願(
関内正一
君
紹介
)(第八三六号)
町村職員
の
停年制制定
に関する
請願
(
關内正
一 君
紹介
)(第八三八号)
自転車税
及び
荷車税
の
随時賦課
に関する
請願
(
關内正
一君
紹介
)(第八三九号)
遊興飲食税
の
国税移管反対
に関する
請願
(中野 四郎君
紹介
)(第八四一号)
営業用トラック
に対する
自動車税軽減
に関する
請願
(
相川勝六
君
紹介
)(第八四二号) 同(小
金義照
君
紹介
)(第八九六号) 同外一件(
平野三郎
君
紹介
)(第八九七号) 同外一件(
藤枝泉介
君
紹介
)(第八九八号) 同(
小峯柳
多君
紹介
)(第九七六号)
貨物自動車運送事業
に対する
事業税
の
外形標準
課税廃止
に関する
請願
(
相川勝六
君
紹介
)(第 八四三号) 同(
野田卯一
君
紹介
)(第八四四号) 同外一件(
平野三郎
君
紹介
)(第八九五号) 同(
迫水久常
君
紹介
)(第九七七号)
地方財政制度改革
に関する
請願
(
倉石忠雄
君紹 介)(第九八一号) 同(
小川平二
君
紹介
)(第九八二号) 同(
松平忠久
君
紹介
)(第九八三号)
洗張業
に法律第二百二
号適用
に関する
請願
(加
藤鐐五郎
君
紹介
)(第九八五号) 同月十一日
遊興飲食税
の
国税移管反対
に関する
請願
(高瀬 傳君
紹介
)(第一〇八〇号)
地方財政制度改革
に関する
請願
(
中澤茂一
君紹 介)(第一〇八一号) の審査を本
委員会
に付託された。 同月六日
地方自治制度
の
維持確立
に関する
陳情書
(第三〇九号)
地方財政力
の
強化
に関する
陳情書
(第三一〇号)
地方制度調査会
の
警察事務配分
に関する
答申事
項に対する
反対
の
陳情書
(第三 一一号)
地方財政力
の
強化
に関する
陳情書
(第三一二号)
電気事業
に対する
固定資産税減免
に関する
陳情
書(第三一三号)
事業税撤廃
に関する
陳情書
(第三一四号)
青果小売業者
に対する
事業税
の
軽減
に関する陳
情書
(第三一五号)
公営発電事業
に対する
起債
の
わく拡大
の
陳情書
(第三一六号)
漁業信用基金協会
への
出資金
に対する
起債
及び
債務者
の
利子補給
に関する
陳情書
(第三一七号)
地方財政再建
のための
歳入欠陥補てん債
に関す る
陳情書
(第三 一八号)
上水道事業費
に対する
起債
の
わく
の
拡大
に関す る
陳情書
(第三一九号)
消防起債
の
わく拡大
並びに
消防補助対象
の
範囲
拡充に関する
陳情書
(第三二〇号)
消防施設強化促進法
に基く
国庫補助費増額
の陳
情書
(第三二 一号)
非常勤消防団員公務災害補償組合
に対する
国庫
補助
に関する
陳情書
(第三二二号)
公職選挙法
第百六十一条第一項
中郡道府県議会
議事堂の削除に関する
陳情書
(第三二三号)
都道府県議会議長
の
アメリカ視察
に関する
陳情
書(第三六一 号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件
地方自治
及び
地方財政
に関する件 ――
―――――――――――
灘尾弘吉
1
○
灘尾
委員長代理
これより
会議
を開きます。
委員長
は都合により本日欠席されましたので、私がその
指名
により、
委員長
の職務を行います。 まず
地方税法
の
改正
に関して、
政府
より
説明
を聴取いたします。
奥野税務部長
。
奥野誠亮
2
○
奥野政府委員
お手元に
地方税法改正案要綱
をお配りしておりますので、それを読みながら簡単に
説明
を加えさしていただきます。 第一、
改正
の方針でありますが、その一つは
地方団体
の
自立態勢
の
強化
に資するため
独立財源
の充実をはかること。なるたけ
地方団体
は自分の手で、収支のつじつまを合せて行くという
態勢
をとりますことが、現在の
地方財政
が混乱に近い
状態
を示しておりますときに、必要な問題ではなかろうかと思
つて
いるのであります。今度の
改正
で
譲与税等
も含めました場合には、大体二割
程度
の
増収
が得られ、その反面
国庫補助負担金
や、
地方財政平衡交付金
のような比較的
中央政府
への
依存度
の強い
財源
を、少くすることができるという形にな
つて参
つて
いるわけであります。 その二は、
地方団体相互
間の
税源配分
の
合理化
を期することであります。
地方税
はもとより
地方団体
の任務から起
つて参
ります
財政需要
に応じて、適当な
財源
が得られるものでなければならないと考えております。そういう点から考えて参りますと、たまたま山村に大きな
発電施設
があるために莫大な
収入
が得られる、こういうものにつきましては、もう少し広い
範囲
の
収入
にした方がいいのではないかというようなことも考えられますし、また小さい
団体
がある年には莫大な
増収
が得られるが、その次の年には非常に
収入
に減少を来すということも、おもしろくないことでございますので、むしろ
法人税割
のような
収入
は
市町村
から少くしまして、反面
安定性
のある
タバコ消費税
のような
収入
を与えて参るということも、必要なことではなかろうかと思
つて
いるのであります。 その三は、
地方税
の
税種相互
間の
負担
の
均衡化
をはかることであります。
個人事業税
の
負担
が著しく重い、戦前の二倍にも当
つて
おりますので、これらのものを思い切
つて
下げる、あるいは
償却資産
に対する
固定資産税
の
税率
を切り下げることによ
つて
、
産業界一般
に与えておりまする重い
負担
をできる限り緩和することが、
国際競争等
を考えました場合におきましても、必要なことではなかろうかというふうに考えているわけであります。 その四は、
道府県
に
住民
が広く
負担
を分任する
税種
を設けることであります。現在
道府県
が
自治団体
でありながら、
道府県住民
で
道府県税
を
負担
いたしますものが、三%ないし四%にとどまるというような
状態
でございまして、これでは
道府県住民
が、
道府県
の
行政運営
に深い関心を持ち、積極的にこれに寄与する熱意を持ちにくいというようなことも言えると思うのでありまして、こういう
欠陥
を
道府県民税
をつくることによ
つて
、是正して行きたいというような
考え方
を持
つて
いるわけであります。 その五は、
税務行政
の
簡素合理化
をはかるとともに国、
道府県
及び
市町村
三者間の
協力体制
を確立することであります。
シヤウプ勧告
は、
責任
の
帰属
を明確にして行くということを強く主張して参りました。その結果、国、
道府県
、
市町村
の
税務行政
が
独立
はしたものの、ばらばらに
運営
されているというきらいが強いのであります。
シヤウプ勧告
の
責任
の
帰属
を明確にして行くことは、今日におきましてもこれは重んじて行かなければならないことでございます。しかしながらこれを重んじながらもなおかつ
協力体制
を維持して参りますことによ
つて
、一層
税務行政
を合理的に、しかもまたやがては
国民
の
負担
にかえ
つて参
るわけでありますので、
国民
の
負担
を少くしながらも、最小の経費で最大の効率を発揮して参る、それにはやはりお互いに力を貸し合うことでなければならないのじやないかというように考えているのであります。こういう
意味
において、
事業税
の
課税標準
は国が決定したものを用いて、しかしながらそれが寡少であると認められる場合においては、
地方団体側
から国に対しまして注意を喚起して行く。あるいはまた
固定資産
の
評価
につきまして、
市町村
間の
均衡
を失わないように、
不動産取得税
の
運用等
を通じまして、
府県
がこれに力を合せて行くというような
体制
を考えて参りたいのであります。 第二が要領であります。その一が
道庁県民税
でございます。
市町村民税
の一部を移譲して、
道府県民税
を設けます。言いかえれば
道府県民税
を設けることによ
つて
、新たに
国民
の
負担
を増大させるものではない、こういうことでございます。
納税義務者
はおおむね
市町村民税
の
納税義務者
と
同一
にしております。
個人
につきましては
市町村民税
を課されるものが、
道府県民税
を課されるものでありまして、反面
市町村民税
を課されていないものにつきましては、
道府県民税
も課されない。
法人
は
事務所所在
の
市町村ごと
に、
市町村民税
の
納税義務
を負
つて
いるわけでありますが、
府県民税
の場合には
道府県
を通じまして、一の
納税義務
を負うだけであり、この点が違
つて
いるのでありまして、それ以外はまつたく
市町村民税
の場合と同じであります。
個人
に対しては
均等割
及び
所得割
を、
法人
に対しては
均等割
及び
法人税割
を課します。
税率
のうち、
均等割
は
個人
については百円、これだけは
市町村民税
の
均等割
を減額いたしております。
法人
については六百円をそれぞれ
標準税率
といたします。
法人
の
均等割
は減額はいたしませんが、
市町村民税
の場合には、
事務所所在
の
市町村ごと
に、
均等割
を納めることにな
つて
いるのでありますが、
府県民税
の場合には一
府県
について六百円を納めるだけであります。
事務所
をいくら数多く
府県
内に持
つて
おりましても、
均等割
は六百円だけで済ませることになるわけであります。
道府県ごと
の
所得割
の
課税総額
は、
道府県ごと
の
所得税額
の
総額
の百分の五を
標準
とするものとし、これを
道府県
から
市町村
に対しまして
所得税額
に按分して
配賦
いたします。
所得税額
に按分して
配賦
することによ
つて市町村
間の
均衡
をはかることをねら
つて
おります。
配賦
を受けました
市町村
は、
当該市町村
の
市町村民税
の
所得割
の額に比例して課します。こうすることによ
つて市町村
内の
住民相互
間の
均衡
をはかることをねら
つて
おるのであります。言いかえれば
府県民税
の
所得割
は、
市町村民税
の
所得割
の
附加税
にな
つて
おります。
府県民税
が
市町村民税
の
附加税
という
形式
をと
つて
おるのであります。個々の
納税義務者
に課せられました結果、
課税
総
所得金額
の百分の二・五を越えるものにつきましては、これをその額にとどめることにいたしております。
法人税割
は百分の五を
標準税率
、百分の六を
制限税率
といたしました。
府県民税
に関します限りは、
個人
も
法人
もまつたく同じ扱いをする。
税額
の五%を
標準税率
にして
所得割
なり、
法人税割
なりを納めてもらう、こういう形をと
つて
おるのであります。
賦課徴収
の
事務
は、
個人分
にあ
つて
は、
市町村
が
当該市町村
の
市町村民税
の
賦課徴収
の
事務
にあわせて行うものといたしますので、
徴税令書
は一通であります。一通の
徴税令書
に
府県民税
の額が
幾ら
であり、
市町村民税
の額が
幾ら
であるということを記載いたします。徴収いたしましたものは、
府県民税
と
市町村民税
の
課税額
の割合でわけて行くわけであります。
滞納段階
に入りましてからは、
町村長
の同意を得て
府県
が強制徴収するということもできるわけでありますが、その場合におきましても
府県
が徴収いたしましたものは、
課税額
で
府県
と
市町村
とでわけ合
つて
行く、こういう形をと
つて
おるわけであります。
府県民税
、
市町村民税
といいますが、
住民税
という一本の税として
国民
との間には
運営
をして行く。そうすることによ
つて徴税事務
をあとう限り簡素にして行きたい、こういう
考え方
をと
つて
おります。
法人分
にあ
つて
は
申告納付
の方法によります。 (二)が
市町村民税
でありますが、
道府県民税
の
創設
に伴い、
市町村民税
の
税率
のうち、
個人分
の
均等割
の
標準税率
を、
人口
五十万以上の市にあ
つて
は六百円、
人口
五万以上五十万
未満
の市にあ
つて
は四百円、
人口
五万
未満
の市及び
町村
にあ
つて
は二百円に、
制限税率
をそれぞれ八百円、五百五十円及び三百円に、それぞれ百円ずつ引下げます。
個人分
の
所得割
の
制限額
は、
課税
総
所得金額
の百分の七・五、
現行
は百分の十であります。これに引下げます。要するに
府県民税
に移した
部分
だけを引下げております。
法人税割
の
標準税率
は百分の七・五、
現行
は百分の十二・五であります。
制限税率
は百分の九、
現行
は百分の十五であります。これにそれぞれ引下げます。 (三)は、
事業税
であります。
附加価値税
は廃止して、
現行事業税
及び
特別所得税
は、これを統合して
事業税
として存置します。
税率
のうち、
個人事業税
にありましては
基礎控除
を七万円、
昭和
二十九年度分に限り六万円、
現行
は五万円であります。これに引上げます。そうすることによ
つて所得税
の
基礎控除額
に合せて行きたいと考えております。
標準税率
を
物品販売業等——湯屋業
、
クリーニング業
及び
めん類食提供業
を含んでおります。これについては百分の八、
現行
はおおむね百分の十二であります。括弧の中に書きましたものだけが、
さき
に百分の八に
税率
が下
つて
おるのであります。
さき
に下
つて
いるのだから、この際はこのままでがまんをしていただく、こういう
考え方
であります。
原始産業
、
医業
及び
法務自由業等
については百分の六、
現行
は百分の六・四ないし百分の八にな
つて
おります。これに引下げます。
原始産業
や
法務自由業
は百分の八であり、
医業
は百分の六・四にな
つて
おります。これも
さき
に
軽減
されておりますものにつきましてはすえ置かしていただく、こういうことによ
つて
ある
程度
税の
区分
についての
合理化
をはか
つて
行きたいと考えておるのであります。但し、あん摩、はり、き
ゆう等
の
業務
につきましては、
現行通り軽減税率
の百分の四を適用して参ります。 Bは、
法人事業税
の
標準税率
のうち
所得
を
課税標準
とするものにありましては、(イ)
所得
五十万円までの
部分
については百分の十、五十万円を越える
部分
については百分の十二、
現行
は一律に百分の十二にな
つて
おります。こうすることによりまして、
法人
でありましても小企業の面につきまして多少
負担
の緩和をはかりたいと考えているのであります。但し
特別法人
につきましての
税率
、
協同組合等
に用いられまする
税率
でありますが、これは
現行通り
百分の八にいたします。 (ロ)は
収入金額
を
課税標準
とするものにありましては百分の一・五、
現行
は百分の一・六であります。これも(イ)との
関係
からこの
程度
に引下げたいのであります。 (ハ)は、
収入金額
を
課税標準
とする事挙のうちから
地方鉄道事業
、
軌道事業
及び
バス事業
以外の
運送事業
を除きます。すなわち
海上運送事業
でありますとか、あるいは小
運送事業
でありますとか、
運送取扱事業
でありますとか、こういうものを除くわけであります。要するに
料金統制
が行われていないか、行われているとしても
形式
的であ
つて
厳格には実行されていない、そういうふうなものだけを
外形課税
から除外するのでありまして反面新たに
生命保険業
をこれに加えることにいたしております。
生命保険業
の大多数は
相互保険
の形態をと
つて
おります。従いまして利益が上
つて参
りますと
契約者
に配当するわけであります。言いかえれば
保険料
の割もどしをするわけであります。
保険料
の割もどしをしますから、これは経営上
損金
に見て行く、
従つて形式
上の純益が上
つて
来ないのであります。
自然事業税
が納められない。これは
配当金
を
損金
に見ないという行き方もあるわけでありますけれども、それよりはむしろ
保険料収入
を
課税標準
に
使つて行つた方
がよろしいのではないか、こういうふうな
考え方
を
とつ
たわけであります。 (4)は、
税率
の
区分
について
合理化
をはかるほか、
非課税
の
範囲
を
法人税
及び
所得税
の
非課税
の
範囲
とおおむね
同一
にする、但し
鉱物
の掘採
事業
並びに
個人
の行う
農業
及び
林業等
については、
現行通り非課税
といたしたいと思
つて
おります。
鉱物
の掘採
事業
は御承知のように、別途
鉱産税
が課せられておりますので、
事業税
を課することは二重
課税
になるのではないかというふうな
考え方
を持
つて
おります。
個人
の行う
農業
や
林業
は、主として
自家労力
をも
つて
行う
事業
だと考えておるのであります。
自家労力
をも
つて
行いますような
事業
につきましては、やはり
非課税
にしておいた方が穏当ではないか、反面また
農業
や
林業
でありましても、その結果
法人
の行いますものにつきましては
課税
をして参りたいと考えております。こうすることによ
つて
近来
事業税
につきまして
撤廃運動
にまで発展して参るような
国民
に対する
不快感
をぬぐ
つて参
りたい、こういう気持を持
つて
おるのであります。 (5)は、
課税標準
たる
所得
については、
原則
として
法人税
及び
所得税
において決定したものによるものとし、
政府
において
法人税
を
更正
または決定したいときは、その旨を
道府県知事
に通知するほか、
法人税額
または
所得税額
が過少と認められるものについては、
道府県知事
から
政府
に対し
更正
または決定を求めることができるものとして参りました。この辺に
協力体制
を打立てて行きたいと考えておるのであります。 (6)は、二以上の
道府県
に
事務所
または
事業所
を有するものに対する
事業税
の
課税標準
の
分割基準
のうち、
電気供給業
、
ガス供給業
及び
倉庫業
にあ
つて
は、
国定資産
の
価額
に按分いたします。
現行
は
国定資産
の
価額
及び
従業者数
の半分ずつを按分しております。
地方鉄道業
にあ
つて
は
軌道
の延長に按分いたします。
現行
は
固定資産
の
価格
と
従業者数
の半分ずつを按分しております。
金融業
にあ
つて
は
事務所数
及び
従業者数
に按分いたします。現在は
従業者数
に按分しておるわけであります。こうすることによ
つて
むしろ
収入
の口を広くして行くことができるのじやないだろうかと思うのであります。同時にまた
本店所在地
の
道府県
に不当に集中しておりました
事業税
の
収入
を、それぞれ
関係
の
道府県
に分散することが可能だと思
つて
おります。 (4)は、
不動産取得税
であります。
土地
または
家屋
の
取得
に対し、
当該土地
または
家屋所在
の
道府県
において課するものといたします。
標準税率
は百分の三であります。大体
固定資産税
の二年分ということになります。
課税標準
は
不動産
の
価格
とし、この
価格
は、
固定資産課税台帳
に登録されている
不動産
については、これに登録されている
価額
に基いて
道府県知事
が決定いたします。すでに
固定資産税
で
評価
が決定していますものは、
原則
としてそれをそのまま使
つて
行こうということであります。(ロ)は、
新築家屋
などの
固定資産課税台帳
に登録されていない
不動産
については、
固定資産税
について示されている
評価
の
基準
に基いて
道府県知事
が決定するものといたしますが、
道府県知事
が決定しましたときは、これを
市町村長
に通知し、通知を受けた
市町村長
は、この
価額
に基いて
固定資産課税台帳
に登録すべき
固定資産
の
価額
を決定するわけであります。こうすることによ
つて市町村
間の
固定資産
の
評価
のアンバランスを是正して行きたい。
市町村
間におきましてもある
程度
固定資産
の
評価
が
均衡
のとれた姿にな
つて
運営
されて行くことを期待しているわけであります。この
不動産取得税
の
創設
と関連いたしまして、同時にまた
土地
や
家屋
の
値上り
の機会をもとらえまして、
固定資産税
の
税率
を別途引下げているわけであります。(4)は、
新築住宅
の
取得
につきましては、
価額
から百万円を控除した額をも
つて
課税標準
とし、
住宅建設
のための
土地
の
取得
については、六十万円までの
部分
については課さないものといたします。
アパート
などにつきましては、やはり
アパート
の居室といいますかあるいは
世帯数
といいますか、そういうものに百万円ずつを乗じた額を
建築費
から控除したいと考えております。従いまして大体
アパート等
につきましては、
建築
に
不動産取得税
は
課税
されないという姿になろうかと考えております。
土地
につきましても六十万円では酷な場合がございますので、こういうような
住宅
についてだけ、
床面積
の二倍の
面積
に相当する
土地
につきましては、
課税
をしないということにいたしたいと考えております。 (5)は、
耐火建築促進
の施策を阻害しないよう
措置
を講ずるということでありまして、
防火地帯
に建物を建てます場合、
木造
から非
木造
にする結果、
建築費
のふえます
部分
につきましては、四分の一を国から、四分の一を
府県
から
補助金
を交付する
制度
がございます。こういうような
補助金
を受けて行いました
家屋
につきましては、
補助金相当分
は
課税標準額
から減額するという
措置
をとりたいのであります。 第(五)は、
固定資産税
であります。(1)
標準税率
を百分の一・四、
昭和
二十九年度分に限り百分の一・五、現在は百分の一・六であります。これに引下げまして、
制限税率
は二十九年度からはなくなるのでありますが、
現行
の百分の三をそのままやはり存置しておきたいと考えております。
土地
の
値上り等
に応じて漸次
市町村
の
財源不足
を生じないように考えながら
税率
を引下げて行きたい、そういう
意味
におきまして、経過的に
税率
を順次引下げるという方式を採用しているわけであります。 (2)は、
市町村
は(一)の
納税義務者
の所有にかかる
償却資産
に対する
固定資産税
の
課税標準
の額が、
当該市町村
の
固定資産税
の
課税標準
の
総額
の二分の一を越える場合、すなわち巨大な
固定資産
がある場合であります。
固定資産税
の
税率
を百分の二を越えて定めようとするときは、あらかじめその旨を自治庁長官に届け出なければならないものとし、自治庁長官は災害その他避けることのできない事由による緊急やむを得ない特別の
財政需要
があるため、増税による
増収
をこれに充てなければならないと認められるときを除くほか、
当該市町村
について適用される
固定資産税
の
税率
を、当該届出にかかる
税率
から百分の二までの間において制限することができることといたします。たまたまたつた一人の
納税義務者
が巨大な
固定資産
を持
つて
いる。これを不当に増税をいたしまして、そうして不急の、あまり緊急を要しないような施設に投じて行くということはおもしろいことではございませんので、そういう場合にだけこのような制限規定を働かしたいと思
つて
おるのであります。この自治庁長官の権限の行使にあたりましては、
地方財政
審議会の議を経るというようなことにいたしまして、一方的な
考え方
に陥らないようにいたしたいと思
つて
おります。 (3)は、左の
固定資産
に対して課する
固定資産税
については、その
課税標準
について、それぞれ特例を設け、
負担
の
軽減
をはかるものといたしまして、(イ)が発電、変電または送電施設の用に供する
家屋
及び
償却資産
で、電気の供給、物資の製造、旅客もしくは貨物の輸送または
鉱物
の掘採を業とする者並びに農山漁村電気導入促進法に基く農林漁業
団体
がそれぞれその用に供するもの、要するに発送、変電施設に対して、経過的に
負担
の
軽減
をはか
つて
おるのであります。くどくどしく書いてありますのは、百貨店で
発電施設
を設ける、キャバレーで自家発電の施設を設ける、そういうようなものにつきましてまで、税の
軽減
措置
を必要としないという
考え方
から、このようなくどくどした規定を設けたわけであります。
取得
した年の翌年の四月一日に始まる年度から最初の五年度分は
価格
の三分の一、その後の五年度分は三分の二、言いかえれば
税率
を三分の一にし、三分の二にするのと大差はございません。こういうふうにや
つて参
りますと、十年たつたころには発送、
発電施設
でありますと、大体
取得
価格
の六割見当に下
つて参
るのではないだろうかというふうに思
つて
おります。要するに収得の当初から一定期間は、ある
程度
負担
をならして行きたい、
負担
をならすことによ
つて
料金面にも非常な圧迫を加えるようなことのないような、はからいをしたい。また最初の年度だけ、こういう
負担
の緩和をするのであれば、
市町村
に与える影響も比較的軽微で済む。今まであつたものを取上げるのではなしに、これから与えられる税源につきましてこのような規定を設けるわけであります。
市町村
の苦痛も比較的少くて済むのではなかろうかというふうな
考え方
を
とつ
たわけであります。但し
昭和
二十九年度分に限り電気の供給を業とする者の所有する本文に掲げる
固定資産
で、
昭和
二十四年一月二日以降の建設にかかるものについては、
価格
の六分の一の額とする。物価引下げの大方針をとられておる際でありますれば、また電気料金の引上げもできる限りこれを押えて行かなければならないというようなことがございますので、
地方財政
の面でも力を合せて行けるものについては合せたいということから、このような異例の
措置
をとるようにいたして参
つて
おるわけであります。 (ロ)は地方鉄道または
軌道
の
昭和
二十八年一月二日以後の新設営業路線にかかる線路設備、電路設備等の構築物につきましては、新たに
固定資産税
が
課税
されることになりました年度から、最初の五年度分は
価格
の三分の一の額、その後の五年度分は
価格
の三分の二の額を
課税標準
に使
つて
行きます。
発電施設
と大体同じような
考え方
をと
つて
おります。 (ハ)は、企業
合理化
促進のための試験研究用機械設備及び施設近代化のための機械設備で、企業
合理化
促進法において特別償却を認められている
償却資産
につきましては、新たに
固定資産税
が課されることとなりました年度から、最初の三年度分は
価格
の二分の一の額といたします。四年度目からは償却等の
関係
で
課税標準額
がかなり減
つて参
りますので、これによりましてもある
程度
負担
をならすことができるのではないだろうかというふうに思
つて
おります。
固定資産税
が機械設備の更新を妨げているというふうな非難もありますので、機械設備の更新を必要とするような面につきましてだけ、このような
負担
の緩和の
措置
をとりたいと思
つて
おります。これらも、新たにこのような機械設備の更新が行われた際でありますので、
市町村
に与える影響も比較的少くて済むというふうに考えているのであります。(二)は(ハ)との関連から設けておる
制度
でありまして、
所得税
または
法人税
を免除される重要物産の製造、掘採または採取の
事業
を行う者が、その
事業
の用に供するため新たに
取得
した機械設備で、企業
合理化
促進法において施設近代化のための機械設備として特別償却を認められるものに類するもの、いわゆる重要物産の免税
事業
といわれているものでありますが、この種のものにつきましては、企業
合理化
促進法の(ハ)のような規定が適用されておりませんので、同じような扱いをいたしますために、総理府令でその種の機械設備を指定いたしまして、そうして
負担
の緩和をはかりたいと考えているわけであります。(ホ)は外航船舶または国際路線に就航する航空機につきましては、これは恒常的に
価格
の三分の一の額をも
つて
課税標準
といたして参ります。外国との競争を行わなければならないようなものにつきましては、重い
負担
を背負
つて
競争することも困難でありますので、特にそういう性質のものにつきましてだけ
負担
の緩和をはかりたいのであります。昨年国会修正で、
利子補給
を受けております外航船に限りまして、〇・四%の
税率
を使うと規定されているのでありますが、この
制度
をやめさせていただきまして、反面
利子補給
を受けておりましようと、受けておりませんでも、外航船舶であります限りは、
負担
の緩和をはか
つて
行きたい。そのめどを、
課税標準
を
価格
の三分の一の額で押えることによ
つて
や
つて参
りたい、かように考えているのであります。(ヘ)は航空
運送事業
を行うものが所有し、かつ運行する航空機につきましては、
昭和
三十八年までに
事業
を開始したもので、その
事業
開始後最初の三年度分につきましては
価格
の三分の一の額、その後の三年度分については
価格
の三分の二の額にいたします。航空
運送事業
は、まだ基礎の確立していない
事業
でありますので、基礎の確立するまではある
程度
負担
の
軽減
をはかるという趣旨から、この規定を設けようとしているのであります。(4)は
償却資産
の免税点を五万円に引上げます。わずかばかりの
償却資産
につきまして
固定資産税
をあさ
つて
行くような姿は避けたいということが、この免税点の引上げの趣旨であります。 (5)は、左により大規模の
償却資産
に対する
市町村
の
課税
権を制限することでありまして、
人口
五千人
未満
の
町村
にあ
つて
は一億円、但し、
昭和
三十年度に限り二億円といたします。
人口
の増加に伴
つて
逓次にこの額を増加して、
人口
三万人以上の
町村
にあ
つて
は四億円、但し
昭和
三十年度に限り六・五億円とします。これは当該大規模の
償却資産
の
価格
の十分の二の額が四億円または六・五億円を越えるときは、当該
価額
の十分の二の額といたします。この四億円を越える大規模の
償却資産
に対しては、
市町村
はその越える
部分
については
固定資産税
を課することができないものといたします。この結果、
基準
財政
収入
額が
基準
財政需要
額の一・二倍を下まわることとなる
市町村
につきましては、
当該市町村
についてその
課税
の限度額を引上げまして、一・二倍だけは必ず確保するということにしたいのであります。大規模の
固定資産
の
価額
を、当該
固定資産
所在地以外の
市町村
に配分する
制度
は、これとの関連において廃止いたします。これらの処置は
昭和
三十年度から実施するのでありまして、
昭和
二十九年度は
現行
制度
通りであります。
昭和
三十年度から実施しますが、
市町村
の
課税
権の制限をする限度は緩和いたします。
昭和
三十一年度から平常年度に入るわけでありまして、
市町村
ではある
程度
収入
を当て込んで
事業
もくろみを行
つて
いるようでありますので、急激な変化を与えないようにすることが必要ではなかろうかというふうな
考え方
をと
つて
いるわけであります。(6)は、左により大規模の
償却資産
に対しては
道府県
に
課税
権を与えます。大規模の
償却資産
について
市町村
が
固定資産税
を課することができない
部分
について、
道府県
が
固定資産税
を課するわけであります。
税率
等その他
市町村
税とまつたく同じであります。
道府県
が
固定資産税
を課する大規模の
償却資産
については、
原則
として
道府県知事
が前年末までにこれを指定し、かつ
評価
して、その額を
納税義務者
及び
関係
市町村
の長に通知するものといたします。 第六は
タバコ消費税
であります。日本専売公社が小売人の営業所あるいは消費者に直接売りをする場合がございます。その売り渡したタバコに対しまして、その小売
価格
を
課税標準
といたしまして、小売人の営業所あるいはもし消費者に直接売りをいたします場合は、直接売りをいたしました公社の
事務所所在
の
道府県
及び
市町村
におきまして、それぞれ日本専売公社に対して課するものといたします。
税率
は
道府県
分が百十五分の五、
市町村
分が百十五分の十であります。
タバコ消費税
相当額は、すでに現在のタバコの小売
価格
の中に含まれているのだ、それを
タバコ消費税
の形で専売公社から
地方団体
に納めてもらうのだという
考え方
から始ま
つて
おるのであります。言いかえれば、日本専売公社が専売益金として納めるものが、
タバコ消費税
として、
独立
税の形で
地方団体
に納められる。さらに言いかえれば、専売益金が
地方財政平衡交付金
の形、あるいは
国庫補助負担金
の形で
地方団体
に与えられるものが、
独立
税の形で
地方団体
に与えられる。そうすることによ
つて
地方団体
の
自立態勢
というものを強めて行きたい、こういう
考え方
をと
つて
いるわけであります。このような
税率
の沿革から、百十五分の五というような、あるのは百十五分の十というようなはんぱな数字を使
つて
おります。しかし将来機会があります場合には、このような
税率
はもつときりのよい
税率
に切りかえて行つた方がいいだろうというような
考え方
を持
つて
おります。徴収につきましては、日本専売公社をして
申告納付
せしめます。 第七が自動車税であります。
税率
を次の通りに改めます。乗用車のうちでは、普通自動車の営業用が一万四千円でありましたものが一万八千円、但し、輪距百二十インチを越えるような高級乗用車は三万円にいたします。自家用車は営業用の車の二倍に指定いたしております。小型自動車は、常業用が八千円、自家用が一万六千円にしたいと思います。次がトラックでありまして、最大積載量が四トンを越え五トン以下のものについて、この
標準税率
をきめているのだということを明らかにしたいと思います。従来これはトラックと規定されているだけでありまして、どのような大きさのトラックについて、この
標準税率
がきめられているかということが、法文上明らかでなかつたわけでありますが、これを明らかにしたいと思うのであります。揮発油により運行するものはこれを
現行
にとどめまして、その他のいわゆる軽油を使
つて
おりますディーゼル車等につきましては、大体七割
程度
負担
をよけいしていただく。揮発油により運行するものは揮発油税の
負担
をしているわけでありますので、その他のものにつきましては若干
負担
を多くしたい、そういうことで二万三千円にいたしたいのであります。バスにつきましては、主として観光貸切用のもの、これにつきましてもその車の型をここへ書いておきたいのでありまして、乗車定員四十一人以上五十人以下、観光貸切用のバスの中では、この種の自動車が一番台数が多いわけでありまして、揮発油により運行しますものは三万円、
現行
は二万五千円で、引上げているようでありますが、むしろ引下げられているくらいに考えているのであります。現在
府県
の大多数が二万五千円の
税率
を適用しておりますが、観光貸切用のバスは、乗車定員二十一人から三十人以下のものについて規定しているようであります。二十一人から三十人以下のものについて二万五千円の
税率
を使
つて
おります
団体
が一番多いわけでありますので、四十一人から五十人以下のバスにつきまして、三万円の
税率
を適用いたしますことは、むしろ若干緩和しているくらいだと考えております。その他のものは七割増しで五万円にしたいと思います。バスのその他といいますのは、いわゆる乗合バスでありまして、乗車定員三十一人以上五十人以下のものにつきましては、
現行通り
揮発油により運行するものは一万四千円にとどめますが、その他のものにつきましては、揮発油税との
負担
の
均衡
から、二万三千円にいたしたいのであります。三輪車は四千二百円、二輪車は二千五百円、軽自動車は一千七百円にいたしたいと思います。さらに、自動車税を滞納している者に対しましては、別途法律を
改正
いたしまして、車体検査証の更新を拒否する、そうすることによ
つて
、自動車税を納めていなければ、その自動車は運行できないというふうなことにしながら、徴収を確保したいと思うのであります。この点につきましては運輸省当局の協力を得て参るわけであります。 第八が狩猟者税でありまして、
税率
を二千四百円の一本にいたしたいと考えるのであります。昨年、二千四百円一本の
税率
でありましたのが、狩猟を業とする者千八百円、その他の者三千六百円と改められたのでありますけれども、
運営
の実際から見て参りますと、その
区分
が非常に困難のようでありまして、多少混乱を呈しておるような
状態
でありますので、狩猟業界等の要望もございまして、このような形にもどしたいと思います。 第九は自転車
荷車税
であります。
現行
の
自転車税
及び
荷車税
を統合して、自転車
荷車税
といたします。こうすることによ
つて
徴税令書
も別々に出す必要はなくなり、台帳の整備も一つで足りることになるわけであります。原動機付自転車についても
標準税率
を法定いたしまして、その額を五百円
程度
といたしたいと考えます。大多数の
市町村
におきましては、すでに原動機付自転車につきましては五百円
程度
の
税率
で、
課税
しているようであります。法文上このような規定を新たにつけ加えたいだけのことであります。 第十は電気ガス税でありまして、地方鉄
軌道
業者が直接輸送の用に供する電気並びに銅鉱、鉛鉱、亜鉛鉱、硫化鉱、アンモニア及びチタン地金等の掘採または製造に使用する電気に対しては、次に電気料金が改訂されるときから、電気ガス税を課さないものとしたいと思うのであります。電気ガス税につきましては工業原材料的なものに対する
課税
は、
地方財政
の安定と相まちまして漸次とりやめて行く。その半面電気ガス税は消費税に純化しながら、将来にわた
つて
相当の
収入
を確保して行きたい、こういう
考え方
をとりたいのであります。しかしながら
市町村
に与える打撃も大きいわけでありますので、電気料金が改訂されたときから、さしあたりこういうようなものには、電気ガス税を課さないようにいたしたいと考えております。それだけであります。
藤田義光
3
○藤田
委員
ちよつと議事進行について発言しますが、ただいま
奥野税務部長
から御
説明
がありました
地方税法
改正
の要綱に関しましては、いずれ正式に法案が提案されましてから審議するといたしまして、現在国家予算が予算
委員会
で審議中でありますので、これと並行いたしまして
地方財政
計画に関して、この際いろいろ質問する必要があるのじやないか、なかんずく昨年の災害にあたりまして議員立法いたしました元利償還の
起債
の特例等に関しましては、非常に
府県
偏重の配分をや
つて
いるような情報を聞いております。特に五十億と称せられております元利償還の
起債
の特例法に基く
わく
に関しましては、十六億を理財課にわけまして、残る三十四億を財政課で配分するということにな
つて
おりますが、これが全額
府県
にまわされたというような不届きな風評を私は聞くのでありまして、
補助
事業
にあらざる、
市町村
が直接
負担
する災害復旧ということが、年度末を控えまして非常に深刻な問題にな
つて
おります。また昨年の災害にあたりまして百数十億の大蔵省の資金運用部資金が貸し出されておりますが、これが来月の年度末を控えて、すべて一応返還するという深刻な事態が目睫に迫
つて
おります。かくのごとき問題に関しまして、この際徹底的に真相を究明することが、当面当
委員会
として最も重大な問題であると私は考えております。従いまして税法の御
説明
もありまして、大体われわれの勉強の資料もできましたので、頻繁に当
委員会
を開催していただきまして、災害に伴う年度末の
地方財政
対策、あるいは国家予算の審議に並行いたしました二十九年度の
地方財政
計画に関しまして、当
委員会
は真剣な論議を展開すべきである、かように考えておりますが、本日は
委員長代理
であります
灘尾
理事
からこの機会に所見を伺いまして、われわれの審議の資料にしたい、かように考えておりますから、
灘尾
委員長代理
の御所見をひ
とつ
お伺いしておきます。
加藤精三
4
○
加藤
(精)
委員
ただいま藤田
委員
から審議順序につきましてお話がありましたけれども、
地方税法
改正
案の要綱につきまして、まだ引続き御
説明
をしていただきたい
部分
がありまして、それを要求しようと思
つて
いた途中でございますので、大体
理事
会決定通り進行を願つた方がよろしくないかと考えております。
藤田義光
5
○藤田
委員
ただいま
加藤
委員
の発言でありますが、私は本日のただいまの
委員会
の途中において、突如として
地方財政
問題を論議しようというのではございません。日をあらためまして早急にこの問題を論議していただきたいという要望であります。
灘尾弘吉
6
○
灘尾
委員長代理
私の所見をお求めになりましたので申し上げますが、藤田君の御発言まことに、ごもつともと思います。
理事
諸君ともよく相談いたしまして、できるだけ御期待に沿うように議事の進行をはか
つて参
りたいと存じます。 そこで一つお諮りいたしたいことがあるのであります。ただいま
地方税法
の
改正
に関しまして
政府
から
説明
を聴取いたしましたが、これにつきましてはなお
委員
各位におかれましても、要綱をよく、ごらんになる必要もあろうかと思いますので、この方に対する質疑はしばらくあとまわしといたしまして、ただいま行政部長が出席いたしておりますので、
町村合併促進
状況について
説明
を聴取いたしました後、その問題及び久留米市議会の議員除名問題について質疑の通告がございますので、この問題から議事を進行して参りたいと思いますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中井徳次郎
7
○中井(徳)
委員
ただいまの藤田君の発言に関連するのですが、これに関連しました
委員会
をできるだけ早く開いていただきたい。従
つて
来週早々ひ
とつ
お願いいたします。
灘尾弘吉
8
○
灘尾
委員長代理
政府
の準備の都合もあろうと思いますので、よく相談いたしまして、できるだけ御希望に沿うようにいたしたいと思います。 それでは久留米の方から先にいたします。田中
稔男
君。
田中稔男
9
○田中(稔)
委員
昨年十二月十八日に開かれた久留米市議会の本
会議
において、久留米の市議
会議
員の寺崎耕君というのが、公友会所属議員二十五名の多数をたのむ横暴によ
つて
、除名されたのであります。同僚
委員
諸君に事情をわか
つて
もらうために、少し前後の経緯を私が申し上げますと、昨年の十月二十七日に市議会
委員会
条例の一部を
改正
する条例が議決されまして、それに基いて
委員
の広汎な改選が行われ、寺崎君は競馬競輪
委員会
から警防及び総務
委員会
へ転属させられたのであります。 〔
灘尾
委員長代理
退席、西村(力)
委員長代理
着席〕しかるに寺崎君はこの
委員
改選そのものに疑義を抱きまして、かかる違法の
措置
によ
つて
成立した常任
委員会
には出席できない旨の通知書を、
議長
あてに提出したのであります。ところが公友会に属する議員古賀某というものは、このことをも
つて
みだりに議論を立て、議会の秩序を撹乱するものである、こういうことを申しまして、その通知書については全然審議を行うことなく、
地方自治
法第百二十九条に基いて強引に同君を懲罰に付する動議を提出したのであります。
議長
はさつそくこの動議を議題として取上げまして、
地方自治
法第百十七条に基きまして同君を議場から除斥しようとした。ところが同君は、右の懲罰動議について何ら具体的な理由の
説明
が行われてなかつたわけで、その理由を聞こうとして、しばらく議席を離れなかつたのであります。しかるに右の古賀某は再び動議を提出して、この寺崎君の態度をも
つて
、自治法第百十七条及び第百二十九条に違反する行為である、こう称して懲罰の追討ちをかけたのであります。懲罰
委員会
の決定は、今申しましたように除名ということに
なつ
たのでありますが、これは久留米市議会始ま
つて
から最初の除名であります。そこでこの機会に自治庁の
政府
委員
に若干お尋ねしたい点がございます。 まず第一点は、一般に市議会常任
委員
の任期は、条例に特別の定めがある場合を除くのほか、議員の任期と同じだと解釈していいかどうか。第二点は、条例に特別の定めがある場合を除くのほか、本人の意思に反して常任
委員
の改選を行うことはできないと解してさしつかえないかどうか。それから第三点は、昨年十月二十七日に行われた久留米市議会
委員会
条例の一部
改正
は、単に従来の競輪競馬
委員会
の名称を
事業
委員会
に改めたにすぎないものであり、しかもこの条例
改正
を議決した当日の議会は、公布に必要な成規の手続をとる時間もないうちに、この条例
改正
に基いて
委員
の改選を行つたのでありますが、私はそういうことは妥当でないと思うのでありますけれども、これについての御見解、右三点について自治庁の
政府
委員
の御答弁をお願いいたします。
小林与三次
10
○小林(与)
政府
委員
ただいまのお尋ねの第一点の、常任
委員
の任期は、条例に特別の定めがある場合のほかは、議員の任期と同じと解してよいかどうか、これはわれわれは議員の任期と同じであると解してよいと考えております。 それから常任
委員
の改選についての問題につきましても、今お尋ねのような場合におきましては、お尋ねの通り、常任
委員会
条例に特別の規定がない場合においてはこれはできない、こういうふうに考えております。 それから最後の条例の公布の手続、その他の問題につきましては、実はその点の事実の問題をわれわれは今初めてお伺いしましたので、その間にどういう問題点があるのか、よく承知いたしておりませんので、その点につきましては、今のお尋ねの点だけではこの席ではちよつとお答えいたしがたいので、事実を調べてお答えいたしたいと考えております。
田中稔男
11
○田中(稔)
委員
私の第一問及び第二問に対する御答弁については満足いたしますが、第三問についての御答弁は、どうも私満足いたしかねるのであります。実は久留米市議会が、先月市民各位に対しまして、寺崎議員除名に関する声明書というものを配付したのであります。その中にこう書いてある。「山下市長佐藤
議長
は上京の際念のため、平島東京駐在員を伴い自治庁に赴き、右久留米市議会が議決した常任
委員会
条例
改正
及びこれに基く
委員
改選のことを報告し、その手続の適否を質したるところ、何れも適法である旨の確答を得ております。更に自治庁より久留米市議会が議決した条例
改正
及び
委員
改選は適法である旨の通知があ
つて
おります。」この点について御
説明
を願いたいと思います。
小林与三次
12
○小林(与)
政府
委員
ただいまお尋ねの点は、おそらく久留米市の
議長
から行政課長の方に照会が参りましたのに対する回答の問題だろうと思うのであります。その
議長
の照会の問題は、実はこういう趣旨でございます。ただいまお話の通り、市の常任
委員会
条例の
改正
の議決をなして、その結果常任
委員
定数の
改正
を必要としたので、
委員会
条例第三条の規定により、
議長
が議会に諮りこれを決定し、即時公布のため暫時休憩した。市長はただちにこれを公布したので、議会は再開し、
改正
後の
委員会
条例第四条の規定により、各常任
委員会
のそれぞれの
委員
の選任を
指名
決定した。この場合に、
委員会
条例の一部
改正
及びその
改正
条例の公布並びに
委員
改選の議決は、いずれも適法であるか、こういう問題が一つ。それから改選前の旧
委員
は、辞表を提出しなくても当然その身分を失うものであるか、この二点の質問が参
つて
おつたのであります。それに対しまして行政課長名で、この
委員会
条例の一部
改正
は、その手続上の瑕疵がない限りは——その手続上の瑕疵の有無等についての質問が別にありませんし、その事実についての
説明
もありませんので、瑕疵のない限りは、その条例は適法なものと見なくちやなりません。その結果、
委員
改選の議決も適法で、それに基く
委員
の選任は有効と考える、こういう趣旨の回答をいたしておるのでございます。
田中稔男
13
○田中(稔)
委員
ただいまの御
説明
によりますと、自治庁からの回答には一つの仮定があるわけで、
委員会
条例の
改正
の手続において瑕疵がないならば、それは適法である、こういうような御回答であります。ところが私どもは、その条例
改正
の手続において瑕疵があつたということを主張するものであります。これは事実の認定の問題であります。きようここでそれについて、さつそく御答弁をいただくことは困難かと思いますから、自治庁としてよくお調べ願いたい。 それから、たとい百歩を譲
つて
、
委員
改選が適法であつた、従
つて
その違法を主張する寺崎君が間違
つて
おつたといたしましても、寺崎君が一片の通知書を
議長
に提出したということだけで、その通知書の内容の審議すら行われないで、これを懲罰にかけるということは、これはあまりに乱暴な市議会の処置であると私は思う。これは議決権の濫用であります。さらにその懲罰の種別が除名であるというに至
つて
は、まつたく非常識に驚くばかりであります。申すまでもなく、除名というのは議員にと
つて
まさに死刑である。直接その議員の政治的生命を断つとともに、その議員によ
つて
代表される多数の市民の市政に対する発言を封鎖するものである。従
つて
除名処分を行うにあた
つて
は、きわめて慎重な考慮を払い、いやしくも一時の感情にかられるというようなことがあ
つて
はならないと考えるのでございますが、この
意味
において、久留米市議会における寺崎君の除名処分をはなはだ不当と考えます。この点について当局の御見解を伺いたい。
小林与三次
14
○小林(与)
政府
委員
ただいまの問題は、久留米市議会の除名処分の適否の問題でございますが、この除名処分の内容の適否につきましては、これはいろいろ意見があり得るものでございます。しかしながらこの議会の処分は、まつたく議会の自主的な立場で、自主的な判断をする建前にな
つて
おりますので、自治庁といたしましてこれが適当とか不適当とかいう見解の表明は、差控えた方がいいのじやないかと私は考えております。
田中稔男
15
○田中(稔)
委員
最後に一言いたしたいと思います。昨年青森県議会は、米内山議員が本
会議
において、
反対
党の議員に対して、侮辱的言辞を弄したという理由で同君を除名したことは、同僚
委員
諸君の記憶になお新たなところであると思います。同議員は除名処分の取消しを要求して、行政裁判を提起したのでありますが、遂にこれに勝訴いたしまして、議席に復帰することができたのであります。 寺崎君の場合は、米内山君の場合に比べまして、一層乱暴な除名処分であると私は考えております。思うに寺崎君はわずか二十七才の、久留米市議会における最年少議員でありまして、常に市民の正義と良識を体して、情実と利権にからんだ市政の腐敗を、白日のもとに暴露し、これが粛清のために今日まで容赦なく闘
つて
来た男であります。このことがいわゆるボス議員の宿怨を買うことに
なつ
たのでありますが、今回無理な
委員
改選によ
つて
、寺崎君を競輪競馬
委員会
から他の
委員会
へ移したというその動機は、同君がとかく不正や腐敗の起りやすい競輪競馬
事業
を主管する
委員会
にお
つて
は、どうも都合が悪いと、彼らボス議員がじやまになると考えたからである。そのことに
反対
した同君は除名されたのです。私は日本の
地方自治
の健全にして民主的な
運営
のために、この問題をきわめて重視するものであります。寺崎君はすでに除名処分取消しの行政裁判を提起しておりますから、行政裁判の結果は必ずや同君の勝訴に帰することを疑いませんが、自治庁当局も
地方自治
の健全にして民主的な
運営
という見地から、何らかこの問題について適当な処置をと
つて
いただきますように要請して、私の質問を終ります。
西村力弥
16
○西村(力)
委員長代理
私からちよつと塚田国務大臣にお尋ねいたしますが、米内山議員の場合、裁判所で除名が不当だという判決に
なつ
た場合、吉田総理がそれに対して対抗した。こういうことにな
つて
おるわけですが、対抗できるとするならば、やはりこういう
地方自治
体の問題でも何らかそこに指導し得られるというか、そういうものが関連性を持つのではないかと思うのですが、それは全然なくて、こつちでは
地方自治
体に対して助言なり、勧告なりをや
つて
ならないと言
つて
おるのに、ああいう裁判の結果が出まして、総理から云々するということは、筋が違うのではないかと思われるのですが、その関連性は、いかにお考えになるのですか。
佐藤親弘
17
○佐藤(親)
委員
その場合はやはり行政裁判の手続をと
つて
いるのですかいないのですか。それを聞いて、その方におまかせに
なつ
たらいかがでしようかという意見を述べておきます。
北山愛郎
18
○北山
委員
議事進行について……。今の問題は質問者においても大体要望をつけて、そのことを打切られたようでありますから、進行上次の
町村
合併の報告を聞くことに移りたいと思うのですが……。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
西村力弥
19
○西村(力)
委員長代理
けつこうです。それでは質問者が質問を終了しましたので次の議題に移ります。
西村力弥
20
○西村(力)
委員長代理
町村
合併の進行の実情について、自治庁当局から御
説明
をお願いいたします。
小林与三次
21
○小林(与)
政府
委員
町村
合併のその後の進捗状況を御報告申し上げます。大体お手元に最近までの行われました状況の資料を提出しておきましたが、一つは
市町村
数の増減調べで、
昭和
二十八年十月一日から
昭和
二十九年一月一日までに合併した
町村
の増減の数をまとめておいたのでございます。この表は正直に申しまして、
市町村
の合併そのものの場合だけでなしに、
町村
という行政
団体
の増減でありますので、村が町になるとか町が市になるという数字も実は現われておりますが、大体の傾向はこれで御了解願えると思うのであります。ちようど合併促進法が出ましてから三箇月の間でございますが、その間に増減数として市が四つふえ、町が六つふえ、村が七十八減つたという計算にな
つて
おります。その後まだ本日まで引続いているく容集あるわけですが、今私はそれの内訳を持
つて
おりませんが、合計して百四十七の
町村
が減少にな
つて
おるという計算でございます。それから具体的な町を市としたもの、村を町としたもの、また
市町村
の合併状況は、別の印刷物で各県
市町村
名を書いたものをお配りいたしておきましたから、それを、ごらん願いたいと存じております。おかげさまで
町村
合併の問題は、全国的にその気分が盛り上
つて
おりまして、全体的な立場といたしましては、さしあたり二十八年度は、例の計画の一五%を実現したい、こういう
考え方
でございますが、全体的にはまず現在の総合的な合併計画をすみやかに確立してもらう。これがわれわれといたしましては基本的な
考え方
で、ございまして、この総合的な合併計画に基いて、合理的に個々の
町村
の廃合を推進して行くということが必要だと考えております。そこで各県におきましては、大体合併計画の作成過程に現在あるのでありまして、それぞれの県で
町村
合併推進審議会を設けて、あるいは試案をもうすでに出しておるものもあるし、まだ出していない段階のものもある。そこですでに島根県はこの合併計画を正式に決定いたしております。大体そういう過程でありまして、総合的な合併計画をつく
つて
いただく。それと相並行して、個別的な
町村
の統合も逐次進んでおりまして、それがただいま御報告申し上げましたような結果にな
つて
現われておるので、ございます。われわれの方に入
つて
おる情報によりますと、特に四月一日を機会として合併が行われる事例が、全国的にきわめて多いのでありまして、大体四月一日を
基準
といたしますならば一おおむねわれわれの輩ております計画通りの数字が出るのではないかと考えておるのであります。なお正確な数字はちようど今集めておりますので、その数字がまとまれば、あらためて当
委員会
に御報告申し上げたいと存じております。大体以上申し上げましたのがその後の状況でございます。正直に申しまして県によ
つて
相当のむらがあるというのが実情でありまして、ある数
府県
は非常に進んでおるし、その他多少出足がにぶ
つて
おるという県もありますが、それにつきましては、過般中央にできました推進本部の
委員
の方々にも出向いていただきまして、それぞれ地方に出て、いろいろな趣旨の啓発に当
つて
いただいたので、ございまして、引続きそうした必要があれば、推進本部の方々の出動を煩わしまして、中央地方相呼応しまして、この大
事業
を円滑に進めたいと考えております。
北山愛郎
22
○北山
委員
私はただいまの
説明
に対して、相当不満を持
つて
いるものであります。昨年の
委員会
で私どもが
町村
合併の進捗についての資料を出していただきたい、こう言つたのは、こういう村が何ぼ、市が
幾ら
ふえたとかいうような統計数字よりも、むしろ現在全国的に相当
町村
合併の機運が盛り上つおる。圭ろ李の虐はいろいろな傾向が出て来ているんじやないか。たとえば都市偏重の傾向があるのではないか、都市に対して周辺の村をどんどん合併されて行くというような形、あるいは
町村
を合併して市をうくる、その市が従来の都市的な形態でない農村市的な形態の、新しい型の市ができる傾向、あるいはまたそういうような合併の機運から取残されて、交通の不便な、合併すればかえ
つて
不便になるというような山間僻地等の
町村
が取残されてしまう、そういうところも出て来るのではないか、そういうようないろいろな
町村
合併の傾向を形態的に一つ求めておるわけなんです。従
つて
ただいまの御
説明
であれば、どうも自治庁は
町村
合併というものを、
町村
の行政整理のような観点から一五%減つた、やれ六〇%だ、三年後には三分の一に数を減らすのだということばかりを主目標にして、数さえ減ればいいのだというような気持が非常に強く出ておるように思いますので、その点で私は非常に不満に思います。それに関連いたしまして私どもは、どうしてもこの
町村
合併というものが、結局その合併した個々の
町村
がほんとうにいい自治行政を行い得るような力のある適正規模のものにな
つて
行くかどうかということについて、深い関心を持
つて
おるわけであります。そこでひ
とつ
現象として出て来たものを申し上げたいと思うのです。それは今度伝えられておりますものによりますと、三月の末までには市が五十くらいもできるのだということも聞いておるわけなんです。それに関連して、どうも
町村
合併が市制促進みたいな傾向が強いのではないか。せんだ
つて
全国の
町村
の
議長
会の
会議
があつたわけでありますが、その際にも、どうも都市偏重でも
つて
、この
町村
合併の促進は、農村というものを軽く見ておるのではないか。そういうような相当な不満も出たようなわけであります。ところが自治庁は、何でもこの前の地方課長
会議
の際に、市の要件として自治法の第八条に書いてあります人旦二万以上、それからいわゆる市街地区域の連櫓戸数が六〇%以上、商工業等の都市的な業態の
人口
が六〇%以上というような、あの自治法第八条の要件というものを緩和するようなこと、
人口
が三万以上さえあればその他の要件については、大目に見てもよいのだというようなことを指示された、あるいはそれと同じような通牒を地方にお出しにな
つて
おるというようなことを聞くのでありますが、私どもはこれは先ほど申し上げたような観点からいたしまして、非常に重大な問題であると思いますので、そういうようなことがあつたかどうか、通牒を出したとすればどういう通牒を出したか、それをまずお伺いしたいのです。
小林与三次
23
○小林(与)
政府
委員
ただいまのお話、しごくごもつともでありまして、大体さつきの資料をごらんになりましておわかりになりますように、市の設置が非常に多くな
つて
おる、これは事実でございます。それからいま一つ、市域への編入がかなり目立
つて
おるのも事実でございます。それだけでなしに、もちろん
町村
だけの合併も相当進んでおるのでございますが、全般的に目立つ傾向としては、そういうことは確かに今日の段階においては言えると考えております。われわれといたしましては、今度の合併は御案内の通り、
町村
として規模を
合理化
するということを本旨として、出発いたしておるのでございまして、それぞれの
町村
として合理的な再編成ができる限りそれが一番望ましく、またそういう方向に進むべきものだと考えております。しかしながら地勢、交通その他の状況で、市と不離一体の
関係
にある地域も少くないのでありまして、そういうものはそれぞれ実情に応じて市域に入ることも自然の流れと申しますか、発達傾向としてこれは容認せざるを得ない場合が、相当あることだと考えておるのであります。それと今お話に出ましたように、その小さな、特に弱小の村が取残される、これはわれわれとしては一番心配いたしておるのであります。そこで合理的な
府県
全般にわたる合併計画をつく
つて
おります。その方向に基いて村の内容、都市の内容に検討を進めて行くということが、一番念願といたしておるところでありまして、それは機会あるごとに強くわれわれとしても要望いたしております。先ほど申しました通り、今日
府県
の段階は、その合併計画をつくるというところにあると申しましたのも、そういうことでございます。 なおこの前の地方課長
会議
に、市の要件として自治庁として何か発言したじやない一か、通牒等が出ておるのじやないかということでございますが、通牒など別に出しておりません。ただこういうことを申したのは事実でございます。全般的に市の設置の機運があり、現地のきわめて熾烈な要望がありまして、そこで市の設置を具体的にどう扱うか。現在自治庁へ協議を申し出る建前にな
つて
おりますので、その方針をどうするかということが、われわれとして一問題であつたのであります。しかしながらこの
町村
合併という大目的も考えなければなりませんし、それから従来はそれほど合併というものを前提にしておかなかつたものだから、線に出なかつた市になり得るような地帯も、現実に相当あるのでありまして、そういうものが浮び上
つて
来ておるのも事実でございます。それとともに一方
地方制度調査会
で、御案内の通り市の要件を五万に引上げようという答申も出ておりまして、これもこれからの将来の発展を考えれば、市は市として相当の実力を持
つて
おるものを考えた方がいいという
考え方
もあり得るのでございまして、その方向で実はわれわれといたしましては、自治法の
改正
の準備も進めておるのでございます。しかし一面市の設置につきまして強い要望もあるし、本
委員会
におかれましても、そういうお考えのお方も少くなくおられるように存じておるのでありまして、市の要件として法律に書いてあることは、もちろん曲げるわけに行かないが、法律の運用上さしつかえのない限り、許容される限りは、現地の一致した熱烈な要望があれば、それにこたえていいじやないか。市の設置は奨励しないけれども、これはいわば受動的にすべて受入れるという
考え方
を持
つて
来ておるのでありまして、それが各県あまりちぐはぐにな
つて
もいけませんので、そういう趣旨のことは
会議
の席上で、私自身が申したことはあるのでございます。しかしながら
人口
三万さえあればいいということにはならないのでありまして、自治法に市街地を形成する区域が六割ということをはつきり書いてありますので、その要件の認定の問題といたしまして、法律の趣旨から逸脱しない限り、運用上さしつかえない限り認めて行こう、こういう
考え方
で扱
つて
おるのでございます。ただその結果行き過ぎて、三万さえあればいいじやないかというようなことで、ところによ
つて
はいささかどうかと思うようなものが、市とならぬかというような交捗、折衝を受けておる事例も実はございます。しかしながらわれわれといたしましては、やはり
現行
法がある限りは
現行
法の建前はくずさないように、運用上遺憾のないよう考えたいと思
つて
おります。
北山愛郎
24
○北山
委員
たいへん抽象的な御答弁でありますが、問題は、そのようないわゆる農村市というような形態が生れるという現地の素朴な要望は、これは無視できない、しかし現在自治法の第八条には市というものの要件が書いてある、そこに矛盾があるわけであります。今の御答弁は、その法律は曲げない、
現行
法のもとでは曲げないが、なるべく受入れ得るようにして行こうというようなお話でございますが、私どもは根本的に考えて、
現行
法のもとではという、その
現行
法そのものを、やはり検討する一つの傾向を、その中から見なくてはいかぬじやないか。農村市というものが出ても、そういうものをつくりたいという要望あるいは実際上の必要というものを、現在の自治法は受入れ得ない。現在法にはそこに一つの制限がある。
現行
法そのものをかえなければならぬということも、その実際の機運の中からくみと
つて
行かなければならぬのではないか、こう思うのでありますが、今後の方針として、
現行
法のままで、その
わく
の中で、どう考えても都市ではないようなものを市という名前をつけて——地方では、市という名前をつければ何か信用がふえるというようなことで、村よりも町、町よりも市というように格が上のような、非常に間違つた考えを持
つて
おるが、その間違つた考えをいつまでも続けさして行くつもりなのか。現在の機運をどういうふうに把握しておるか、
現行
法がもしそれに適切でないというならば、かえてもよろしいというような考えを自治庁として持
つて
おるか。これは塚田大臣のお考えもお聞きしておきたい。
塚田十一郎
25
○塚田国務大臣 今
町村合併促進
の機運をじつと見ておりまして、やはり私はその中から出て来る傾向というものをつかんで、その他いろいろな面で、自治法の
改正
を今度企図いたしておりますので、その機会にそういう傾向ではつきりしたもの、しかもその中から助長してしかるべき傾向というものがあれば、そういうものが法律と矛盾して、その勢いをすつかり阻害しておるということであれば、それを助長するように法律の
改正
もやつた方がいいのじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。ただいろいろめんどうな問題がたくさんあります。たとえば農村市というような形のものが出ました場合に、そういうものを今までの市という概念でくび
つて
しまうかどうか、ここにも問題が一つあるので、やはり農村市というような傾向が出て来るとすると、現地に非常に希望があるのであるから、そういう希望を入れた場合に、そこに出て来ておる新しい、また出て来る新しい
自治団体
というものを、どう規定するかということも、
考え方
の一つの問題点であると考えております。非常に本質的な大きな問題がたくさんあると思
つて
おりますので、おそらくそういう根本的な問題は、引続き
制度
についての御検討を願
つて
おります
地方制度調査会
の御意見も聞いてみなければならない、こういう気持であります。しかしそういう問題を包含して、この機会に新しい
自治団体
の動き、趨勢、動向、そういうものを察知しながら自治法の
改正
を意図しない、必要があれば
改正
をしたい、こういう
考え方
であります。
加藤精三
26
○
加藤
(精)
委員
ただいまの北山
委員
の質問に関連いたしまして——いろいろ新しい問題が起きつつあるのでありますが、私は北山
委員
が平素抱懐しておられます中型自治体と申しますか……(笑声)県と
市町村
との中間に属する
団体
が、直接国の行政庁に連なるという構想を、非常に重視しているのであります。自治庁長官の、今回の合併促進法は第一次であ
つて
、第二次があるという御説に対して敬意を表しておるものでありますが、合併促進法を審議しますにあたりましては、あまり市に対する編入がないように、いわゆる農村市というようなものが起きないように——
人口
政策上の御配慮を
政府
当局はされておられたようでありますが、
人口
政策として
町村
の境域
合理化
の
制度
は別に考えていただきたいということを、私は合併促進法の審議の過程におきましても、常に絶叫しておつたのであります。そうして
町村
が市と合併するのを比較的困難にし、
町村
同士で合併するのを比較的容易にしようというような立法は無用である。それよりも、小
町村
で近代的な生活文化の施設が何一つできないようなさんたんたる状況をおしまいにした方がよい。相当強力な、相当な
面積
と、
人口
と、財政力とを有するものにな
つて
、自治体が繁栄した方がよいという理想を、非常に強く持
つて
審議をして参つたのであります。ところがふたをあけてみますと、自治庁の考えている
人口
政策的配慮に基く、
町村
が市と一緒に
なつ
たりすることをなるべく防ごうという考えは、完全に敗北になりまして、新しく市に入るのが非常に多いという結果を見ているのであります。いかにりつぱなる立法操作をしたところが、生活の必要と大衆の要望というものには勝てないのでありまして、この点から言いまして、もはや時期が来たと思います。私の結論とするところは、北山構想の中間自治体論より、自治庁長官の抱懐しておられる第二次合併の実施に向
つて
どんどん邁進した方がよい。それには、あえて市とか
町村
とかいう名前にあまりこだわらないで、どんどんどんどん第八条を緩和して行
つて
、市という名前で、上水道の水も飲め、またどぶの排水もできるような近代的生活文化に対する
国民
のあこがれが、実現しやすいようにした方がよいではないか。そういう
意味
におきました北山
委員
が、
町村合併促進
法は各市への編入と、市の誕生という方向に、少し片寄り過ぎておりはしないかと言われたのに対して、私はそうした小さなきずを問題にするよりも、この際どんどんどんどん合併した方がよいと考えているのでございますが、これに対する
政府
御当局の御意見を承りたい。 なお
町村
合併の中央機関を設置し、あるいは
独立
の部または法律による審議会等をつく
つて
やるべきものなのであります、これだけ事が重大に
なつ
たら。それが国家の利益なのでありますから、そういうものをつくることに進みなさるか、あるいはそういう法律案等を出しなさる御意思があるかないか、それが第二の質問であります。 第三の質問は、現在中央に審議会まがいのものができておるようでありますが、これはとかく国
会議
員を締め出しているようでありますので、そういうことをなさらぬで、国会は
町村
合併にはほとんど各党をあげて、また参議院、衆議院をあげて協力しておるのでありますから、国
会議
員も多数入れてそういう大きな
町村合併促進
の方向の審議に力を入れさせていただきたいと思うのです。以上三点に対しての大臣の御所見をいただきたい。
塚田十一郎
27
○塚田国務大臣 第一の合併の方向に対する御意見は、
加藤
委員
の
考え方
も確かに一つの
考え方
であり、私もそういう
考え方
に相当同調して物を考えておる面があるのであります。ただ先般来、国会側にはまた全然別の
考え方
からする
考え方
もおありのようでありますので、そういう
考え方
も伺
つて
頭に置きながら、正しい方向を見出して行きたい、こういうように考えております。それから、合併を促進するいろいろな機構につきましては、大分検討はいたしたのでありますが、とりあえずただいまは合併促進本部という形にな
つて
おります。従
つて
ああいう機構である場合には、国
会議
員の方々に御加入願うということも適当でないと考えて、今の段階では国
会議
員の方々の御加入は願わないという形にな
つて
おりますけれども、なおだんだんと問題が本格化して来るならば、あるいはもう少し検討した方がいいのかもしれないと思いますので、そういう機構につきましては、今後十分検討して参りたいと思
つて
おります。
北山愛郎
28
○北山
委員
塚田大臣のお考えは、いろいろな要素がたくさんおありになるようで、しかも方向がはつきりわからないのです。もう一ぺん
考え方
としてお伺いしたいのですが、先ほども大臣がお認めに
なつ
たように、現在全国的に盛り上
つて
おる
町村
合併というものは、やはりいろいろな問題を引起しておるように思われる。われわれはこれを立法的あるいは行政的に十分注目をして、正しい
地方自治
を確立するために最善の努力をしなければならぬと思うのです。大臣のいろいろな談話等では、何か今度の
町村合併促進
法によ
つて市町村
が非常に適正な規模になりつつある、だから県の方は知事官選にしたり、あるいは警察機構を中央集権にしたり、これは国の出先の方にや
つて
もよろしいというように受取れるのですが、私どもはやはり
町村
合併というものは、今度の促進法だけではむしろ新しい問題を提供するだけであ
つて
、ほんとうの適正規模の
市町村
なり、
地方自治
体をつくるその解決には、まだ遠いと考えておるのです。その辺大臣はもう、
町村合併促進
法でどんどんやればよろしい、県の方は出先機関の方にしてもよろしいというお考えであるか。何でも新聞等を拝見しましても、
町村
合併が進めば今度は
府県
の方の合併をやる、あるいは、道州制ということも考えられる——それと関連して何かお考えにな
つて
おるようですが、その辺いかがでしようか、お考えを伺いたいと思います。
塚田十一郎
29
○塚田国務大臣 これは先般農林
委員会
でいろいろ御質問がありました機会に申し上げ、またそのあと予算
委員会
でも若干申し上げたのでありますが、基本のものの
考え方
としては、大体ただいま北山
委員
が御指摘に
なつ
たような
考え方
をいたしておるわけであります。 私の
自治団体
というものに対する基本の
考え方
は、
自治団体
が二段階にあること自体が、どうもおかしいのじやないかという、きわめて素朴なものの
考え方
から出発をしておるのであります。(「賛成」と呼ぶ者あり)大体広い
意味
の中央、地方を含めた国の
事務
のうちに、おのずから
自治団体
の仕事としてしかるべきものと、国の仕事としてしかるべきものとある。
自治団体
の仕事としてしかるべきものというのは、大体どれか一段階の
自治団体
で片づけてもらえば済むはずのもので、それが二段階にな
つて
おりますから、無理にその間に
事務
配分をしてしまう。従
つて
現在の
府県
というものは、性格的には
自治団体
でありながら、大
部分
の仕事は実は国の
事務
をや
つて
おるというかつこうにな
つて
おる。それはやはり
自治団体
が二段階にあるべき性質のものではないのに、二段階においてあることから来る無理だと私は思う。それでは現在の
状態
をすぐにそのままそういう
考え方
で持
つて
行けるかというと、それはやはりそうは行かぬ。本来育てなければならぬ
自治団体
、つまり第一線の
自治団体
がまだ規模も非常に小さく、財政力も弱く、従
つて
行政能力も小さいものですから、それはいけない。従
つて
これを育てるという方向が一つの方向だ、従
つて
それが育
つて
来れば、当然二段階の
自治団体
は一段階になるはずだ。こういう感じでものを申し上げておるのであります。あと
府県
の統合でありますとかその他は、そこまで至るいろいろな段階のことを申し上げておるのであります。また従
つて
私の新聞紙上などで伝えられておる
考え方
は、今すぐにその通りに法制化しようというような感じで、申し上げておるわけではないのでありますから、その点は御了承願いたいと思います。
北山愛郎
30
○北山
委員
問題が非常に大きいので、さらに十分な時間をかけていろいろお話を聞きたいと思うのですが、時間がございませんから……。その点は現在の
町村
合併でうまく行くのだというようなお考えで、そうしてこれを踏台にして一段階にしてやるということには、私どもは非常に疑問を持
つて
おる。従
つて
現在全国的に進んでおる
町村
合併というものを、もう少し真剣に、その実態を見ていただきたい。地方に参りますと、合併したらいいかどうかということを個々の
住民
はわからない、判断がつかないのです。ただこの際
政府
の方針だから、自分だけ合併をしないと何かバスに乗り遅れてしま
つて
、
補助金
や交付金などで損をするのではないか、いじめられるのではないか、こういう気持が非常に濃厚なんです。
住民
についてもほんとうは迷
つて
おる。迷つたままで、
政府
の方針だからということで、どんどん進められて行く危険があるのではないか。私どもはそのような方向のない
町村
合併をさせて行きたい。そのバスに乗り遅れる者が出て来たり、あるいは単に市に
なつ
たら格が上つたというような素朴な感じを、そのままに放置して行くようなことでは、ほんとうの自治行政というか、自治のために考えるわれわれとしては不十分だ。もつともつと実態を見ていただきたい。 そこでさらに要望いたしますが、今各
府県
でいろいろな計画をされておると思うのです。その計画、あるいはそれを形態別に直して、市をつくろうとするものがどれくらいあるか。その
人口
なり、あるいは連檐戸数なり、あるいはその形というようなものにいろいろわけて、資料を出してもらいたい。これは自治庁そのものが自分でそれをやる必要があるわけなんです。私どもとしても必要がある。その資料をさらに要望いたします。そのほかにも
町村
合併の問題はたくさんありますが、たとえばこまかい問題では、地方で合併以前に村の財産をあわてて売
つて
しま
つて
、それを慰労金に使おうとしたりするような傾向も、ちよいちよい見えるようであります。いろいろな問題がありますから、その質問はまた別の機会に譲ることにいたしますが、先ほど申したような趣旨で、私はこの資料は重大だと考えますので、ひ
とつ
十分よいものをつく
つて
出していただきたい。これで私の質問は終ります。
西村力弥
31
○西村(力)
委員長代理
本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十八分散会