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1954-01-27 第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年一月二十七日(水曜日) 午前十一時一分
開議
出席委員
委員長
中井
一夫君
理事
灘尾
弘吉君
理事
床次 徳二君
理事
西村 力弥君
河原田稼吉君
熊谷 憲一君 佐藤 親弘君
田嶋
好文
君
三浦寅之助
君 橋本 清吉君 藤田 義光君
阿部
五郎
君
石村
英雄
君 北山
愛郎
君
伊瀬幸太郎
君 大矢 省三君
中井徳次郎
君 門司 亮君
委員外
の
出席者
国家地方警察本
部長官
斎藤
昇君
国家地方警察本
部警視長
(
警備部長
) 山口
喜雄
君
宮内庁次長
瓜生
順良
君 参 考 人 (
警視総監
)
田中
榮一
君 参 考 人 (
警視庁警備課
長)
土田
国保
君 専 門 員 有松 昇君 専 門 員 長橋 茂男君 ――
―――――――――――
一月二十五日
委員加藤精三
君、
山中貞則
君及び
池田正之輔君
辞任
につき、その
補欠
として
富田健治
君、
田嶋
好文
君及び
松永東
君が
議長
の
指名
で
委員
に
選任
された。 同月二十六日
委員富田健治
君、
赤路友藏
君及び
横路節雄
君辞 任につき、その
補欠
として
加藤精三
君、
阿部
五 郎君及び
石村英雄
君が
議長
の
指名
で
委員
に
選任
された。 同月二十七日
委員三宅正一
君
辞任
につき、その
補欠
として中
井徳次郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に
選任
された。 ――
―――――――――――
一月二十一日
冷害対策
としての
地方財政平衡交付金増額等
に 関する
請願
(關内正一君
紹介
)(第一六号) 同(
松井政吉
君
紹介
)(第一七号) 同(
助川良平
君
紹介
)(第一八号) 同(
山下春江
君
紹介
)(第一九号)
貨物自動車運送事業
に対する
事業税
の
外形標準
課税廃止
に関する
請願
(
迫水久常
君
紹介
)(第 二〇号) 同(
相川勝六
君
紹介
)(第二一号) 同(
舘林三喜男
君
紹介
)(第二二号)
自動車税軽減
に関する
請願
(
相川勝六
君
紹介
) (第二三号) 同(
舘林三喜男
君
紹介
)(第二四号)
古物営業法
の一部
改正
に関する
請願
(
小川豊明
君
紹介
)(第二五号) 糸井村の
平衡交付金引上げ
の
請願
(
小島徹三
君
紹介
)(第二六号)
地方税法
の一部
改正
に関する
請願
(
小平忠
君紹 介)(第二七号) 同(
岡田五郎
君
紹介
)(第二八号) 同外二件(
小笠公韶君紹介
)(第二九号) 同(
中村幸
八君
紹介
)(第三〇号) 旅館の
遊興飲食税撤廃等
に関する
請願
(
原茂
君
紹介
)(第三一号)
遊興飲食税
の
国税移管反対
に関する
請願
(淺沼 稻次郎君
紹介
)(第三二号) 同(
中村庸一郎
君
紹介
)(第三三号)
入場税
の
国税移管反対
に関する
請願
(
椎熊三郎
君
紹介
)(第三四号) 同(
鈴木茂三郎
君
紹介
)(第三五号) 同(
春日一幸
君
紹介
)(第三六号) 同(
赤松勇
君
紹介
)(第三七号)
狩猟者税軽減
に関する
請願
(
小枝一雄
君
紹介
) (第三八号)
町村合併促進
に関する
請願
(
小枝一雄
君
紹介
) (第三九号) 上村に
特別平衡交付金交付
に関する
請願
(
原茂
君
紹介
)(第四〇号) 学生の
選挙権
に関する
自治庁通達廃止
の
請願
(
三輪壽壯
君
紹介
)(第四一号) 倶知安町上水道の
昭和
二十八年度
起債認可
に関 する
請願
(
椎熊三郎
君
紹介
)(第四三号)
地方税制改革案反対
に関する
請願外
一件(高橋 禎一君
紹介
)(第四五号)
都市水利施設整備費増額
に関する
請願
(
庄司一
郎君
紹介
)(第一〇五号) 同月二十六日
らい療養所内
の
選挙演説許可
に関する
請願
(松 前重義君
紹介
)(第二〇四号) の審査を本
委員会
に付託された。 同月二十日
地方債
の
わく拡大等
に関する
陳情書
(第七号) 同(第八号)
地方債許可制度
の
撤廃
に関する
陳情書外
四件 (第 九号) 同(第一〇 号) 同外一件 (第一一号) 同(第一二号) 知事の
地方債許可権排除
に対する
反対
の
陳情書
(第一三号)
地方税改正
に関する
陳情書
(第一四号)
事業税改正
に関する
陳情書
(第一五号)
自転車税
及び
荷車税
の
賦課方法改正
の
陳情書
(第一六号)
給与所得者
に対する
市町村税
の
控除額引上げ
に 関する
陳情書
(第 一七号)
町村議会
に
事務局設置
に関する
陳情書
(第一八号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した
事件
警察
に関する件(
二重橋関係事件
) ――
―――――――――――
中井一夫
1
○
中井委員長
これより
会議
を開きます。 本日は一昨日の
理事会
の
申合せ
によりましていわゆる
二重橋事件
について
調査
を進めることといたします。本問題につきましては、時も時、
場所
も
場所
であり、多数の
死傷者
を出すに至りましたことは、まことに遺憾とするところでありまして、
警察
を所管といたします本
委員会
といたしましては、特に関心を有するところでありますが、過日
国警本部
及び
警視庁
よりそれぞれ本
事件
に関する
報告書
が、
委員会
あて送付されておりますので、
理事会
の
申合せ
に基きまして本日
調査
を進めることといたしたのであります。さて、本
事件
の
原因等
につきましては、
警察法
の
改正
に関連いたしまし、巷間種々論議せられておるのでありますが、本
委員会
といたしましてはあくまでも至公至平、白紙の立場により、その
原因
や
責任
の
問題等
についてたけではなく、さらに一歩を進めて今後再びかかる
不祥事件
が起らないよう、その
対策等
についても
調査
を進めたいという趣旨によ
つて
、この審議を進行させたいと存じます。それではこれより
国警
、
警視庁
、
宮内庁
よりそれぞれ
説明
を聴取いたすことといたします。なおこの
機会会
にお諮りをいたしますが、本
日本委員会
に
出席
を求めましたのは、
宮内庁次長
の
瓜生順良
君、
国警本部長官斎藤昇
君、同じく
警備部長山吉喜雄
君、
警視総監田中榮一
君、同じく
警視庁
の
警備課長土田国保
君であります。そのうち
田中警視総監
及び
土田警備課長
は
政府委員
または
説明員
ではありませんので、このお二人については
参考人
として聴取することといたしたいと思いますが、御
異議
は、ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中井一夫
2
○
中井委員長
異議
なしと見て、さように決します。 まずこの際
宮内庁次長瓜生順良
君より、本
事件
の
概要
につき御
説明
をお願いいたしたいと存じます。
瓜生順良
君。
瓜生順良
3
○
瓜生説明員
それでは御
説明
を申しますが、去る一月二日、新年
一般国民参賀
の当日におきまして
二重橋
のああしたことが起きましたことに対しましては、私
たち宮内庁
の者といたしましてまことに遺憾に存じ、
不幸犠牲
になられた方に対しましては、
衷心
より敬弔の意を表する次第であります。 この
行事
につきましては、これは毎年行われておるのでありまして今年の正月におきましても、昨年の例とおおむね同じ
やり方
で、
宮内庁
としてはこの
行事
の取
運び
をいたしたわけであります。二日の午前九時に
皇居
の
正門
をあけまして午後の三時まで
参入
をしていただくということも昨年と同じであります。昨年と幾らか違いますのは、お
入り
にな
つて
から御
記帳
を願う
場所
のことであります。御
記帳
を願う場合、昨年は机を三十出しまして、これを五列に並べまして、その間を
ちようど改札口
を
通つて
入るようなふうに、ずつと
通つて
お
入り
になる、そこで
記帳
をそれぞれされる。それから進まれて、
ちようど宮内庁
の、
バルコニー
の上に両
陛下
がお立ちになるところがありますので、その方にずつと来ていただきましてそれから
坂下門
を
通つて
、
坂下門
が
混雑
する場合においては、このほかに内
桜田門
、
大手門
の方からも出ていただくというような取
運び
方であ
つたの
であります。この
記帳
の
場所
について
ちよ
つと申しましたが、昨年と違いますのは、
記帳
の
場所
は同じところでありますが、机の並べ方を
改札口
のようにずつとこう出しますと、かえ
つて
混雑
をしていけないのじやないかというので、本年はこの机を、入られてからあの
広場
の
左側
の方の
片側
に並べましてその机の数も昨年よりは少か
つたの
であります。その机の数につきましては五個でありまして、そこに六冊ずつの
記帳
の
帳面
を置いたのであります。
帳面
の数から言いますと、昨年が百八十冊本年が三十冊で少いのでありますが、そのほかに
名刺
をお受けする机を出しました。その
名刺受け
を出して
名刺
を受けた方が、皆さんがお
入り
になるのに時間をとらなくてよいのじやないかということから
名刺受け
を新たに設けました。御
記帳
の
場所
を
改札口
のようにずつと並べないで
片側
の方に置き、これもある程度数を減らしましたのは、
混雑
を防いでお
入り
になる方が早く済むようにしたわけで、昨年は全部の方が御
記帳
をなさ
つて
おります。それから
陛下
が
お出まし
にな
つて
、
陛下
に直接ごあいさつされる場合においては、りくつから言いますと御
記帳
にならなくてもいいわけで、そういう点もありましたので、たいていの方は
陛下
の
お出まし
を待
つて
陛下
に、ごあいさつをしてそれから帰られるというのが普通であります。ごく一部の方が
陛下
の
お出まし
を待たずに、ずつとお帰りになるというような
状況
もありましたので、そういうように
混雑
を防ぐ意味から、御
記帳
の
場所
のつくり方をかえ、
帳面
の数も幾らか減らしたのであります。それからこの
バルコニー
に両
陛下
の
お出まし
のことでありますが、
お出まし
の
回数
につきましては、これは
最初
は四回、午前二回、午後二回という
予定
で考えられてお
つたの
であります。しかし相当多数の方が来られまして中が
混雑
いたしまするので、この
回数
を七回にふやしていただいたのであります。昨年も四回の
予定
でありましたが、一回ふやしまして五回
お出まし
を
願つたの
であります。今年は三回ふやしまして七回の
お出まし
を
願つたの
であります。しかし相当多数の方が来られますと、
宮内庁
のパルコニーの前は、すぐに
一ぱい
になります。そこで
一ぱい
になりますと、両
陛下
にお願いして
お出まし
を願うというようなことで、この同数をふやしたのであります。そういうような取
運び
方をいたして参
つたの
であります。なおこの
正門
のあく時間は、昨年と本年は同じでありますが、
正門
を締める時間につきまして、実は本年は昨年と違う点は、
予定通り
三時に締めたのであります。昨年は、
予定
は三時でありましたが、三時半まで開いておりました。これは門の前に相当多数おられたので三十分延ばしたのであります。じや本年はなぜ延ばさなかつたということをいろいろお尋ねを受ける場合がありますが、これは
ちようど
御承知のように、ああした
事故
が二時二十分前後に起きまして、
二重橋
からこの門の
付近
は、非常に
混乱
をいたしました。これを
予定
以上に延ばしておりまして、またどういうふうなことがあ
つて
も相済まないし、
混乱
をしている
場所
の
善後処置
の
関係
もいろいろありまして、
予定通り
に三時に締めました。そういう点は昨年とは違いまするが、
事故
の起きた
善後措置
、
あと
の
措置
としてこれがよかろうというようなことで、
予定通り
に締めたような次第でございます。このように取
運び
ましたが、ああしたことが起きて、不幸たつ
とい生命
を失われた方、また
負傷
を受けられました
方々
が生じましたことに対しましては、先ほど申しましたように、非常にわれわれも遺憾に存じているわけであります。こうした方に対する、十分とは行かなくても、できるだけのお見舞を申すというように、
宮内庁
としても
処置
を講ずるとともに、なお今後の問題といたしまして、再びああした
事故
が起きてはまことに相済まぬのでありまして、
行事
を取運ぶ営内庁の方といたしましても、
参賀
の
方法
につきましては、さらに再検討を加えまして、
事故
の再発のないようにして参りたいと思いまして、目下
宮内庁内部
並びに
関係
の
方々
とも御相談をしまして、今後の
やり方
ついては研究中でございます。 ごく
概要
を申し上げた次第でございます。
中井一夫
4
○
中井委員長
次には
国警本部長官斎藤昇
君の御
説明
を願います。
斎藤昇
5
○
斎藤説明員
一月二日
二重橋
前におきまして、
参賀
の
方々
が多数死傷せられましたことにつきましては、
衷心
から申訳ない次第だと存じております。この点は国会を通じましても
おわび
を申し上げる次第でございます。当日の
参賀客
の
整理
、
警備
の
やり方
につきましては、
従前
から
警視庁
と
皇宮警察本部
とが
打合せ
をいたしまして、
お互い
に
警備
、
整理
の
計画
を交換し
合つて
お
つたの
であります。以前には
一緒
に集まりまして
計画
をいたしたこともあるのでありますが、その後は集まることなしに、ことに今回は
一緒
に集ま
つて計画
は立てませんでしたが、大体
従前
の
方針
によりまして、
皇宮警察
ではこういう
方針
で、こういう
警備計画
で、こういう
整理方針
でやる、それに
従つて警視庁
、
丸の内署
におかれても、自分の方はこういうようにしてやるということで、当日の
警備
及び
整理
の
計画
をいたしてお
つたの
であります。当日は非常に好天に恵まれまして、
参賀
の
方々
が次第に多くな
つて
来られまして、午前の十一時前くらいまでは、大体
計画通り
に六列の縦隊で
広場
前に
整理
されお
つたの
でありますが、だんだん人が増すにつれまして、この
整理
がくずれて参りまして、十一時ごろからはあの
二重橋
の下の方の
石橋
に、まつたく人が
一ぱい
にな
つて
、中に
参入
するという
状況
にな
つて
参りました。中の方の、
二重橋
の上の方の
鉄橋
は、若干下の
石橋
よりも人
通り
が緩慢であり、数が少くしか通れないという
状況
からいたしまして、
石橋
と
鉄橋
の間の
広場
もまた異常の
混雑
を来して参つた次第でございます。かようなわけからいたしまして、十一時過ぎからは、
二重橋
の下の方の
石橋
を通る
人たち
を、時間的に制限せざるを得ない
状態
に相な
つたの
であります。そこで
現場
におきまして、
皇宮警察
の方と
丸の内署
の者と
打合せ
をいたしまして、
お互い
に
合図
によ
つて石橋
から
参入
する人を制限するという
やり方
をや
つて
お
つたの
であります。ところがその
整理
の
方法
も非常に困難にな
つて
参りまして、遂に一時五十分一ごろでございましようか、
皇居
前の
広場
と
石橋
の境のところに、
ロープ
をも
つて
一時
殺到
をせきとめたのであります。ところがその
ロープ
も
群衆
の
圧力
によりまして弓なりになり、
ロープ
のためにまたむしろ危険を感ずるような人も出て参つたような
状況
であります。
ちようど
そのころにさらに
参入
をさせてもよろしいという
合図
によりまして
ロープ
を上げたのでありますが、そのとたんに先に
石橋
の上に出られた一、二の方が倒れられた、その上に
群衆
が
殺到
をいたしまして、ここに珍事を惹起いたしたという
状況
でございます。まことに申訳ない次第でございます。われわれといたしましては、今後さらに
群衆
の
整理等
につきましては綿密な注意を加えまして、かようなことが再び起らないようにいたしたいと考えておる次第でございます。
皇宮警察
といたしましては、
皇居
内の
混雑整理警備
のために、二百三十数名を当日動員をいたして
警備
に当らせてお
つたの
であります。当日予想よりも
参賀
の
方々
が非常に多くな
つて参つて先
ほど申し上げまするような
混雑
の
状況
に相なりまして
現場
におきましては
整理
に努めてお
つたの
でありますが、われわれといたしましては、さらにもつともつと
警視庁側
と
連絡
を密にいたしまして、この
雑沓整理
を事前にもう少しいたすことができればという点が、われわれの非常に申訳ないと感じておるところでございます。 詳細の点はまた御質問に応じましてお答えを申し上げたいと存じます。
中井一夫
6
○
中井委員長
次には
警視総監
の
田中榮一
君から御
説明
を願います。
田中榮一
7
○
田中参考人
御
説明
を申し上げます。一月二日
一般参賀
に際しまして、
二重橋石橋土
におきまして、不測の
事態
が発生いたしまして、多数の
死傷者
を出すに至りましたことは、まことに遺憾にたえないのでありまして私どもも
衷心
からその
責任
を痛感し、かつまた各
方面
に多大の御迷惑をかけ、また多数の
犠牲者
を出したことに対しまして、
衷心
から
おわび
を申し上げておる次第でございます。 なお本件につきましては、ただいま
宮内庁
の
次長
、並びに
齋藤国警長官
から大体の御
説明
がございまして、いささか重復する点があるかと存じまするが、なお
事態
をはつきりさせるために重複をいとわず、御
説明
を申し上げたいと存じます。 大体の
事故
の発生いたしました日時は、一月二日の午後二時十分ごろから二十分ごろの間と推定をいたされます。
事故
の起きた
場所
は、
二重橋石橋
上のやや
中央
のところでございます。
死傷者
の数は、入院後の
死亡者
を合せまして
死亡者
十七名、
負傷者
はその後
所轄署
において判明したものを合せて、合計八十二名に及んでおります。まことに申訳なく、お気の毒に存じておる次第でございます。 当日の
警戒配備
と
参賀者
の
状況
について申し上げますと、昨年十二月二十二日
付書面
により
警視庁警備課
及び
丸の内警察署
に
皇宮警察本部
より
連絡
がありましたので、これに基き、
丸の内警察署
において
警備課
の指示を受け、警部を
中隊長
とする三十六名の
警戒部隊
を編成いたしまして、午前八時五十分
現場
に
到着
、
警戒
に当り、
予備
といたしまして、第一
予備隊
一個
中隊
を
警視庁中庭
の自隊に待機せしめてお
つたの
でございます。
参賀者
は午前九時前すでに約二千名が、二
軍橋広場
で
開門
を待
つて
おり、午前九時の
開門
と同時に続々と入門いたしまして、午前十一時三十分ごろまでは
桜田門方面
の
参賀者
を四列、
馬場先門
、
坂下門方面
を四列として、これを
二重橋
前
広場
において八列に合して
参入
せしめ、
警戒員
は半数を配置して
整理
をしてお
つたの
でございます。午前十一時三十分を過ぎるころから、
参賀者
は漸次その数を増して参りました。
現場
の
皇宮警察官
の
連絡
によりまして、御
記帳所付近
に
群衆
があふれておるから、
参入者
の
整理
をしてほしいという
連絡
に基きまして、
石橋
の
駒寄
に六名を配置して、
駒寄
の
阻止
に協力せしめてお
つたの
でございます。次いで第二回目の
連絡
が、これが十一時五十五分ごろと思われるのでございますが、
現場
の
皇宮警察官
の方から
丸の内署
に対しまして、
鉄橋
が腐朽してあぶないから、
祝田
の線で
後続者
を一時
遮断
をしてはしいという再度の
連絡
によりまして、
祝田
町
警備出張所
から
坂下門方面
に向
つて
、
ロープ
を
張つたの
でございます。
ロープ
と申しましても、これは
最初警察官
の持
つて
おりまする捕縄を結び合せまして仮の
ロープ
を張りまして、
一般参賀者
を一時
阻止
する
方法
をと
つて
お
つたの
でございますが、この
阻止
は間もなく
参賀者
が多数のために中止せざるを得なくな
つたの
であります。正午ごろになりますと、
石橋手前
の
広場
は
参賢者
が進まないために、次第に停滞をいたしまして、八列による
参入
も次第にその形が失われがちで、
整理
に困難を来したのであります。大体十二時ごろになりますと、
皇居
に向いまして、
砂利
の
広場
の
左側
に芝ふがございますが、それまでは芝ふの上を通らすに、
砂利道
だけを
通り
まして
参入
してお
つたの
でありましたが、正午ころからこの芝ふの中に多数の
参賀者
が
入り
まして、芝ふを斜めに三角形によぎりまして、
二重橋
の
方面
に多数が
殺到
いたして参りまして、ほとんどこれによ
つて
この八列の
整理
も乱れてしまつたというような
状況
でございます。午後零時三十分ごろになりまして、容易に
参入
できない
参賀者
の中に、
婦人
、
子供等
は帰る者ができて参りまして、帰る者と
参入
せんとする者との間に、非常に
混雑
を来したのでありますが、
丸の内署
におきましては二個分隊をもちまして、お
手元
に差上げました書類の第一図にございますように、この
参賀者
の中に第一、第二の図のように、
ロープ
による
遮断線
を設けまして、さらに帰宅しようとする人々のために、
祝田
町
警備出張所——祝田
町
警備出張所
と申しますと、この
広場
の下の方の
桜田門寄り
の交番でございますが、これを
祝田
町
警備出張所
と申しておりますが、この
祝田
町
警備出張所
のそばのほりぱたに沿いまして、
丸の内署員
によりまして、一メートルくらいの仮
出路
をつく
つて
、この仮
出路
から
婦人
、
子供
で帰宅せんとする者を相当助け出しまして、帰宅をさせてお
つたの
であります。 午後一時十五分ころになりまして、
二重橋
はますます
混雑
を増しましたので、
丸の内署
といたしましては二十六名の
当番員
を緊急召集いたしまして、お
手元
に差上げました
別図
の第三の
通り
に、
祝田
町
警備出張所
のすぐ上のところからこの右側の芝ふに向いまして
遮断線
を設けまして、
混雑
を防いでお
つたの
であります。 さらに午後一時三十分ごろになりまして、
ちようど
このときに
参賀
のために来合せました第六
予備隊員
に
応援
を求め、これが大体四十三名でありましたが、この
予備隊員
が
ちようど団体参賀
のために来合せましたので、
中隊長
からただちに部署についてくれという
要請
によりまして、この第六
予備隊員
がこの
要請
に応じまして、この
避難路
をさらに確保いたしまして、
老幼婦女子
の救護及び
参賀者
の
整理
、
警戒
に当
つたの
でありますが、少くとも数百名は、この退路によ
つて
救出
せられたのであります。 次いで午後一時五十分ごろ
警戒員
の不足を認めた
丸の内署
では、第一
予備隊
の出動を
要請
し、次いで
石橋
上が
参賀者
で一ばいとなりまして、
広場
よりはなお続々と
後続音
が押し寄せますので、午後一時五十分ごろ、
石橋ぎわの駒寄せ付近
に
阻止
をはかりましたが、なおとどまらぬので、やむなくこの
阻止
と申しますのは、あそこに木製の棚がございまするが、その
棚等
を利用して、
阻止
をはか
つて
お
つたの
でありますが、とてもそれでは及びもつきませんので、やむなく
ロープ
をも
つて
参入者
の中に割
つて
入り
まして、ようやくこれを
阻止
することができたのであります。 午後二時ごろには、二
直橋石橋
上は、これがため
相当空間
ができましたが、この
ロープ
による
阻止
も
後方
から押して来ました
圧力
のために
中央
がふくらみましてややもすれば突破される
状況
となりまして、
警戒員
もじりじりと
中央
に押されるような
状況
でございました。
警戒線
は
石橋
おおむね三分の一程度までぶくらんで、後退するのやむなきに
至つた
次第でございます。午後一時十分過ぎごろ、
石橋
上の
阻止線前方
の
参賀者
は
参入
いたしましてまばらにな
つて
参りましたので、
鉄橋
上から
——鉄橋
と申しますと、
二重橋
の上の方の橋でありますが、
鉄橋
上から
皇宮警察官
の
合図
があつたと思われましたので、
ロープ
をはずして
参賀者
の頭上高く上げて
遮断線
を解除いたしましたところ、これは第五図を御参照願いたいと思うのでございまするが、
ロープ
をはずしたときの現状であります。最前線の者はどつと進行しましたが、その際
石橋
のおおむね中間より少し
手前
の
橋上中央
で、一人の老婆が倒れ、これに折り重な
つて
次々と倒れ
救助
を求めたのであります。倒れた者は容易に立ち上ることができず、そのまま二重、三重にな
つて
押し倒されるありさまでありました。現に倒れました地位は
橋上
のほぼ
中央
でございましたが、
両側
の方は相当進行いたしておりましたので、
群集はり両側
がどしどし進行しておりますので、それにつられて
中央
もどしどし進行したという
状態
でございます。
現場
の
警戒員
はこの
状況
を認めまするや、ただちに全員をも
つて
これが
救助
に当る一方、
付近
の
丸の内署員
、第六
予備隊員
、
皇宮警察官
、
保安隊
約二十名の
応援
を得ましてスクラムを組んで必死とな
つて後続者
を押し返し
救助
に当
つたの
であります。
警戒員
は
重傷者
と認められる者は、
正門付近
、
欄干ぎわに運び
、
人工呼吸
を施す等応急の
措置
をと
つたの
であります。そのとき
保安隊員
及び
米軍人
その他
一般参賀者
による
救出作業
も行われたのであります。そうして
救急車
の
到着
を待
つて
お
つたの
であります。 これより先、
応援要請
を求められました第一
予備隊
は二時十三分
祝田
町
警備出張所
に
到着
、ただちに
後方遮断
に当
つて
いたのでありますが、
事故現場
よりの
連絡
によりまして、ただちに
現場
に向い、
救出
及び
遮断線
の強化に努めたのであります。 午後二時五十分ごろ、この
事故
に対する
最初
の
救急車
が
祝田橋附近
より
現場
に向
つて
進行して来ましたので、
警戒員
は、
参賀
のために来合せた
保安隊員
約五十名の
応援
を得まして、
あと
から
あと
から続いた
参賀者
を
整理
して通路を開き、
負傷者
の収容をはかり、引続き
到着
した
救急車
によ
つて
、それぞれ病院に搬送いたしたのであります。 午後三時
正門
は閉鎖され、
参賀者
の
参入
は締め切られたのであります。なお
石橋
前
広場
には多数の
群衆
が押し合う等、
混乱
の
状態
が続けられたので、
警戒員
は広報活動に努めるとともに、これを
整理
いたしました。 午後三時三十分ごろにな
つて
歩行可能の
状態
となり、危険も去
つたの
で、逐次
整理
し、午後四時ごろにはようやく平穏とな
つたの
で、午後四時十分
警戒
を解除いたしたのであります。
死傷者
に対する
措置
といたしましては、消防庁に
連絡
して収容病院を
調査
の上、ただちに
警備課
長、警衛課長その他
丸の内署員
を派遣して弔問、慰問を行い、翌日さらに各収容所の病院を訪ね、
死亡者
に対しては供花と弔慰金を呈し、
負傷者
に対しましては見舞と果実等をお贈りいたしまして、つつしんで遺憾の意を表明するとともに、厚く弔慰並びにお見舞を申し上げた次第でございます。 さらに
宮内庁
、
皇宮警察
等
関係
当局と
打合せ
の上、事後の
措置
に遺憾のないように、ただいまも努めておる次第でございます。 以上をも
つて
概要
だけを御
説明
申し上げたのであります。また御質問によりましてお答えを申し上げたいと思います。
中井一夫
8
○
中井委員長
ほかに御
説明
の補充等はありませんか。一応それでよろしゆうございますか。——一応当局の
説明
は終りました。 これよりただちに質疑に移ります。ただ本日は午後一時から本
会議
におきまして、総理大臣初め施政演説が行われますので、この質疑は十二時半で打ちとめたいと思いますが、そういう進行の程度で御
異議
はございませんか。一応お諮りをいたしておきます。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中井一夫
9
○
中井委員長
質疑の通告がございます。それは
田嶋
君、藤田君、門司君、西村君、
阿部
君、この五君からの質疑通告があります。もとより引続き続行をいたすことではございますが、本日はその程度の時間しか、ございませんから、何とぞ御質疑については互いにお譲り合せを願
つて
、できるだけ進められるよう御配慮を願います。 通告順によりましてこれを許可いたします。
田嶋
好文
君
田嶋好文
10
○
田嶋
委員
時間がないようでございますので、なるたけ簡潔に質問いたしたいと思いますが、しかし事柄が事柄でございますので、相当われわれはつつ込んだところまでお聞かせを願いたい、こう思
つて
いるわけであります。従いまして他の質疑者もあることでございますから、私が十分ただし得ない点は後日に譲る点も多々出ると思いますので、この点は
委員長
にあらかじめ御了承願
つて
おきたいと思うのです。そして政府その他の
関係
者に対してもお含みを願
つて
おきたいとおもうのであります。 ただいま
宮内庁
の
次長
さんから御
説明
を聞いたのでございますが、私たちはいま少しく
宮内庁
の
参賀
を受ける
計画
内容というようなものを、詳細に知りたいと思うのです。第一、最近は
参賀者
が年々歳々ふえておる傾向を見受けることができる、それに対しても相当
宮内庁
として御
計画
がなければならぬものだと私たちは考える。それから今の御
説明
を聞いておりますと、
宮内庁
自体はこういうようにしたというのでありますが、当然大衆が集まるのでございますから、
警備
関係
等独立した
警備
関係
になるかならぬか、これらの点もわからないわれわれとしては、当然に
宮内庁
は
警備
警戒
等に対する
打合せ
その他の
計画
についても、何らかの
措置
がとられておらなければならぬものだと私は考える。これらの点に対して
宮内庁
はいかなる対策を立て、またいか
国警
その他自治
警察
と
打合せ
をして進んでおるか、この点をひ
とつ
おお聞かせを願いたいと思います。
瓜生順良
11
○
瓜生説明員
参賀
の際の
計画
の内容でありますが、これは多数おいでになるようで、普通の儀式とは大分かわるものでありますから、これにつきましては、この年末に
宮内庁
の各部課で集まりまして、それぞれ分担をきめましてこの衝に当るようにいたしておるわけであります。この所管はやはり一つの広い意味の式でありますので、式部職が中心にな
つて
、その式部職の方でまずこの
計画
の大要を立てるのであります。その
概要
は先ほど申し上げましたが、
正門
からお
入り
になるときに、これを閉じるのは三時ということ、それから
記帳
所、
名刺受け
をどこにどれくらい設けるかというようなこと、それからずつと進んでいただいて、
陛下
が
バルコニー
に
お出まし
願うのは、何時と何時くらいというように
計画
をし、それから出ていただくときは、どういうふうにするかということを
計画
いたす。そこでその係員
関係
は、全体の儀式についての取
運び
は式部職がこれに当る、普通の
行事
と違いまして、それぞれ多数の式部職が出ましてこれに当る、それから
記帳
所、
名刺受け
の
関係
は主として管理部がこれに当るというようにしまして、管理部がその日、これに当
つて
おりました。 それから救護の
関係
、これも管理部の中に衛生官というのがありまして、この衛生官以下係員が五名でありますが、この五名が出まして救護に当る。昨年の新年
参賀
の際も、今年のようなことはありませんでしたが、数名の方があるいは脳貧血あるいは擦過傷というようなこともございましたが、それの係はこの五名が今年も
記帳
所の近くにおつたわけであります。 それから外部の
警備
の方との
関係
につきましては、これは主として
宮内庁
の総務課がこれに当る。総務課が
皇宮警察
とまず
連絡
をとり、
皇宮警察
が
警視庁
の方とさらに
連絡
をとり、また総務課が直接
警視庁
と御
連絡
をするということもあるわけでありますが、主として
皇宮警察
に
連絡
をしてお願いをし、それから、
皇宮警察
が
警視庁
にまた
連絡
をするというような筋をと
つて
おつたわけであります。なお内部の多数の方の
整理
の
関係
は
皇宮警察
が当られる。外部の
関係
については
皇宮警察
と
警視庁
とのお
打合せ
で
警視庁
が当る。しかしその他
宮内庁
としましてもこの監守の係がおりますので、これが当日出勤をしまして、その立場からある程度この
整理
のお手伝いをするというようなかつこうにな
つて
おつたわけ、であります。その
参賀
を受けられる立場につきまして、
陛下
が
お出まし
になる
場所
につきましても、事前にいろいろ話が研究されておりまして、例年
宮内庁
の
バルコニー
に
お出まし
を願
つて
おるのであります。一応旧宮殿のありました焼跡がどうだろうかというようなことも検討をされたのでありますが、焼跡につきましては坂があつたり、その坂の
関係
等で難点があつたりして、本年も
従前
通り
宮内庁
の
バルコニー
に
お出まし
を願おうというように
計画
を立てたのであります。なお
警備
との
関係
につきまして、これは
宮内庁
の係でありますが、
警備
の
関係
は
警察
の方にお願いをするという立場でありまして、面接やるのではありません。
皇宮警察
にまずお願いをし、先ほど申し上げましたように、それから
警視庁
、場合によ
つて
は直接
警視庁
にお願いするというようにな
つて
おりまして、いろいろの
行事
の場合に、そういうような
方法
でや
つて
おりましたので、新年の
参賀
の場合の
警備
につきましても、
従前
の例によりまして年末に
警察
にに御
連絡
をいたしまして、お願いをしたという形であります。特に集ま
つて
会議
をやつたというようなことは、これは先ほど
国警
長官からもお話がありましたようになか
つたの
でありますけれども、従来そういうような
方法
でや
つて
おりますので、その
方法
を
とつ
たわけであります。なお将来のことにつきましては、さらにもつ
とつ
つ込んでお願いをする
方法
を考えなくてはいかぬとも思いますが、今のところそういうようなことで考えておるということを申し上げます。
田嶋好文
12
○
田嶋
委員
今の
説明
で一応わかりましたが、昨年度の新年の
参賀者
というものは新聞報道で見ますと、実際のところは二十四万人ぐらいじやないか。しかし世間ではこれを五十万と称し、六十万と称しておる。こう昨年度の
参賀者
を報じております。実際に最小限度二十四万人として考えましても、これはたいへんな人数だと思う。これだけの人数が集まれば、当然そこにはいろいろな問題が起ることが予想されなくちやならぬと思います。今日の日本の現状をも
つて
すれば、いくら皇室のおたつとい方、天皇
陛下
のところに御
参賀
するといたしましても、私はいろいろなことが一応想像に上
つて
来ると思う。第一番に二十四万人が集まれば、そこには当然けが人とか病人が出なければならぬと思う。聞くところによりますと、
宮内庁
の救護衛生官というものは、今御報告にも五名ということでありますが、五名としても私はたいへん人数が少いと思う。報道によりますと、それは形ばかりのことであ
つて
、そこに備えてあつたものはヨーチン一つだというようなことが、事実かどうか知らないが、報道されております。二十四万人の人間が参りまして、ただいま御報告の五名、これでは私は報告自体を真実として受入れても、たいへんな手抜かりな点があるのではないかと思うのです。これらの点についてはどういうお考えを持
つて
お
つたの
ですか。騒々しい問題は起らないものである、けが人、病人は出ないものである、こうした不祥事は起らないものだということを前提にしてのお考えでございましたか、そういうものも考慮に入れての御対策を講じてお
つたの
ですか、この点を
次長
にお伺いいたします。
瓜生順良
13
○
瓜生説明員
今度の際には、ざつくばらんに申し上げますと、まさかああいうことまで起きるということを事前に予想もしていなか
つたの
であります。毎年の例もありまするから、ごく軽微な目まいとか、あるいはすり傷などがあるかもしれない、それに備える態勢を考えてお
つたの
でありまして、従
つて
今おつしやるように救護の態勢につきましては十分ではなかつたということは反省いたしております。そこで今後多数の方が参観をされるような
行事
の場合においては、
宮内庁
の職員の衛生係以外にも、場合によ
つて
は
応援
をお願いして、そういうような対策の万全を期さなければいかぬじやないかということを考えておる次第であります。そういう点はおつしやるように十分ではなかつたということは反省いたしております。今後改めたいと思
つて
おります。
田嶋好文
14
○
田嶋
委員
そうお無づきにな
つて
いただいて、今後の御対策を講じていただけば、これがかえ
つて
不幸が転じて幸になると考えられますので、私どもも将来に期待いたしておりますが、言葉じりをとるわけではございませんがただいまの御
説明
を聞いておりますと、
警備
の点に対しては
皇宮警察
にお願いをするのだ、こういうような御
説明
でございましたが、一体
宮内庁
は自分のところを守
つて
いただき、いろいろ
警備
をしていただくのに、お願い一程度の気持でございますか。もう少し突き進んで
警察
としつかりと
打合せ
をして、今申しました昨年度二十四万人、今年は当然国の情勢によ
つて
はふえるのではないかという予想もつきます。そうした場合に、もつ
とつ
つ込んで、御協議をする、お願いでなしに、こういうようにしてくれというように、あなたの方から指揮的なものにならなくては、完全を期することはできないと私は思いますが、指揮というところまで行かなくとも、指揮的なものにまで至らないと、完全を期することはできないように思います。これは決して言葉じりをとらえて言うわけではございませんが、お願いするというようなお言葉が出ましたから、これはつつ込んでおきたいと思うのですが、一体どういうように
皇宮警察
とは御
連絡
したのでございますか。それらの点について
宮内庁
は立案をして、これだけの人が集まるから、こういうようにというようなところまでつつ込んで御協議しておりますか。ほんとうにお言葉
通り
に聞いていいのでございますか、お願いしますというようなことで……。この点はどうな
つて
おるか。
瓜生順良
15
○
瓜生説明員
その点は、今おつしやいました指揮的というようなところまでは行
つて
いないし、これも
宮内庁
の権限というものもありますので、指揮的にな
つて
は権限を越えることになりますので、その点は避けておるわけであります。従
つて
横の密接な
関係
のある役所という
関係
で協力をしていただく、それを先ほど申し上げましたようにお願いというような言葉で申し上げたわけでありますが、その協力をしていただく場合に、いろいろ希望を述べる、それをお願いというようなことで申し上げたわけであります。そういうような点で、今度の場合、その希望の述べ方については、またさらにもつ
とつ
つ込んで希望を述べた方がよかつたじやないかというようなことは、反省としてわれわれは持つおります。将来の希望の述べ方についても、今度のこの
事故
を契機に、さらに十分考えたいと思
つて
おります。しかしこれも他の官庁の権限を侵すようなことも、これは役所同士としてできませんので、そういう点は今後避けたいと思います。
田嶋好文
16
○
田嶋
委員
ほかの
委員
の質問もございましようから、
宮内庁
関係
はこのくらいにいたします。ほぼこれで見当がつくと思います。どうかよろしく今後万全の御対策を御考慮願いたい。 次に
国警
にお尋ねをいたしたいのですが、今年の
参賀
に対しまして、二百二十数名の
皇宮警察官
を動員したという話でございますが、この
参賀
に対する
警備
の甘的というものはどこにあるのでございましようか。集会その他集団に対しての
警備
の目的はいろいろあると思いますが、この
参賀
の日の
警備
の目的をどこに置いて、
国警
は御対策を立てたのでありますか。
斎藤昇
17
○
斎藤説明員
皇宮警察
といたしましては、
警備
の目的はいろいろございますが、まず
陛下
の御安泰ということが第一、それ以外は雑沓の
整理
、この二つが私は一番大きなものじやないかと思います。
田嶋好文
18
○
田嶋
委員
陛下
の御安泰、それから雑役の
整理
というところに
警備
の目的があると聞きましたのですが、昨年度は二十四万の方が確実に参加したといわれております。それからことしは当然ふえることは予想されたと思いますが、
陛下
の御安泰という面から参りまして、雑沓の
整理
という面から参りまして、二百二十名の警官をも
つて
適当とお考えにな
つたの
でございますか。
斎藤昇
19
○
斎藤説明員
本年はやはり
参賀
の方がふえるだろうという見込みから、前年の倍にいたしまして、昨年百十名でいたしまして事なきを得ましたので、倍もあればよかろう、かような
計画
でおつたわけであります。
田嶋好文
20
○
田嶋
委員
二百二十名の警官は、
警備
をどういうような
方法
でおとりにな
つて
お
つたの
でしようか。
斎藤昇
21
○
斎藤説明員
それぞれ、まず
お出まし
になる
バルコニー
の近辺、この辺が一番集まるわけでありますから、われわれあそこには一回に、今年のごときは四万人であつたと思
つて
おります。その周辺、それから
二重橋
の入口、それから
鉄橋
の前、ここらを中心にいたしまして、二百二十名を配備いたしております。その二百二十名のうちの八十名は、
予備隊
といたしまして、必要に応じてどこへでも
応援
に行かれるという配置をいたしております。
田嶋好文
22
○
田嶋
委員
そういたしますと、結局
警備
の目的が、
陛下
の御安泰というところに向けられ過ぎて、大衆の雑沓によるところの被害、こうした面は今の
警備計画
からいたしますと、おろそかのように考えられます。それから
宮内庁
も率直に認めておりますように、そうした
事故
救出
に対する万金の
措置
は遺憾ながらどうも不備であつたという点、これらをあわせて考えますとき、やはり雑沓者を防いで、今回起つたような
事故
の防止策を講ずるという点に対しては、手抜かりが見られるように考えますが、この点はいかようにお認めにな
つて
おりますか。
斎藤昇
23
○
斎藤説明員
仰せの
通り
ではありますが、
皇宮警察
といたしましては、
バルコニー
の前の
広場
、ここが一番けが人も起りやすいところであります。あそこに一回四万人集まるわけでありますし、しかもそこに
陛下
が
お出まし
までの間、四十分あるいは三十分ひしめくわけでありますから、ここにやはり主力をそそぐのは、私は当然であると考えております。それまでの間は列をつく
つて
ずつと
参入
して来るというわけでありますから、ここに主力をそそぐというのが、本来の
計画
としては穏当じやないかと思
つて
おります。ただ列が
二重橋
前から乱れて、非常に雑沓して、もう押せ押せで入
つて
来るという
状況
になりましたので、
警視庁
の方にその
整理
をしてもらうように頼んだのであります。従いまして私はさような意味から、配置の
計画
といたしましては、適当であつた、かように考えております。それから救護の設備でございますが、
皇宮警察
といたしましては、本来そういつた救護等をやるような仕組みにな
つて
おりませんし、またそういう
事態
も今まではありませんために、
皇宮警察官
身には救護施設を持
つて
おりませんので、営内庁と相談して、
宮内庁
の方の救護施設を貸してもらつしおるわけであります。それで
昭和
二十二年から今までずつと続いておるわけであります。それで先ほど
瓜生
次長
からお話がありましたように、目まいがしたとか、あるいはどこかすりむいたとかという人が数名おつた程度であります。このたびのようなああいう
事故
は、予想をいたしておらなか
つたの
が、われわれの失態といえばまさに失態であつた、かように考えます。
田嶋好文
24
○
田嶋
委員
私は
警察
当局だけをこの問題について責めようと思
つて
いないことを、ひ
とつ
御了承願
つて
おきたいのであります。日本の大衆の自覚をも促すことが大切であると思います。しかしお正月というのは、酒気分が伴うことは当然なのであります。酒気分をのけた正月はない。従
つて
正月の大衆というものは、日常の大衆よりも、相当気分の点においては浮かれ気分、荒れ気分にな
つて
おる。ここに相当
警戒
をしなければならぬ点があるとわれわれは考えておる。だから大衆もああいうふうに、ワツシヨワツシヨというような声をかけて押し寄せた。これは一応肯定できると思います。こういう点から、やはり大衆の
責任
も追究しなければいかぬと思
つて
おりますが、この大衆の
責任
を追究する前に、やはり
警察
といたしましても、これらの大衆の正月気分をも
つて
集ま
つて
来るということを、勘定に入れた
警備
態勢というものを考えておつたかどうか、これも一応聞いてみなければいかぬことだと思
つて
おります。普通の日常における
状態
と違つた
警備
態勢、これを一応考えてかからなければ問題にならないのじやないかと思いますが、この点に対しては一体御勘定に入れて対策を講じてお
つたの
でございましようか。普通の日常の
警備
態勢というような形においての態勢のみを考えてお
つたの
でございますか。
斎藤昇
25
○
斎藤説明員
御指摘のように、お正月気分というものは、これは当然考慮に入れなければなりません。われわれの方も先ほど申し上げますように、
昭和
二十二年からの
行事
でもございます。さようなことも考慮に入れながら、
皇宮警察
といたしましては内部の
整理
に当
つて
おつたわけであります。ただ先ほどからも申し上げますように、
皇宮警察
の
警備
は、
警視庁
との
打合せ
によりまして、六列縦隊、もし非常に込んだ場合においても、八列縦隊で
参入
をしてもらうという
計画
にな
つて
おりました。その
状態
において
参入
せられるということで
計画
をいたしておりましたために、
皇宮警察
といたしましては、ただいま申し上げましたような
計画
配備をいたしてお
つたの
であります。
田嶋好文
26
○
田嶋
委員
前後いたしますが、これもわかつたようなことでわからぬので、お聞きするのですが、
皇宮警察
と東京都の自治
警察
、この管轄というものは、どこが境にな
つて
、どういうような
連絡
をと
つて
、日常
皇居
の安全に処しておるのでございましようか。
斎藤昇
27
○
斎藤説明員
皇宮警察
の一応の境は
二重橋
の入口、石門とあの
広場
の境、
駒寄
と申しておりますが、あそこが境にな
つて
おります。
皇宮警察
といたしましては、宮城内の
警備
のことは、一応
皇宮警察
でやるという申合によ
つて
や
つて
おるのであります。法律上はあの中も全部
警視庁
の管内ではありますが、しかし特別の
皇宮警察
を置きまして普通の場合における
警備
警戒
というものは一応
皇宮警察
でやる。こういうとりきめによ
つて
や
つて
おる次第でございます。
田嶋好文
28
○
田嶋
委員
ちよ
つと今度は
警視総監
にお聞きいたしたいのですが、
警視総監
の御
説明
によりますと、当初三十六名の
警視庁
の
警察
官を
現場
に駐屯せしめる、こういう話で、
予備隊
の話もありますが、現実に出動したのは三十六名、こういうように承りましたが、何十万の人間が
参賀
するその場合に、宮城前
広場
は相当広いといたしましても、相当に雑沓すると考えられるのですが、三十六名程度の
警察
官というものは適当な
警察
官であ
つたの
でしようか。どうお考えになりますか。
田中榮一
29
○
田中参考人
現在の
事件
が起りまして、結果論から申しますと、私は三十六名ではきわめて不足であつたと思います。齋藤長官からもお話がございましたごとくに、宮中
参賀
につきましては、過去六回の実際の経験を積んでおりまして本年が
ちようど
七回目に相な
つて
おります。一昨年は宮中
参賀
のことはなか
つたの
でありまするが、昨年は大体三十名程度でこれの
整理
に当
つて
おりました。それから立太子礼のときには四十名の
警察
官で当
つて
お
つたの
であります。なぜそのような数の
警察
官で当
つて
おつたかと申しますと、これは根本的に私どもの宮中
参賀
というものに対する考え方が建
つて
おるわけでありまして、私どもの考え方としましては、現在宮中
参賀
は無制限でございまして、何人といえども、橋を渡
つて
行く者は
子供
であろうが、赤ん坊であろうが、年寄りであろうが、だれでも行けるという建前、従
つて
われわれ
警視庁側
といたしましては、なるべく多数の者が
参賀
ができるようにというのが私どものねらいでございまして、従
つて
参賀者
に対しまして元来から言いますると四列に並べとか八列に並べということ自体が、
警察
としては少しどうかというきらいもあるのでありまするが、しかし
混雑
を緩和する意味におきまして、
丸の内署員
が指導いたしまして、従来におきましては大体六列または八列の縦隊に整列させまして参内をさせるように便宜をはか
つて
おります。それから、御承知のように、あの
祝田
橋
通り
は非常に交通量が頻繁でございまして、多数の
参賀者
がこれを横切る場合におきましても、交通
事故
発生のおそれも多分にございます。ことに婦女子等が非常に多いために、かような観点からしまして、なるべく
参賀者
を交通
事故
から防止する、それでなるべく
整理
という点に重点を置きまして、従来
群衆
の指導、
参賀者
の指導ということに当
つて
おりました
関係
上、むしろ
警備
という観点でなくして、参内に便宜を与えたいという一つの
整理
員というようなかつこうで、三十六名の者が参
つて
おつたわけであります。かような
関係
からいたしまして、根本的に宮中
参賀者
というものは自発的に
参賀
される一種の通行人であるというような考え方からいたしまして、交通
整理
に重点を置いてや
つて
おつたわけであります。
田嶋好文
30
○
田嶋
委員
この
皇宮警察
が二百二十名、それから自治体
警察
が三十六名という数、これは双方の
警察
の
打合せ
によ
つて
、この程度ならいいということで、お話がきま
つたの
でございましようか。それとも
皇宮警察
なら
皇宮警察
で二百二十名、
警視庁
なら
警視庁
で三十六名ならいいだろうということできま
つたの
ですか。この点は当然両者の
打合せ
がなければならないのですが……。
田中榮一
31
○
田中参考人
この点は別に壁画
警察
側に了承を求めずに、
警視庁側
といたしまして三十六名の
警戒員
を配置するということを決定いたしまして、これはしかるべき
方法
をも
つて
当方は三十六名をも
つて
一応やる、さらに第一
予備隊
を出動待機せしめるということは、
あと
で
連絡
してやつたと思います。
田嶋好文
32
○
田嶋
委員
今の国家
警察
、自治体
警察
の御
説明
を開きまして感ずることは、齋藤長官はいろいろとい
つて
いられるようでございまするが、やはり
警察
本来の職責が、治安
警備
にあるというようなところから、どうも治安に対しては
警察
官は非常に万全の対策を講じておるのだが、こうした大衆の集会から生れるところの
事故
の発生というものに対しては、どうも考えの重点が置かれていないように推察ができるのですが、やはりそうした面に対しての
警察
官の考えというものは相当検討し、今後是正して行かなければならぬようにお考えにな
つて
おるでございましようか。治安
警察
の大切であることはわれわれも認めます。そうしてしつかりこれはや
つて
もらわなければならぬが、その反面大衆が集まるときは、治安と同時に衛生、保安というような面、これも相当重点に考えてかからなければ、
警察
官の万全なる職責を全うすることができないのではないか、こういうようにわれわれは考えるものであります。実は各雑誌その他の評論を見てみますると、とにかく日本の大衆にこうしたことに対して訓練ができていない。救護の問題にしてもアメリカの兵隊が一番活躍した。日本の大衆というものは、百の前に死人を見ながらそうしたことに対して手を出すことをようしなかつた。幸い
参賀者
の中にアメリカの軍人がお
つて
たいへん活躍し、また
保安隊
が出て、これに協力して活躍したということで、大衆がこういうことに対して訓練ができていないということを指摘しておりますが、大衆はやじうま的で訓練ができていないということは、とりもなおさず大衆指導の立場にある
警察
官というものが、治安の面に対しては非常に神経を使
つて
おる、メーデーなんかがあると、非常に神経を使
つて
万全の対策を講じておるが、そういう集会に対しては、そうした保安の面を忘れがちで、従
つて
大衆の訓練もうまく行かないというようにもわれわれは推察できる。大衆の訓練ができていないということが指摘できる。この点は
国警
、自治警どうでございましようか、お考えに
なつ
たことがございますか。
斎藤昇
33
○
斎藤説明員
ただいま御指摘のことでございまするが、われわれといたしましてはやはり今おつしやいますように、治安の面もさることながら、しかし大衆が集まればこの
整理
ということは絶えず念頭に置いておるのでありまして、一例をあげますると、
陛下
の行幸というような際のわれわれの
警備
はあれに
警察
官をたくさん出しますのは、そのためにけが人が起
つて
は申訳ないということで、
陛下
のおつきになる駅前とか
広場
とかいうものに、もつぱら意を注いでおるのであります。また教養の面からいたしましても、
警察
官には今後すべて
人工呼吸
あるいは救急といういわゆる人命保護の技術を一応修得させて、そうしてこの証書をもらつた者でなければ
警察
官として働かせないというくらいにまで今日や
つて
おりますので、私はその点は以前よりももつと留意が行き渡
つて
おる、かように考えておるのでございます。
田嶋好文
34
○
田嶋
委員
実はここに
警察
の大切な面が見出されるのでありまして、今回
警察法
の
改正
なんかが起る場合にも、やはりこれが問題とな
つて
来ると思うのです。とかく日本人は
警察
というと、治安の面だけを重く見る傾向があるのは、これは非常に大切なことで忘れてはならない第一の問題ではございまするが、
警察
官には治要が大切であるとともに、大衆に対する保安、大衆に対する秩序の訓練、行動の訓練、これがやはり
警察
官に課せられた治安に匹敵する大きな任務でなければならぬ。
警察
が自治的な面から国家的なものに移ろうというような形があることは、治安の面のみを考えて、そうした大衆保護的な面が置き去りにされるというような傾向の見られることを遺憾に思う一人ですが、
齋藤国警長官
はこの点関していろいろと陳弁はいたしておりますが、やはり二百二十名の
警察
官を動員して、八十名を
予備隊
として
予備隊
をわざわざ置いて、そうして二百二十名の中で治安の一面のみを考えられているような
警備
の
状態
も見られると思うときに、長官は非常に陳弁いたしておりますが、率直に言
つて
私は治安の面に重きを置き過ぎて、こうした保安の面、衛生の面その他に対してはおろそかな傾向が
国警
自体にも見られると遺憾ながら認めざるを得ないのですが、この点は見解の相違になりましようから、この点もう一度いかがでございますか、今の
警察
で完全にそうした面も織り入れて、
国警
として目的を達しておるとお思いでございますか、どうでございましようか。
斎藤昇
35
○
斎藤説明員
私どもの考えが末端に十分徹底していないといたしますれば、非常に申訳ないことだと考えておりますが、少くとも私はただいま申し上げました意味において絶えず指導をし、監督をいたしておる次第でございます。しかし今後ただいま仰せのような意味合いから、さらに御鞭撻をお願いできれば仕合せだと考えております。
田嶋好文
36
○
田嶋
委員
さつき
説明
をした点は、これは
警視総監
からもお聞きしたいのですが、私は今日の
警察
、
国警
と自治警を比較してみた場合に、やはり自治体
警察
の特色かもしれませんが、
国警
ということになりますと、もちろんこれは、いなかに今日
国警
の
警察
がおるということからも生れることにもなりましようが、
国警
というのは、治安面が非常にすぐれており、治安面を重点的に取扱
つて
おるような傾向が見られる。自治体
警察
の特色といえば、治安面も非常にや
つて
いるが、その反面、やはり自治体
警察
であ
つて
、自治の、大衆の監視を受けているという点から、
国警
よりも自治体
警察
の方が保安の面、衛生の面その他にはすぐれているような傾向が見られるのですが、この点は
齋藤国警長官
、お答え願わなくてもいいのですが、お答え願えればまことにけつこうですから、私見を述べると同時に、お答えを願いたい。それから今申し上げましたように
田中警視総監
には、私の先ほどの質問に対してのお答えをお願いいたしたいと思います。
田中榮一
37
○
田中参考人
もちろん自治体、
国警
の区別はございますが、
警察
の任務というものは両者何ら差異はございません。やはり治安
関係
も大事でございまするし、また大衆
関係
のものも当然大事なことでございます。そこで従来
警視庁
といたしまして、たとえばいろの実例がございます。両国の川開きであるとか、あるいはとりの市であるとか、池上本門寺の御会式であるとか、いろいろ雑沓取締りに、従来いろいろな経験を積んでおりまするが、このときには、多いときには二、三千名、少くとも二、三百名ないし五、六百名の
警察
官をいつも出しまして、雑
雑沓整理
に当
つて
おります。ただ正月二日に関しまする限りは、
最初
申し上げましたごとくに、私どもの見方が全然甘いといえば甘いことでありまするし、誤
つて
おつたといえば誤
つて
お
つたの
でありますが、要するに宮中
参賀
であるということから、多数の
警察
官を繰出して
警戒
警備
に当るということ自体が、どうも適当でないという考えから、三十六人の
警察
官を交通
整理
の必要上繰出したのでありまして、今後はさような点も十分考えまして絶対に再びかようなことがないような対策を講ずるように、今いろいろと準備いたしております。
田嶋好文
38
○
田嶋
委員
重点はさつきの私の申し上げた点にあると思います。要するに
警察
官は治安維持が大切であると同時に、私はやはり保安の面、衛生、それから大衆訓練、こうしたことは、ぜひ
警察
官にや
つて
もらわなくてはならぬ任務である。ところがとかく日本の
警察
官というものは、戦前から今日まで——今日はうんとかわりました。自治体
警察
ができてかわりましたが、戦前においては特にそれが顕著でありました。それがやはり風習的に今日に残
つて
いる点がある。治安の面のみがどうも重く取上げられて、そうした消極的な面が少い。この点に対して
齋藤国警長官
は、もう一度お聞きをいたしますが、現益の
警察
官で十分であ
つて
、考える余地はないものとお考えになりますか。もう一度お尋ねいたします。
斎藤昇
39
○
斎藤説明員
ただいまの点は、私
田嶋
委員
とまつたく同じ考えでありまして、まだまだ伸ばして行かなければならないと考えております。何と申しますか、人命の保護、民衆の保護、こういつた場合の大衆
整理
というような点については、もつともつと伸ばして行かなければならないと考えております。先ほども申しますように、以前の
警察
ではほとんどや
つて
いなか
つたの
でありますが、数年前からは
警察
官にはすべて救急法を習得させ、
人工呼吸
あるいはけがをした場合の応急
処置
、これをかついで行くことから全部教えまして、そうして検定をとらせて、その検定の満足な者でなければ監督者にしない。それからまた水難救護、これも検定をとらせまして、そういつた人命保護というものが、まず
警察
官の一番の、心得るべき事柄だというわけで、この検定をとることを要件にさえもいたしてや
つて
折るのであります。そういつた趣旨から、もつともつとこういつた考え方を伸ばして行きたい、かように考えております。
田嶋好文
40
○
田嶋
委員
それでわかりましたが、そこでそれを伸ばして行く一つの
方法
として、私は官僚意識の強い国家
警察
というもの、治安の面を取締るには非常にこの方がいいが、しかしそうした消極的な保安の部門、衛生の部門、大衆訓練というようなものは、大衆に親しみのあるところの官僚意識のない自治体
警察
の方が、大衆に親しみを持
つて
おるのですから、より多くの効果を発揮できるように考える。この点は今日の
警察
を見て、
齋藤国警長官
そういうふうにお考えにならないでございましようか。治安の面は、あるいは官僚意識を持つたしつかりした
警察
官にや
つて
もらつた方が、効果が上るような気がするが、それと
反対
に、消極面はやはり大衆に親しみを持つた
警察
官に当らした方が、両方とも重大であるとすれば、効果がより上るのではないか。
斎藤昇
41
○
斎藤説明員
これは、またいずれ
警察法
の際に十分御検討をいただくことだと存じますが、御承知のように、自治体
警察
を廃止いたしまして、
国警
の方に編入をいたしました所が施行後大分できおります。われわれといたしましては、そこらにおいて
警察
が官僚化したじやないかという声を聞くのではないかという心配をいたしておるのでありますが、幸いにして、あるいは私がつんぼであるのか存じませんが、特に官僚的に
なつ
たというようには聞いておりません。要は私は教養なり監督なり、それから国家
警察
といえども、やはり大衆から絶えず監視をされておるわけでありますから、さように違つたものじやないのじやなかろうか、かように考えております。
門司亮
42
○門司
委員
ちよ
つと資料だけ……。きようはこれで時間が来ておりますので、これ以上聞ききませんが、資料を
ちよ
つと要求しておきます。それは
皇宮警察
の方から
警視庁
に対して、この
事態
について
打合せ
をしなかつたというお話がありますが、
打合せ
をしなかつたとするならば、文書か何かでも、当日はこういうふうにするというふうな書類がとりかわされておるかどうか、もしそういうものがあつたとするならば、それをお示し願いたいと思います。これを次の
会議
までに、ぜひ届けてもらいたいと思います。
中井一夫
43
○
中井委員長
おわかりになりましたか、ただいまの門司
委員
の御要求は。
田中榮一
44
○
田中参考人
皇宮警察
から十二月二十二日付の今回の
参賀
に対する
警備計画
の通達がございますので、その文書をひ
とつ
差上げたいと思います。
中井一夫
45
○
中井委員長
それでは本日はこの程度で質疑を中止いたします。 なお本件につきましては引続き明日午前十時から進行いたしてよろしゆうございましようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中井一夫
46
○
中井委員長
それではさように決定いたします。当局におかれましては、明日正十時何とぞ重ねて御
出席
を望みます。 これをも
つて
散会いたします。 午後零時三十二分散会