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1953-12-15 第19回国会 衆議院 地方行政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年十二月十五日(火曜日)     午前十時五十七分開議  出席委員    委員長 中井 一夫君    理事 加藤 精三君 理事 床次 徳二君    理事 西村 力弥君 理事 門司  亮君    理事 松永  東君       生田 宏一君    熊谷 憲一君       前尾繁三郎君    三浦寅之助君       山本 友一君    吉田 重延君       橋本 清吉君    藤田 義光君       北山 愛郎君    横路 節雄君       大石ヨシエ君  出席政府委員         自治政務次官  青木  正君         自治庁次長   鈴木 俊一君  委員外出席者         総理府事務官         (南方連絡事務         局長)     石井 通則君         総理府事務官         (行政管理庁次         長)      大野木克彦君         総理府事務官         (自治庁行政部         長)      小林與三次君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      後藤  博君         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      奧野 誠亮君         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方制度改革に関する件  奄美群島復帰に関する件     —————————————
  2. 中井一夫

    中井委員長 これより開会をいたします。  地方行政及び地方財政改革等に関して調査を進めます。北山君。
  3. 北山愛郎

    北山委員 私は今問題になつております中央地方を通ずる行政整理の問題について、政府に質問いたします。いろいろこの問題については、新聞等で、あるいは国会のほかの委員会等で、政府意見等を聞いておるのでありますが、本日の新聞にも公務員の一割整理というようなことも出ておりますので、ただいままでに大体発表し得るようなところへ来ておる行政整理内容について、ひとつ自治庁でも、あるいは臨時行政改革本部ですか、そちらの方の説明をしていただきたいと思います。
  4. 大野木克彦

    大野木説明員 行政改革につきましてのただいままでの経過につきまして、一応御説明を申し上げます。行政改革につきましては、御承知のように去る八月の末に政府部内に臨時行政改革本部というものが設けられまして、緒方副総理本部長になられまして、審議を進めて参つたのでございますが、機構の点につきまして、最近一応の案がまとまりましたので、これにつきましてこのたびは従来とかわりまして、自由党の方におかれまして、その調整に当られるという方式がとられまして、その改革本部の案に対してただいま各省意見を聴収されておるという状況でございます。そういう状況でございまして、この本部の一応とりまとめました案と申すものも、まだまつたく確定的なものではないのでございまして、今後どういうふうにかわつて参りますかわからないのでございますが、一応機構に関しまして、本部がまとめましたところを申し上げますと、大体の基準といたしましては、できるだけ行政規模を縮小するということが、大本になることは申し上げるまでもございませんが、そのほか所管大臣行政責任を明確にするというような点から、特に各府省外局たる庁は、総理府等特別の存在理由のあるものを除きまして、これはすべて内局とする。それからできるだけ重複事務統合調整をはかる。それから地方出先機関につきましては特に別の基準を立てまして、なるべく事務整理をいたしまして、各府庁の出先機関はできるだけ一本にする。それから原則として広域都道府県の三段階になつているものは広域段階のものにするか、あるいは必要によつて都道府県段階出先機関を認めるときは、広域のものはなるべくやめるというような方針をとるとともに、出先機関内部組織につきましても、従来は各省にまかせられてあつたのでございますが、今後は政令か閣議の決定によるということで、努めてその簡素化をはかつて行きたいというような方針を立ててれります。なお付属機関等につきましても、それぞれ簡素化する方針を立てまして、それによつて一応の地方機構改革案を立てたわけでございます。  各省にわたりますので、こまかいところは省略させていただきまして、おもな点だけを申し上げますと、第一に内閣の外様格としての人事院を、今の形の人事院はやめてこれを人事委員会と申しますか、人事局と申しますか、そういう内部の局にいたしまして、それを総理府に置く。その詳細につきましてはまだはつきりしたことは出ておりませんが、大体そういう方針で行くということになつております。それから統計関係におきまして、統計局と今行政管理庁の中にある統計基準部とを合せまして一つ統計基準局というようなものにして、統計事務を一本化してやるという案であります。それから警察でございますが、この点につきましては地方行政と非常に関係が深いのでございますが、この問題につきましては、むしろ警察主管庁にお願いをしたらよかろうということで、改革本部としてはあまり細部にわたることはこれを避けております。それから北海道開発庁はむしろ北海道に置いて、そうして各省の直轄の建設事務を実施する強力な機関にしたらいいのではないかということで、そういう方向改革考えております。それから行政管理庁監察局も、ただいま管区監察局地方監察局とにわかれておりますが、これを地方監察局一本にまとめまして、必要がある場合は特定の局が広域のことも取扱うようにしてはどうかというふうに考えております。総理府関係でもおもな点はそういう点でございます。  次は法務省でございますが、法務省につきましては、民事局と人権擁護局とを合せて民事人権局とする。それから矯正局保護局とを合せて矯正保護局とする。それから地方矯正管区は廃止して矯正保護局に駐在官を置いて、その駐在官に今の管区仕事をやらせる。それから地方更生保護委員会は廃止して、その権限は矯正保護局長に移管して現地に駐在官を出して、これも駐在官保護委員会のやつておりました仕事をやらせるという案でございます。  次に外務省は現状とはとんどかわりがございません。  それから大蔵省につきまして、今の国税庁を、先ほど申し上げました外局整理方針によりまして内局にいたしまして、かりに収税局というようなものをつくつたらどうかということを考えております。それから財務局、財務部につきましても三段制をやめて、名前をどうするかは別といたしまして一本にしてはどうかということを考えております。大体そういう点が大蔵省改革案でございます。  次に文部省でございますが、現在の調査局を廃止しましてその調査局仕事を各局にわける。そのほか特に大きな変化はございません。  それから厚生省につきましては医務局薬務局とを統合して医薬局とする。それから部制はなるたけ廃止するという方針によりまして統計調査部国立公園部環境衛生部などは廃止する。それから引揚援護庁は、これはすでに法律で来年の四月一日からは内局になるということになつておりますので、その方針をとる。それから地方にあります医務出張所は廃止して、必要によつて管理官を駐在させる。それから麻薬取締官事務所も、麻薬官はその他一般警察に移管してはどうかと考えておりますが、これは警察の問題とからんで来ると思います。大体厚生省関係は以上の通りでございます。  それから農林省におきましては食糧庁、林野庁及び水産庁の外局を、先ほど申し上げました方針によりまして全部内局とする。それから農地事務局は開墾、干拓、土地改良、防災というような農地保全に関する工事の実施機関としてのその名称も適当に考えるということ、それから統計事務所食糧事務所とを統合いたしまして、その一本になつたもので、ただいま食糧事務所がやつております食糧関係仕事と、それから統計調査事務所でやつております統計関係とを一緒になつてつてもらう、そうしてできるだけ統計関係仕事は、府県でやつてもらうようにしていただく、こういう考えを持つております。そのほかこまかいところはございますが、省略いたします。  それから通商産業省につきましては調査統計部、それから軽工業局化学肥料部は、いずれも部制を廃します。それから繊維局軽工業局に統合し、石炭局鉱山局鉱山保安局を合せまして鉱山局一本にしまして、鉱山保安に関してに特に鉱山保安部というものをそこに設ける。それから中小企業庁を内局にするというようなところが、おもな点でございます。  それから運輸省は、海運、船舶、船員の海運関係の三局がございますが、これを一本の海運局にする。それから港湾局はそのまま残します。それから観光部部制を廃止する。海上保安庁は御承知のように海上公安局として保安庁付属機関になることになつておりますが、これはむしろ、少し形はおかしゆうございますけれども、できれば保安庁外局として持つて行き、水路、燈台、それから港則法港長仕事等運輸省に残したらどうかという考えでございます。  それから郵政省につきましては、監察局を廃止しまして官房に監察官を設け、監察官室というようなものをつくる。それから資材部は廃止して経理局へ持つて行く。それから建築部が問題になつているようでありますが、これはおそらくそのまま残るのではないかと思います。  それから労働省は、これも労働統計調査部部制を廃止いたします。中央においては特に局の廃合はいたしませんが、地方におきましては労働基準局都道府県に統合して、その事務都道府県知事機関委任をする。そうして職業安定所都道府県機構とし、その都道府県下部機構とする。それから婦人少年室都道府県に統合して、その事務都道府県知事機関委任するということで、労働関係出先府県になるべく一本化する、但し地方事務官制をとらなければならぬだろうということは考えております。  それから建設省につきましては、局の廃合はございません。ただ問題として首都建設委員会を廃止してはどうかということを考慮するということになつております。  大体一応臨時行政改革本部として考えました中央機関改革案は以上でございますが、先ほども申し上げますようにこれらにつきましては各省いろいろ意見がございますので、最後的にきまりますのは今後の問題になると存じております。なお人員の点につきましては、目下いろいろ試算をいたしておる段階でございまして、まだ本部としての案もきまるという段階には至つておりません。  大体今までの経過のあらましは以上の通りでございます。
  5. 北山愛郎

    北山委員 ただいま御説明を聞いたのですが、お話通りであれば——それは臨時行政改革本部の案でございますね。そうするとその案をもつて自由党折衝しておると聞いたのですが、それで間違いありませんか。
  6. 大野木克彦

    大野木説明員 この案を自由党の方に御説明申し上げまして、それで自由党がただいま各省から意見を聞いておるわけでございます。結局自由党の方で調整されるという段階になるだろうと思つております。
  7. 北山愛郎

    北山委員 そうしますと、どうもそういう仕事の進め方というのは私どもとして適当ではないと思うのです。自由党政府与党であるから、それに別交渉するというのは、政府としては実際上必要な措置かもしれませんが、しかし町田党の方からまた各省の方へ折衝するなどということはおかしいじやないか。私どもから言えば、そういう政党意見を聞くというのであれば、自由党のみならず、各政党意見を聞くということが、ほんとうじやないか。それからまた政府部内の意見を統一するというのであれば、これは臨時行政改革本部各省との間で折衝するのがほんとうであつて自由党の方から各省折衝するというのは、私は事の扱い方として間違つておるんじやないかと思うのですが、いかがでしようか。
  8. 大野木克彦

    大野木説明員 この点ちよつと私からお返事申しかねますが、自由党の方で一応調整をされまして、もちろん最後にはそれを政府の方と折衝されて、そして最後的には政府案となるのだろうと私は思つております。
  9. 青木正

    青木政府委員 ただいまのお話でありますが、実は自由党の方で御承知のように増田甲子七氏を委員長としまして、行政改革特別委員会を先般設けたのであります。そこでただいま大野木次長からお話がありましたが、自由党としては内部的な関係におきまして、いろいろ党としての方針を立てるにつきまして、政府とあまり見解の相違があつてもどうかという点から、政府事情もいろいろ聞くということが一点。それからもう一つは、いずれ法案が国会に出ます場合に、与党の立場からいたしまして、これができるだけ円滑に行くように整理せんければいけませんし、そのためには準備的な行為として、各省側意向内部的にいろいろ徴するわけでありまして、先ほど大野木次長が申したごとく、正式にはいずれ政府案として決定になる、そこに至る段階として内面的にいろいろ自由党として協力する、こういうことに私ども承知いたしております。
  10. 北山愛郎

    北山委員 自治庁の方へお伺いしますが、そうすると今の臨時行政改革本部の案に対しまして、自治庁としてはもちろん交渉を受けておるのだろうと思うのですが、今伺つただけでも地方公共団体には、非常にいろいろな面で影響の深い案のようであります。ことに国の出先機関というものを整理して、その仕事府県なり、あるいは市町村なり、そういうものに委譲して行くという部面が相当あるようでありますから、そういう点からもちろん相談を受けておると思うのですが、自治庁としての今の本部案に対する御意見を承りたいと思います。まだ正式に相談を受けておらない、だからまだ意見はまとめておらぬというのであるか、またそれに参画して了承しておるものであるか。
  11. 青木正

    青木政府委員 今日までの経過を率直に申し上げます。御承知のごとく地方制度調査会におきまして出先機関整理の問題が掲げられておりまして、当然自治庁側としても重大な関係がありますので、調査会の答申を受けると同時に、当の行政改革本部側ともいろいろ折衝いたしたしたのであります。ところがただいま大野木次長お話のごとく行政改革本部の案がまだできておりませんので、ようやく昨日党側折衝を始めたというような段階にありましたので、今日までのところ具体的には、まだ折衝には入つていないのであります。ただしかし私どもの方といたしましては、政府改革の案が決定する前に、大体の方向がきまりましたらば、私どもの方と十分連絡をとつてきめてもらうように、またきめるに際しましては、自治庁側意向を十分取入れて、その間に意見齟齬等のないように、十分の連絡をとつてほしいということを、申し入れをいたしております。従いまして行革の原案ができまして、昨日から党の方の特別委員会との交渉も始まりましたので、いずれ近いうちに出先機関整理問題についても、私たちの方との折衝も始めたい、かように思つておるわけであります。もちろん先ほど申し上げたごとく、いずれ正式には自治庁として政府決定を待つということになろうと思いますが、現在の段階におきましては、もつぱら内部的にいろいろ意見の交換をいたし、また地方制度調査会意向等も十分取入れるように努力いたして参りたい、かように存じておる次第であります。
  12. 北山愛郎

    北山委員 それでは行革本部にお伺いしますが、今度の機構改革というのは、もちろん事務合理化という面もあるだろうと思いますが、公務員が多過ぎるからこれを整理して税負担を少くしよう、こういうのが動機であろうと思うのです。公務員が多いということは、おそらく今世間の通説みたいになつておりますが、ただ多いといつてもこれは何かの基準があつて多い少いということがいわれるのだと思う。そこで行革本部としては一体何を基準にして公務員が多いと言われておるのであるか。そういうことを考えないで、ただ多いからこれを整理する、少ければ少いはどよろしいという考え方であるのか。たとえば外国等の例と比較したり、あるいはその他いろいろの民間事業産業構成といいますか、就業者構成というものから見て、公務員は多いのだというのであるか、その多いという基準をひとつ説明願いたいと思う。
  13. 大野木克彦

    大野木説明員 今日行政機構なりそれに伴う人員が、戦時中並びに戦後非常に厖大化いたしまして、それがまだ現在のわが国の国力なり国情なりと比較して多過ぎる。これははつきりした規格があつて、それと比べてどうというわけには参らないのでございますが、大体いろいろな機構等を見まして、まだ少し多過ぎるのではないかという考えがあるわけであります。それでその機構並びに事務を検討いたしまして、できるだけ機構も縮小し、それに伴う人間も減らして、国民負担の軽減に資して行きたいという考えでありまして、ただいまの国力なり国情から見て、これだけの標準ということは立てにくいのでございますが、大体の樣準として、そういうことを考えておるわけでございます。ただ御承知のように新憲法下におきましては、以前と違いまして国民の福利、厚生の面に、相当な力を用いなければならない状況になつておりますし、また戦争後の特殊な状況で、保安とか警備とかいう関係の方の仕事にも気をつけなければならない、税制も改正されて行くという状況でありまして、どうしてもそれらの施設につかなければならない人員も相当ございますので、以前行われました一律天引のようなことはできないというふうに考えております。
  14. 北山愛郎

    北山委員 私は少くとも政府が、政府仕事を実際にやつて行く職員の数なり、配置なり、そういうものをやる場合には、相当合理的な根拠をもつてつておるだろうと思つてつたのですが、しかしお話のようであれば、ただ漠然と国力に比して公務員が多過ぎるのだというようなことで、どうも政府仕事としては適当でないように思うのです。これはアメリカに比較してはどうか、でギリスに比較してばどうかというようなことや、あるいは国内のいろいろな政府経済の実力と比較してどうというような、合理的なしかも科学的な基準をもつて整理をするというようなことでなければ、どうも政府仕事としては非常に根拠が薄弱なような感じがしておるわけであります。たとえば一般民間の人であれば、税金負担が非常に重いものでありますから、役人が減ればそれだけ税金が減るのだというような簡単な考え方から、公務員が多過ぎる、あるいは整理しろ、ろくな仕事もしていないじやないかというようなことを言われるのですが、そういうような一般世間考え方で、政府行政整理の問題を扱つてはならない、私はそう考えておるわけであります。多いということになれば、これは必ずしも公務員ばかりではないので、パチンコ屋が多い、あるいは洋品店が多い、飲食店が多い、銀行が多い、農民が多いということになつて、そういう人たち税金という形ではないが、お互いにその仕事の中からもうけをとつて生活をしておるわけでありますから、もしも洋品店なら洋品店というものが少ければ、それだけ衣料品のコストが下るとも言える。そういう点においては税金という形であるか、ほかの形であるか、それは国民経済全体から見れば、負担という点においては同じではないかというように考えるわけであります。また最近産業方面では税負担のほかに、金利負担という言葉が非常にやかましくなつて来ておる。電力事業においても昭和三十年には水力電気の原価の中で、金利の占める割合が六八%である。現金の何倍かになるわけです。それから海運業においても五割以上の金利負担である。税金よりもずつと多い。結局そういうふうに金利負担産業に電圧を加えておるという点は、税金よりも重いというようなことも言われておるわけでありまして、広くこれを考えると、お互いにいろいろな負担をし合つているんだと経済全体を見なければならぬ。一つ見解でありましようが、そういうふうにも見られるのでありまして、それを単に漫然と感じの上で、公務員が多過ぎるんだというふうなことでもつて行政整理をするということは適当でないと思うのです。もつと合理的な、何か比較し得るような、これだから多いのだというような納得し得るような基準政府は出し得るかどうか。今の御答弁でに非常に不満なので、それをはつきりさせ得るかどうか、もう少しつつ込んでお聞きしたいと思います。
  15. 大野木克彦

    大野木説明員 米英等との比較のお話もございましたが、若干調べもしておりますが、かなり事情が違いまして、アメリカなどは御承知のように、一種の動員態勢というようなけはいもありまして、相当ふえているようでございます、それからイギリスなどでは最近は食糧統制を撤廃したというようなことで、相当イギリスでも人員を削減したというようなことも聞いております。まだただいまのところ、どの程度の人員整理になるかということを、いろいろ当つている状況でございまして、できるだけ機構事務を減らしまして、それによつて人も減らすという方式をとつて行きたいと考えておる次第でございます。
  16. 北山愛郎

    北山委員 次にお伺いしますが、たしか参議院予算委員会で、吉田総理大臣から保安隊をふやせば警察官は減らしてもよろしいというような発言があつたようであります。これは速記録を実は調べ得ないでいるのですが、それはどういう趣旨であるか。これは自治庁にも行革本部にも、あるいは関係ないかもしれませんが、経費関係でそうなるのであるか、あるいは警備力という、治安を守るという意味においての関連性を言つているのであるか。警備という関係からいえば、保安隊をふやすということは、これは今日一般に伝えられているのは、アメリカの要請によつて、直接侵略にも対抗し得るような分として、増強するというふうにわれわれは了承しておるわけであります。従つて今回の保安隊増強によつて国内治安を守るという意味警察官の方を、整理してもよろしいということにはならないと思います。しかし経済関係でそういうのであるかもしれませんが、この総理大臣見解について、もう少し説明というか、こうであろうかと思うというような説明でもよろしいのでありますが、ひとつ説明をしていただきたい。私ども経費の点でもつて保安隊をふやしたから、警察官整理してもよろしい、しなければならぬというふうにうかがわれるのでありますが、そういう関係をお伺いいたします。自治庁でも行革本部でもどちらでもよろしゆうございます。
  17. 青木正

    青木政府委員 まことに恐縮でありますが、私も実は参議院における予算委員会において、総理がどういう御発言をなさつたか、直接聞いておりませんし、まだ速記録を拝見いたしておりませんので、総理考えがどこにあつたか、ここで的確に申し上げることは困難であります。また申し上げるわけに参らぬと思うのであります。まだ大ざつぱに考えまして、先ほど保安隊はもつぱら直接侵略というお話があつたのでありますが、直接侵略に対するばかりでなしに、当然に保安隊国内治安の面につきましても、本来の使命としてのその仕事を担当しておりますので、これが充実して参りますれば、警察官の担当している国内治安の面におきまして、若干警察側機構の縮小と申しますか、整理の余地が出て来るのではないか、かような考えに立つて説明ではなかつたかと私ども考えるのであります。しかし総理発言内容を詳しく承知いたしておりませんので、的確にさように断言するわけには参らぬと思います。
  18. 北山愛郎

    北山委員 ただいまのあとのお答えは、今回の保安隊増強に関連したものとしては、私どももその通りじやないかと思うのです。今回の保安隊増強というのは、やはり国内治安というよりは、新たに課せられるところの直接侵略に対抗するという意味合いでこの増強をする、一般的にそう了解されておるわけでありますから、そういたしますと、そのための保安隊増強に関連して、国内警察警察官を減らすということは、ちよつと関連がないのじやないか。私どもはこのように考えるわけであります。  次にお伺いしますが、人員整理の数についてはまだ未確定だというふうにお話がありましたが、たしか内閣委員会で塚田大臣が十万人でございましたか、大体そういうふうな御説明もあつたようでありますし、また新聞等で伝えられるところによりますと、国家公務員の七十三万人の一〇%ですから七万三千人というような報道もなされておるわけでありまして、大体その見当で整理をするということを目標にしておるということは了解していいわけですか。
  19. 大野木克彦

    大野木説明員 実は先般の閣議で、二十九年度の予算に伴いまして、大体一割の整理をするという線が出ております。それを一つの標準といたしまして掲げておりますが、ただ先ほどもちよつと申し上げましたように、たとえば相当の数を占めます病院の看護婦でありますとか、あるいはただいまのお話警察官でありますとか、刑務官でありますとか、あるいは学校の先生でありますとか、そういうように相当の数を占めます員数が、従来も行政整理から除外、もしくは低率の扱いを受けておりますので、そういうグループに対しましては、ほかとは別に考えなければなりません。しかもそれが相当の数に上りますので、一割と申しましてもただいまのお話のように七十三万の一割というものがすぐ出せるかどうか、こういう点について、目下いろいろ検討いたしておるといつた段階でございます。
  20. 北山愛郎

    北山委員 自治庁の財政部長にお伺いしますが、大蔵委員会で、地方制度の改革案に伴う人員整理を含む経費節約の説明の際に、まず第一に、警察の面でこれは国警も自治警も含めてでありますが、六十億ないし七十億、それから学校の教職員の設置基準を法律できめるということによつて五十億円、行政委員会の改廃によつて五十億ないし六十億、それから行政事務の整備によつて三十億、このように節約する案があるのだという御説明があつたわけでありますが、これは大体こういうことを自治庁としてはお考えになつておるのかどうか、こういうふうな線に従つてやろうとしておるかどうか、これをひとつ伺いたいと思うのです。
  21. 後藤博

    ○後藤説明員 お答えいたします。今のお話は、私先般参議院の大蔵委員会に参りまして地方制度調査会における財制部会関係改革案説明をいたしたのであります。その説明案の要旨を申し上げます際に、二百億の財源を捻出する基礎は、大体こういう計算でやられておるということを申し上げたのでありまして、自治庁がこの方針でそのままやるということを申し上げたわけではないのであります。この問題につきましては、私どもだけで解決しない問題がたくさんございますので、各省との関係がありまするし、また政府全体の方針がはたしてどういうことになりまするか、その決定を待つて節約額のはつきりした見通しをつけたい、かように考えておる次第であります。
  22. 北山愛郎

    北山委員 自治庁にお伺いしますが、今のうちの教職員の整理といいますか、減員によつて五十億を浮かそうという調査会の案なのでありますが、これについての考え方をお聞きしたいのです。先般の地方行政委員会でも問題になりました来年度における小学校あるいは中学校における就学児童が非常にふえておるというようなことから、あわてて学校を建築するために予算をふやさなければならなかつたというような情勢になつておるわけでありますが、こういうふうな就学児童が増加をするという際において、教職員を整理しようということが適当であるかどうか、私どもは、普通の常識からいえば、学校の児童、生徒がふえるというのにつれて、教職員の数がふえて行くことが教育のために好ましいと考えておるのですが、そういうことに逆行して、そうして先生方を整理しようというような案になつておるわけでありますが、これが適当かどうかお考えをお聞きしたいのです。
  23. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 今の教職員の人員の多いか少いかという点につきましては、地方制度調査会の答申の中には若干整理できるという趣旨で、この説明の中にさようなことがうたつてあるわけでございますが、しかしこれを具体化する場合において、どういう案を自治庁が持つているかといいますと、自治庁としては今のところ何ら具体的な案は持つておらぬのであります。この地方制度調査会の答申の趣旨を文部省の方に移して、文部省の方で考えておられることと思うのでありまして、それらの文部省の具体的な意見がいずれかにきまりますれば、そういう趣旨で将来の財政計画の面においてその点を反映させる、こういうようなことになろうかと考えております。自治庁としては、ただいまのところ何ら具体的な案は持つていない次第でございます。
  24. 北山愛郎

    北山委員 ただいままでお聞きしたところでこの機構改革というものが、いまだ星雲状態であるということでありますから、機構改革そのものについても、また人員整理についてもまだ的確な御答弁が得られない状態のようであります。そこで締めくくり的にお伺いしますが、第一にはこの行革本部等でやつておる機構改革案というものが、一体どういう順序でいつごろになつて具体化して行くのであるか。休会明けの国会に具体化された一部でも、その案が出るものであるかどうかということが一つです。  それからもう一つ地方公務員関係についてであります。これは自治庁にお伺いしますが、私ども地方の、ことに市町村を見ておりますと、市町村の公務員が少くて困るのじやないか、こう考えるのです。というのは現在全国的に非常に厖大な非常勤公務員が存在するということであります。これは議員、委員その他いろいろありますが、主たるものは消防団員です。義勇消防、これが三百万人以上あると思いますが、それ以外に行政の連絡員、これは町内会の解散によつてやむを得ず設けられた行政連絡員、いろいろな名称がありますが、連絡員というようなものが各市町村とも相当数あるはずであります。それから衛生関係の協力者といいますか、その他者町村を見ますと、相当厖大な非常勤公務員が存在しておる。その数はおそらく数百万だろうと思うのですが、それはなぜ存在しておるかというと、結局こういう仕事は、消防にしても、あるいは道路にしても、衛生にしても、住民が税金を納めて、そして役場でもつて仕事をやつてもらうという雄前に一応なつておるはずです。ところが専任の職員では少いのであるから、そこでそのサービスの補いに義勇消防であるとか、衛生組合であるとか、そういうものができておるのだというふうに考えられるわけなんです。従つてそういう面から考えますと、市町村の専任職員は少い、実際サービスをやるためには不十分だというふうに考えられるわけなんでありまして、そこでこれを端的に言えば、第一線の地方公務員というものは少くて、十分なサービスを住民に与えることができないのだというふうなことが言えるのじやないかと思います。で今度の行政機構改革、ことに地方行政機構取扱う場合に、この非常勤公務員の厖大な量を、どういうふうに処置して行くお考えであるか、それはそのままとして、いつまでも専任職員の不足をそういうふうな非常勤公務員によつて、相かわらず補わして行くものであるか、あるいはまたこれを合理化して、そしてなるべく税金以外の労力奉仕というようなものを、国民負担させない方向合理化して行く方針であるか、そういうことをやはり今回の行政機構改革の際には、十分考慮しなければならぬと思うのですが、それについて自治庁はどういうふうに考えておるかということが一つであります。  もう一つは、先ほど行革本部の御説明がありましたが、私ども新聞等行政機構改革なり、あるいは人員整理案なり、いろいろまちまちなものを見ておるわけであります。ところが今お話を承ると、すでに行革本部の案をもつて自由党連絡をして、自由党各省交渉しておるというような形である。それくらいになつておるならば、やはり今度のこの臨時行政改革本部の案というものを、詳細に地方行政委員会にも示してもらいたい。そういう点でひとつ資料を要求しておきたいと思います。そうでなければああでもない、こうでもないといつて国会としてもいろいろ判断に苦しむ。この問題を処理しなければならぬのは、ただに自由党だけではないのであります。でありますからして、そういうふうに資料を外部に出されるというのであれば、地方行政委員会に対してその資料を出していただきたい。この三つの点をひとつ——最後は要望でございますが、お答えを願いたいと思います。
  25. 大野木克彦

    大野木説明員 行政機構改革は、御承知のように結局は各省庁の設置法の改正案として、御審議を願うことになるのでございまして、ただいまの状況でずつと進行して参りますれば、おそらく休会明けの国会に、それぞれの省庁から提案されて行くのではないかと考えております。  なお最後の資料の問題でございますが、案はまだこれが公に細部まで発表するという段階ではございませんので、実はまだ内部的に相談をしておるという状況でございますので、なお相当かわる分もございますし、それらがもう少しめどがつきますまで、いましばらくお待ちを願いたいと思います。
  26. 青木正

    青木政府委員 ただいまの地方公共団体のサービスの補助機関的な、いわゆる非常勤の方々がたくさんある、こういうことが望ましいことでないということは、私もまつたく同感であります、われわれもしろうとでよくわかりませんが、いろいろ町村行政の内容を承りますと、自治法第二条に規定された固有の事務あるいは機関委任事務あるいは団体の事務、これを完全に果すためには、少くとも町村に二十五名程度の吏員がいなければ、完全なる町村行政としてのサービスはできない、こう言われておるのであります。そこで現在の段階におきましては、その程度の人員がなければ完全サービス行政はできないわけでございます。御承知のごとく町村規模が小さいために、それだけの吏員を置く力もないということでやむを得ず、そうしたサービの補助的な機関をお願いするということになつておると思のでありますが、望ましいことはそうではなしに、やはり町村行政を完全に遂行するためには二十五人程度の吏員がいるということであるとするならば、それだけの財政力を持つような町村を建設しなければならぬ、かように私ども考えるのでありまして、そうした意味でやはり前提となる問題は町村規模の適正の問題、これが当然考えられなければならぬと思うのであります。従いまして先般国会で御制定願いました町村合併促進法によりまして、できるだけ町村の規模を適正化し、そうして町村の本来の使命を町村の力において、やられるように持つて行くことが望ましいことではないか、またそうすべきではないか、かように考えるのでありまして、補助機関の現在の状態は、そうした線において、できるだけ早く解消するように努力したい、かように考えるわけであります。もちろん消防団員等につきましては、これはかりに町村の合理化ができましても、住民の方々の御協力を願うほかはないと思うのでありますが、衛生の問題あるいは道路の問題等につきましては、町村が規模を適正化して、そうしてそれだけの力を持つようになりますれば、現在よりは相当程度改姜されて行くのではないか、かように考えておるわけであります。
  27. 中井一夫

    中井委員長 藤田君。
  28. 藤田義光

    ○藤田委員 自治庁の御答弁をお願いしたいと思いますが、御説明を聞き漏らしましたので、あるいは重複する点があるかもしれませんが御了承願います。行革本部改革案というのは、累次の新聞報道で、大体われわれ承知いたしておりますが、どうも今回の行革の基本的なねらいと申しますか、大方針というものがはつきりいたしません。国家財政の現状からして、人員整理による国家財政の強化をはかろうとするのか、あるいは占領中に日本を無力化するために、いろいろな政策をマツカーサー元帥がやつて来ておりますが、日本の国情に即応するように、機構の問題を再検討しておるのか、その点がはつきりしないのであります。この点に関しまして事務の最高責任である次長から、どういうところに、今回の行革のほんとうのねらいがあるかということを、まずお伺いしておきたいと思います。
  29. 大野木克彦

    大野木説明員 先ほどもちよつと申し上げたのでございますけれども、このたびの改革のねらいといたしまして、現在のわが国の国力なり、実情等から見まして、戦争中並びに戦後の占領中に置かれました機関等で適当でないもの、または大きくなり過ぎているもの等を検討いたしまして、従来ともその縮減なり、わが国情に合うように、いろいろ是正して参つておるのでございますけれども、まだ十分とは申せませんので、それらを真にわが国の状況に適合するように直して行きたい。しかし必ずしも昔にもどるということではなくて、新しい憲法等で示されております精神は十分にくみまして、そういう方向で是正をはかつて行くと同時に、その簡素化によりまして、極力経費の節約をはかりまして、国民負担の軽減に資して行きたいというねらいを持つております。
  30. 藤田義光

    ○藤田委員 改革案場についてお伺いしますが、内閣に総務長官制度を置かれるというような原案があるようでございます。私見でありますが、諸外国の例を見ましても、ホーム、ミニストリーと申しますか、インテリオ・ミニストリー的なものを置きまして、相当強力な内政に関する総合行政官庁を置いております。独立後の日本におきましても、自治庁というような微弱な官庁でなくて、自治体を育成するためにも、相当強力な——強力と申しては語弊がありまするが、総合集中的な官庁の設置が、絶対必要であるというふうに考えております。この点は、総務長官制度ではむしろ外国的でありまして、国情に沿わぬというのが一つ。  次に警察庁を計画されておりますが、これは自治警、国警の対立せる現状のままの前提で考えられておりますか。その間に国家消防庁というものが現存しておりますが、この問題に関しまして、将来どういうふうに持つて行かれる予定でありますか。警察官庁と関連して考えて行かれる予定でございますか。別個に考えられる予定でございますかをお伺いしたい。  それから第三番目には、統計基準局を内閣につくりまして、各省統計事務を統合するというお話であります。ところがこれは敗戦西ドイツの例を貝るまでもなく、統計事務が非常に重大であることは申し上げるまでもありません。太平洋戦争の敗北の原因が統計の誤りであり、日本の戦力の過大評価であつたことは申すまでもないのでありまして、むしろ統計省的なものでも考えていいのじやないかと私は考えております。そういう観点からしますと、これは非常に弱体化するのじやないかと考えておりますが、この点はいかがでありますか。  それから最後にお伺いしたいのは、国税庁、林野庁を内局にされる。これはけつこうでございましようが、もともと専売公社の所管にありましたアルコール専売、これは通産省に木に竹を継いだような外局的なものとして、特別会計を持つております。私はこれは一拳にこの際専売公社に復旧いたしまして、むしろ専売事業をなるべく統合するという方向に持つて行つた方がいいのじやないかというふうに考えておりますが、その点に関しましては、何か協議されたことがありますか、どうですか。行革案につきまして四点だけをお伺いいたします。
  31. 大野木克彦

    大野木説明員 第一の総務長官のことでございますが、この総務長官は、むしろ今日官房長官の仕事が非常に複雑でございまして、政務の面もあり、事務の面もあつて、なかなか一人で背負い切れない状況でございますし、また御承知のように、総理府というものの性格が総理大臣の行政府というふうな形になつておりますので、この際官房長官は政務の方に専心されるようにして、あと総理府事務的な面を総務長官を設けて担任するようにしてはどうかというような考えでござまして、現在自治庁総理府外局として存在しております関係で、総務長官との一応つながりもあるわけでございますけれども自治庁長官は御承知のように国務大臣でございますので、この総務長官の関係は、総理府内部部局におけるような密接な関係にはならないのじやないかというふうに考えております。  内政省の問題につきましては、地方制度調査会の御答申の中にも、そういうような思想がございますので、まだ検討中という状況でございます。  それから警察につきましては、いろいろ事務的に考えておる点もございますけれども、むしろ政策的な面が非常に多うございますので、最高方針がきまりましたら、それによつて、むしろ各担当の法務大臣なり国警当局なりで、具体的には考えていただきたいというふうに本部では考えております。  消防庁のあり方につきましても、それと関連して参ると存じます。  それから統計基準のあり方につきましては、まことにごもつともの御説であると存じますが、ただ、今日御承知のように総理府内局として統計局があり、また行政管理庁の部として統計基準部がございます。これは御承知のように前の統計委員会の廃止に基くものでございます。これをむしろ一緒にして統計の総本山のような形にしはどうかというのでございます。それと同時に、各省にわかれております集計事務をそこに集めて、機械等もみな総合すれば、より経済的に能率的に集計事務がはかどるのではないかという構想をもつて統計基準局考え方といたしております。しかしこの点につきましては、いろいろ各省にもそれぞれの統計に関する事情があるようでございまして、問題の一つの点でございます。  それからアルコール専売の問題につきましては、御指摘のように専売に一緒にするとか、あるいはまたもうこれを廃止して民間に移してしまつていいのではないかというような意見もあつたのでございますが、現在のところ燃料関係でありますとか、あるいはまたその他の化学工業関係の将来性等を考えまして、一応通産省の付属機関として存置いたしまして、さらにもう少し能率的なやり方をしてもらつてはどうかというところへ、一応おちついている状況でございます。
  32. 中井一夫

    中井委員長 ちよつと藤田君に御相談しますが、実は鈴木次長がきよう正午に参議院地方行政委員長と会見される約束があるのだそうであります。ところが本日の主題になつているものは、きのうの次官会議の結果を聞きたい、こういうことでありますので、この機会に西村君に質問をお譲りをいただきたいと思います。
  33. 藤田義光

    ○藤田委員 もう一点だけですから……。本日の議題から私脱線しているかもしれませんが、最後に一緒にしまして、二つの問題をお伺いしたいと思います。その一つは、かねて吉田総理が非常に力を入れておりました各種行政委員会の整理の問題であります。これは今回の行革の案には一つだけ入つているようでございますが、大部分の行政委員会をそのまま存置するというような方向にあるようでございます。この点に関しまして、何か話題が出なかつたかどうか。また次長として御意見があれば、この際お伺いしたいと思います。それからもう一つ、特に行政委員会は日本の国情に沿わない制度ではないかと、私ははつきり申し上げておきたいと思います。  その次にお伺いしたいのは、各官庁の行政監察であります。これはたとえば専売公社を見ましても、大蔵省から監理官が行く。また専売公社の中に監督がある。そのほかに会計検査院がありますし、あるいは行政官理庁の監査がある。一つの官庁が非常に重複して監査をされる、その割に問題は一向に減らないというのが現状でありますので、私はむしろこれは会計検査院に一元化して、これをもう少しく強化いたしまして、国家財政を救うと同時に、行政能率の向上をはかるということがほんとうじやないか、かように考えるのでありますが、この点に関するお考えをお伺いしまして、私の質問を終ります。
  34. 大野木克彦

    大野木説明員 行政委員会にきましては、御承知のように前十三国会行政整理の場合に大部分のものを整理いたしまして、現在十七ばかり残つておりますが、これは文化財保護委員会を除きまして、大体審判的な性格を持つているものばかりでございまして、これについてはいろいろ憲法上の意見等も出たのでございますが、現段階ではやむを得ないのではないかと思つております。ただ地方にあります地方更正保護委員会は廃止したいという考えであります。  それから行政監察については、まことに、ごもつともな御意見でございますが、ただ会計検査院の主たる任務が、やはり内閣から独立しているという事実もございますし、決算が主たる任務になりますので、もとより常時監査ということもございますけれども政府部内の監査はやはり一応必要じやないかと存じます。ただそれが大蔵省からも、行政管理庁からも、またそれぞれの所管省からもあるという現在の状態でございますので、これを何とか統合したいということで、目下検討いたしているところでございます。
  35. 中井一夫

    中井委員長 西村君。
  36. 西村力弥

    ○西村(力)委員 最初にちよつと委員長にお尋ねしたいのですが、さつき北山君の資料要求がございましたのに、次長は提出を見合わすというお話でございましたが、ただいま一応の試案についての説明もございましたし、またお話によりますと、自由党の方にはこれを示して内々相談をしていらつしやるということでございます。確定的な資料としてこれを取上げて追究するとか云々するとかいう問題ではなく、私たちが研究する資料として、経過的なものとして、この資料を出してもらいたい、こう思うのです。委員長としましては私のそういう考え方、あるいは北山君の要求に御同意であるかどうか。御同意せられて強く要求していただきたい、かように思います。
  37. 中井一夫

    中井委員長 お答えいたします。委員長としては北山、西村御両君の御要求に同感であります。つきましては大野木次長にお伺いしますが、すでに行革本部の試みの案として御発表になつたのだから、それを書面に書いて出すというようなことは、何らさしつかえないのではないか、また今まで新聞にもたびたび出ておりますが、新聞に書かれていることがいつもかわるので、一体どこに行革本部のいわゆる試案の根本があるのかわからぬという皆さんの疑いだと思うので、この際一応行革本部でこういう試案ができたのだということぐらいは、お出しになつてもいいのではないかと思いますが、いかがですか。
  38. 大野木克彦

    大野木説明員 新聞等に出ましたのはまだ発表したものではございません。それでいろいろ御疑問の点もあると思いますが、実は現在のところまだ内部的に見ている状況でございますので、先ほどああいうお答えを申し上げたのでございますけれども委員長からのお話もございますので、ひとつよく上司とも相談をいたしたいと存じております。
  39. 西村力弥

    ○西村(力)委員 行政機構改革は腹をすえてやらないとできない、確信を持つてやらなければできないと思います。そういう出せないような状態では、ちよつと先行きが怪しまれると思うのですが、それはよく御相談をお願いいたします。  話は、昨日次官会議が開かれまして、国家公務員に対する年末手当にプラス・アルフアをつけることを御審議になられたということでございまして、まことにけつこうだと思います。公共企業体関係の労働者諸君に与えられたと同様に、国家公務員の切なる要求に対しても政府としてこれを考える、これは出すとか何とかいうことはともかく、その方向についてはわれわれは賛意を表するものであります。ぜひその実現をお願いしなければならぬと思いますが、ただその内容につきましては、けさのラジオですか、明確ではないのですが、それについて大体〇・一ぐらいのところをプラスする、こういうことになつているようであります。そういうことになりますと、昨年も同様でございましたが、地方公務員を公平の原則としてどう取扱うかが、一番私たちの責任的な問題となつて来るわけです。その点ラジオを聞いてみますと、地方公務員一般職員については、何とか処置をはかれる、しかし教職員についての財源についてはむずかしいだろう、こういうことであります。それでは困るので、あり、私お聞きしたいのは、昨日の次官会議の表面の申合せはどうあろうとも、せつかくふくろを大きくしてやろうと言われるのでありますが、その目途は〇・一というようなことまでお話になられたかどうか。それに対して地方公務員の方も、それが確実に公務員の手に渡るように、自治庁としてはかようにやるという、その結論だけをはつきりお聞きすればけつこうなのでございます。どうぞひとつよろしく御答弁願います。
  40. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 ただいまのお尋ねの点でございますが、昨日の次官会議におきましては、期末手当の問題が出ましたことは事実でございます。     〔委員長退席、門司委員長代理着席〕 その際いわゆるプラス・アルフアというものをやるといたしますならば、国家公務員については、ある程度流用というようなことが問題になりはしないか。地方公務員については財源措置を考えなければならぬのではないかというような話が、それぞれ関係の次官から出ておつたわけでございますが、なかなか組合側の強い主張もありまして、この点について、どう考えたらよろしいかというような話があつたわけでございます。しかしこの点につきましては、最終的なはつきりした結論が出たとは、ちよつと申しかねると私は思つておるのであります。ただ自治庁といたしまして、私はもし国家公務員についてプラス・アルフアというような措置が行われるといたしますならば、地方公務員についても差別的な取扱いをしないという原則から申して、これは当然に所要の財源措置をしてもらわなければ困るし、またさような決定をするときには、同時に地方公務員の財源についても、これをきめてもらいたいということを強く主張をいたしておつたのであります。しかしその点につきまして次官会議におきましては、最終的な決定を見ずして終つたというのが、きのうの次官会議の実情でございます。
  41. 西村力弥

    ○西村(力)委員 そうなるとけさのラジオとまるで違うのでございますが、そのこと自体が次官会議の議題になつたということは、その前提として何らかの措置をしようということが、はつきりしておるんじやないかと思います。きようの緒方副総理との交渉においても、結局袋が重くなるようにすればいいんじやないかというようなことを、答弁しておつたわけでありますが、昨日の交渉においてもやはりそういう趣旨の答弁をしておる。そういう政府首脳の意向を受けて、この次官会議が開かれたんじやないかと思う。正直のところそうじやないか。それが流用というような技術的な面にわたるので、形式的な答弁として最後の決定にはならないのだ、かような答弁になるのではないかと思うのです。そうではなく、国家公務員は出るのだという前提のもとに立つて、しからば〇・一ということがかりにそうだとするならば、地方公務員に対しは財源措置はこれこれいるという場合には、財源措置はするつもりだ、こうこうぐあいに次長としての答弁を願いたいわけでございますが、いかがでございましようか。
  42. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 プラス・アルフアを支給するかどうかということについての決定は、きのうの次官会議においてはございませんでした。しかし自治庁といたしましては先ほど来申し上げますように、かりに国家公務員については何らかプラス・アルフアの措置を講ずるということになるならば、地方公務員についても同様の措置が行い得るような財源措置を、同時にきめてもらわなければ困るということを、私どもは強く考えておる次第でございます。
  43. 西村力弥

    ○西村(力)委員 次長さんは長い間お役人をなさつていらつしやるので、年末年始になれば非常に仕事が忙しいということは、これは御体験があると思うのであります。それで年末にはやはり超過勤務を払わなければならないと思うのです。それをぜひやらなければならぬと思うが、そうなると地方公務員もやはり忙しいのだから、プラス・アルフアという意味はどうあろうとも、起動手当ということを指示しなければならない。そういう財政の需要が出て来る、こういうことになるわけなんです。そういうことになつた場合は、地方の財政の実情では教職員に対しては超過勤務手当がないはずですが、それだつてやはりあまり不公平なことはやつてはならないということは、政治の要諦であると思います。やはりそこは何とかしてやらなければならない。超過勤務は、〇・一計上しなければならないということになつて来れば、それについて地方公務員に対しても〇・一の財源措置をしなければならない。かりに〇・一としますれば、どのくらいの金が地方公務員にいるか。そうしてその場合にどういう財源措置をなさる腹をきめていらつしやろか。また教職員が超過勤務手当が項目にないとすれば、別途の方式でやらなければならないというときには、どういう措置を考えられるか。それについてきのうはきまらないと言われるのだから、きまらないならきまらないで仕方がないのですが、きまつた場合のことを予想しまして、自治庁においてはまごつかない措置を立てていらつしやると思うのです。それをひとつ御披露願いたい。
  44. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 プラス・アルフアというのは、どういうことになりますか、実施するかしないか。するとしたらどういうことになるかという仮定に「立つてのお尋ねでございますが、(西村委員「あなたがそう言うから」と呼ぶ)かりに期末手当〇・一箇月という今御指摘のような措置を行うとすれば、どういう財源がどれだけいるかという点でございますが、これは総額にいたしまして、いわゆる平衡交付金の交付はせられない超過団体も含めまして十八億五千万程度であります。このうち超過団体分が三億五千万程度でございますので、結局公共団体分といたしましては十五億ということになると思うのであります。しかしこの中には義務教育の職員の部分も含めておりますので、その点につきましては別個に義務教育国庫負担金の増額ということが必要でありますが、それに当るものは約三億四千万くらいでありまして、それ以外の、要するに地方負担に属する純粋の増になりますものは、十一億五千六百万程度になるように考えております。従いまして総体といたしまして〇・一五支給いたしますために必要なる財源は十五億ということになるわけであります。これは経費の性質から申しまして、平衡交付金の増額というような措置をいたしまするが、一番適当な措置であろうと考えるのでございまして、起債による措置というようなことは間接的な措置でございますので、必ずしも適当なことであるとは考えられないのであります。
  45. 西村力弥

    ○西村(力)委員 必要財源の金額はわかりましたけれども、平衡交付金の増額、こういうことを仰せられました。そうなると実はまた第三次補正をやつてくれるならばそれでいいのですけれども、そういうことについての事情は、私たちあまりわかりませんが、なかなかむずかしいのじやないかというぐあいに思われるのです。そうなると平衡交付金以外の措置ということは全然お考えなさらないかどうか。あくまでも平衡交付という方向でノーマルなというか、そういう方向で行くという考えでございますか。それも一時どうこうという、来年の平衡交付金で処置するとか何とか、昨年の十二月のプラス・アルフアのようなぐあいに、便法を講じられるというようなこともお考えになつていらつしやるかどうか。どこまでも平衡交付金一本で押して行くのだ、それが必ず実現するのだという方法をとられるかどうか、そういう点についてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  46. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 かりにかようなことを行うといたしまして、その行う方法もいろいろ問題があろうかと思いますが、その財源措置についてのお尋ねでございますから、その点についてだけお答え申し上げますと、これは昨年やつたような方式も確かに一つ方式であるわけであります。すなわち起債のこれに相当する額だけ、関係地方団体に追加割当をいたしまして、それによつて浮いて来る一般財源を給与の方にまわす、こういうような方法であります。しかしこれは先ほども申し上げましたように、やつてやれないことはございませんけれども、また先例もあるわけでありますが、団体におきまして起債をいたすべく、いわゆる適債事業を持つていない団体もあるわけでございまして、そういうところには起債の割当をいたしましても、よつて浮かすべき財源がないというようなことにもなるわけでございますし、そこらも若干問題を持つているわけでございます。
  47. 西村力弥

    ○西村(力)委員 先様が仮定の話でなすつたので、私も仮定以外になくなつたのでございますが、それについて今そういうふうになつた場合では、平衡交付金で措置するのだと次長が御答弁になりましたが、政務次官として確実に、そういう事態が発生した場合においては、今答弁があつたように、平衡交付金で措置するのだ、こう大臣の代理として、はつきり御答弁を願いたいと思う。
  48. 青木正

    青木政府委員 ただいまの問題につきましては、実は昨日も次官会議でそういう話があつたということを他からも承りましたので、事務当局にもいろいろ事情を聞いたのであります。ところがただいまお話のごとく、まだ事務局にいろいろ検討すべき点がありまして、最終的な段階に到達していない。出すか、出さぬか、また出すとすればどの程度にするか。従いまして目下のところ次官会議を中心として、事務的にどういう方向でやるのがいいか。また可能なりやいなや。可能なりとすれば、どういう道にするか、ということを事務的に検討をいたしておるわけであります。その結論とまつてから、私としては最終的な態度を決定したい、こう考えておる次第であります。
  49. 西村力弥

    ○西村(力)委員 私のお聞きしているのは、結論を言つておるのではなくて、そういうように結論が出た場合、はつきり地方に対する財源措置を責任を持つてやるのだという御答弁をいただけるかどうか、これを伺つておる。
  50. 青木正

    青木政府委員 私どもの方といたしましては、さように決定がありました場合には、財源措置については、当然考えなければならぬ、かように存じております。財源措置を講ぜずして、漫然とそういうことをきめられましては、地方では非常に迷惑になりますので、財源措置はどうしても考えなければならぬ、かように考えております。
  51. 西村力弥

    ○西村(力)委員 次長にお尋ねいたしますが、ただいまの政務次官のお話では、事務的な検討が進められておる、こういうことでありますので、そういたしますと、これは出すのだということは、前提として、全体的に承認せられておると、私はかように了解するのです。そうしますと、その事務的な問題のめどをつけて、実際に最終的結論が出るときは、いつごろと次官は了解して帰られたのかどうか。
  52. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 この点につきましては、次官会議に官房副長官が出ておるわけでありますが、やはり国家公務員の給与全体の問題になりますと、その当面の所管の責任は官房長官でございますので、官房長官のところで、この問題についての最後的な決定があるであろうと考えておるのであります。但しさような決定をする際には、先ほど来申し上げましたような地方公務員のそういう問題を、十分考慮した上できめてもらいたいということを、くれぐれも申しておりますので、本日はこの期末手当の出る日でございますから、おそらくきようも閣議もございまするし、何らかの決定があるのではないかと考えております。
  53. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それじや私はそのほかの方にかわつていただきますが、私はどうも出すのだということはきまつておるけれども、それを言わないのだというぐあいに思えてならない。だからたいへんけつこうですから、大いに努力し、早くその案現をはかつていただきたいと、お願い申し上げておきます。また次長及び青木政務次官の御答弁が、なような事態になつた場合においては、責任を持つてやるという御答弁を信頼いたしまして、私の質問を終ることにいたします。
  54. 横路節雄

    ○横路委員 次長にお尋ねいたしますが、実は地方の方では、やはり今度の年末手当については一・二五は財源措置をしていないのだ。一・一五しか財源措置をしていないというようなことを言つて、どうも地方公務員にはやりたがらない風がある。この点につきましては、自治庁の方でどういうように都道府県あてに通知を出されましたか。いつお出しになりましたか、その内容についてお話をしていただきたいと思います。
  55. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 今回の勤勉手当と期末手当を合せまして一・二五の期末に際しましての手当が出るわけでございますが、その財源措置と、それからそれの給与に関しましての地方への通知は十二月九日付をもちまして、次長名によつて都道府県知事人事委員会両方に依命の通知を出しております。その内容におきましては、ほかの点もいろいろあるわけでございますが、給与の関係におきましては「地方公務員に対する給与についても、政府職員に準ずる措置が適正に行われることを期待し、増加交付金の配分を年内に完了するよう鋭意事務の進捗を図つているので」云々という点を本文の一部に書いておりまして、左記の中に、「算定に用いる改訂単位費用の特例法の定めるところによるのであるが、右単位費用の改訂に当つては、その算定の基礎に用いる標準団体又は標準施設の財源所要額に左の修正が加えられたものであること。(一)改訂前の給与単価につき、期末手当として〇・五カ月分を追加したこと。」これは現在、今までの財政計画におきまして、勤勉手当と期末手当が一・〇、年末分として入つておるわけでありますが、そのうち〇・二五だけを六月に繰上げておりますので、残つておりますのが、〇七五箇月分でございますが、それに〇・五箇月分プラスするということで、結局一二・五ということになるわけであります。  それから「(二)各級号別職員につき、政府職員の例によつてそれぞれ算定した給与改訂による本俸増加額の三カ月分を加算したこと。この場合高等学校の単位費用については、所謂教員給与三本建制が明年一月一日から実施せられることになるのに伴い、教員の級号に応じ、明年一月一日をもつて直近上位の号俸に切替えられるものとして新俸給表による級号を定め、これに基いて算定替を行つたものであること。」というふうに害いておりまして、その点を明らかにいたしておるわけであります。その給与の関係につきまして、これは主として知事、人事委員会、いわゆる人事当局の方に出します通知といたしまして、今回の給与改訂に際して国の公務員についでは、次のようないろいろの法的な措置が講ぜられておるから、参考にせられたい、こういう通知を、出しまして、そのまま左記の中に、今申しましたような期末手当について一・二五出る、こういう趣旨のことをやはり書き加えておるのであります。従つてこれら通じてみまするならば、ただいまのような心配もないはずである、こういうふうに考えておるわけであります。
  56. 横路節雄

    ○横路委員 今の点、都道府県知事が期末手当については一・二五でなしに、一・一六くらいじやないかということは、結局郁道府県の財源に充てている地方の税の負担、この事業税の七億幾らというように割当てられているものについて、都道府県ではおそらくこの点に関してとれないのだ、だから政府では一二・五でなしに、一・一六くらいの財源措置しかしていないということです。私が特に心尋ねしたい点は、都道府県の事業税について特に今回七億幾らのいわゆる期末手当を給与改訂に伴う財源として見込んだ、それが絶対にとれるのだという根拠を、ぜひ本委員会で明らかにしていただきたいと思うのです。
  57. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 これは国の法人税の増収の見積りの基礎をそのままとつて来まして、九月期あるいは十月期の事業の収益の状況が、さような状況になつているということを明らかにいたしておるのでありますから、それを基礎にして算定をいたしたのであります。しかしなお実際の措置といたしましては、一億円以上のいわゆる大会社につきまして、それぞれ九月期、十月期の実績が逐次判明して来ておりますので、その実績を明らかにした上で、今の基準財政収入の算定をいたすことにしてありますから、実情に即しないような算定をすることは、事業税の基準財政収入としての算定についてはあり得ないというふうに、私ども考えておるのであります。実際最近の状況として、通達が出ましてから、地方税が特に問題になつておるということで、私どもの耳に入つて来ておりますのは東北の案件でございますが、この点につきましては先般いろいろ、お話しました結果、すでにさような原則通りの措置をするというような情報が入つて米ておりますので、ただいま自治庁といたしまして、市町村の段階につきましては、いささか明確でございませんが、都道府県段階におきましては、あの財源措置の基礎になつております一・二五というような給与は、おそらくどの府県でも支給せられることになるであろうと考えております。また昨年問題になりました奈良県のごときも、ことしはもちろんそういう措置をするということを、知事も先般言つておりましたので、さような心配はなかろうと考えております。
  58. 横路節雄

    ○横路委員 今の点ですが、去年はせつかく〇・二五追加してもやらないところには〇・二やる、こういうわけですか。ことしはそれぞれの財政状態において、一・二五以上出す場合においては、別に政府の方ではそれは不届きだということにはならないのだろうと思います。これは平衡交付金の性質からいつて、そうだろうと思うのですが、この点あとで、一・三五以上やつたために、お前の方はよけい財政状態がいいから、さつぴいてやるということになると、都道府県は非常に困るのです。この点は自治庁側としては一・二五以上出した場合については、別に抑制しないというのですが、私もそういうことが望ましいと思います。その点はどうなつておりましようか。
  59. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 今のお尋ねの点につきましては、もちろん給与は各地方自治団体が自主的に決定することでありますから、それだけ出してはいかぬというようなことを、特に自治庁としては申すつもりはございません。また実際問題として私どもの耳に入つておりますも従来の例から申しますと、東京とか大阪とかいうような、いわゆる不交付団体におきましては、若手お話のような措置に出ているところもあるようでございますが、その他の府県につきまして、さような例はごくまれかと考えておる次第であります。
  60. 横路節雄

    ○横路委員 政務次官にお尋ねしますが、先はどの西村君の質問に対するお答えですが、これは年末の超勤手当等について、国家公務員にかりに〇・一を出すなんという場合には、学校教員には超勤制度がないので出ませんから、そういう場合には先はどお話のように平衡交付金で年度内に必ず措置をする、こういうような意味に聞いておつたのですが、その点もう一ぺん確めて終りたいと思います。
  61. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 ただいまの義務教育職員の給与を増額いたします方法でありますが、この点につきましては超過勤務手当制度がないわけでありますから、そこでもしさようなことをやるということになりますと、この点につきましては国の直轄学校の教育公務員につきまして、何らかの措置がとられることになろうかと思いますが、それと同じような措置を地方の教育公務員についてもとるということになろうかと思うのであります。それをどういうふうにやるかということは、やはり国家公務員である教育公務局員の方式を、地方の場合にも持つて行くようにいたしたいと考えております。
  62. 横路節雄

    ○横路委員 次長にお尋ねしますが、それは私も実はこの問題で文部省へ行つて来たのです。文部省では大蔵省で予算の流用を認めてくれればやれるというのです。ところが地方自治団体では別に政府が予算の流用を認めようが認めまいが、財源措置をやらなければできない。大学の職員については予算の流用を認めてくれればやれると言つておる。この点は私は国立学校の教職員の場合と、いわゆる小中学校並びに高等学校の地方公務員の教育職員の場合と、性質が違うと思うのですが、その点はどうなんでしようか。
  63. 鈴木俊一

    ○鈴木政府委員 ただいまの点は超過勤務手当の関係による措置でないといたしますと、私どもとしてはたとえば宿直手当とか、日直手当とか、その他義務教育半額国庫負担の対象になつておる給与の、何らかの改善措置というものと結びつけて考えて参りたい、地方負担の分はそれに応じて地方が半分負担をする、こういうような形になるのが筋ではないか、今国の直轄学校の教育公務員について、どういうような措置を文部省としておとりになりますか、そういう措置が、もし国家公務員である教育公務員について取り得るならば、地方公務員についても同様の措置が取り得る、財減措置の問題は、これは負担金と一般の交付金とそれぞれの措置として考えて行くということだろうと思います。
  64. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私は次長さんに、お急ぎですから、すこぶる簡単にお尋ねしますが、消防に関することです。実は先日郷里へ帰りましたら、消防署の人が今度また消防署が警察に直属して、警察の指揮を受けねばならないような境遇になつては非常に困る、こういう話でございました。そこで私想い出しますと、ここに地方行政委員として一番長いのは、門司先生と私と二人でございますが、国家警察及び自治警察のもとに消防署が直属しておつたのを、私たちがま心をもつて警察と消防署と二つにわけたわけです。それがまたしても元の通り警察直属になるという話を聞きました。そこで日本の建物はあなたも御承知通り紙と木でこしらえ、あつて、非常に燃えやすいのです。どこの国へ行きましても。消防署というものは独立しております。それにましてや日本のような紙や木でこしらえてあるような建物では、毎日火事が起つております。この日本の国が消防署をまた警察の管下に置くということになれば、一般の消防知識及び消防に関する大衆の考え方が——非常に消防署というものを、昔の火消しと同じように思うようになる、それではやはり旧態依然になる、この問題について八年前に門司先生や私たちが一生懸命にやつたことが感慨無量でございます。その点消防署をいかなる管轄に置こうとなされるか、これに対するあなたの考えをお聞かせ願いたいと思います。うそをつかぬように言つてください。
  65. 大野木克彦

    大野木説明員 御承知のように消防庁は国家公安委員会に属しております。私どもの問題となるのは国家機関の問題でございますので、この国家消防庁をどうするかという問題なんでございますが、この点につきましては、先ほどからも申し上げますように、警察機構がどうなるかということがまだはつきりいたしませんので、それを関連して同時に検討されるようになるだろうと存じております。その際には御趣旨のあるところは十分に伝えまして、検討してもらうようにいたしたいと存じます。
  66. 大石ヨシエ

    ○大石委員 それではあなたの方では今漠然としておるのでございますね。新聞に出たいろいろなことはみなうそなんですね。うそと解釈してよろしゆうございますね。どうなんですか。あの新聞はうそなんですか。
  67. 大野木克彦

    大野木説明員 新聞にどういうふうに出ましたか、よく存じませんが、検討している段階におきまして、いろいろな考え方がありましたので、その一つ段階考え方新聞に出たというようなこともあつたかとも思いますが、しかしただいまのところは警察関係は一括して、最高の方針従つて国家警察の方で、検討してもらうという建前になつておる状況でございまして、方針がきまりますれば、国家警察の方で検討を始めるのじやないかと存じます。その際消防の問題も同時に取上げられる運びになると存じます。
  68. 大石ヨシエ

    ○大石委員 あなたは今おつしやつたこと以外は御存じないのですか。よつぽどぼんくらの次長さんですね。そのくらいの程度より御存じないのですか。私はもつと深いことをあなたは御承知であろうと思つておる。なぜあのいなかの消防署の署長が騒ぐのですか。なぜ全国の消防署の人が騒ぐのですか。ここでもつと肝胆相照してかような段階に立ち至つておる、これは一体どうであるかということを私たちにおつしやつてもいいと私は思います。どうですか。警察々々と警察に責任を負わして、自分は何でも知つておるくせに何を言うておる。はつきりせぬか。
  69. 大野木克彦

    大野木説明員 先はどから申し上げますように、まだ行政機構改革本部の……。
  70. 大石ヨシエ

    ○大石委員 あなたの私案を聞かせてちようだい。あなたはどう思つておるかということ。
  71. 大野木克彦

    大野木説明員 私の個人的な考え方は、ただいま申し上げかねますけれども、現在の状況といたしまして警察消防の関係のものが、まだ未確定の状況にあることは間違いございません。
  72. 大石ヨシエ

    ○大石委員 次長さんは何も関係せぬと言うが、私は、消防を警察の下に置いたらよいか、置かない方がよいか、あなたの私見を拝聴したいと申し上げておるのです。遠慮せんで言うてちようだい。
  73. 大野木克彦

    大野木説明員 私見といたしましては、消防のことにつきましては、いろいろ考え方があると存じますが、現在のところではやはり治安関係と相当密接な関係があるものと考えた方がいいのではないかと思つております。
  74. 大石ヨシエ

    ○大石委員 そうしたら、消防というものはばかなようなものだから、火消しであるから、警察の下に置いたらいいとお考えであると、解釈してよろしゆうございますね。あなたの私見ではその解釈でよろしいですね。どうですか。
  75. 大野木克彦

    大野木説明員 下に置くというのではなくて、比較的独立性の強いものにしておいたらいいのではないかというふうに考えております。つまり警察と一緒に置くにしても、直接の下部機構ではなくて付属機関になるかと思いますが、外部的な性格を持つた付属機関という考え方ではどうかと思つております。
  76. 大石ヨシエ

    ○大石委員 私がなぜかく熱心に申し上げるかというと、これは警察に所属していたものを、門司先生と私たちが独立させたんです。それをまたこうしてひつつける考えですね。それをやつたらわれわれは断固として反対しますから、帰つてその通り申し伝えておいてください。よろしいですか。
  77. 北山愛郎

    北山委員 関連して。どうも大野木さんの御答弁は間違いじやないかと思う。本来消防と警察は別な職務を持つている。それを今度消防が治安にごく近いものであるというふうにお考えであるということは、一体どういう根拠でそういうことを言われるのか。現在の消防法あるいは警察法から見ても、全然別個の問題ではないかと思う。
  78. 大野木克彦

    大野木説明員 現在職務が違うことは、重々承知いたしておりますが、御承知のようにただいまも国家公安委員会のもとに警察も消防もあるわけであります。現実の消防の事務は、市町村の仕事になつておりますが、国家機関とまして消防庁のやりますことは、やはり今の形を踏襲するとしても、警察との関係を持たしてもいいのではないかというふうに考えておるわけであります。
  79. 北山愛郎

    北山委員 この問題は相当重大な問題でありまして、おそらく将来ここで論議されると思いますから、この程度でやめます。     —————————————
  80. 門司亮

    ○門司委員長代理 それでは日程を追加しまして、奄美大島群島の復帰に関する件について調査をいたしたいと思いますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 門司亮

    ○門司委員長代理 それでは床次君。
  82. 床次徳二

    ○床次委員 ちよつと承りたいのであります。最近日本とアメリカの間において復帰に関して交渉中だということが新聞に出ておりますが、その新聞によりますと、復帰の時期が遅れておりまする目下の最も大きな原因は、貨幣交換の問題である、しかしこれに対して日本において貨幣交換の準備財源がなかつたということがあげられております。もしさようでありましたならば、せつかく善後処理費として十億つとておりまするが、その金が使えない、またその予算が少な過ぎたということになるので、その補充ができまするまでは、復帰ができないということになりはしないかということを、非常に懸念いたしております。この点につきましては政府はいかように考えておられるか承りたい。
  83. 石井通則

    ○石井説明員 アメリカと日本側との交渉の問題につきましては、私逐次情報を聞いておりますけれども、こまかい内容に立ち至つては聞いておりませんし、まだ申し上げる段階に至つてはおりませんが、B円交換の問題で、非常に遅れて来ておつたということは大体事実でございます。ただこの問題は年内復帰という方針で、極力外務省を中心にいたしまして、交渉を続けておりまして、最近両方の歩み寄りができて行くような気配も見えるようでございます。従いましてその財源的な問題がどうなるか、また措置につきましてきまつたところで、必要であるかないかはわかりませんが、大蔵省におきましてもいろいろ御検討されておるようでございまして、復帰の期日と、その問題の処置とは、おそらく切離してできるのじやないか、こういうように考えております。従いましてどういう歩み寄りかわかりませんが、もし歩み寄りがごく最近できますれば、年内の復帰はできるのじやないか、こういうように思つております。なおその歩み寄りも大体つきそうだということを聞いております。
  84. 床次徳二

    ○床次委員 この問題につきましては、できるだけ早く実現されように、御答弁の通りとつ努力してもらいたい。しかも一応善後処置費という形におきまして、きわめて大ざつぱな経費はとつてあるわけでございます。必要な支出に対しましては、これで対処することが適当であると思う。足らなかつたならば、またあとでもつて追加するのも方法だと思います。応急処置につきましては、この善後処置費を活用しまして、遺憾のないようにせらるべきであると思うので、新聞で報道せられるようなことがありますれば、はなはだ遺憾だと思いますから、どうか政府の方としても、この交渉がすみやかに妥結せられるよう努力せられたい。きようは時間がないから簡単に要望だけを申し上げておきます。
  85. 石井通則

    ○石井説明員 御要望の通り極力やつておりますから御了承を願います。     —————————————
  86. 西村力弥

    ○西村(力)委員 県立の定時制高等学校そのものを設置している村では、その敷地やら校舎やらを村費でほとんど建てて、それをほとんど県に寄付の形にしておる。そういうためと、それから経営費、消耗品の類まで寄付行為でもつて、年々その学校運営をやらしておるというのが現状なんです。私の県は定時制が相当普及しているので、そのための財政需要に苦しんでいる村が非常に多い。これは私の県ばかりでなく、全国的な問題だろうと思うのですが、そういう財政需要に苦しんでおる村に対して、これは単に県と市町村の私契約であつて、それがどのように町村に金がかかろうとも、いや、契約しているのだからやむを得ないというような立場じやなく、これはやはり市町村の平衡交付金のうち、その他の教育費のうちにそういうものを入れるとか、あるいは特別平衡交付金でこれを措置するとか、こういう点を明確にしていいただきたい。その点が明確になれば、その村でも県に交渉するだろうし、県としても特別平衡交付金なら平衡交付金の算定をする場合において、そういうこと含めて要求をして来るだろうと思う。その点について自治庁側の御答弁をいただきたい。
  87. 後藤博

    ○後藤説明員 お答えいたします。県立の定時制高校につき、市町村がいろいろ負担していることは、私どもも存じておるのでありますがこれを一般交付金の基準の中に入れますことは、逆に市町村の方に負担をしいる結果になりますので、一般交付金に入れることはできないというふうに考えております。特別の財政需要があるというふうに、特別の交付金の問題として考えられるのでありすすが、これも一般的に特別交付金の対象になるべきものではなくて、いろいろな事情があるのでありまして、その負担関係はまちまちであろうと思つております。従いまして個々の市町村の負担関係を考慮しながら、特別の財政需要があるものとしてその幾分かはわれわれの方に求めて行くという考え方がいいのではないか。全面的にその負担をするということでなく、いろいろな事情からその負担が生じておるようですから、特別の財政需要と見られ得べきものがある場合には、個々の市町村を対象として見るべきではないか、一般的にそういうものを交付金の対象にして見るというのではなく、個々の問題として考えるべきではないか、かように考えておるのであります。従つて私全国のことはよくわかりませんが、そういう負担関係の非常に多い所につきましては、県によく事情を聞きましてから、特別交付金について考えて行きたいと存じております。
  88. 西村力弥

    ○西村(力)委員 基本的な観点において相違があるのです。私たちは現在の文教費というものが、どのような待遇を受けておるかというところから言うてそういう勤労青年を養成しようとする教育機関である定時制高校が、これは村民あるいは青年たちの熱烈な要求で、県でもやるんだが、金は初めから足らぬことはわかつている。それを国の方で負担するからということにして、これが設立され、経営されているというのが、一般的な問題であつて、個々の問題ではない。かようなぐあいに文教政策が資金的に虐待されている点において、私たちとそもそもの出発の観点が違うのでございますが、それはそれといたしまして、それでは今申されたようなぐあいにして、財政需要のある村に対しては、特別交付金なら特別交付金で考えるということを、明確な自治庁の態度として、自治団体にお示し願いたいということをお願いいたしまして、私の質問はこれでやめます。
  89. 門司亮

    ○門司委員長代理 次の委員会の日時についてお諮りいたします。実はさつきお聞きのように、政府の方の方針がまだはつきりきまらないということでありまして、政府方針がきまりますれば、地方公務員に対するアルフアの問題が当然出て来ると思いますので、従つて委員会といたしましても、その機会に一応開きまして政府方針をよくただしたいと思いますので、日時は委員長に一応おまかせ願つて、公報で御通知するなり連絡するなりするということにしてよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 門司亮

    ○門司委員長代理 それではきようはこれで散会いたします。     午後一時九分散会