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春日委員 いよいよくさいのであります。はなはだくさいと思うのであります。それはわれわれの質疑を通じまして、何
一つ明確にされていない。いろいろな問題をここで質疑応答いたします場合、たいがいのことは筋の通つた御答弁が願えるのであつて、反対なら反対、賛成なら賛成で、われわれはあなた方の
立場を了解し、そうしてわれわれの主張と対立するところが
はつきりわかる。ところが今私
どもの質問を通じて何
一つそうした解決がそこからは出されていないわけです。そこで私
どもが疑わしく
考えることは、何かこれについては
一つの既定方針があるのではないか。すなわち
政府の
関係各省がいろいろとこの問題について、もうすでに了解し合つているのではないか、あるいは許可するという方針にきまつておる、あるいは許可せざるを得ないような
状況下にあるのではないか。それを合理化するためにいろいろと持つでまわつておつて、そうしてここに試験を二回、三回やつて、そしてその技術試験の結果にいろいろ責任をおつかぶせよう、すなわち卑劣な陰謀がそこにたくらまれているのではないか、こういうような疑いを持つものであり、このことはわれわれが
政府に対してはなはだしく不満に感ぜざるを得ないのであります。そこで私は、こういうようなわれわれの推測を裏づけるものといたしまして、先般来大蔵大臣がアメリカへ
行つたり帰つたりいたします都度、この日米石綿の問題については許可する方針だということをしばしば新聞で発表いたしておるのでございます。そこで私は、ただいま東条
局長にもお伺いしたところでありますが、いずれにしても外資法と外資審議会との
関係でありますけれ
ども、これは外資法が明確に規定いたしております
通り、これは
会議制の
一つの諮問
機関ではあるけれ
ども、しかしながらこの外資法に規定するところの重要な案件について、各界の知識を網羅して
国家的見地から答申する、こういうことがなされているわけであります。従つてその外資審議会の会長でありますところの大蔵大臣、これの見解の発表というようなものは、慎重になされなければならない。許可するかしないかということは、少くともこの外資審議会の結論が出されてからでなければ、その会を統裁するところの会長が、みだりに意思発表を行うべきものでは私はないと思う。ところが外資審議会は、本件については何らの結論を出していない。のみならず、むしろ幹事会等においては否決的な傾向が強かつたというような
会議の経過も報道されておるのであります。にもかかわらず、大臣がこれに対して許可をしようというような意思発表を行い、そうして技術院が何となくこれに相呼応するがごとき第二次試験をここに
行つている。このことは私ははなはだ重大な問題であろうと思うのであります。
他の質問者もありますので私は質問を終りますが、そこで特に技術院に私
どもがお願いを申し上げたいことは、ほんとうに学問と技術の尊厳、これはほんとうに政治的中立、これが最も必要なことであり、もしこれが何らかの政治的圧力によつてゆがめられるようなことがあつたといたしましたならば、これは重大な事柄であろうと思うのでございます。第二次試験に対しまして、いろいろとこの試験材料の提供等が行われているでありましようが、問題の焦点はフレキシ・ボードをめぐりまして、アメリカの製品がことほどさように卓抜したものであるか、日本の製品が劣悪にしてまつたくその用途に耐え得ないものであるか、問題はここにあると思うのであります。どうかひとつ学問の尊厳と、並びにあなた方に課せられているところの重大な使命をよく痛感されまして、厳正な試験結果の抽出をされることを強く要望いたしたいと思うのでございます。
なお
政府の
関係局長諸君に申し述べておきたいことは、私が冒頭に申し述べました
通り、これらの問題はわれわれが民族産業をいかに保護し育成せんとしているか、この経済自立の大目的の上に立つてわれわれはこの所論をなしておるのでございます。従いまして日本のこれらの産業に後進性があるとするならば、
政府はあらゆる
施策を傾けてこれは急速にアメリカ製品に追いつき、さらに追い越すほどの
施策が必要であつて、今国内産業が閉止するというこのような
立場に立つて、反対のための猛国民運動が展開されんとしておるところの
実情等もよく
考えられて、あなた方も愛国的
立場に立つてほんとうに経済の自立と独立の完成、これがどういうような政策を通じて達成し得るものであるかという、こういう責任的
立場に立つて、この
措置を誤られないことを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。