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河野説明員 私はまずこの問題は、冷たいと申しますか、冷たい法律の解釈の問題と、それから
行政上いかにして行くかという問題と二つにわけて考えて行きたいと思います。第一点の出資等の取締りに関する法律第二条によ
つている預かり金の解釈として、今問題にな
つておりますような友の会というものは
一体該当するかしないかという問題につきましては、私は特殊の場合は別として、典型的な場合においては、預かり金禁止のあの規定には該当しないと考えております。その意味はいろいろありますが、やはり先ほど申し上げましたように、預かり金というものの法律上の性質の中には幾つか問題がありますが、今この際に一番問題になりますのは、やはり金銭で預か
つて金銭で返す、私はこう預かり金の性質を考えておりますが、その点につまり問題がある。預かり金にはそのほか不特定多数とかいろいろの要素がありますけれ
ども、そういう問題は今の法律上の問題ではございません。ここで問題になりますのは、金銭で預か
つて金銭で返すという預かり金の持
つておる幾つかの要件のうちの
一つ、この要件に当るか当らぬかというのでありますが、百貨店等において品物が数百極あるいは数千種かりにあろうとも、その品物で渡すということは金銭で返すことと違う、法律的に私はさように考えます。しかしこれがさらに、もぐりとか、いろいろなことで税法的な好意あるとすれば、これは別であります。が、これは旅行会等についても同じことが言える。これが第一の私の法律上の解釈としての考えであります。ただこれは、先ほど総務
課長からも
お話がありましたように、いろいろ法務省と私
どもは今まで議論をいたしております。
従つてまだ両者の間に実は見解の統一を見ておらない。調整ができておらない。で、私
どもはありのままに申し上げますが、公文でも
つて現在法制局長官あてに、この問題の法律解釈、
あと行政上の政策とかいろいろな問題は別として、法律解釈としてどうなるかということを照会いたしております。その結果をまつた上で、その結論次第によ
つてはまた法務省とも御相談したいと思
つておりますが、法律の解釈としてはそういうことであります。
しからばこういうふうなものは
一体弊害があるかないか、つまりほつといていいかどうか、これは立法上の問題が別に私はあると思う。率直に申し上げますならば、こういつた
制度があまり広く行われるということになりますと、これは私は
金融行為ではないとは思いますけれ
ども、とにかくある受信行為がある。つまり金を前渡しするような行為があるわけです。
従つてその授信行為ということが、広い意味の授信行為がある以上はこれが非常にあぶない、基礎の弱いところまで広が
つて行く。そういうことになりますならば、これは弊害を起すおそれがあると私は考えております。従いまして、そういう
観点から政策的に何らかこういうものを取締る必要がある、そういう
観点に立ちますならば、これは私は立法論の問題として考えて参らなければならぬと考えております。現に若干事情は違いますが、商品券等につきましては、実は二つの点から取締りの法律ができております。一点は
中小企業者に対して百貨店というものが伸び過ぎてはいかぬというので、税という
観点からこの問題に対する
一つの調整を加えたのであります。もう一点は、商品券という形において、やはり一般の公衆に迷惑を及ぼすおそれがあ
つてはいけないという点から、担保を積ませるという
制度ができております。こういつたことと同じように考えられると思いますけれ
ども、たとえばそれが一番いい例でありまして、そういつた立法的な取締りは必要ではないかと考えております。ただその際におきましては、かりに取締りをいたします場合におきましても、その取締り目的は、
一つの受信行為というものがある。つまり金を前受けするという行為があ
つて、それが弊害を起すおそれがあるから、その限りにおいては、その対価が具体的な特定したものであろうとあるいは不特定なものであろうと、その点は関係ないと私は考えております。
従つて金を前に受ける受信行為が弊害を伴うおそれがあるから、その点において、それを全部カバーできる立法
措置が必要にな
つて来るのではないかと思います。そういたしますと、世の中には金を前受けするという例がたくさんあるのであります。たとえば土建業者がいろいろの工事をやる場合には、前受けをしてやるでありましよう。それから物品割賦販売業におきましても前受けをする、こういつた場合に、どこまで立法上の取締りの対象に入れるかということになりますと、むずかしい問題にな
つて来ると思います。今後そういう問題はさらに法務省とも虚心坦懐に研究して参りたい。もつともそこの法律解釈も解釈でありますが、
行政上の
措置あるいは立法上の
措置として遺憾のない方法によ
つて、できるだけみんなに不当に迷惑をかけないで、しかも法律の目的とするところの秩序を維持するという目的を達成する方法はどこにあるかということを探
つて参りたいと考えております。