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春日委員 まことに感激いたすものであります。
そこで私はお伺いをいたしたいことは、そうでありといたしますならば、直所五−二〇の長官通達を直していただかなければならぬ。これは昨年の八月十七日に出されておりますが、それによりますと、次のごとき事柄によ
つて判断せよといわれております。第二項に「店舗を有し、」と書いてある。この店舗ということは作業場を含まないことであるならば全然よろしゆうございますが、この作業場は住居の床の間やお座敷につくるわけに行かぬから、大体そういう日雇い板金屋なんかだと入口に置くことになるでしよう。そうすると作業場が店舗みたいなかつこうにな
つて、作業場が店舗に誤解されやすいのでありますが、この第二項目に置くところの店舗、作業場という事柄は、これは給与所得と
事業所得とを区別することの大きな
条件であ
つてはならぬ。それから第三項目の「使用人を有している者であるかどうか。」という事柄につきましても、末端の税務署員は、家族以外の者を使
つていると、これが労働基準法に基くところの使用人であるやらどうやら、こういうことの誤解を生ずるもとでありますから、これも明確に願いまして、労働基準法の別表に定めているところの長期養成の徒弟である限りにおいてはこの限りでない、こういうようなこともやはり通牒の中に明確にしておいていただくのでなければ、あなたや長官がこのことに当られるなら決してさほど心配いたしませんが、地方の税務署に参りますと、ほとんど調査も行われておらないような、調査されてもそれは経験の乏しい人が調査に当りますから、この通牒を見て、あんたは店舗を持
つているじやないか、あんたは使用人を持
つているじやないか、こういうことで、実体は日雇いかせぎで、労働の対価以外のものを所得としていないところの人に対しても、この第三項目、第三項目によ
つて事業所得に類推の
決定を受けざるを得ないような形にな
つて参るのでございます。従いまして、この第二項目、第三項目につきましては、私の今までの
質問によりまして大体実情は
部長も御
了解を願
つたと思いますので、さらに十分省議をお練りいただきまして、これらの疑義を解消でき、しかも現場において紛議を起すことのないように、もう一ぺん適切な通牒を発せられることを特にお願い申し上げたいと思うのであります。
それからさらにもう一つこの問題について
伺つておかなければなりませんことは、そうすとる、今度は源泉徴収の税金をどういう方法によ
つて納めるかということが問題にな
つて参るであろうと思うのであります。すなわち源泉徴収義務者というものは、こういうような
仕事の施工主にはそういう源泉徴収の義務のあるものとないものとがございましよう。むしろないものの方が多いのではないかとすら
考えるのでございます。そうした場合、これは本人が税務署へ行かなければならぬのであろうと思いますが、しかし本
人たちが自分でそういうような
手続をするなんということはとても煩瑣にたえない、またそういうような作業にはなれておりません。
従つて彼らが結局労働組合法に基いて労働組合を結成いたしまして、労働組合自体でこの源泉徴収義務者の事務を代行して取扱うようなことになることが
考えられるわけであります。その場合、労働組合法は、御
承知の通り労働者が労働
条件の維持改善たとか、その他彼らの経済的
地位の向上だとか、こういうようなことを目的として労働組合を結成するわけでありますが、これらの労働組合結成の目的の中に、自分たちが一ぺん一ぺん税務署でも
つて税金のいろいろな
手続をすることは煩瑣にたえぬから、すなわち団体納税という形ではありませんけれども、源泉徴収義務を代行するという立場において、労働組合がそれらの納税の
仕事を取扱うことに相なるであろうと思うのでございます。労働組合法はこのことを認めているのであり、しかも労働組合法たるや、これは賃金給料その他これに準ずる収入をも
つて渡世するものだけをも
つて結成されるべきものであり、そういうものだけで結成されているかどうかということは、地方労働
委員会が認定しているところであります。従いましてこの労働者が結成したところの労働組合が納税義務を代行するということはごうもさしつかえのないことであり、しかも特にそういうような必要をも認めて、これが労働者の経済的馳位の向上になることならばけつこうであるということで組合法がつくられておるわけでありますから、源泉徴収義務者のない場合、労働組合がこのことを代行することはちつともさしつかえないと思うが、しかるところあなたの方は、労働組合等をして
所得税の徴収に当らせる便宜の方法は、税法上徴収義務者を不明確ならしめることにな
つてあまり好ましくないのではないかという通牒を出されておるのでございます。このことは暗に労働組合そのものを否定して、労働者がみずから経済的
地位の向上をはかる、そういう組織がはばまれるきらいなしとはしないのでございまして、このことはやはり労働
条件の維持改善という労働組合の本旨にもとるのきらいなしとはしないのでありまが、この点について、源泉徴収義務者のない労働者の労働組合にこういう税金を納める
仕事をなさしめておるという事柄を今もなおいかぬと思
つておられるのであるか、あるいはそれはさしつかえないと
考えておられるのであるか。さしつかえるならばどういう方法によ
つてこれを納めることが合法化できるか。この点をひとつ明確にしたいと思うのでございます。