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春日委員 関連して……。砂糖の価格をいかに安定せしめるかということは、われわれが当面する大きな政治課題の
一つなんだが、そこで昨日の大蔵大臣の
答弁によると、ほとんどきめ手も何もないというような状態であります。そこで私どもは、先般精製糖会社の各期貸借対照表という
資料をちようだいして、砂糖に関する行政指導がどんなふうに行われておるかということをいろいろ検討してみたところ、驚くべき二、三の
事柄が頭を出して来たのであります。
〔内藤
委員長代理退席、淺香
委員長代理着席〕
そこで、その二、三の
資料を申し述べて、
大蔵政務次官並びに
農林政務次官の御
答弁を願いたいのでありまするが、この
資料をいろいろ整理して参りますると、たとえば二十七年の上半期におけるこの十九の製糖会社の利潤であります。これは、この十九会社の独占事業にな
つておるわけだが、一番大きいのは、大日本製糖のごときは、資本に対して一九八%の半期利潤をあげておる。明治製糖のごときは一六四%、名古屋精糖二四五%フジ製糖九五二%、塩水港精糖のごときは、資本に対して一七四%という厖大利潤をあげておるわけであります。このことは、明らかに外貨の割当と輸入された原糖を独占的に精製することからあが
つて来るところの医大利潤なんです。製糖会社がこういう大きな利益をあげておるということは、すなわちそれだけ砂糖の値段が高いということなんです。すなわち、十九社がお互いにいろいろと価格操作——独禁法でどういう制肘を加えておるかまだ
調査はいたしておりませんが、いずれにしても、資本に対してはなはだしきは一七四二%、三〇〇%、四〇〇%というのはざらなんです。こういうような厖大利潤を製糖会社が得ておる。このことを
政府が見のがしておるということは、すなわち
政府と製糖会社とが暗黙のうちに了解をし合
つて、こういう糖価の暴騰を結局野放しにしておるというきびしい批判が起きて来ることは当然であろうと思う。そういう会社がその後一年間にどういう企業の経営をして来たかということをさらにいろいろと分析して参りますと、次のことが明らかにな
つて来る。すなわち、彼らは設備能力に対して外貨、原糖が割当てられて来るのだから、その設備能力をふやせふやせということで、二十七年の上期から二十八年の三月までの間にどのくらいの設備の増大をはか
つて来たかと申しますると、大体において、たとえばこの表によりますると、大日本製糖のごときは一・三倍、芝浦精糖三・五倍、東洋精糖二倍、名古屋精糖一・九倍、フジ製糖二倍というふうに、ほとんど一年間のうちに、そのもうけた金でも
つて、そういう割当をたくさん獲得し得る資格を得ることのために、設備の
増強を行
つて参
つたわけであります。ところがこれに対しては自己資本のみではとうてい償えるものではない。
従つて、それぞれの金融機関から相当巨大な設備に対する融資を受けておることは当然でありまするが、その結果現在どういう状態にな
つておるかということをさらに調べてみると、たとえばこういう厖大な設備をして、結局その設備がフルに回転しておれば問題はない。ところがこの登録されたところの月産精製能力と配当されたところの砂糖の分量との対比較によ
つてその稼動パーセンテージをここで算出をしてみたが、大日本製糖のごときは六百五トンの日産能力を持ちながら五四%しか回転していない。明治製糖は八百四十トンの日産能力で三八%の稼動率である。おおむね四三%、四〇%、六〇%というようなぐあいに、ほとんど半分以上のものが遊んでいるわけです。そこで私が
大蔵政務次官にお伺いしたいことは、先般来日銀その他銀行局長も、あなたもさような御
答弁をなす
つたと思うのだが、今日金融梗塞の
実情にかんがみて、過剰投資、二重投資のごときは断じてこれを抑制して、や
つてはいないとあなたは
答弁しておられるのだが、少くとも製糖会社十九社に対しては、
現実に稼動率五〇%未満のものが大部分であるわけだが、必要を越えたところの設備に対して何十億というところの融資が
現実に行われている。すなわち、二十七年の上期から二十八年の三月までの間にそういう厖大な施設をしたのだが、それは原糖を精製するための施設ではなくて、外貨の割当を獲得する資格を捏造するための設備
増強であ
つたわけだ。こういうところに
現実に銀行が融資しているではないか。すなわちこれは、過剰投資、二重投資があるということをわれわれが指摘していることがはからずもここに暴露されたのだが、こういうような事実から
考えてみて、あなたの方は、現在の日銀並びに
政府が指導しているところの金融方式が、大企業に対する過剰投資、二重投資はないとい
つてなおかつ断言できるかどうか。さらにはまた、現在のこういう精製能力に対して外貨を割当てるというあり方が、結局はこういうような設備
増強闘争の姿とな
つて現われて参
つたのだが、
農林政務次官は、今のような割当方式でよいと思
つているかどうか、まずこの一点を御
答弁願いたい。