○
井上委員 はなはだ抽象的な答弁で、われわれ納得できません。大体食管の会計が年々多額の金を
一般会計から繰入れ、かつ
食糧証券の
発行によ
つて不当な利子を払
つて行かなければならぬ、そういう米食中心の
食糧政策では、もう日本の
食糧政策は行き詰ま
つておるのです。どうしても粉食を取入れた総合栄養食へ持
つて行かなければいかぬということは、早くからいわれている。しかるに
政府のや
つておる政策は、それを裏づけする実効的な具体策を少しも持
つておらぬじやないですか。たとえばあなたの方で人造米を取上げたが、一体人造米は今どう
なつているのだ。あれほど大騒ぎをして、わいわい言うて、人造米は今どう
なつておるのです。なぜ人造米が一般の台所に取入れられないのです。あるいは、いかに粉食奨励をし、パン食を普及しようとしても、今の砂糖は一体どういう状態に放任してあるのです。砂糖の値段は毎日のように上
つておるじやありませんか。そしてこれに対しては何らの手も打たれないじやないですか。また逆にバターにしても、うどんにしても、どんどん値を上げておるじやないですか。これに対して何ら具体的な対策をと
つてないじやないか。少くとも粉食をやりパン食を奨励して、総合的な栄養食を普及徹底さそうとするならば、やはり総合的な
食糧対策を立ててもらわなければ何にもなりません。それをや
つてないじやないですか。単に生活改善がどうとか、学校の何がどうとか——ぼつぼつ子供から食いならすとか、そんなことを今言
つておつた
つて、現状には間に合いませんよ。現に今パンを食べては行けぬ人がたくさんあるのです。パンは米に比べれば高いのです。だから米に比べてパンを安くするような
措置を講じる。またバターや砂糖を安くする。必要があるならば、砂糖とバターくらいは代替でやる。米の配給を辞退する者には、砂糖とパンは安く
政府が配給する、この処置を何でとらぬのです。それがとれないのですか。米の方だけ力を入れて、毎年々々どだい大きな金をわれわれの税金からつぎ込んで、だれが一体利益を得ておるのですか。そのことを考えれば、砂糖政策なり、あるいはまた酪農その他によるバター、牛乳等の政策をもつと徹底すべきである。その方にちつとも力を入れていないじやないですか。どうですか、農林次官。また大蔵省も、何かというたら出して来たらいいように思
つてけしからぬ。実際こんな会計法に基くべらぼうなことがありますか。米麦中心の主食の
食糧会計の中に、えさまで一緒に抱かすとは一体どういうわけですか。切りぼしかんしよやら
澱粉やら、そんなものがもうか
つておるということならまだ話がわかるけれども、損をしておるじやないか。その損をしたのは、みな米にしわが寄
つて行きますぞ。そのしわが寄
つたのは、消費者に負担がかか
つて行くのではないか。何かといえばあなたの方では窓口を設けて、特別会計設置の
法律を出して来るのに、これだけ目をつぶ
つておるのは一体どういうわけだ。こんな横道へそれたやり方なんてありませんよ。
農産物価格安定のための必要な
措置に基くのは、別に
農産物価格安定の特別会計を設けるというやり方が当然ではありませんか。大蔵次官はどうです。そういう多少筋道をはずれたことでもかまわぬということでおるのですか。そこをひとつ大蔵省の責任ある方から、この会計をわけるか、わけぬかという問題について伺いたい。
それから農林省の方は砂糖政策、パン政策、バター政策に対してどうお考えに
なつておるか。
特に申し上げるが、
外国食糧の
輸入の中で、米を南方から買い入れるにあた
つて、今まで砕米が抱合せで
輸入されておつた。最近これが大分直されたようでありますが、ほとんど抱合せの形で砕米が
輸入されて来ておる。この砕米を主食化することに努力をせずに、これをお菓子屋やその他しようもないところに払下げて、しかもその中にもち米の砕米がある。これに目をつけて、これをうまいこと引いたら相当もうかるというところから、これに対してものすごい運動が行われておることを聞いておる。しかもこれを労働組合のある団体に払い下げるとかどうとかいうことまで言われておる。これが労働組合へ払い下げられて、労務加配米に用いられるならばよろしい。そうではなしに、全然むだ使いにこれが払い下げられることがあるならば、これはむちやくちやなんだ。これらでも代替食に十分使えるものである。貴重な外貨を使
つて輸入したものを、お菓子の原料やその他くだらぬ方面の間食的なものに使うということはも
つてのほかです。そういう点から、もう少しあなたが総合的な栄養食を考え、この食管会計の堅実な運営を考えるならば、もう少し検討を要すると私は考えるが、どうお考えになりますか。