○淡谷
委員 笑いことじやないと思います。私は、岡崎外務大臣も吉田内閣の一閣僚だし、安藤国務大臣もやはり吉田内閣の一閣僚だと了解しておりますが、同じ内閣に所属する二人の大臣が、そのようにそれぞれか
つて気ままなことを放言するような形では、私は今後の政治というものに対して、とうてい安心して信頼するわけには行きません。はつきり
お話申し上げますが、当
水産委員会は、昨年の夏あるいはその以前から、常に
日本の
外務省の非常に不徹底な外交のとばつちりを食
つておりまして、そのしりぬぐいばかりや
つております。竹島問題にいたしましても李承晩ラインの問題にいたしましても、アラフラ海の問題にいたしましても、さらに中共、
ソ連等による漁船の拿捕にいたしましても、常に
水産委員会はこうした被害を受けまして、法案の審議さえ見通しがつかないような状態であります。
外務省からはたびたび係官が
出席されておりますけれ
ども、こういう質問に対して、大臣ではないから私にはわからないという無責任な答弁でひつ込んでしまいます。で、
委員長とも十分に協議いたしまして、どうしてもこれは所管大臣である農林大臣並びに外務大臣に御
出席を
願つて、わが国水産行政の将来に対して確固たる基礎を今築かなければ、これは絶対にや
つて行けない。
日本の
漁業は全滅である。このような悲壮な
気持からきよう私はこの質問に立
つておるのでありまして、従
つて同じ吉田内閣の一閣僚である安藤国務大臣は、こういう
意味も
委員長からお聞取りにな
つて、つまり吉田内閣として十分責任ある御答弁を願えるものと、私はまじめに
考えておるのであります。前には、木村保安庁
長官あるいは岡崎外務大臣も、李承晩ラインあるいは竹島問題については少しも心配はいらない、平和的な
折衝を続けておるから何とか平和的な解決を見るだろうと言
つたが、にもかかわらずあの九月末、十月の非常に大量なる拿捕を見ております。中共、
ソ連につきましても常に平和的な解決をや
つておるのだと言
つておきながら、さつぱりその効果が上
つておりません。そうして今このビキニ問題がまたこのように大きくや
つて来ておる。おそらく大臣は、ただいまおやりにな
つておりますこのビキニ被爆事件各省
連絡協議会議長というお役柄
外務省、農林省、一切の
関係官庁とは十分に御
連絡あるものと私は了解いたしますが、この安藤国務大臣の、
外務省は
外務省だ、おれは知らぬという態度では、私
ども何とも心もとないのであります。どうぞ本日はそういう
意味ではなくて、責任ある
政府の一閣僚として、はつきりした御答弁を願いたいと思うのであります。一体このビキニ問題の前途でありますが、今
日本の漁船は出漁もできないでいる。出たものは全部放射能を持
つて帰
つて来る。国民はと
つた魚も食えない。市場は閉鎖する。はなはだしきは、私は青森県でありますが、青森県のちくわ工場は全部閉鎖しておる、倒産しております。このくらい国民が不安をこうむり、しかもまたその放射能を含んだ灰などによりまして、まさに
日本は死の直前にある現状ではありませんか。これは一
漁業のみの問題ではありません。一体アメリカのその無責任なやり方に対して、外務大臣はどうか知らないと申しますが、閣僚としての安藤大臣は、今回のビキニ問題を一体どういうふうにおとりきめになる覚悟と決心とをお持ちにな
つておるか、その点をはつきりお聞きしたい。これは笑いことじやない。もつと真剣な御答弁を願いたいのでございます。