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夏堀委員 関連。私は
北洋漁業の問題については、幸か不幸か
大洋冷凍母船株式
会社という
会社を持
つておりますので、きようここで
質問をすることは遠慮したいと
考えておりましたけれ
ども、いろいろ
委員諸君の御
意見を聞いておりまして、どうしても一言申し述べておかなければならぬだろうと
考えて、これから質疑を行います。但し本格的
質問は、この渦中に投じた各大臣諸君の出席を求めて、その
意思をただしたいと
考えております。問題は少し大きく
なります。
まずこの
独航船の
争奪戦、これはどうも少し薬がきき過ぎて——私二十七年度に
漁業の民主化運動を起したことがあります。その際に、これまでの
独航船はいわゆる資本家側に隷属されて、自由にひねられてお
つたのである。そういうことは
漁業民主化、たとえば
漁業法の改正の精神に相反するものであるという
意味から、
漁業民主化運動を起したのであります。そこで
共同経営という線を強く進めたのであります。この問題と取組んで一箇月も論争したのでありましたが、
共同経営は資金の面を必要とするというので、私はこういうことを申したくはありませんけれ
ども、六千万円は自分の責任負担において銀行から借りて、これを各
独航船に配分して貸し与えたのでありました。そうして独立した
経営線を踏み出したのであります。これが今の
共同経営の線であるのであります。そこでこの
共同経営、
共同申請というものは、その当時から私は
漁業民主化運動の線を押し進めて成り立
つたものと解釈しております。そこで今度の
独航船の
争奪戦、 これは最初からその当時のように計画性を持
つて、いわゆる
母船何ぞう、
独航船何ぞうという計画性を持
つてやれば何でもなか
つたのでありますけれ
ども、そうじやなく無軌道にこの線に追いや
つたということの理由は、
はつきりしております。これは賢明な
清井水産庁長官の
意思ではありません。ある強力なる
政治謀略と申しましようか、そうしたバックを某
会社が利用して、こうした騒動にな
つたことは
はつきりしております。これを適当な機会に私はあからさまにぶちまけようと
考えております。それはそれとして具体的にお伺いしたいことは、今
松田委員は
水産庁長官の御
答弁に対して、
許可されたものはそれでいいじやないかと言われる。この問題を一月三十一日に
申請を受けて二月一日にこれを
許可するということは、その内容を十分に検討する時間が一体あ
つたのかどうか。その後五
船団からもいろいろな
申請は出るでありましよう。これに対していわゆる
争奪戦のま
つただ中に入
つておるのですから、確かに競願的なものも出て来るだろうことは想像するにかたくはないのであります。そうした場合に、先に
許可したからこれはまかりならぬということが、一体言えるものかどうか。たとえばどちらの方の書類が完全に整備されておるかどうか。これは見なければわからぬ。その見なければわからぬものを、見ないで、これを一方的に
許可することに問題が残されておるのであります。もし私であ
つたら、この処理に対しては二日か三日あるいは五日くらい置いて——大体ここに奪い合いの形で出ておる
独航船の数はわかるのでありますから、それを調整して
許可しなければならぬのじやないかと
考えております。この
許可ということと競願、
契約の処理のことについて、私はこういうことを
考えております。この私の
意見は当るかどうかわかりませんけれ
ども、私はその方が最も正当な
意見であると思いますので申し上げる次第でありますが、たとえば行政面において
許可を受ける場合、その本人は始終東京におらないから、ここに委任状をも
つて許可申請をするということは普通であります。そういう手続を経ておるのであります。ただこの場合にどちらも同じ委任状が出たときにはどうするか。最後はやはりいろいろ取引上の問題もあるでありましよう。そうした
契約上の問題は行政面の
許可面とは別個に
考えねばならない。そこで委任状によ
つてある
会社と
契約していた分があ
つたならば、それを破棄するという
一つの
意思表示をしなければならない。あるいは
契約も二重三重に
契約しておるのもありましよう。一ぱい飲ませて、まあいいだろうというのでぽかりと判を押す。そういうような醜態を演じてやる場合もありましようが、最後はやはり本人の自由
意思によ
つて自由選択の線を進めなければならない。これは選挙と同じでなければならない。自由選択ということは憲法が認めておるのだから、その自由に選択する
意思をふみにじ
つて、
水産庁はお前の自由
意思の表示はあるけれ
ども、どうもこの会計の方がひいきもあるからこの
会社の方に入
つたらいいということは言えない。これはやはり自由選択によ
つて、その人の
意思を尊重しその選択にまかせなければならない。これは絶対かえてはならない根本原則であると
考えます。もとより旧
会社であろうと新
会社であろうと、憲法によ
つて認められておる自由選択の
意思をふみにじ
つてはならない。しからば
契約はどうな
つておるか。
契約は
両方の
契約にな
つておるから、これは法律上からい
つて民事上の問題になるかもしれませんが、その煩わしい問題までも
水産庁はおせつかいする必要はない。そつちはそつちで解決をつけたらいい。そういう
方法が正しいと私は
考えております。この点についてはすでに一月三十一日に
申請を受け、二月一日に決定をしたということに対しても、時間的にこれを十分検討する余裕はなか
つたというような
意味において、その後発生した諸問題については、最も正しく強き行政町をあなたは今ここで行わなければならない。そこでこの
考え方、このやり方です。
日本の
水産庁が漁民の信頼を裏切るか、正しい行政面を展開して漁民から信頼を受けるか、あなたの行政面が曲
つた方に行くか、正しい方に行くかということの境目はこの二月十日にかか
つているのであります。なぜならば、驚くべきことには某
会社が、自由党の現職大臣及びか
つての大臣を呼び寄せて、
漁業組合の幹部の連中と、某
会社のために驚くべき選挙運動をや
つておる。一体これはどうしたものか。幹部もその
通りである。そういうようなことはあなたの正しい行政画対にして、企画性のある、計画性のある五
船団という線をぶちこわしたのだ、これは
はつきりしておる。ですから私は活弁
長官に対しては、まことに正しいりつぱな人格者だと思うけれ
ども、この
政治圧力によ
つてその一角をくずされつつある。またこの二百十日までにどういう手が伸びるかもしれませんが、あるいは伸びつつありますが、それに屈してはならない。
日本漁民の信頼を裏切るようなことをしてはならないと
考えるために、今申し上げておるような次第であります。そこで調査船及び
独航船の不足数を
政治圧力によ
つてこれをもつと増すようなことをあなたは
考えるのか。
政治圧力によ
つてと言うたら語弊がありましようが、あなたの
考えによ
つて、非常にみな苦しいようだから、
独航船及び調査船という名称のもとに船をもつと増すようなことをお
考えにな
つておるのかどうか。私の
考えとしては、あなたの御
答弁になる前に、あまりに問題が大きいので増さなければならぬのであ
つたならば、最初から増してこの計画の線を出さなければならなか
つた。今にな
つてから
政治圧力に屈して、某
会社のために
独航船及び調査船を増して
許可を与えなければならないという線に行
つたならば、それは
水産庁の弱体というよりも、むしろ
日本漁民の恐るべき非難を買
つて、それは腐敗となるでありましよう。これに対しては、問題を未然に防ぐためにこの重大な警告を発するのであります。そういうような行政面があるのかどうか。おとといからそういう場面が展開しつつあるわけです。先ごろ私がよく言
つたと思いますけれ
ども、これまで四そうか三そうしかなか
つた某
会社が、大洲線に陥れようとして北海道にまたしも手を伸ばして、すでに決定した船に対してあらゆる手を伸ばし、委任状をくれ、金をやりましよう、こういう戦術がおとといから展開されておる。そのねらいは大洗線に陥れて、これを合同の
経営にするか、今申し上げたように、
独航船あるいは調査船を増すような方向に持
つて行こうという
政治的の動きがあるそうであります。そうしてその某
会社の幹部のいわく、この問題は
水産庁が何と言おうとも、
政治力をも
つて白紙に返すことも考慮しておる、こういうことをあるところで
言つておるそうであります。これは人の話であるから私は責任はとりません。けれ
どもそういうことを
言つておる者があるならば、某
会社にあやつられておる自由党の幹部とか大臣は、一体何をしようとしておるのか。これは現に証拠があるからやむを得ないのだ。私は自由党の党員といえ
ども、最近汚職事件やあらゆる問題が起きて世界の輿論は
日本を信頼しないのだ。この問題は国際
漁業の問題でもあるために、これにいろいろなうわさがあ
つたならば、これは
日本の信用上ゆゆしき問題である。もし実際に私の言うようなことであ
つたとしたならば——各大臣は、大臣にな
つた際には、公平に
政治を処理するために、一応
会社の社長をやめるという
建前にな
つておるそうであります。某大臣もそのようなことを言
つたには違いないけれ
ども、やめてみてもやはり元の社長であるから、あらゆる
方法をと
つて、某大官と提携して選挙運動のま
つただ中に取組んだ。そうであ
つたならむしろ社長をやめない方がいいじやないか、こうも
考えるわけであります。こう申し上げたならば、自由党の夏堀は、あれは
許可があぶなくな
つたからああいうことを
言つておるのではないか、こういうことを
考えられるかもしれませんけれ
ども、決定になる前に私は自由党をあるいは御遠慮申し上げるかもしれません。また
会社の社長をやめてまつ裸にな
つて取組むかもしれません。非常に大きな国際問題を処理するのに、このような濁
つた政治によ
つてあなた方人格者を傷つけるようなことをやるような場面が展開してはならない。私はよけいなことを申しませんが、
独航船、調査船窓増すことははなはだ矛盾しておる。今の競願にな
つておる
独航船は、これは自由選択によ
つて本人を最後に呼んで、書類もたしかみな出ておるはずであります。憲法にちやんと明記しておる
通り、すべての選択はその人の
意思を尊重しなければならないということ以外にはないだろうと私は
考えております。きようはほんの序幕でありますので、これから私はどういう手を持
つて来るかわかりませんが、その時分にはよく
松田氏は鳩自に帰ると
言つておるけれ
ども、私は帰るところがないから議員をやめるよりしようがない。しかしこれは重大な問題であるから、
日本の
政治家の中にもこういう正しい
意見の人もある——社会党の左派の連中は、まことに理論は正しいけれ
ども大したことはできないのである。これは力がないからしようがないけれ
ども、そういうこともある。一応社会党の左派の連中も、やはり正しいことは正しいこととして、自由党にもこういう連中もあるから提携してやろうじやないかという御
意見があることはたいへん望ましい。私は議会としては党派党派と言わずに、ほんとうに正しい
意見は正しい
意見を持つ同士として、こういう問題は取上げていいだろうと
考えております。一方的な
意見を発表してどうかと思いますけれ
ども、具体的に今申し上げた煩わしい問題は、最後に本人を呼び、提出してある書類と照し合して、その
意思表示によ
つて選択をする。調査船の名称で
独航船の数を増すようなことは、
政治圧力によ
つてもそういうことはやりませんということを断言し得るかどうか、この点を明確に御
答弁願いたい。