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1954-02-04 第19回国会 衆議院 水産委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十九年二月四日(木曜日) 午前十時四十九分
開議
出席委員
委員長
田口長治郎
君
理事
小高 熹郎君
理事
川村善八郎
君
理事
鈴木 善幸君
理事
田渕 光一君
理事
中村庸一郎
君
理事
山中日露史
君
理事
田中幾三郎
君 遠藤 三郎君
中村
清君 濱田 幸雄君 松田
鐵藏
君 吉武 惠市君
白浜
仁吉
君
赤路
友藏
君 辻 文雄君
中村
英男君
出席政府委員
農 林 技 官 (
水産庁次長
)
岡井
正男君
海上保安庁長官
山口
伝君
委員外
の
出席者
通商産業事務官
(
通商局農水
産 課長) 森
日出哉君
専 門 員 徳久 三種君
—————————————
二月一日
西浦地域
に
西浦船入
ま築設の
請願
(
松浦周太郎
君
紹介
)(第三八七号) 同月三日
真珠貝採取
後の
行政措置
に関する
請願
(
前田正
男君
紹介
)(第五六九号)
油津漁港修築
に関する
請願
(
持永義夫
君
紹介
) (第五七四号) の
審査
を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
加工水産物
の
輸出振興
に関する
法律案
(
佐竹新
市君外四十五名
提出
、第十六回
国会衆法
第二七 号)
公海
における
漁業
の
安全操業
に関する件
朝鮮のり
の輸入に関する件
—————————————
田口長治郎
1
○
田口委員長
これより
会議
を開きます。 この際当
委員会
において
審査
中の
佐竹新市
君ほか四十五名
提出
の
加工水産物
の
輸出振興
に関する
法律案
の
取扱い
についてお諮りいたします。 先日の
委員打合会
におきまして御協議をいたしました結果、本案につきましては、慎重に御審議を願うため、
水産貿易
に関する小
委員会
の
審査
に付することにいたしたいと存じますが、これに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
田口長治郎
2
○
田口委員長
御
異議
なしと認めます。よ
つて
そのように決定いたしました。
—————————————
田口長治郎
3
○
田口委員長
ただいまより
公海漁業
に関する件について調査を進めます。質疑を許します。
赤路友藏
君。
赤路友藏
4
○
赤路委員
水産庁
の方も
海上保安庁
の方も出ていただいておりますので、お尋ねいたしたいと思いますが、
朝鮮海域
においては、最近依然としてやはり
日本漁船
が
相当
被害
を受けておるようでありますし、
支那海域
におきますところの
拿捕等
も依然として継続されておる
状態
でありますが、この両
海域
における
監視
、
警戒
の
状況
はどういうふうにな
つて
おるか、その点をお聞きいたしたいと思います。
山口伝
5
○
山口
(伝)
政府委員
韓国
あるいは
中共関係
の
拿捕
についてこちらの
警備状況
がどうな
つて
おるかという
お話
でございますが、お許しをいただけるならば、昨年暮から今日までくらいの
概況
を一応御
説明
させていただきたいのであります。 御
承知
のように一昨年の五月の
閣議決定
に基いて、
海上保安庁
は
北方
並びに
朝鮮
、
東支那海
、この三つの
海域
において
巡視船
をも
つて
これが
保護
に出ることになりまして、ことし
はちようど
三年目になるわけでありまするが、去年の一箇年間の様子を
ちよ
つと申し上げたいと思います。昨年一箇年中における
拿捕事件
の
発生件数
は、
ソ連関係
によるものが四十五隻でございました。これは二十七年の五十隻に比べてやや減少を示しております。次に
中共関係
によるものが二十八年は二十四隻でございました。前年すなわち二十七年の四十六隻に比べて半減しております。次に
韓国関係
によるものが二十八年度は四十八隻でございまして、前年二十七年の十四隻に比べて激増いたしております。これは御
承知
のように
国連軍
による
防衛水域
の
実施停止
後、すなわち
李承晩ライン
がデビューしてから、
韓国艦艇
があばれまして、
日本漁船
の一斉
退去措置
の結果かような数が出たのであります。 現在
海上保安庁
は、引続きこれらの
特別哨戒
を続けておるわけでありますが、現在の
警備状況
は、
北海道方面
の
宗谷海峡並び
に
根室海域
にそれぞれ常時一隻出しております。次に
東支那海方面
には
済州
島
西方海域
を主として常陸二隻、
朝鮮近海
の
済州
島
東方海域
を主として常時二隻、
朝鮮
の東海岸に常時一隻を
行動
せしめているのでありますが、このうち
東支那海
及び
朝鮮近海方面
における常時六隻を
行動
させるためには、
北海道等他
の
管区
からも
巡視船
を応援させておりましてこのために全般的に全国の
海上保安庁
の
日常業務
の方は
相当
きゆうくつな
状況
に相な
つて
おるわけであります。
北海道方
町はすでに
結氷期
に入り、底びき
漁業
の
出漁船
も少く、本年に入りましてまだ
拿捕
、
襲撃等
の
事件
は発生いたしておりません。
東支那海方面
におきましては、現在主として
上海東方
及び
南東海域
に底びき及び
トロール漁船
が常時約三百隻
程度
操業
しておるようであります。
中共漁船
の進出が最近著しく、これらのうちの
武装漁船
によ
つて
、最近
拿捕
、
追跡事件
が頻発しております。すなわち本年に入りましてから、現在までの
拿捕
が四隻、
関係船員
が五十八名、
襲撃
十四隻の
事件
が発生いたしておるのであります。特に一月二十八日、
農林漁区
五百三十一区、これはずつと
舟山列島
の近所でございますが、におきまして
拿捕
されました第十六、十七
東海丸
の場合は、
相手
は
中共
の軍艦四隻であ
つた
と伝えられております。これらあの
付近
では
艦艇
の出動があるということは注目を要するところであります。また昨年十二月の十四日に、
農林漁区
三百二十三区、これは百二十度の
付近
であります、において
拿捕
されました第十六日東丸の
釈放交渉
に当
つた
当時の当庁の
巡視船
ひらどが
中共
の
武装漁船
によ
つて襲撃
を受けまして、
船体各部
に被弾二十数発を受けた
事例
が発生しております。また同様な
事件
として、そのほか十二月の二十二日、三日、
農林漁区
三石二十五
匿及び
三百三十三区において、
中共漁船
の
確認
のため接近した当
庁巡視船
のとが
銃撃
を受けておる
事件
も発生しております。
朝鮮近海
においては、
韓国側
の厳重な
李ライン整備
の
実施
後、現在は
済州
島
西方
及び
南東海域
の
李ライン付近
で、
日本漁船
二十ないし三十隻が
操業
しておる
状況
であります。
韓国側
は、
李ライン
の
警備
を昨年十二月より
新設
の
海洋警備隊警備船
と
水産局
の
監視船
によ
つて
行
つて
おるとの
情報
もありますが、去る一月十八日、
農林漁区
三百十四区、これは
李ライン
の中でありまするが、五隻の
日本漁船
が
韓国
の
水産局
の
監視船
に
追跡
を受けた
事件
があります。その中には
銃撃
されたものもあるとのことで、目下調査いたしておりまするが、
確認
するに至
つて
おりません。なお同日
巡視船
こしきは
当該先方
の
監視船
と
洋上会談
をいたしておるのでありますが、その際
先方
の
船長
はこちらの
巡視船船長
に対しまして、
韓国政府
の命によ
つて
、
李ライン
内の
日本出漁船
をあくまで
拿捕
する
方針
であり、旧正月を控えて
日本漁船
の
出漁
が予想される、そのために
警戒
に当
つて
おるのだと語
つて
おるのであります。
韓国側
としては従来の
方針
を変更しておるとは考えられない
状況
でありまするが、昨年十二月以降、
拿捕
されたものは今のところございません。今日まで表面は比較的活発ではないように思われます。しかし先ほどの向うの
監視船
の
船長
の
言葉等
によりまして、油断はできない。なお十一月十五日に
拿捕
されました第七
あけぼの丸
の
乗組員等
の二十九名は、これは一月十二日に
門司
に帰還いたしましたが、それによ
つて
現在
韓国側
に未帰還で
乗組員
が残
つて
おりますものは、去年の春
拿捕
されましたたしか
太平丸
だと思いますが、その
乗組員
の十八名だけが残
つて
いるわけで、
乗組員
だけは帰還いたしたわけであります。 以上が最近までの
拿捕事件
に関する概要でありますが、現在の
行動
中の
巡視船
は
水産庁
の
監視船
と協力いたしまして、
漁船
の
操業状況
を勘案して、努めて重点的に
行動
し、
操業漁船
が
相手国
の
領海
に入ることのないよう、注意を喚起してあるいはまた
方向探知機
あるいは
レーダー等
を利用いたしまして、
相手国
の
監視船
及び
艦船
の
動静把握
に努めております。
日本
の
漁船
に努めて
警告
を発して
拿捕
、
襲撃等
の危険からのがれるようにいたすとともに、また
日本漁船
が不幸にして
拿捕
されようとしているときは、ただちに
現場
に急行する態勢をとる、間に合えば
相手国艦船
と直接
交渉
その他できる限りの手段を尽して、その救出に努めて参
つたの
であります。
韓国艦艇
に対してはこの
交渉
によ
つて効果
が認められた
事例
がままあ
つた
わけでありますが、
中共側
の
監視船
に対しては、この前のひらどの
銃撃事件
にみるように、その
交渉
はほとんどできないという
状況
にございます。またさような場合には
拿捕事件
が起きて参
つた
際には、将来の
事件解決
のために、できる限り
拿捕位置
の
確認
とかあるいは
現場
の
写真等
をと
つた
り、いろいろの
証拠資料
をとることには努めておるわけであります。しかし実際の
現場
の
状況
を率直に申しますと、特に
東支那海方面
のことでございますが、
日本漁船
の中には
巡視船
、
監視船等
の
警告
が再三再四発せられているにもかかわらず、
無線通信
の当直を怠
つた
り、あるいはまた
警告
をいれましても、魚を追うあまり
危険海域
内の
操業
をあえてして
拿捕襲撃等
を受けるように相なる
事例
がままあるわけであります。また
巡視船
と
相手国
の
監視船
との誤認を防止するために、かねて
識別信号等
を設定して、約束をいたしているわけでありますが、十分にこれが
関係者
に徹底していないような点もあり、あるいは
巡視船
の
識別信号
に対して応答しないというようなことも再々あるわけでありまして、これらの点につきましては、今後一層
関係業者
との間にこれらの
徹底方
について一段のくふうを要するのではないかと考えております。 今後の
海上保安庁
の
警備
について若干触れたいと思うのでありますが、実際のところ
海上保安庁
といたしましては、
日本
の
沿岸
全体の
日常業務
を持
つて
おりますために、現在
所有船艇
約三百隻でありますが、これは大小まぜてでありますが、そのうち
巡視船
は九十九隻ということにな
つて
おります。これらでなかなか
仕事
が苦しい
状態
にございますので、ことに現在すなわち冬季には
海難
は非常に増加しております。一昨日あたりが本年に入
つて
からの
最高件数
でございますが、
取扱い件数
が一日二十七件であります。大体平均して十五、六件は毎日
事故
を持
つて
おります。はなはだ苦労いたしているわけであります。
日本海方面
の
浮流機雷
の点も、実は漸減の傾向を見ておりましたが、どうした
関係
かこの一月はすでに十一個ありました。
浮流
が二個、漂着が九個であります。このことは
ちよ
つと気になるわけでありますが、今後どういうことになりますか。毎年一番よけいに現われるのは二月の月であります。これが今日まで
漸次減つて
お
つたの
が、この一月だけは
特異日
の現象として
ちよ
つとふえましたので、これも気にな
つて
おります。これは主として
山陰方面
であります。これらの
警戒
のために
巡視船
が苦労いたしております。また一方密航、密輸その他の
海上犯罪
も依然として非常にたくさん出て来る
状況
であります。これらの平生の
業務
を遂行するためには、現地の
巡視船
は寧日のない
状況
でございます。現在この
漁船拿捕防止対策
のために、新鋭の
大型巡視船
を
相当
東支那海
、
朝鮮海峡方面
にしぼ
つて
おりますために、
海難救助
、
犯罪
の予防あるいは
捜査等
のために若干の気がねがあるわけでありますが、極力これは
最小限度
で持ちこたえる、そのために非常に
努力
を払
つて
いるということはひ
とつ
お認めをいただきたいと思うのであります。しかしなお今後かような
拿捕事件
が発展いたします場合によ
つて
は、さらにさらに
巡視船
をしぼ
つて
増派しなければならぬかとも思うのであります。今日や
つて
おります
警備
のやり方について、今
お話
ございましたように、現在のところはこれらのために
北方
は一応別として七
管区
、八
管区
、そのうち特に七
管区
には
相当
の
隻数
を
しぼつてあて
が
つて
、これらの
日常
の
指揮督励
を七管の
本部長
にまかしているようなわけであります。大事なこと、特異なことにつきましてはむろん
本部長
に相談しますが、
日常
の
手配等
につきましては七
管本部長
にほとんどまかせてあるわけであります。また七
管本部長
は、下関にございます
業者
の方の
対策本部
と常時
連絡
してや
つて
おりますが、今後一層
水産庁
の
出先
の
漁業調整事務所
でございますか、そこらとの間のことにつきましてはさらに一層
連絡
を緊密にし、
現場
における
巡視船並び
に
監視船
の
連絡
さらに
漁船
との
連絡方法等
につきまして、一段のくふうをして対処して参らなければならぬと考えているわけであります。 なお参考までに、私の方の
巡視船
の
状況
につきましていろいろ御心配をいただいておりましたのですが、昨年募れに
特別哨戒手当
というものが
当該海域
にある間一日
号取高
二百円でありましたが、六割ばかりの増額で、それがわずかではございますが
最高
三百五十円まで出得るように、これは
予算折衝
に成功いたしました。それからなお
傷恤規定
、万一、
襲撃
にあ
つて
死んだりけがした場合の
特別傷恤
でございますが、これらの規定も昨年の募れにできましてそこまではできましたが、なおいろいろと将来これらの
危険業務
に対する
対策
としてまだまだ考えなくちやならぬところも残
つて
おります。たとえば
襲撃手当
とか、あるいは万一抑留されたような場合の
措置等
については、今のところきま
つて
おりませんが、これらにつきましてはさらに大蔵省とも折衝してみたいと思
つて
おります。以上御
質問
に対しては少しピントがはずれましたが、全般を通じまして
概況
を申し上げた次第であります。
岡井正男
6
○
岡井政府委員
ただいま
長官
の方から詳細御
説明
がありまして、その上私の方から別に色のかわ
つた
意味
での
説明
を加える必要もないと思いますが、ただ最後に、
長官
のお
言葉
があ
つた
ように、最近の
状態
では、マキシマムに私
ども
の方の船も動かしているし、七管、八管の方のお力添えもいただいておるのでありまして、この上は
出先
の船を少いながら
最高度
に利用して、より以上の
効果
を上げるというために、今までも緊密な
連絡
はいたしてお
つたつもり
ではございまするが、なお
門司
にある七管の
本部
と、私
ども
の方は
福岡
に
調整事務所
を持
つて
おりますので、その両者の絶えざる
連絡
、言いかえれば常置的な考え方による
連絡
を何か考えてみたい、かように考えております。そうすることによ
つて
より以上もう少し
効果
をプラスすることができはせないか、かように考えております。
赤路友藏
7
○
赤路委員
ただいま
海上保安庁長官
と
水産庁次長
の方から御
説明
を願
つた
わけなんですが、特に
海上保安庁長官
の方からかなり詳細に御
説明
を承
つた
わけであります。非常に少い
隻数
でも
つて
、この長い
日本
の
沿岸
一万海里にわた
つて
の
警備
でございますので御苦労であることと存じます。ただ、この
朝鮮
及び
支那海
の問題につきましては、先ほど
長官
がおつしや
つた
ように、
水産庁
に十分御協力を願
つて
重点的に
行動
していただいていることはよくわかるわけなんでありますが、何と申しましても、
水産庁
は
水産庁
、
海上保安庁
は
海上保安庁
として、
命令系統
が二本に
なつてこ
の線がやられておるということは、やはりどうしても
行動
の場合重複したりするので、少ければ少いほどこれらのものが有機的に
連絡
をと
つた
、一本化された
警戒
というものが必要であるのじやないか、かように考えるわけなんであります。その点におきまして、今
水産庁
の方から、現在
福岡
にある
水産庁
の
調整事務所
の方と、それから
海上保安庁
の方の第七
管区
の方とが常置的な
連絡
をと
つて
、これに対する
警戒行動
を十分万全を期してや
つて
行きたい、こういうような御
意見
があ
つた
と思うのでありますが、まことに
けつ
こうであると思います。ただしかしながら、その点が単に協力するという今までの
段階
が一歩進んだ
程度
では、私はいけないのじやないかと思う。少くともこの常置的な機関をつくることによ
つて
、この
東支那海
、
南支那海
及び
朝鮮海域
におきまする
警戒
は、できるならば一本化した
命令系統
でや
つて
いただくようにしたい、そういうような意思がおありかどうか、この点簡単に御
答弁
願いたい。
山口伝
8
○
山口
(伝)
政府委員
実質論
としてまことにごもつともなんでありまして、私
ども
もその線は賛成でございますが、一応いろいろ役所としてはわかれておりますので、
水産庁
と御相談申し上げまして、できる限り実質的に一元化できるように、
指揮方法
なり
指揮系統
なりというものを、実態に即して研究してみたいと思います。
赤路友藏
9
○
赤路委員
今の御
答弁
で
けつ
こうなんでございますが、重ねてくどいようでございますが、これから相談して研究をしてみるという
段階
ではないと私は思う。研究してみるという
段階
ではない。少くともこれは速急にや
つて
、すぐ実行化していただくべき
段階
だと思うのでありますが、一体いつから
実施
される腹があるか、その点大体の目標ぐらいでもこの際お示し願いたいと思います。
岡井正男
10
○
岡井政府委員
ただいま
長官
の相談という
意味
は急速にやるという
意味
の答えであ
つた
と思います。私
ども
も急速に相談して御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
赤路友藏
11
○
赤路委員
この点はそれでは
長官
及び
次長
の責任のあるお
言葉
をいただきましたので、それを信頼いたしまして、急速にや
つて
いただくことを希望いたしておきます。 これに関連いたしまして、
海上保安庁長官
に
ちよ
つとお尋ねいたしたいのであります。最近聞き及ぶところによりますと、
海上保安庁
で
韓国漁船
の
海難
しておるものを
相当
数救助されたということを聞いておるのでありますが、それについての経過をひ
とつ
海上保安庁長官
の方から御
説明
願いたいと思います。
山口伝
12
○
山口
(伝)
政府委員
海上保安庁
としては、
日本
の
沿岸
の
海上
の安全を守るという使命でありまして、もちろん
日本
の
船舶
も対象でありますが、さらに進んで
外国船
をも
海難救助
をいたす建前であります。これは国際的にどこもそうなんであります。従来から随時発生します
日本近海
における
海難救助
にはそれぞれ出動いたして参
つたの
でありますが、今御
質問
ございましたので、
ちようど
たまたま昨年の
李ライン
がやかましく
なつ
た九月以降の実情を申し上げますと、
海難事故
として、
日本
の
海上保安庁
、もしくは
日本
の
船舶
が助けたものもこの中にあるわけでありますが、これを分計して申し上げますと、九月以降
韓国
の
漁船
あるいは機帆船、運搬船というようなものを、
海難救助
として助けたものは全部で十七件であります。十七隻とごらんにな
つてけつ
こうであります。そのうち
面接海上保安庁
の
巡視船
もしくは
巡視艇
で救助いたしたものが十二件でございます。そのうち一月が多いのでありますが、本年一月の間に十三船救助しており、そのうち十船を
海上保安庁
の
巡視船艇
によ
つて
救助したわけであります。これらはその都度外務省にも
情報
を入れておりますし、私
ども
の
広報関係
でも出しておるわであります。たまたま少し大きな
事故
でもありますと
新聞等
に報道されますが、これらがその都度出ておるとは申し上げにくいのであります。たまたま昨日でしたか、
日本
の
漁船
が
韓国
の
監視艇
に救助されたのが載
つて
おりましたが、こちらはもう数はたくさんあるのであります。
赤路友藏
13
○
赤路委員
昨年の九月、
李ライン
問題が起
つて
から後において十七隻という
隻数
のものを、
海難船
として
韓国
のものを救助しているのですが、この中に——率直にお尋ねいたしますが、
漁船
も含まれていると思うのですが、
日本
のいわゆる
領海
内に入
つて
来て、もつと率直に申しますと、
領海
内に進行して来てや
つた
ものがあるかどうか、そうした点について……。
山口伝
14
○
山口
(伝)
政府委員
ここにただいま詳細な
資料
は持
つて
おるわけでありますが、今まで私が
承知
しておりますのは、大体において
対馬方面
へ
先方
の
漁船
が、
エンジン故障
や何かで漂流して来るのが多いのであります。積極的に
日本
の
沿岸
、
領海
へ入
つて
来て
漁業
して、
事故
を起したというのはほとんどないだろうと思います。その他一般船等は
日本
との交通があ
つたの
でありますが、それらが座礁して救助された、そういうことにな
つて
おります。
田口長治郎
15
○
田口委員長
白浜仁吉
君。
白浜仁吉
16
○
白浜委員
ただいま
海上保安庁長官
並びに
岡井次長
から詳しく承
つたの
でございますが、私もう一点
赤路委員
の
質問
に関連してお尋ねしたいと思います。今二十七年に比較いたしまして非常に
拿捕隻数
が減
つて
おるということを申されたのでございますが、二十七年と比較しまして二十八年の
操業区域
がどういうふうにな
つて
お
つた
か、また
拿捕隻数
が
減つた
、あるいは
被害件数
が
減つた
ということは、結局
政府
の
保護
がたよりにならないということで、
漁民
が自粛した、あるいはこれは縮ま
つた
という字が適当かと思うのでございますが、そういう形において
隻数
が
減つたの
ではないかという見方もあると思うのでございます。その間のお考えを承
つて
みたいと思うのでございます。
岡井正男
17
○
岡井政府委員
ただいま御
指摘
に
なつ
た点でございますが、御
承知
のように二十七年度は一般の
小型船舶
が
拿捕
された
件数
も
相当
に上
つて
おりますが、最近はさばのはねづりを初めといたしまして、その他の小
漁船
は
拿捕
されてまで行かないというように、
漁業者
の方が自重しておるという点は御
指摘
の
通り
であります。最近
拿捕件数
が比較的少いといいますが、しかし内容的にいいますと
機船底
びきのようなものは二十七年度に比べて比例的にいえばそう落ちているとも思えない。言いかえれば、
冬分
にな
つて
最近つかまえられているという船は、大体
大型
の
以西底
びきでございます。従いまして
以西底
びき
業者
からは、むしろ一歩出れば中国でとらえられ、
公海
中は
韓国
で
拿捕
され、行く場所がないじやないかというような、非常に悲惨な
陳請
を受けておるので、われわれもいても立
つて
もいられないという気持である
現状
であります。
白浜仁吉
18
○
白浜委員
もう一点お尋ねしたいのでありますが、ただいま
海上保安庁長官
の御
答弁
なり御
説明
を承
つて
おりましたところ、
業務
として
海難救助
の
方面
に非常に御多忙だというふうなことでございます。もとより任務の遂行上当然であろうと思うのでございますが、私
ども
考えますに、
日本
の
沿岸
が非常に暗いというふうなことで、
燈台
あるいは
標識等
が少いために、小さな
漁船
などはしけのときに自分の母港にたどり着くことができないということで、非常に避難の率も多いのではないかというふうに考えるのでございます。またこういう
沿岸
の小さな
漁船
を救助するのには、必ずしも
大型
の
救難艇
を必要とするものではないと考えるのでございますが、将来小さな
救難艇
の基地を多数つくる、あるいはまた
燈台
、
標識
な
ども
増設して
沿岸
を明るくする、いわゆる道路の
標識
のようなふうにまで進めて行かなければならないと私は思うのでございます。
終戦
後
海上保安庁
がその点に非常に力を尽しておるということは、私
ども
その御
努力
を認めて感謝するものでございますが、一層その点につきましての御
努力
をお願いするとともに、またこうした面にいくらかでも
海上保安庁
の
巡視船
の力をさいて——われわれはどうしても
外海
に伸びなければならない、そうしなければ
日本
の
漁業
が行き詰ま
つて
しまうという
現状
から考えて、
相当
の力をも
つて
、この
外海
に働く、
公海漁業
を主とする
漁民
を
保護
してもらいたいと思うのでございますが、こういうふうな二様、三様にわたる力を、将来どういうふうに持
つて
行こうと考えておられるのか、その辺のところの御計画でもあれば承りたいと思うのでございます。
山口伝
19
○
山口
(伝)
政府委員
私
ども
としてはたいへんありがたい御
意見
でありまして、ま
つた
くその
通り
であります。 まず
航路標識
の
関係
でございますが、
終戦
後
燈台
、
航路標識関係
で主としてやりましたことは、戦災によ
つて
おもな
燈台
はほとんど
被害
を受けましたので、
終戦
後三、四年というものは、ま
つた
く
戦災復旧
の
仕事
に追われて、
新設
というものはほとんど年のうち数基
程度
にとどま
つたの
でありますが、ここ二、三年来
新設燈台
、あるいはまた夜
標燈台等
の改良、改修というものがかなり行われるようになりまして、
沿岸
も逐次明るくな
つて
参りましたが、それでは現在のところ他のイギリス、
アメリカ等
と比べてどうかということになりますと、大体
夜間光
をつけるわけでありますが、その夜標についての統計的なデータによ
つて
見ますと、今まで
相当
努力
をいたして参りましたが、まだあと五割くらいはふやさなければ、英米等には匹敵しないわけであります。われわれとしては、本来
日本
の海岸線はこれらの両国に比べればむしろ複雑で、非常に暗礁が多く、地形が入り組んでおりますし、さらに気象
関係
も複雑であります。いわゆる
海難
の多いところとされているのに、単純なる海岸線に対する夜標の比率より劣
つて
おるというのは残念であります。むしろ凌駕しなければならぬと考えております。少くとも英米
程度
まではここ数年かか
つて
持
つて
行きたいのであります。現在
新設
しておりますテンポというものはいささかもゆるめたくないのでありますが、二十九年度の予算案におきましては、いろいろの事情もございまして、二十八年度に比べて
航路標識
の整備費としては二割五分くらい
減つた
わけであります。この額につきましては大蔵省とされては、これから主としてつけなければならない
沿岸
の漁港等の小規模のものは、むしろ地元に費用を持たせたらどうかという御
意見
もあ
つた
ようありますが、われわれとしては、むろんある
程度
は地元負担も考えなければならぬと思いますけれ
ども
、できることならば、国としてつけて行くのがほんとうであろう。避難して入
つて
来る船はよその船も入
つて
来るわけでありまして、できる限り国営で持
つて
参りたいと思
つて
おりますが、これは一応実は懸案と
なつ
たわけであります。いずれにいたしましても、二割五分ばかり
減つたの
で、非常に弱
つて
はおりまするが、目下このわくの中でどれだけの
航路標識
の整備ができるか、実行案を練
つて
おります。およそ二十九年度におきましては、今のところ四十箇所くらいはつけ得るだろうという案ができております。しかし内容は、わくが小さいために、いわゆる外洋
燈台
の大きな
燈台
はわずかにそのうちの二、三基であります。あとは割合に規模の小さい
燈台
が多いので、その数は四十くらいにな
つて
おる。私
ども
としては、この
航路標識
は、
日本
の地形に合せてもつともつと
努力
して参らなければならぬと考えております。この上ともひ
とつ
御協力を願いたいと思います。 次に
日常業務
のための
巡視船艇
のことにつきまして、小型の船を出すことにしたらどうかというようなことでございますが、私
ども
の方ももちろん今日まで、この一万海里にわたる
沿岸
の
日常
の
警備
救難のためには、何としても船が足りないということを申し、折衝し続けて参
つたの
でありますが、大蔵省としては簡単について参らない。二十九年度の予算案では、三百五十トン刑の
巡視船
が一隻、二十三メートルの
巡視艇
が二隻、なお定点観測、の船が、昨年の暮、これは千二十トンございますが、入りました
関係
もございまして、新造の
巡視船艇
はこの
程度
にとめられたのであります。私
ども
としては、将来航空機を合せて参りまするが、その点を勘案いたしましても、少くとも船艇としてまだ五割くらいはふやさなければならぬじやないかと私
ども
は考えておりまして、これから増強したいと思
つて
おります。飛行機との提携で、哨戒、捜索の船の方もあるいはもう少し節約してもいいかもしれませんが、これらの海空を通じての船艇並びに飛行機の数につきましては、これからもう一段と増強していただくようにして参りたいと思
つて
おります。超均衡予算というような財政
状況
が非常に苦しい際でありますから、私
ども
の思うようにはなかなか参りませんが、その方向に向
つて
今後もせいぜい
努力
して参る考えでおるわけであります。
松田鐵藏
20
○松田(鐵)委員 限られた予算と現在の法律からい
つて
の最大の
努力
を
海上保安庁
はされておる。これは当水産
委員会
の何人も認めておるものである。しかしてただいままでいろいろと議論されておる根本はどこにあるか、要は
日本
の外交の問題であり、国力の問題である。外務大臣が出席されることを私は要望するのだが、大体
日本
の今日の外交が——
中共
、ソビエトが在留邦人を帰したのは、その
政府
が帰したのではない。紅十字社というか、赤十字社というか、それが
日本
の赤十字社の団体の人たちと話し合
つて
の結果あれだけの人間を帰した。それに対しての答礼の
意味
で
日本
への招待をするというのも外務省は拒否した。かかることでは外交などというものは満足に行くものではない。もつともつと日韓会談においても、スムーズにこれを進める誠意を持
つて
や
つた
ならば、ただいま
海上保安庁
が心配されて
努力
しておるようなことも片づくのである。もう一つには、国力のないのが原因である。社会党の諸君は軍備に反対するが、国力がないがために今日の
海上保安庁
の苦労がある。われわれは侵略のための軍隊をつくれとは言わぬ。何で
日本
の国が侵略の軍隊が必要であるか。こうした問題をスムーズに解決し、
日本
の国の貧弱なる財政の上においても
警備
を厳重にするのが、
日本
の国のすべての国民または
漁民
を
保護
する一端にもなる。こういうことから論議をして行かなければならないものと思うのであります。社会党の諸君もこの点を了とせられて、再軍備には反対されても、こうした軍隊と言おうか
警備
隊と言おうか、国の防衛とまた
漁民
の利益をはかり、
日本
の国力を海外にあげるというのじやないが、守るための協力を社会党の人々もよく考えられて、今後これに対して協力をされて行
つた
ならば、こんな問題は簡単に片づくことと私は考えておるのであります。この点何分社会党の諸君も御協力を願いたい。そうしたならばこれは解消するものであります。
遠藤三郎
21
○遠藤委員 私は、ただいま
海上保安庁
の
長官
から、
韓国
船十七隻の
海難
の救助をされたという報告がございましたが、この十七隻の処分はどうな
つて
おりますか、今この十七隻はどうな
つて
おるか、お尋ねをしておきたい。
山口伝
22
○
山口
(伝)
政府委員
いろいろのケースがあるわけでありますが、
漁船
などでエンジンの故障で漂流したようなものは、厳原とか竹敷あたりに入
つて
修理をして、そのまま自力で
韓国
にもど
つて
行
つて
おります。それから座礁したので、すつかり船体は放棄して、人間を助けたというケースもあります。そういうときのエージェントはみなこちらにありまして、それぞれ処置をと
つて
おるのであります。ただ従来
現場
で非常に困
つたの
は、
海難救助
はしても、連れて来てからあと食糧とか何とかの問題で、いわゆる自前を切
つて
おるようなかつこうがありまして、これが制度としてなかなかはつきりしないので、今日まで
現場
では苦労さんたんをしております。
遠藤三郎
23
○遠藤委員 私は、ただいまの
海上保安庁
の
取扱い
方は、国際法に照してもまことに紳士的であり、当然そうなくちやならぬ、こう思うわけです。けれ
ども
、私
ども
昨年来
李承晩ライン
問題で非常に苦心さんたんをしておる。ほとんど理由のない
拿捕
の仕方をされて、中には機関の故障で
李承晩ライン
の外で漂流してお
つた
ものまでひつぱられておる。私は非常に残念ではあるけれ
ども
、その十七隻の
韓国
の船は当然
日本
が
ちよ
うだいしておいたらどうかと思う。これから一切そういうふうに扱
つた
らどうかと思う。これは国際法から言えば、まことに非道な扱い方かもしれないけれ
ども
、もともと
韓国
はそういう扱いをしておるわけであります。今後何十ぱいでもいいから、来たらみな押えていただきたい。そうしてどうせボロ船で何の役にも立たないだろうと思いますが、何かの役に立てたらどうか。それでもしできれば、理由なくして
拿捕
された
日本
の船主にでもくれてや
つた
らどうかと思う。それくらいの考え方をも
つて
、私は暴に報ゆるに暴をも
つて
しろとはあえて言わないけれ
ども
、今後の
交渉
の話合いの一つの手がかりになるという
意味
で、今後は絶対に帰さない、みな押えてしまう、そういうことを
韓国
に対してや
つて
いただきたいと思うのですけれ
ども
、御
意見
いかがでしよう。
山口伝
24
○
山口
(伝)
政府委員
今日までは、私
ども
は普通の国際法的な考えでそれぞれ処置をして、そのデーターをむろん外務省に
連絡
をいたして、これからの外交
交渉
に使
つて
いただくつもりでいたしてお
つた
わけであります。今のような御
意見
もございますが、その点についてこれをすぐに質にとるということにつきましては、
ちよ
つと事が重要で私からお答えいたしかねます。
遠藤三郎
25
○遠藤委員 この問題は
海上保安庁
の
長官
が一人できめることができる問題とも思いません。従
つて
政府
の部内で十分御相談を願うことが必要だと思うのでありますけれ
ども
、どうも少し
日本
の
政府
は人がよ過ぎると思う。か
つて
日本
が大国であ
つた
当時の夢を持
つて
いるのではないか。李承晩はもう
日本
なんか問題にしていない。それで大国のよう
なつ
もりでお
つて
、偉そうに非常に紳士的な扱いをしておるから、
日本
の船がま
つた
く理由なくしてとられてしま
つて
、何ともしようがない
状態
にな
つて
おるのである。私はそれを強引にと
つて
しまえというのではないのですけれ
ども
、向うが違法なことをや
つて
おる限りは、こつちもその腹をきめて、今後の
交渉
の進展の一つのチャンスを見出す材料にして行
つた
らどうか、そういうことを考えますので、
政府
の部内でとくと相談をされて、あくまで強硬にや
つて
いただきたい。そうして一日も早くこの国際的に不法なる
李承晩ライン
の解決に資するようにしていただきたいと思います。
田口長治郎
26
○
田口委員長
白浜仁吉
君。
白浜仁吉
27
○
白浜委員
委員長
に
ちよ
つとお伺いいたしたいのでございますが、去る十二月十八日に保利農林大臣が、この
公海漁業
における
拿捕
漁船
について特別融資法案を二月の国会劈頭出すということを約束されたように私承
つて
お
つたの
でございます。しかるに開会されましてからすでに一週間以上十日になりましても、まだ何らの通知に接してないのでございますが、この間における経過なりあるいは見込みなりを
委員長
から承
つて
おきたいと思うのでございます。
田口長治郎
28
○
田口委員長
ただいまの白慣君の言われた法案
提出
につきましては、府県負掛の金利補給問題につきまして、農林省と大蔵省及び自治庁の三者の
意見
が一致していないのでございます。おとといまでの経過によりまして、事務的にこれを解決することはきわめて困難だというふうに認識いたしましたから、福永官房
長官
に三者のあつせんを頼んでお
つたの
でございますが、昨日さらに農林大臣からも私からも、緒方副総理に三者の調停を依頼しておきました。今明日中に多分解決すると思いますから、近日中に
政府
提案として
提出
されることになる見込みでございます。
田口長治郎
29
○
田口委員長
次に、
水産貿易
に関する件について調査を進めます。
朝鮮のり
の輸入に関する問題について発言を許します。
遠藤三郎
30
○遠藤委員
朝鮮のり
の輸入問題についての審議が始まるそうでありますが、
朝鮮のり
の輸入の二十八年度の実情について
水産庁
当局からでも通産省からでも
けつ
こうですが一応の
説明
を伺いたい。
森日出哉
31
○森
説明
員 二十八年の
韓国
のりの輸入の実績につきまして簡単に御
説明
をいたします。一昨年の十月から昨年の四月までに輸入しました
韓国
のりの実績は、外貨の割当が九十万ドル、このほか無為替バーターといたしまして百万ドル、合計いたしますと、数量で申しますと二百五十万束。一束は百枚でございます。 それから
韓国側
の生産事情でございますけれ
ども
、大体年間の輸出可能量は三百万束です。その輸
出先
はほとんど全部
日本
で、
日本
以外には輸出の実績もございませんし、今後輸出できる見込みもない、唯一の輸
出先
は
日本
である、そういうのが
韓国
のりの二十八年の数字から見た情勢でございます。
遠藤三郎
32
○遠藤委員
韓国
のりの輸入の実情はわか
つたの
でありますが、
韓国
のりが輸入されて
日本
の国内ののりの相場にどういう影響があ
つた
か、これについての御所見を拝聴したい。
森日出哉
33
○森
説明
員 その点は
水産庁
の方からお答えいたします。
岡井正男
34
○
岡井政府委員
御
承知
かとは存じますが、
日本
ののりは、普通巻きずしにするとか焼きのり、味つけのりにするとかいう
方面
に利用されるのであるし、
朝鮮のり
は主として菓子用に使う。おかきといいますあれにつけるのが
朝鮮のり
の大部分の需要の様相でございます。従いまして、時期もあまり内地に迷惑にならぬ時期を選んで輸入されます、内地の生産者並びに販売
業者
の両方に比較的迷惑にならぬような結果であ
つた
というのが一般の世評でございまして実情は、それが入
つて
からの価格の変動というようなものよりも、むしろ消費者がのりを需要する時期とどうかという問題の影響の方が大きいだろうと考えております。
遠藤三郎
35
○遠藤委員 二十八年度の第四・四半期に輸入する計画はどうな
つて
おりますか。今後の二十八年度の残
つた
部分についての輸入計画をお伺いしたいと思います。
森日出哉
36
○森
説明
員 お答えいたします。先ほど申し上げましたのは過去の実績について申し上げたわけでございますが、さしあたりののりの生産期に入
つて
おりますし、それから先ほど申し上げましたように、
韓国側
では輸
出先
は
日本
だけだという事情もございまして、
韓国
からは
日本
にのりを買
つて
もらいたいという要求があるわけでございます。大体これは御
承知
のことと思いますが、三月あたりまでに輸入ずるということは、今までの経過から見まして一つの時期にな
つて
いるのでございますが、ことしはいろいろな事情、たとえば先ほど
お話
がございました国内の生産者の利害
関係
、それからまた日韓
漁業
問題というものをどう扱うかという問題もございますので、どういう方法でも
つて
どういう時期に一月—三月の輸入を
実施
するかということ、あるいはまた全然輸入しないでいいものか、そういうことにつきまして
水産庁
とただいま
交渉
をや
つて
おります。まだ
水産庁
の方からははつきりしたお答えを得ておりませんが、まだ問題はきま
つて
おらない、そういうふうに了解しております。
遠藤三郎
37
○遠藤委員 第四・四半期の輸入のドルの割当はどうな
つて
おりますか。ドルの方の
関係
はどういう計画にな
つて
おりますか。
森日出哉
38
○森
説明
員 この割当は雑輸入という項目に入
つて
おりまして、雑輸入の中からどのくらいのものを
朝鮮のり
に割当てるかということはまだきま
つて
おりません。
赤路友藏
39
○
赤路委員
ただいま森課長の方からの
お話
は、二十九年度の
朝鮮のり
の輸入のドル割当てについては、ただいま
水産庁
の方との話合い等もあ
つて
未決定である、こういうふうに
確認
をいたします。なおその話の中に、その未決定の理由の一つとしては、先ほど
水産庁次長
が
お話
しになりましたやはり生産者側の方の立場も考え、また消費者の方の立場も考えて、その輸入等についてはよほど時期を見きわめなければならないという一点、いま一つは、日韓会談がいまだ停滞しておる今日にあるので、そうした政治的な観点の上に立
つて
の面がある、こういう二つの面からであるというふうに理解するのでありますが、特にこの際希望を申し上げておきたいことは、もちろん
朝鮮のり
の輸入に対する生産者側の打撃ということもございましよう。しかしながら今
日本
のりの主要用途、あるいは
朝鮮のり
の主要用途等が違
つて
おりますので、必ずしもこの面からだけでものを律し得ないことは当然であると思います。しかしながら今日単にこうした供給需要の
関係
からだけでなく、日韓会談が依然として停滞しておるというこの事実の上に立
つて
、これの解決のめどと申しますか、これを静観することによ
つて
ドルの割当、
朝鮮のり
の輸入というものは当分見合すべきである、こういうふうに私は考えるのですが、これに対する通産省及び
水産庁
の御
意見
を承りたいと思います。
岡井正男
40
○
岡井政府委員
ただいまの
赤路
先生からの御
質問
でございますが、
李承晩ライン
をめぐ
つて
国際
関係
、いわゆる国内の国民感情を背景として考えてみますれば、経済的によしんば得が行くの、損が行くのという打算的な議論は乗り越えて、少くとも痛さがあれば入れぬでいいじやないかという議論が一部に猛烈に起
つて
おることは十分
承知
いたしております。そろばんずくで言えば、おそらくのりは輸入した方が得であろうという
意見
も一部には出ておるわけであります。また
朝鮮
からの水産
関係
の輸入にいたしましても、昨年も議論に
なつ
たわけでございまするが、
日本
の
漁船
を
拿捕
してそれで漁獲されるような魚は入れぬ、しかしのりのように全然それと無
関係
なものであ
つて
、
日本
だけしか売れないようなものを
朝鮮
で腐らしてしまうのもも
つた
いないし、値が安ければ
日本
の水産
業者
に迷惑のかからないようにして入れることは、消費者に対しては若干プラスになるのだし、いわゆるそろばんずくで言えば
朝鮮
の輸出輸入のバランス上からい
つて
も得だという
意見
も勘案した結果、昨年は押え押えながらあれだけの輸入をしたわけでございます。ことしまた昨年と同じような議論を繰返して、結論をどこへ持
つて
行くかということについては、むしろ先生方の大所高所にお立ちに
なつ
た明確な御
意見
を擬したいのでわれわれは
ちよ
うだいいたしたい、かように思
つて
おります。
赤路友藏
41
○
赤路委員
次長
からは逆に
意見
を
ちよ
うだいしたいというようなことを言われたようでありますが、この件に関しましては、十六国会の当時から問題にな
つて
おるので、当時第二大邦丸
事件
が起りましたときも、私
ども
の方からは強力なる措置をとらなければいけないということを、たしか水産
委員会
でも申し上げたつもりなのであります。われわれが言う強力なる
意見
というのは、それは経済的に向うへ大きく打撃を与えなければいけない。今
次長
の
お話
のように、のりは
朝鮮
ではおそらく腐らせておるでしよう。これは
中共
の方へも出ないから、おそらくのりが輸出されるとすれば
日本
以外にはないはずである。これまた打撃としては
相当
大きなものではないか。われわれは当時
朝鮮
が必要とするところの生産資材であ
つて
も、これの輸出はやめるべきである。ここまで強く当時申し上げたのであります。先ほど来松田委員から大いに議論をふつかけられたような形でございますが、国力を増進するという
お話
のようで、一向再軍備をするとは申しておりません。私たちはいささか観点、趣をかえておるのでございまして、ぜひこういう面においてこそ私たちは強く
朝鮮
に対すべきである。この際もちろん国民の消費者の方々に、ある
程度
の高いものを食べていただかなければならないということもございましようが、
日本
の今日置かれておる、特にこの
朝鮮
の問題においては、その
程度
の腹がまえ、強さ、こうしたものをも
つて
やはり対処して行くべきである、こういうふうに私考えておる次第でありますので、これは私の
意見
として申し上げておきたいと思います。
松田鐵藏
42
○松田(鐵)委員
水産庁
や通産省の
意見
を聞くと、先ほどまでの
海上保安庁長官
の、日々の苦労というものを少しも顧みていない。
日本
の経済というものは、今日どういう経済に、な
つて
おるか。口を開けば食えないというが、
日本
の国民を食えるようにしなければならないことが政治なんであります。今ここにある陳情書から行きましても、二十万の
漁民
が非常に迷惑しておるということを訴えておる。しからばこの二十万の国民をどういうように措置をしなければならないかということを考えなければならない。のりが足らない、であるからそののりを輸入するんだという御
意見
のように思われるし、そうして来たが、のりの代替は
日本
には幾らでもある。こんぶであろうと、わかめであろうと、のりがなければそれらに飛びつく。現在こんぶはどれだけの滞貨があるか、その滞貨は
中共
に向けて輸出しなければならないが、それも遅々として進まない。しかし
日本
漁民
の犠牲においてこれも年々と
つて
その
努力
の結果、とられたものは、安くても
中共
へ売
つて
やらなければならないのが、
日本
の経済の
現状
の姿である。しからば、なければそれもまた
日本
人の食糧とな
つて
消化されるのであります。こういう観点から言
つた
ならば、二十万の
漁民
を救うことが
日本
の政治であり、通産省、
水産庁
がこれを考えなければならないのであります。われわれの議論は、外交の問題、貿易の問題、
朝鮮
に必要な特需をやらなければならないから、わずかのものを犠牲にせよという議論であ
つた
ならば、これもやむを得ないこともあるだろう。しかし品目が雑輸入という名目によ
つて
輸入しなければならないということであ
つた
ならば、これは幾らでもカバーする方法があると思う。
日本
の国民が食
つて
行けるように、生活のできるように考えて行くのが役所であり、
政府
であり、またわれわれでなければならない、そこから言
つた
ならば。昨年のごとくこの
委員会
においても、非常な議論に
なつ
たことであります。それを考えたならば、あのような措置はできなか
つた
はずなんだ。しかしいまさらや
つて
しま
つた
ことをとやかくい
つて
もしようがない。本年においてそうした国民の生活ということをよく考えるならば、輸入というものから行く国民の利益、輸出というものから行く国民の利益というものを勘案して、適当な措置をとらなければならないものであります。あの
海上保安庁長官
の、限られた限度において、日日苦労しておる人々をしり目にかけて貿易をしなければならないなどということは、感情の上からい
つて
も
相当
考えなければならない問題であろうと私は考える。単なる通産省なら通産省という一つの小さなわくの中の貿易とか輸出とかいうことじやない。国民感情というものを考慮して、高度な政治を行
つて
行かなか
つた
ならば、小さな問題がやがては
朝鮮
人を即刻
日本
からほうり出してしまえという大きな議論にもな
つて
行くことになる。こういうことを勘案して、上手にそこのところをや
つて
行くのが、
政府
の考え方でなければならないと私は考える。こういうことからい
つて
、十分なる考慮を払
つて
行かなければならないと思う。
水産庁
と通産省とはよく協議して、善処あらんことを要望しておくものであります。
小高熹郎
43
○小高委員 この問題は、ただいま松田君や各委員から
相当
強硬な
意見
が出たと思いますが、私は国民感情ということも多分にこの問題に含まれておると思いますが、いま一つはこれの輸入による差額の問題でございます。一枚二円くらいの差があるとして、昨年の輸入数量が二億五千万枚、こういうことになりますと、そこに五億という利潤が生じて来るのでございます。従いまして、輸入
業者
がそれを扱おうとして猛烈に起動しておるということも聞いておりますが、その輸入する際に全国ののりの生産者団体がありまするから、その生産者団体に輸入の許可を与えるようにしたらどうか。そして輸入許可を与えますと、一億五千万枚輸入いたしまして、一枚二円の利益があるとすれば五億利益が上ります。それを
日本
の生産者の福利増進のために資材及びその他の生産資源にこれを充てるというような方向をと
つて
行
つた
ならば、これは政治として一つのあり方ではないか、かように考えるのでありまして、そういう生産者団体に輸入の許可を与える道を講じて、この問題を解決する方法をと
つた
らいかがか、かように考えるのでありますが、それに対して通産省及び
水産庁
当局の御
意見
を伺いたいのであります。
森日出哉
44
○森
説明
員 今の
韓国
ののりを入れるか入れないかという問題でございますが、もし入れるとすれば、今小高さんから承
つた
ような方法も一つの方法じやないかと思います。それで御参考のために申し上げますが、同じようにむずかしい問題を起したものに、バターの輸入があるのでございます。それにつきましては全酪連と申しますか、
日本
の生産者に対しまして輸入バターを売り渡すという形でも
つて
、生産者と消費者の間の利害の調和をはかる、そういう方法をと
つて
おります。入れるか入れないかという問題もまだきま
つて
おりませんし、入れるといたしましても、その方式をどうするかということが、今後討議されると思いますが、今の御
意見
は承
つて
おきまして、私の方の上の方と御相談をいたします。
岡井正男
45
○
岡井政府委員
根本問題が解決せぬので、仮定の上の議論になりますが、かりに入れるというような結論が出た場合を予想しまして、従来弊害があ
つた
と思われるような節は、ことごとくこれを排除したい、それでだれが見ても妥当だというすつきりした、筋の通
つた
ことにしたい。ただいま小高先生から御示唆のあ
つた
点も勘案いたしまして、通産省とよく相談いたします。
小高熹郎
46
○小高委員 この
朝鮮のり
も浅草のりも一見しろうとが見てはわからないような似通
つた
ものでございますがゆえに、特にその必要があるのでありますが、どうか生産者団体に輸入する際に発言権を持たしてもらいたい、そういうことによ
つて
本問題がただ国民感情ばかりでなく、国内の生産者擁護という
意味
において、筋の通
つた
解決点が見出されるのではなかろうか、かように考えますので、その点を要望して
質問
を打切
つて
おきます。
田口長治郎
47
○
田口委員長
本日はこの
程度
にとどめ、次会は公報をも
つて
御通知申し上げます。本日はこれにて散会いたします。 午後零時十分散会