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清井政府委員 最初の
漁船損害補償の問題でございますが、これは先ほど
ちよつと御
説明が、あるいは不十分だつたかもしれませんが、二十トンの限度が百トンに引上げられたことは、
法律上もうすでに確定いたしておるのであります。
従つてこれは二十九年四月一日より、施行ということにな
つておるのでありますから、当然これは百トンまでの
義務加入の
予算を
計上しなければならぬものだと、私自身は思
つております。
金額にいたしまして約一億であります。ところがこれはいろいろな事情によりまして、二十トンまでしかようなことでございまして、その点はこのままで行きしますれば、
法律を改正しなければならぬことにな
つて来るわけであります。これは単に
漁船損害補償だけじやなくして、ほかにも実は同じような問題があるわけであります。その点ひとつ特に御了承願いたいと思います。
金額の点につきましては、二十八
年度の四億一千九百万円の中には、この表の中にも計いてあります
通り、
特殊保険と
給与保険の勘定の一億六千二百万円が入
つておりますから、比較いたしますのは四億一千九百万円から二億六千二百万円を引きまして、一億五千七百万円と一億四千八百万円とを比較しなければならぬのであります。それにしても減
つているのじやないか、こういうことになるわけであります。しかしこれはなぜ減
つているかと申しますと、これは
義務加入なり
漁船の損害補償制度に加入する見方でございます。今まで入
つていない者が今度新たに入
つて来る。現在は三、四〇%しか入
つていないのでありますから、今度どんどん加入して来るだろうというような、新しく加入し、あるいは一旦切れた者も加入し直すというような、いわゆるこれは加入の見込みの問題なんであります。ここで
金額が少く出ておりますのは、実は加入見込みを低く見てあるのであります。と申しますのは、これは百トンまで船が強制加入になるので、その
関係もあ
つて、
一般に満期保険に入り、あるいは普通保険に入る入り方というものを低く見てお
つたのであります。ところが低く見た方が採用されて、百トンの方が切られたというようなかつこうに実はな
つたので、加入の見方がこれは低く
計上されておりますので、一億五千七百万円が一億四千八百万円というように、数百万円でありますが減にな
つている、こういうことであります。しかしこれは
法律上の義務の問題であります。
法律上これが加入いたしますれば、二十トン未満につきましては、現状でもこれは当然半額は国庫負担になるのであります。もしも見込みに反してよけい加入するというようなことが起りますれば、当然次の機会で、これは
補正予算を組むなりあるいは予備金を組むなりして、
計上いたさなければならぬ性質の金であると思うのであります。またその
通りであります。
従つて私どもといたしましては、この
金額が減つたことは、さほど実は心配をいたしていないのであります。
法律上の加入義務でありますから、かりに予想以上に加入する人が多い、
従つて国庫の負担額がふえるということになれば、この
計画から増加した分については、当然これは
予算を
計上しなければならぬのであります。そういうことも完全に
大蔵省と了解がついているのであります。そういう意味において、私どもはこの保険制度につきましては、二十トンと百トンの問題がただ一つの問題である、こういうふうに考えておりまして、そのほかの問題は
従前通り、こういうふうに見てさしつかえないと私は考えております。
それから
特殊保険の問題につきましては、御
承知の
通り昨年非常に問題がありまして、昨
年度におきましては二億五千五百万円と七百万円を
計上いたしまして、現在一応つじつまが合
つているのであります。しかし元来この保険制度というものは繰入れをしなければならぬ建前であります。
従つて、実はこの制度に来る前に、
特殊保険なり
給与保険の保険料をどうするかという問題が実はあ
つたのであります。御
承知の
通り現在は百円につき二円七十三銭というのが
特殊保険の保険料であります。
給与保険につきましても、百円につき約一円四十七銭が保険料にな
つているのであります。本来の建前から申しますと、これだけ
一般会計から繰入れする以上は、保険料を当然上げなければならぬという問題があるわけであります。保険料を上げて
一般会計から繰入れるのをやめて、保険自体の独立採算制にすべきだという議論が一方にあるのであります。そこで今回の
予算編成にあたりましても、初めは現在きま
つております一円七十三銭なり一円四十七銭の
特殊保険並びに乗組員
給与保険の保険料を引上げるべきではないかという議論があ
つたのでありましたが、これは結局二十八年
通りにすえ置くということにな
つたのであります。そこですえ置く以上は、また今後災害が起つたり、
漁船が拿捕されて参りましてこの
特殊保険に赤字が出るということになりますれば、これは当然繰入れするということが起
つて来るのでありまして、その点は
大蔵省としてもはつきり了承いたしております。すでに御
承知の
通り、最近におきましても中共方面の拿捕が
ちよい
ちよいあるのでありましてむろん本
年度におきましても、この保険の
運用につきましては
相当の注意を払
つて行かなければならぬものと思うのでありまして、結局ただいまのところは、保険料は、二十八年
通りの保険料である。今後の
状況によ
つて、
漁船が拿捕されて当該保険料を支払
つて、
特別会計にこれが繰入れをする必要が起れば、当然
大蔵省としても繰入れをするという話合いにな
つております。この保険制度としては、結局二十トンと百トンの問題が問題として残
つておる、こういうふうに考えてよろしいのじやないかと私どもは思
つておるのであります。
それから第二点の
漁業調整の
職員の問題でありますが、これは御
承知の
通り、
農業委員会会に
職員が二人おりまして、一人は
全額、一人は三分の一、平均いたしますと三分の二になるわけであります。実はそれと歩調を合せたようなことであります。その経過を申し上げますと、初めは
大蔵省の査定は、全部農林省の
補助金から削るという案であ
つたのでありますが、これを
一般の、いわゆる従前の平衡交付令に入れて
県庁から出してもら
つて、県の足らず前を国から給するという、いわゆる平衡交付金の中に全部繰入れてしまうという話であ
つたのでありますが、最後の
折衝で農林省の
補助金にもど
つて来たのであります。その際にいろいろ議論になりまして、これは
全額ではあるけれども、農林
委員会の方が二人で、一人は
全額で一人は三分の一だ、
従つてそれよりも多いということはいかぬということになりまして、これは
農業委員会と見合いをいたしまして三分の二ということにいたしたのであります。この点は
事務的にははなはだ遺憾でありますが、これは実はいたし方ないというふうに考えておる次第であります。さてそれでは
全額が三分の二になれば残りはどうなるのかということになりますと、これは当然
県庁において負担をしていただくということになるわけであります。
調整委員会の
仕事そのものも、ますます今後発展しなければならぬものでありますし、書記もむろんこれによ
つて影響があ
つてはいけないのでありまして、県に対して御負担をかけるようでありますが、
全額が三分の二あるいは二分の一に
なつた
差額は、県においてこれを負担していただかなければならぬというふうに実は考えておる次第であります。
それから小型の
整理について、
隻数はふえておるが
金額が減
つておるのはどういうわけかという御質問でございましたが、この点は私さつき
ちよつと
説明を漏らしたのでありますが、なるほど
隻数は二千四百十二隻から二千五百九十四隻にふえておるのでありますけれども、トン数は実は減
つておるのであります。トン数が二十八
年度は六千百七十七トンということにな
つておりましたのを、今度は五千九百二十九トンで、
従つて小さい船にな
つて来たということでありまして、総トン数が六千百七十七トンから五千九百二十九トンというように減
つております。
補助金は全部トン数当りの
補助金でありますから、
従つてトン数が減つたことによ
つて補助金の全体の額が減
つておる、こういうことでありまして、決して全体の
計画を縮小したのではなくて、
従前通り二十六
年度から始まる五箇年
計画をずつとそのまま推進しておる、こういうふうな実情であることを御了承願いたいと思うのであります。
それから
中小漁業の
基金の問題でございますが、これはお話の点も十分承
つたのでありますが、私どももその点を実は非常に心配をいたしたのであります。そこで何とかしてこれは繰入れをいたしたいものというふうに考えてお
つたのでありますが、とにかくこれは
運用か
状況を見て、その結果によ
つて相談をいたす、そういうことを
大蔵省の
事務局とも約束をいたしておりましたので、今後の
運用の
状況によ
つて、不足を生ずるおそれがあつた場合にはこれは必ず繰入れを実現しようという、
事務的な話合いにな
つております。もつともこれは確定的に約束したということは
ちよつと申し上げられないのでありますが、十分その点は
相談をいたすということの約束をいたしておるのであります。私どもは、むろんこの会計の
運用の
状況によりまして、支障を生ずるおそれがあつた場合には、さつそくこの問題を
事務的に持ち出して参りたい、
従つて繰入れをしなかつたから、全体の
基金協会の
運用が困るということではなしに、
基金協会の
運用は
従前通りや
つて行く、それによ
つて特別会計の
運用が支障を生ずるおそれがあつた場合には繰入れをする、こういうふうに考えております。
事務当局もそういうふうに考えておりますし、
関係方面にはそういうふうなことで伝えているようなわけであります。
それから最後の
漁港予算の問題でありますが、なるほどこの
大蔵省の
予算の中には、いわゆる離島振興の分も、その他の分も全部入
つております。離島振興の分は、大きな
仕事といたしましては
漁港でありますが、
漁港は離島振興法によりますと十割の
補助率になりますので、どうしてもそこには普通の
補助率との
差額を
計上しなければならぬということになりますから、これは不十分ではありますが入
つておるのであります。どうしてこれを入れたかというお尋ねでありますが、これは
漁港の
補助である以上は、
漁港の
補助として入れざるを得ないということになりますので、
漁港修築の
予算の一部といたしまして
要求をいたしておるようなわけであります。
それから災害の
予算が
相当減つたのではないかということでございますが、御
承知の
通り災害の
予算が非情に減
つておるのであります。これは実は災害についての査定というものが非常にきつい査定を受けまして、
一般的に申しますと、二十六年災あるいは二十七年災のものは全部八〇%に切る。というのは、いろいろ監査をした実情がありますし、机上査定をしたような経過もあるから、三十六年の災害と二十七年の災害につきましては今までの
計画を八〇%に切
つて行く。二十五年の災害、二十四年の災害は半分にしてしまう、こういうような査定の
内容であります。そういうようなことで、
相当に災害の
予算は削減を受けていることは事実であります。これは災害についてはあらゆる
公共事業が全部同じ査定基準で査定を受けているようなわけであります。そのために
漁港の災害復旧が非常に困難を来すということは御
承知の
通りでございますが、一旦きまりますれば、この少い資金を効率的に
運用いたしまして、災害復旧の目的にできるだけ合致せしめるように努力しなければならぬ、こういうふうに実は考えているような次第であります。