○辻原
委員 最後に、
文部大臣の御
意見もだんだんと承りまして、出る幕でない大臣が
——これは私の主観でありますけれ
ども、この種の問題を取上げて、
千葉県の
教育委員会が
資料収集その他でいろいろこの問題を取扱われ、
結論を出しかねておる、昨十八日には
千葉にお出でにな
つて、
千葉教育委員会の会合の席上で一席ぶたれて、さらに本日はここにお出ましにな
つて最悪の場合には
勧告をも辞せない、こうだんだんたど
つて参りますと、大よそ大臣のお
考えなさ
つておる点が明らかであります。
従つて本日は
文部大臣の
答弁を私は要求はいたしません。
ただ言うておくことは、出る幕でないとたびたび言うておられましたが、確かに私は今日の日本の
法律の建前では大臣の出る幕の問題ではなさそうに思います。少くとも
人事院の持
つていらつしやる
解釈、それから
千葉教育委員会の行政的、立場に立つ
結論、これが公正妥当に行われることによ
つてこの種の問題は解決をするし、また解決されなければならぬ。しかしどうも
文部大臣なり文部当局のこの問題に対する取扱い方を見ておりますと、いかにも鬼の首でもとつたような騒ぎ方をしておるような印象を与える。これは私の主観でありますから、大臣は首をかしげておりますが、それでけつこうです。
私はこの際
浅井さんにお伺いいたしますが、
浅井さんは先ほど
ちよつと言いにくかつたようでありますが、ともかく
参議院の
答弁——私は速記録を繰
つて見ましたが、きようの
答弁とは若干違
つておるように思います。これはいずれお伺いいたしますが、
はつきり
人事院規則に抵触をしておる、こういうふうな御
答弁があつたように思いますが、これは私は従来の
人事院規則の運用と
人事院のあり方から見ました場合に、そうでございますかと承
つておくにはきわめて重要なる御発言であると思うので、一、二点お伺いいたしておきますが、
人事院規則については、これは在来よくいわれておりますように、非常に違憲的色彩の濃い規則であるから、この運用は慎重を期さなければならぬ。
従つて先ほど与党の方からも御指摘がありましたが、この
解釈いかんによ
つては違憲にもなるし、またはそれが寛容よろしきを得る場合においては、かかる規則でもうまく運用して行ける。
人事院としてはこういう非常にむずかしい
法律の取扱いを従来
考えられておつた。
従つて私の記憶するところでは
人事院規則についての批判云々の問題はあまりなかつたと思うのですが、この点従来総裁がずつとこの規則を運用されて来て、この種の問題に抵触をした事例があるのか、これが一点。
それともう一つは、この運用にあた
つてどういうふうなお
考えでも
つて運用せられ、いわゆる十七
項目ありますが、これにすべて厳格にさまつに過ぎるまで包括をして、一々これに対する
解釈例が適用され、運用されて来たか、そういつた点についての
法律運用のお
考えというものを、総裁からお伺いをいたしておきたい。これが第二点。
第三点は、今度の問題は
佐久間孝一君という
教育公務員の個人の問題のようでありますけれ
ども、しかし問題の取上げられ方あるいはその後のこの問題をいろいろ検討いたしました私
どもの
考え、あるいは
一般の世論の中にも確かにあると思うのですが、必ずしも
佐久間個人という問題よりも、いわゆる
官公労組に対する
人事院の
考え方なり、あるいは政府全体の
考え方という問題にも非常な関連をも
つているんじやないか、そういう印象を非常に強くわれわれは受けるわけです。特にこの問題が、個人が個人的立場において
発行した
文書でなくて、継続的に
発行されている
文書であ
つて、しかもたまたまその名義人が
教育公務員にな
つておつたという事例であるだけに、私は取扱いが非常にむずかしいと思う。こういう点に立てば、この取扱いいかんによ
つては、おそらく
公務員自体も、単に
佐久間君一人の問題でなしに、全般の問題としてやはりこの問題を
考えざるを得ないような形になる。平たく言えば、これは
公務員全般に対して、
人事院が何らかの意図を持
つておるんじやないか、あるいは
文部省が何らかの意図を持
つておるんじやないかというふうな、非常に悪い印象を与えるような問題に発展する危険性がないとは言えない。そこで総裁に簡単にお伺いをいたしますが、この
官公労の情報連絡として出された
文書が、それ自体
政治的目的を持
つておるというふうにあなたは
解釈をされ、
結論を出されておるか、これを三点としてお伺いをしておきたい。いわゆる
政治的目的を有する
文書だから
違反だ、こういうのですか。恒常的に出されておる連絡
文書、これが
政治的目的を持
つておる、
従つてその
責任者である者は該当するのだ、こういうふうに
結論を出されたのか、その点をお伺いしておきたい。ないしは
文書表現の中の一部分が
政治的目的を持
つておるから、たまたまそのときに政治的
責任者にな
つておつた
佐久間君が該当するというふうにお
考えなさ
つておるか、これを四点としてお伺いいたしたいと思います。
こまかい点はたくさんありますが、以上の四点を総裁にお伺いをいたしまして、最後に
千葉県の副
委員長さんに、これは要望でありますが、申し上げたいと思います。
たびたび先ほどからあなたが明言されましたが、
結論が、あくまで
委員会の独自の立場に立
つて、いかなる場合といえど、出た以上絶対これは恥じない、こういうふうな非常に確固たる信念で明言されたのを見て、私は非常に心うれしく思うのであります。特にこれは、
人事院規則とは言い条、いわゆる
教育二
法案成立後の
法律の問題
——従来この
文書違反等については、公職選挙法その他にもこれらと類似したような形のものが取締り法規として存在しておりますけれ
ども、その後幾つかの判例が出まして、そうして
一般的に見て、
形式的に
法律を
解釈すれば
違反するような事項であ
つても、その犯罪の動機あるいは構成要件、こういつたすべてのものから何ら
違反に問われていないというような事例がたくさんあるわけです。そうしたもののテスト・
ケースを
千葉県の
教育委員会で開かれたわけです。しかもこれは行政
処分でありますから、公正な裁判所等における慎重な検討の結果
結論を下されるという経過を経ないわけです。
教育委員会自体は、決定をして、その行政
処分に付する
権限を持つと同時に審査をする、そういう一つの役割をも兼ね備えておる。ここに私は、先ほど
永田君はとろいじやないか、何をぼやぼやしておるというようなことを言われましたが、これは逆だと思う。これは慎重な立場において取扱いをしなければ、単に
千葉のみの問題ではなく、他に大きな一つの悪例となる。あるいはいい例となる。そういう問題を提起する立場にあなた方はお立ちにな
つておる、こう私は思うのであります。
従つてぜひひとつ、時間がかかりましても、十分この動機あるいは
官公労組といつたようなものの性格ないしは
佐久間事務局長の
官公労組の中における立場、あらゆるものを総合されて、実質的にこの問題に対して
判断を加える、そういつた行き方をと
つてい
ただかないと、
形式的な
法律解釈でやられた場合には、事はきわめて重大である、かように思いますので、要望いたしておきたいと思います。