運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1954-05-18 第19回国会 衆議院 人事委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月十八日(火曜日)     午前十一時三十二分開議  出席委員    委員長 川島正次郎君    理事 赤城 宗徳君 理事 田中  好君    理事 舘林三喜男君 理事 櫻井 奎夫君       荒舩清十郎君    本間 俊一君       山口 好一君    池田 清志君       石山 權作君    加賀田 進君       森 三樹二君    冨吉 榮二君  委員外出席者         参議院議員   千葉  信君         専  門  員 安倍 三郎君         専  門  員 遠山信一郎君     ――――――――――――― 五月十三日  昭和二十九年六月に支給されるべき国家公務員  の期末手当臨時措置に関する法律案千葉信  君外六十七名提出参法第二二号)(予) 同月十五日  国務大臣私企業等への関与制限に関する法  律案参議院提出参法第二号) の審査を本委員会付託された。 五月十三日  滋賀県瀬田町の地域給引上げに関する陳情書  (第三〇  一五号)  岩手県前沢町の地域給指定に関する陳情書  (第三〇  三九号)  鹿児島県三笠町の地域給指定に関する陳情書  (第三〇七二号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  昭和二十九年六月に支給されるべき国家公務員  の期末手当臨時措置に関する法律案千葉信  君外六十七名提出参法第二二号)(予)     ―――――――――――――
  2. 川島正次郎

    川島委員長 開会いたします。  この際お知らせいたします。去る五月十三日、昭和二十九年六月に支給されるべき国家公務員期末手当臨時措置に関する法律案が、当委員会予備審査のため付託となりました。また、国務大臣私企業等への関与制限に関する法律案が、去る十五日付託になりました。以上お知らせいたします。  昭和二十九年六月に支給されるべき国家公務員期末手当臨時措置に関する法律案議題とし、提出者よりその趣旨説明を聴取いたします。提出者参議院議員千葉信君。
  3. 千葉信

    千葉参議院議員 ただいま議題となりました昭和二十九年六月に支給されるべき国家公務員期末手当臨時措置に関する法律案につきまして、提案理由の御説明を申し上げます。  現在、一般職職員給与に関する法律等に基く国家公務員給与実態は、昨年七月の人事院勧告に基く給与水準を下まわるものであり、またその改訂された時期も予算上の理由等により人事院勧告基準となつている時期から著しく遅延した経緯もあり、この間のしわ寄せが公務員の家計に与えた影響も少から、ざるものが認められるのであります。  御承知のように、国家公務員期末手当制度は、一般職職員給与に関する法律等によりまして、六月及び十二月にそれぞれ給与月額の百分の五十及び百分の七十五を支給することになつておりますが、本法律案は、前述の事情等にかんがみ、当面の臨時措置として本年六月に限り期末手当増額支給をはかろうという趣旨に基くものであります。  その内容といたしましては、本年六月の期末手当については、在職期間が六月の場合の支給割合を百分の七十五に増加し、その他の在職期間の場合もそれぞれこの増加率に準じて改めようとするものであります。  何とぞ御審議の上御賛成あらんことをお願いいたします。
  4. 川島正次郎

    川島委員長 本案につき質疑の通告があります。これを許します。石山權作君
  5. 石山權作

    石山委員 この提案趣旨はおおむね了解されるのでありますけれども、普通一般いわれておる政府デフレ政策によつて賃金をすえ置かなければならないというふうな意見が、民間知識人の間にも相当あるようでございます。そういうふうな点をどういうふうにお考えになつて、この案をお出しなつたか。政府一つ方針をばよく遵奉するのが公務員の心の持ち方とするならば、一応政府方針従つて、つらいけれども賃金はがまんするという考え方も、ある面にはあつてもよろしいのではないか。それを押し切つて出しになつたのには相当の深い理由がおありだろうと思いますので、その点を御説明願いたいと思います。
  6. 千葉信

    千葉参議院議員 お答え申し上げます。ただいま石山委員がおつしやいましたように、なるほど政府方針といたしましては、デフレ政策を相当今後強化しなければならないという方針に立つておるわけであります。かりにこの政策がもしも成功するというような場合がありましたならば、当然これは物価に直接の影響も持ちますし、従つて公務員諸君生計費等に対しましても、ある程度影響が起つて来ることは当然でありますが、しかし現在の状態からいたしますと、御存じのように今の公務員給与実態は、昨年三月を基準にして行われました人事院勧告と比べてみましても、たとえば一月までの自然増加による昇給額が切り捨てられ、加うるに一三・九%の給与増額のうち四‘六%は地域給給与の振りかえによる給与の名目的の増加でございまして、この場合実際の増加額は九・三%という改訂額になつておりますし、従つてこの二つの要件考慮いたしましても、大体において一人平均千六百円程度給与額の切捨てが行われているわけでございます。しかも一方、なるほど政府はおつしやる通りデフレ策をとつてはおるのでありますけれども、昨年三月を基準として勧告されました人事院給与勧告基礎になつております数字から言いましても、本年三月までの消費者価格状態は、一〇%を上まわる上昇率を示しておるのでございます。なるほど一月からある程度物価横ばい状態になつていることは事実でありまするけれども、しかしこの間、昨年三月を基準にしました現在の給与額が、ただいま申し上げたように、相当実質的に不利益な切下げをこうむつておりまする事実、それから昨年三月と現在との物価の対比において再び勧告され、そしてまた給与額改訂をしなければならない条件が、引続いて今日横ばい状態の中においてもあるわけでありまするから、従つてこういう物価状態もしくは給与改訂等の今までの状態からいたしますると、一般職に対する給与等の恒久的な措置は別といたしましても、とりあえず臨時措置として、本年六月に支給されるべき期末手当の中で現在の公務員生計状態に対する一応の救済措置がどうしても必要である、こういう考え方からこの法律案提案するに至つた次第でございまして、根本的なデフレ政策を強行する政府に対する私ども考え方として、これに賛成するとかしないとか、もしくはこれに正面切つて反対するしないという問題はおのずからまた別でございまして、この際とりあえずこの措置は何といつても現在の状態において不可避なものである、こういう考えから御提案申し上げた次第でございます。
  7. 石山權作

    石山委員 私は今のお答えもおおむねわかりますが、この前人事院勧告をば予算措置のために全部政府が受入れることができなかつた、そのために自動的に期末手当をば要求するという考え方だとすれば、これは非常に平面的な問題になりやすい。この前の人事院勧告は、たとえば公務員現状が、民間、五現業その他を勘案してみて最低線のぎりぎりであつたというのであつて、そうしてそれは、政府一つ行政措置によつて万全を期し得なかつた、それで非常に生活上の低下を来して、最近においては相当な苦労がある、それをば幾分でもカバーするために今回こういうふうな御提案をなさつているのかどうか、その点をお聞き申したい。
  8. 千葉信

    千葉参議院議員 お答えいたします。ただいまおつしやる通り、私どもとにかく応急の措置としてこの問題を提案している次第でございます。私どもといたしましても、公務員給与につきまして、現行においてはとうてい実情に沿わないものであることも十分承知をいたしております。いつの場合におきましても、予算の問題がからんで、公務員給与改訂が適正に行われておらないことに対しまして、何らかの措置を講じなければならないことは当然でございます。昨年の七月十八日に勧告されましてからすでに今日まで十箇月を経過しておるという状態で、私ども近い機会に、少くとも七月十八日以前において公務員給与に関する勧告が当然人事院からなされることと承知いたしておりますので、従つてその勧告を待つて、適正な改訂はぜひとも今後において行わなければならないという考え方に立つているわけでございます。
  9. 石山權作

    石山委員 もう一点、これは提案者に非常にお気の毒な面もあると思いますけれども、私ども公平に世論を聞き入れた意味でお伺いしたいのでありますが、議員提案は自己の選挙と何か関係があつて出す場合があるというふうな世論がございます。もう一つは、よく予算措置を伴うような議員提案は差控えるべきであるというような世論が最近濃厚なのでございます。これらをばよく検討した結果お出しなつたと承知しますが、その間提案者はどういうふうにこの問題を考えておつたかということもお聞きしたいと思います。
  10. 千葉信

    千葉参議院議員 この種の議員提案人気取りもしくは選挙対策である場合が考えられるが、それについては一体どういう考えを持つてこの提案を行つたかという御質問であります。私どもこの法律案提案の場合に、人気取りもしくは選挙対策というような立場から提案するのでありますれば、決してこのような〇・二五箇月分増額などという提案は行わなかつたはずでございます。先ほども申し上げましたように、現在の物価状態から勘案しました公務員給与額、またそれにより生じている公務員赤字状態というものは、しさいに検討いたしますれば、〇・二五箇月の増額等をもつてしては決してまかない切れない程度の極端な窮乏状態にあります。従いまして、そういう意味からいたしますれば、私どもは〇・二五箇月分ではなくして、〇・五箇月分とか〇・七五箇月分というかつこうの提案をしたであろうと考えております。ところがそれをぎりぎりに切り詰めて〇・二五などいう低額の増額提案したということは、私ども実際に窮乏している公務員状態に対して、ぎりぎり最低救済をしようという考え方に立つていることの証拠でございまして、その意味からは謙虚な態度であり、決して売名とかあるいは選挙対策などということを考慮しなかつた証拠であると私ども考えている次第でございます。  それから第二の、予算を伴う議員提案という問題についてとかくの論議がありますことはおつしやる通りでございます。しかし私ども予算の伴う議員提案をすることが是か非かという問題につきましては、疑義を持つているわけでございます。なるほど政府の方には予算編成権があります。しかしながら、本来予算編成は、必要な項目従つて編成する建前に立つているわけでありますが、その予算を必要とする項目等について、常に適正な審議が行われているとは限らないと私ども考えております。むしろ逆に、予算の必要上あるいはまた財政上の理由等から——当然考慮されなければならない予算の計上が、財政上の理由に籍口して見送られていることが非常に多いと考えております。従つて、そういう状態に対しては、政府予算編成権を尊重しつつ、できるだけ政府折衝を行い、もしくは与党と折衝を行い、適正な解決をはかるために努力をする一方、場合によれば、ただいま提案のように、問題の早急な解決を必要とする場合には、われわれとして予算を必要とする法律案であつても、議員としてこれを提案して国会審議を願い、国会における適正な結論の上に立つて予算編成権を持つ政府に十分なる考慮をお願いする、こういう態度がとらるべきである、こう考えて私ども提案したわけでございまして、おつしやいますような意見が一部にあるということは当然承知しながらこの挙に出た次第でございます。
  11. 川島正次郎

  12. 加賀田進

    加賀田委員 提案者違つた立場から質問いたしたいと思います。  提案理由の中にもあるように一般職職員給与に関して、昨年七月十八日の人事院勧告が本年一月から実施された、その調査基礎は昨年三月現在に基いて勧告がなされておりますが、いわゆる政府人事院の意図に反した政策によつて、なお昨年末においてもそうした公務員と、団交権を持つ公企労法適用者の三公社現業とは、勤勉手当期末手当なんかについては金額的にも相違がある。それから人事院が昨年十月現在における、三月までの物価の値上りその他を考慮して出し資料に基いても、大体すでに四・五%、公務員給与を上げなければならないという条件になつておる。こういうような推移を考えてみますと、諸般情勢をカバーする意味でこの期末手当〇・二五増額ということが提案されたとするならば、あまりにもささやかな要求ではないかと思うのです。もちろんそういう諸般情勢の中から、公務員生計に与えた影響というものは〇・二五ということでカバーできないことは当然であると私は思うのです。これが、説明もあつたように予算折衝の過程においてこれ以上大蔵省肝源がないという立場から出たものならば私は了解いたしますが、おそらく本蔵省としてもそういう〇・二五の増額そのもの財源措置に基いて了承されていないのではないかと思います。そういたしますと、純理論的な立場に立つて、今まで不利益に取扱われていた公務員生計費をカバーする意味で臨時給与的な性格のものを増額しなければならない、こういう趣旨で出ているとするならば、〇・二五よりもつと多くの金額期末手当として与えなくては理論的にすつきりしないものがこの法案の中にあるのではないか。この点提案者はどういう意見を持つておるか。私に言わせれば〇・二五増額というのはわずかな形で出されたものであるが、この点説明願いたいと思います。
  13. 千葉信

    千葉参議院議員 お答え申し上げます。おつしやる通りどもも今回提案いたしました〇・二五箇月分の増額は実際に公務員が支給されている給与状態、それからその給与を決定しました条件の変動とを両者勘案いたしますと、必ずしも妥当なものだとは考えておりません。しかし公務員諸君の現在の赤字状態というものをしさいに検討するということになりますと、相当これは時日も要することでありますし、一方におきましては給与水準改訂という問題で目前に人事院勧告を控え、人事院がその独自の権限職責に基いてかなり慎重な検討を現在進めている段階にあります。従いまして適正なる給与改訂なり、もしくは公務員実情に沿うような給与引上げという問題については、これを人事院勧告によつて行わるべき給与改訂に依存し、今回の場合におきましては腰だめの形ではありますが、少くとも最低限度救済という状態考慮して、利害関係いろいろ相談の結果、この程度をとりあえずは支給してもらいたいという熾烈な要望にかんがみまして——おつしやるようにこの程度では不足ではないか、この程度では現状に必ずしも適切なものではないという意見も一部にはありましたけれども、しかしわれわれとしてはとりあえず問題の早急解決を所期するという考え方の上に立らまして、こういう謙虚な増額という法律案提案するに至つた次第でございます。
  14. 加賀田進

    加賀田委員 昨年の七月十八日に人事院勧告されて、国家公務員法に基いて本年の七月十八日までには調査報告並びに必要あれば勧告しなければならぬということになつております。それとの関連性ということになりますと、従来の人事院勧告等を見て参りますと、人事院勧告政府の実施する間におけるギヤツプをこの勧告の中でカバーするという意味での勧告案が出たことはないと思います。いわゆる民間給与その他の状態調査の上に立つて、過去は過去としておおいかぶせて、現状期末手当その他勤勉手当あるいは給与というものを新たな見地から出して来ているのではないかと思います。私は昨年もそういう意味勧告を見ますと、現在の法案になつている期末手当〇・五、勤勉手当〇・二五、合計〇・七五、このことは決して民間の賞与というふうなものと対照しては非常に低い金額ではないかと思います。そういう意味では今度の勧告もやはりそういう民間給与その他を勘案して出されたとするならば、一箇月以上の勧告というものをわれわれとしては期待しているわけですが、今度出して参りました提案趣旨といたしましては、もちろん近く勧告されるであろう期末手当その他の勤勉手当との考慮も必要であろうと思うのですが、それと同時に冒頭に申し上げたように、政府勧告自体も完全に実施していない。そのために民間の労務者との生活水準というものは非常に差がついている。そのことも一つのカバーとして、今度臨時措置として〇・二五を追加したのだ、こういう説明だと伺つたのですが、そういう意味で私は従来の不利益をカバーする意味では——〇・二五というものを、単なる人事院の近く勧告されるであろう期末手当対象だけだつたならば、私は人事院の今の態度から見ればある程度了解できますけれども、従来の不利益をカバーするということがこの法案内容に含まれるとしての臨時措置であつたならば、もつと増額すべきではないかと思うのですが、その点で調査されてカバーされているのかどうか。
  15. 千葉信

    千葉参議院議員 ただいまの御質問につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、私ども従来の公務員諸君がこうむりました不利益を相当精密に計算して、そうしてその不利益を全面的に救済するとか、あるいはカバーするという立場から御提案申し上げたのではないのでありまして、もちろんそういう公務員不利益等に対しては何らかの措置を講じなければならないと考えておりますが、しかし当面の措置としては一応今回の提案によつてその不利益のために公務員が陥つている窮乏をある程度救済するという考えに立つて、そうして根本的な公務員給与適正化という問題については、これは人事院勧告にまつ、もちろんおつしやるように従来のいきさつから見ますると、必ずしも人事院勧告は問題の全面的の解決にはなつておらない場合が常態でありますが、しかし私どもこの従来の経緯については政府においても国会においても深い反省を必要とするのではないかと考えております。それは御承知通りに、現在の国家公務員法に基く人事院勧告は、公務員に対する諸種の団交権を制約し、また政治活動制限しつつ、その制約された公務員の諸権利に対する保障を人事院に委任して、人事院公務員の利益を擁護し、代弁するという立場から行う勧告でありますから、そういう意味から言いますならば、人事院勧告の比重は労働委員会における仲裁等の比よりももつと重くなければならない、従つてこの勧告は常に全面的に措置されなければならないし、各国の同種問題の場合における解決の方法を見ましても、たとえばイギリス等におきましては、そのとつている仲裁制度は常に全面的に実施されておるわけでございます。アメリカにおきましても、アメリカ官吏制度におけるこの種の制度は、国会において予算上の理由もしくは財政上の理由によつて歪曲されている事実はございません。日本におきましても法の建前はその建前をとつているのでございまするが、ただ従来常にこの勧告仲裁よりも非常に軽くあしらわれており、もしくはまたその勧告という言葉に籍口して、これが単なる自主的なあるいはまた注意というような形においてあしらわれている現状でございまして、現在の公務員法の民主的な遵守ということについては、今後といえどもわれわれとしては十分これを適正に運用するようにお互い考慮しなければならない要件を含むものである、かように考えているわけでございまして、できれば今後における人事院勧告等については、この取扱いについて慎重な態度をとらなければならないと私ども考え、かつ希望している次第でございます。
  16. 加賀田進

    加賀田委員 もう一点だけ御質問申し上げますが、これは三公社現業との関連でございます。御存じのように、昨年の期末手当その他勤勉手当は、一般職公務員と、それから三公社現業とにおいて〇・二から〇・二五ぐらいの差がついて実質的に実施されているという状態でございます。これはもちろん団交権があるので団体交渉によつて決定されたためであることほ事実であるのでありますが、今ここで団交権を持たない公務員に対してわずか〇・二五という増額法案を出すなら——すでに三公社現業におきましては、この期末手当要求というものは各組合で討議されて、一・七五とか二箇月分要求という線が大体具体的に決定されていると私は聞いております。そういうことになりますると、団交権を持つといたしましても、何といつて一般職公務員期末手当対象として、その上に立つて業績その他をにらみ合せてこれが期末手当等を決定されるという慣習から考えて、この一箇月という法案提出された場合に、今三公社現業要求を掲げて闘おうとしている一・七五並びに二箇月というものに対して、大きな制約が加えられて来るのじやないか。そのことは、仲裁裁定においても八月実施がやはり一月になつて四箇月ずれたということ、あるいは当面の民間給与実態等を勘案して、私は三公社現業要求というものは当然そういう形になつて現われて来ると思うのですけれども、そういうことも関連いたしまして、この一箇月というものは非常に少いのじやないかということと、それから一箇月そのものが三公社現業の今後の団交に大きな影響をもたらして来るのじやないか、こう私は考えるわけです。従つてそういう意味で、三公社現業団交その他に対しての関連性について提案者としてどうお考えになつていられるかということを御説明願いたい。
  17. 千葉信

    千葉参議院議員 一般職職員給与法適用者の場合とそれ以外の三公社現業職員に対する期末手当ないし勤勉手当等の均衡の問題でありまするが、御承知のように、三公社等におきまする本俸の計算の中に、これが出発の当時に期末手当の〇・二五箇月分に該当するものを入れたという経緯がございます。従いまして、そういう経緯の中から昨年十二月における期末手当等の問題につきましても、三公社の場合等におきましては一般職職員給与法適用者の場合に比べまして、期末手当が〇・二五箇月分不足という形で最初問題が提起されましたが、結果におきましてはむしろ一般職職員期末手当よりも有利に解決されたというのが昨年の期末手当における状態でございます。従いまして、私どもそういう条件考えまして、今回の場合におきましても、昨年の十二月における状態と同様の状態が起るとは考えておりませんが、しかしやはり団体交渉権を持つておるという条件考えますと、今回の法律提案が三公社等における期末手当の問題の障害となる、もしくはそのために三公社職員等に対して不利益結論が出るとは考えておりません。私どもその点については、これは団体交渉権を持つておる職員の場合には、昨年の十二月におけるような問題の解決までお互い折衝が続けられるでありましよう。従いまして、私どもは、むしろ問題の焦点は、国家公務員期末手当をこの法律案通り実現するかどうかということが非常に焦眉の、しかも重要な問題である、こう考えておるわけでございます。
  18. 川島正次郎

    川島委員長 委員長からちよつとお伺いいたしますが、この法律案が実施された場合の予算はどのくらいになりますか。
  19. 千葉信

    千葉参議院議員 この法律案が実施された場合の予算額につきましては、提案いたしました参議院における人事委員会でも問題になつたところでありますが、政府の方からありました答弁ないし資料によりますと、一般会計では二十一億五千二百万円、特別会計では十二億六千六百万円、計三十四億一千八百万円、政府機関の場合には二十五億八千百万円、地方公務員の場合には三十二億五千百万円、教育公務員の場合には、これは義務教育でございますが、二十二億五千万円、その総合計は百十五億円と説明されましたが、この予算についてはいろいろ問題がありまして、そして本日の参議院における人事委員会政府のこの問題に対する質問に対しての答弁では、この所要額は水増しではないけれども見積額であるという点では大蔵省はこの数字には間違いがない。しかし昨年の十二月における期末手当増額支給等の場合にとられた措置から考えますと、昨年当初は九十五億円の見積額であつたものが、これが支給される場合には七十九億一千万円に減額されておる、こういう条件が昨年あつたわけであります。従いまして、昨年見積額として、〇・二五箇月分を支給する場合には九十五億円というそういう見積額でございましたものが、かりに定期昇給もしくは給与改訂等がその後行われたといたしましても、昨年の見積額に比べて二十億程度増大しているということは、常識上からもこれは見積額の増大だけでも考えられない、こういう意見がございまして、現在この見積額がはたして妥当なものであるかどうかということについてはかなり論議があるようでございます。  以上でございます。
  20. 川島正次郎

    川島委員長 次会は公報をもつてお知らせします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時九分散会