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1954-03-25 第19回国会 衆議院 人事委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月二十五日(木曜日)     午前十一時二十四分開議  出席委員    委員長 川島正次郎君    理事 赤城 宗徳君 理事 田中  好君    理事 永田 亮一君 理事 山口 好一君    理事 櫻井 奎夫君       荒舩清十郎君    西村 英一君       石山 權作君    加賀田 進君       森 三樹二君    池田 禎治君       受田 新吉君  出席国務大臣         国 務 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         法政局次長   林  修三君         人事院総裁   淺井  清君         人事院事務官         (事務総局給与         局長)     瀧本 忠男君         総理府事務官         (行政管理庁管         理部長)    岡部 史郎君  委員外出席者         専  門  員 安部 三郎君         専  門  員 遠山信一郎君     ————————————— 本日の会議に付した事件  特定の公務員営利企業等への関与の制限に関  する法律案中村高一君外十九名提出、衆法第  九号)  国家公務員法の一部を改正する法律案内閣提  出第一〇一号)     —————————————
  2. 川島正次郎

    ○川島委員長 開会いたします。  国家公務員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続けます。通告がありますから、順次これを許します。赤城宗徳君。
  3. 赤城宗徳

    赤城委員 塚田長官にお尋ねしますが、昨年末内閣臨時行政改革本部を設けられたようでございます。多分そこで行政改革の問題と行政整理の問題を取上げられたことと思うが、これに対して結論を得たのでありますか、あるいはまだ結論まで達しないのでありますか、お伺いしたい。
  4. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 機構改革と俗に申しておるのでありますけれども、大体作業は、機構部分の簡素と人員整理と、両面にねらいをつけてやつたわけであります。もちろんこの二つ関連があるわけで、ことに人員整理につきましては、機構が簡素になれば人間がいらなくなるという面も多分にあるわけでありますが、いろいろ検討いたしまして、考え方、それから事務の運び方といたしましては、事務整理をまず最初に手がけ、それから機構検討してみたわけであります。一応の考え方をまとめてみたのでありますけれども、各方面の意向をだんだん聞いておりますと、異論がかなりあるようであつて、なお十分検討してみなければならないことがたくさんある。そこで機構部分は、割に他と関連が薄くて、そこだけで問題を解決できる、比較的意見のまとまりやすいもの、そういうものだけを幾つかまず片づけまして、残余の部分はもう少し本格的に検討し直すということにいたしまして、時間的に先に見送つた形にして、人員整理の方に入つたわけであります。従つて人員整理の場合に、機構簡素化の面から来る人員というものは、むしろまとまる可能性のあるものだけを頭に置いて、あとはその他の部分——事務運営合理化でありますとか能率化でありますとか、そういう面を主として考慮に置いて人員整理案を策定し、それがただいま内閣委員会に御審議を願つておる状態になつておるわけであります。しかし人員整理も最終的にこれで終りということはもちろんないわけでありまして、もつと考えなければならぬ面が相当ありますが、一応人員整理もある程度の目鼻がついた。機構簡素化部分だけはそういう事情でありますので、今後さらに検討するという考え方で残つたわけであります。  今主としてねらいをつけておりますのは、本省をどういうふうに簡素化するか。本省も局、部という段階と課、係という段階があつて、課、係の段階法律によらないものでありますから、これは行政機関内部の話合いで、相当程度できるのではないかと考えております。しかし局、部ということになりますと、法律に関係がありますので、一つ省あたりくらいをまとめてみても、全体として問題がまとまつておりませんと、内閣意見の調整もなかなか困難であり、また国会に提案いたしましても、国会側の御了解、御納得をいただくことは非常に困難があると思いますので、総合的に問題を取上げて研究いたしたいと考えております。
  5. 赤城宗徳

    赤城委員 われわれ普通に考えると、行政改革行政整理、この二つは大体成案を得たのではないかと考える、また世間でもそういうふうに考えております。今度国会の方へは、人員整理の方は定員法として出て、行政機構改革の方は簡素化という線だけにおいて出している、こういうふうに今お聞きしたのでありますが、一般考え方から見ると、人員整理だけして、行政改革の方は見送つたのだ、こういうふうに受取つておるのであります。でありますから、内閣としては、今度行政改革の方は一部分は取上げたが、大部分はとりやめている、こういうことをもう少しはつきり出しておく必要があるのではないか。またその理由をもう少し明確にしておきませんと、人員整理だけして、行政機構改革は捨てたんだ、またいろいろな事情からやれないんだというその理由はつきりしないと考えられておりますので、その点をもう少しはつきりさせてもらいたいと思います。ことにきのう内閣との連合審査会で、岡部部長もここにおられますが、行政機構の点は各省との調節総合、こういう点と、個別的な行政機構改革という点とを二つにわけて、個別的な面として警察法改正による機構あるいは人事院改正による機構、こういうことを取上げた、こういうふうに言つておりますが、そうすると広い意味では行政機構改革の点に触れるかもしれませんが、狭い意味で考えますと行政機構改革でなくして、人員整理行政整理のために警察法改正とか、あるいはまた人事院改正とかいう問題を取り上げているんじやないか、こういうふうに考えられ、あるいはまたそういうふうに見られる向きもあるのであります。もう一度塚田長官の方からその点をはつきり伺いたいと思います。
  6. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 これは御意見ごもつともだと思いますが、私もいろいろな機会に先ほど申し上げたように御説明申し上げてあるのであつて、決して機構改革簡素化するという考え方を捨てたわけではないのでありまして、取上げられるものから取り上げて行きたいと思つております。ただ現実に扱つておりまして、私も事が意外に困難なのに自分でもむしろ驚いたくらいなんでありますが、じつとおちついて考えてみますと、なるほど無理もないと思われます節は、具体的のお話について申し上げますと、ある省に幾つかの局がある。できたときにはそれ相当の理由があつてできておるわけである。たとえば厚生省に医務局薬務局という二つの局がある。昔は医薬局で、医薬一緒にしてやつてつた。そこで昔やつてつたのだから、これをまとめて一つの局にできそうなものじやないかというふうにも考えられるわけでありますが、さてその場合に考えられることは、これをこうすることによつてプラスががどれだけであるかということでありますが、こういうことになりますと、この面から来る人員の整理できる数なんというものはきわめて少い。局長一人減るくらい、また費用もそれで相当減るかというと、局長用の自動車一台ぐらいいらなくなるというようなことで、これを一々考えてみますとなかなかそうプラスの面というものがたんと出て来ない。また一緒にすれば業界側からも、また国会側からも御意見がいろいろ出て来る。また私も率直にものを考えれば、マイナスの面も若干あるかとも思われる。そこでそういうマイナスの面を克服して、なおかつ全体としてこういうプラスがあるのだというように理論づけができることになりませんと、なかなか政府部内の意見をまとめるということも困難でありますし、国会側の御納得を得ることもなかなか困難だという見通しがつくわけです。そこで機構改革の場合には、今日の段階まで過去に何べんもやつてつておりますから、さらにこれを全体として見て、もつと強力にし、簡素なものにするのだという考え方はつきり出て参りませんと、ちよつとこれはむずかしいのじやないかという感じを、ちよつとこれに手をつけてみた上での感じとして非常に強くいたしたわけです。これは取組むなら徹底的にやるということでないと成就しない。なまじにいいかげんなことをして、途中で挫折するようなことになつてはいけないからというので、もつと本格的に検討をし、そして成案を得た上で出すということになりましたわけであります。幸い自由党におきましてもいろいろな改革のための委員会などで分科会などを設け、本格的な御検討を願うように進んでおる。おそらく他他の党におきましても、それぞれのお考えがあるかと思います。やはりこういう問題はこれから先手がけるとするならば、もつと腰を入れてじつくりとやるのでないと、短期間ではいかぬ、こういう考え方であります。
  7. 赤城宗徳

    赤城委員 行成機構改革については全体として考え、しかも取組むならば徹底的に取組まなくちやならぬ、こういうような考え方から、全般的な行政機構改革には手を触れなかつた、こういう御答弁でありましたが、この国家公務員法の一部を改正する法律案は、提案理由の説明にもありますように、行政改革一環として取上げた、こういうことになつておるのであります。そうすると全体的な行政機構改革ということはまだ手を触れないで、この面だけを行政機構改革一環として取上げる、こういうことに今なつておるのでありますが、それについての詳しいことはお聞きしなくてもいいと思いますが、一つの方針として、これは警察法もありますが、この問題だけを行政機構改革一環として取扱つた理由を、もう少し説明していただきたいと思います。
  8. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 全体として延びておりますのは先ほど申し上げた通りでありまして、従つて今度取上げておりますのは、政府部内のものの考え方にいたしましても、また従つてまた国会に提案申し上げても御納得いただける可能性という面からいたしましても、相当理由はつきりしたものでなければいかぬじやないかということで検討いたしまして、この部分は相当理由はつきりしているし、これをまとめて御審議を願うという段取りで進んで御審議願つているのであります。この場合に私どもが一番強く考えましたのは、これは全般として占領治下にできましたいわゆる行政委員会という形のものが、どうも行政内部のいろいろな混淆を起すようなきらいがある。もちろんこれを全部やめるということは、それぞれの目的理由があつてできているものですから、できないので、今日もなお残つておりますが、政府としては行政委員会の形のものを廃止して来たし、また今後も廃止したい。今残つております一番大きなのは人事院でありますが、そこで人事院の本来の使命目的というものを考えてみて、この目的を達成するために、今のような機構でなければならないかということをいろいろ検討してみた結果、人事院目的を達成するためにも、もう少し別な機構でできる、調和のとれるような行き方のものがあるじやないかというように考えまして、そういう考え方人事院機構改革を立案いたしましたのが、人事院機構改革考え方であります。
  9. 赤城宗徳

    赤城委員 御承知通り人事院は相当独立性を持つているということになつているのでありますが、大体初め国家公務員法が制定されたときには、今の人事院人事委員会という行政委員会であつたようであります。その当時は内閣総理大臣所轄のもとに置かれておつて、そしてまた国家行政組織法建前によつて総理府外局として置かれておつたのが、二十三年の改正人事委員会人事院という名前にかわり、そして現行の国家公務員法の第三条二項にあるように、人事院内閣所轄のもとに置くということに二十三年にかわつたのであります。そうすると今度の改正案から見ると、また元へもどつて内閣総理大臣所轄のもとに人事委員会を置くし、また国家行政組織法適用を受けるということになり、人事院人事委員会というふうに名前がかわつて独立性が著しく縮減されたものになる、こういうふうに感ぜられるのであります。最初国家公務員法が制定されてから一度それが改正され、それからまた今度のことで改正前にもどる、こういうことに改正案がなつているようでありますが、それにつまきしては今大臣の御答弁より以上に、もつと深い考え方といいますか、もう少し強い理由がなくてはならないと考えるのでありますが、そういう点につきましての御見解を伺いたいと思うのであります。
  10. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 これはいろいろ考え方はあると思うのでありますけれども、今の人事院構想というものは。人事院使命従つて官公吏の立場というものを絶えず考えておく。それからして国の人事行政を民主的、能率的に運行いたして行くという使命からいえば、これだけの機構でなくても私は十分やつて行けるという考え方でおるわけでありますが、ただ今の構想は、当時占領治下にありましたいろいろな事情で、われわれが考えるより以上に、別の考え方がこれに入つておると考えられるわけでありまして、占領行政を是正するという考え方から、逐次こういうものを本来の姿に直して行くということに考えておるわけであります。
  11. 赤城宗徳

    赤城委員 御承知通り憲法でも十三条の四号では、内閣官吏に関する事務を掌理することになつておる。それに適応して、国家公務員法の第一条の二項では、「この法律は、もつぱら日本国憲法第七十三条にいう官吏に関する事務を掌理する基準を定めるものである。」というふうになつておる。こういうことを対照しての規定から見ると、この官吏に関する事務法律によつて行う場合には、国家公務員法によつて行う。国家公務員法によつて行うということになれば、結局人事院でも、人事委員会でも、総理大臣所轄のもとでなくて、内閣所轄のもとに置くというのが、理論的に一貫しているのじやないか、こういう意見というか考え方が相当あるのでありますが、これに対しまして御所見をお伺いしたい。
  12. 岡部史郎

    岡部政府委員 私からかわつてお答えいたしますが、赤城さん御承知通り、旧憲法時代におきましては、任官及び官制につきましては、これは憲法十条で天皇の大権に属し、従つて勅令をもつて定められることになつておりましたが、新憲法におきましては、従来の官吏を含めまして、すべての公務員が、憲法第十五条に明定しておりますように、国民全体の奉仕者であるという見地から、公務員に関するすべての制度法律をもつて定めるという建前で、この憲法第七十三条四号ができておるわけであります。従いまして、この七十三条の規定は、公務員に関する制度法律をもつて定めるのだ。その法律で定めた官吏に関する制度が、これはどこでやるかと申しますと、その法律というのはまさに国家公務員法であり、この国家公務員法が処理をする、こういう建前になつております。従いまして、これは本来は内閣に関する事項でございますが、内閣に関する内閣所轄事務をそれぞれ各省が分任するという現在の憲法建前になつておりますから、それぞれ各省が分任するということは、それはその各省を今度は国家行政組織法で定めまして、国家行政組織法に定める各行政機関が、その行政事務を分担、管理する、こういう建前になつておるわけ、であります。従いまして、官吏に関する事項をつかさどる機関が、内閣のもとにおける各省組織であろうと、あるいは大藏省組織に属しようと、総理府組織に属しようと、その点はちつともかまわないことであろうと存ずるのであります。なお、御承知通り、第一回の国会において制定せられました国家公務員法に基いてできました人事委員会というものは、これは政府原案には人事院とあつたのでありますが、国会の満場一致の修正で人事委員会と改められました。それが第三回の国会において、国家公務員法の大改正の際にまた人事院と改められたわけでありますが、これは御承知通り二十四年にできました国家行政組織法の前の規定でありまするので、現在の各省行政機関組織を定めてあります国家行政組織法と食い違つてるという面があるわけであります。
  13. 赤城宗徳

    赤城委員 内閣所掌のもとで各官庁が公務員に関する管理事務を分任しているということは、今の御答弁通り了承しております。そこで、先ほど申し上げた一つ見解があるということについてですが、これは人事院総裁見解でありますが、人事院総裁は、憲法七十三条四号によれば、官吏に関する事務内閣所轄事務となつており、人事院はこれを内閣所轄のもとに置くべきで、内閣総理大臣所轄として総理府外局として置くべきものじやない、こういうようなことをしばしばその著書等に述べておるのでありますが、この点につきましての人事院総裁の御所見を伺いたい。
  14. 淺井清

    淺井政委員 お答え申し上げます。最初国家公務員法が初めて制定せられるときには、総理府外局として人事委員会というものが置かれることになつたのでありますが、二十三年の改正でこれを内閣に移して人事院と改めたのであります。なぜそういうふうに改めたかということよ、ただいまも申し上げた憲法七十二条の内閣所掌事項という点から見て、これを内閣に移す方が適当であるとその当時考えたのによることは、その改正経過かう見れば明らかなことでございます。
  15. 赤城宗徳

    赤城委員 改正経過から見れば明らかであるということでありますが、これはいろいろ見解がわかれるところだと思いますが、現在やはり内閣総理大臣所轄のもとに置くということに対しましては、やはり改正経過としてこれは適当であるというふうにお考そであるかどうか、もう一度お尋ねしたいのであります。
  16. 淺井清

    淺井政委員 私ども意見卒直に申し上げれば、外局になれば独立性が低くなるのじやないかと思います。つまりそれはいろいろ行政組織法適用を受けるからであります。そこでわれわれとしての意見を申し上げることができるならば、それは内閣に置く方が独立性が高い、そういうふうに思うので、問題はど、の程度独立性を中央の人事行政機関が持つのが適当かという問題に帰するように考えております。
  17. 赤城宗徳

    赤城委員 そこで塚田大臣に聞きたいのですが、独立性を強める上においては内閣所轄のもとに置いた方がいい、内閣総理大臣のもとに置くということになれば独立性が稀薄になる、これが人事院総裁の御答弁であります。それについてこれは独立性中立性といいますか、これを強くしておいた方がいいのか、あるいはこの改正案程度に稀薄にした方がいいのか、これは非常に問題がわかれるところだと思うのですが、端的にいつて自由党内閣がいつまでも続く、こういうような前提のもとで、いろいろ法律をつくるということに対しましては、よほど考えなければならぬ問題があると思う。中立性独立性を持たしておいた方が、いろいろの問題の防波堤なつたり、政権から行政をある程度、離して利益の点もあるのでありますが、政権の場所が違つた場合に、独立性中立性が稀薄になつてつて、それを悪用されるといいますか、それを強度に利用された場合に、公務員一般あるいは国民一般に対してどういう影響を与えるかということも、一応考えなければならぬと思うのでありますが、そういう問題は別といたしましても、現在のままの独立性よりも独立性を稀薄にした方がよろしいということになりますならば、それに対するもう少しつつ込んだ理由等がありましたならば漏らしていただきたいと思います。
  18. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 どちらにしましても行政内閣が最終的に責任を負わなければならぬのでありまして、従つて特殊の行政委員会の形のものが、非常に強く政府から独立の形をもつて存在しておるということは、憲法六十五条の考え方からしても例外的な物の考え方であると思います。しかしそういう例外的な物の考え方も、それぞれの行政の分野において必要な限りにおいては、それをつくることはもちろんやむを得ないと思いますけれども、しかしそういう例外的な物の考え方でありまする以上は、なるべく最小限度にということは、当然考えられてしかるべきだと思うわけであります。そこで今の人事院がやつておりますいろいろの仕事の性質から見、そうしてまた過去ずつとやつて参りました実績に照して、どうも今の程度独立性というものは、独立性が強過ぎて、その面から来る混乱、混淆というものは避けがたい。最終的に内閣責任を負わなければならない以上は、非常に強い独立性で、それがしかも必要以上にあるというならば、それを是正して最小限度にするということが行政運用において進めて行く方法なのだ、こういう考え方をいたしておるわけであります。
  19. 赤城宗徳

    赤城委員 非常にわかつて来ておりますが、議院内閣制度ということから考えますれば、行政の面について国務大臣は連帯して国会に対して責任を負う。こういうことになつておりますから、責任政治議院内閣政治という面からいいまするならば、独立性を稀薄にする、こういうことの方が内閣の責仕を国会に持つという意味からいつて非常にいいと思うのであります。しかし一面において独立性が全然なくなるめるい中立性が全然なくなるというところまで行きますと、これは公務員に対する一つ擁護機関であり、あるいはまたいろいろな公務員のベース・アツプその他について、人事院、あるいは人事委員会というものが中に立つて、直接政府等に当らないで中間において防波堤的な役割を演じておるということも非常に買わなければならない機能だと思うのであります。そういう点から見て、この改正案でそういう防波堤になり、あるいは公務員擁護機関である、こういう点がどの程度つておるか、これはちよつと具体的にはむずかしいと思いますが、大きな筋道で答弁ができますならば答弁を願います。
  20. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 今も申し上げましたような構想で物を考えましたときに、やはり最後に残りましたのは、結局人事院の最も大きな使命として考えられるのは勧告権ということにある。この勧告権が有効に行使できないというような状態まで行くときには、やはり独立性があまり縮小し過ぎるということになると思いますので、そこのところを頭に置きながら最小の線の独立性というものを残すという考え方にいたしましたのが、今度のものであります。この点は最終的な結論を得ますのに、人事院の側とも十分意見を交換いたしまして、ある程度了解に達して、こういうような案になつておるわけであります。
  21. 赤城宗徳

    赤城委員 勧告権の問題が出たのですが、これは少しこまかくなるかもしれませんが、事務当局からお聞きしてみたいのですが、二十八条に「この法律に基いて定められる給与勤務時間その他勤務条件に関する基礎事項は、国会により社会一般情勢に適応するように、随時これを変更することができる。その変更に関しては、人事院においてこれを勧告することを怠つてはならない。」この二十八条の一項は国会に対する規定であります。ところがこの改正案によりますと、前段は国会に対する規定であるにかかわらず、改正案では国家人事委員会において内閣にこれを勧告することを怠つてはならない。こういうようになつております。これは非常に矛盾に感ずるのでありますが、この点を事務当局でけつこうでありますから、説明していただきたい。
  22. 岡部史郎

    岡部政府委員 この第二十八条の構造は、まさに赤城委員の御指摘のような傾向があろうかと思います。すなわち第一項の規定というものは実はこれは立法経過特殊事情によりまして議院内閣制よりもむしろ、率直に申しますならば、いわゆる大統領制というようなもとにおける国会立法権の行使の姿を現わしておるものであろうと思うのであります。そういう点におきまして第一項が、第二項以下と若干調和がとれないという面もあろうかと思います。しかしこれは現在において国会が唯一の立法機関であるという面においてその点は十分解釈がつくわけであります。  それから第二項に行きまして、国会立法活動に対しまして、人事院が諸般の情勢によりまして給与基準を改訂する必要があるときに、国会及び内閣に対して直接に勧告いたしまして、内閣法律立案の活動を促すと同時に、国会に対しても国会立法権の活動を促すという構造になつておるわけであります。それが今般の改正案によりますと、憲法第六十五条との調和も考えまして、国会に対しましては主として最高の行政機関でありますところの内閣責任を持つてこれに当る。それだ内閣のその国会に対する活動を要請させるために、今度は国家人事委員会内閣に対して勧告を行う。一つ総理府内における行政機関として内閣に対して勧告を行う。ただその勧告を受けた場合におきましては、法案によりますと内閣は原則として、五日以内にこれを国会に報告いたしまして、国会みずからの第一項に基く立法活動を促進いたしますと同時に、内閣自身におきましても必要があります場合には、みずから国会に対する立案権の活動を行うというような構造になつておるのでございまして、字句の上におきましては、幾分赤城委員の御指摘のように他の法文に例を見ないような形があろうかと思うのでありますが、改正前、改正後を通じまして、そういうふうに解釈運用できようかと思つております。
  23. 赤城宗徳

    赤城委員 今の御説明についてもなお質疑を続けたいと思いますし、その他の質疑もあるのですが、時間の都合上後日に譲りまして、質疑をやめておきます。     —————————————
  24. 川島正次郎

    ○川島委員長 この際特定の公務員営利企業等への関与の制限に関する法律案について、山口好一君から政府に質問したいとの申出があります。これを許可いたします。山口好一君。
  25. 山口好一

    ○山口(好)委員 この議員提出の法案として提案されております特定の公務員営利企業等への関与の制限に関する法律案、これに関連いたしまして、人事院総裁及び法制局の局長などにお尋ねをいたしたいと思うのであります。  第一に私がお尋ねしたいのは、官吏服務紀律についてであります。官吏服務紀律は明治二十年七月三十日勅令三十九号によつて公布せられたということに相なつておりますが、その後昭和二十二年の五月、勅令第二百六号をもつて改正せられております。そこでこの法律につきましては、非常に古くなつてつて、実際に行われない、あるかなきかはなはだ影の薄くなつ法律であるということが言われておるのでありますが、昭和二十二年の五月の改正は、やはりこの法律を必要とし、かつ多少時勢に適せざるものあるによつて、その字句その他につきまして現代に適するように改正が行われたものと考えるのであります。はたしてしからば、この法律は私の見解をもつてすれば、今日今後ともなおこの規定は大いに必要である、よつてつて昭和二十五年に改正をいたしてなお今後とも存続せしめて、その効力を保持せしめなければならないという趣旨で、改正も行われたものと考えるのであります。この改正の要点が私にはよくわかつておりません。いろいろ調べましたがわかりませんので、この点を林法制局次長がおいでになつておるようですから承りたいと思います。なお人事院総裁も、この効力につきまして、その後にいろいろな私企業からの隔離に関する個々の立法が出ておりますが、これらと関連しまして、どういう関係に立つかを承りたいと思います。
  26. 林修三

    ○林政府委員 この官吏服務紀律でありますが、官吏服務紀律は御承知のように旧憲法時代独立の命令として出た勅令であります。従いまして新憲法下における効力いかんという問題が、まず第一にあるわけでございます。これは新憲法施行当時に従来の勅令等は昭和二十二年十二月三十一日まで一応効力を持たされておつたのであります。その後昭和二十二年に法律第百二十一号というのが出ておりまして、官吏その他の政府職員の任免とか分限等、に関しましては、国家公務員法規定が施行されますまでの間は、なお従前の例によるという法律が出まして、これによりまして実は官吏服務紀律もなおその効力を存せしめられておるのであります。ところが一方には国家公務員法というものが昭和二十二年に制定せられまして、一般職の国家公務員につきましてのあらゆる分限、服務、給与その他につきましての身分上の取扱いにつきましての規定をいたしております。国家公務員法が二十三年以来順次適用されて参りました現在におきましては、一般職につきましては、官吏服務紀律の働く道はほとんどまつたくなくなつたと考えられるのであります。ただ国家公務員法の特別職の職員につきましては、実はほとんどその身分上の取扱いについての規制はいたしておりません。ある特定の特別職の職員につきましては、たとえば国会の職員なり保安庁の職員につきましては、それぞれ特別の法律が出ておりますけれども一般的にはまだ特別職の公務員につきまして規制する法律は新しくは出ておらない。その意味におきましては、なおこの官吏服務紀律を初めといたしまして、従前の官吏服務に関する勅令等の規定が、今申し上げました二十二年の法律第百二十一号の規定によりまして、なお従前の例によるという形で生きている。従いまして、あるいはちよつと御質問の趣旨を取違えているかもしれませんが、今御提案になつておりますこの特定の公務員営利企業等への関与の制限に関する法律案の内容を拝見いたしますれば、これは大体いわゆる特別職の職員についての規制であります。特別職の職員の、たとえば営利企業への関与その他の事務に従事することについての一応の制限をしようという法律のように見受けるわけでございますが、これは御承知のように、ただいままでのところでは官吏服務紀律がなお特別職の職員について生きていると見られる関係上、大体同様のことは実はその官吏服務紀律にも規定があるわけであります。第七条、第十三条というような規定がございまして、営利会社の職員になるとかあるいは報酬を得て他の職務に従事するという場合に、一応全部本属長官の許可を受けるという規定がございます。そういう意味におきましては、現在でもやはりそういう規定は存続されているというのが現在の状況でございます。官吏服務紀律は今申しましたようなかつこうで生きているわけでございまして、ただその形はただいまも仰せられましたが。昔の明治二十年の形は新しい憲法下の形においては必ずしも適当でございませんので、これは昭和二十二年に改正になつております。これは主として第一条等が改正なつたものと考えておりますが、そういう形である程度現在の憲法下においても、そういう効力を持つてもさしつかえないような形に実はなつていると思うわけであります。ただこれはいろいろ考えてみますれば、実は全体として非常に古い時代の規定でございますので、新しい時代に即応するように特別職の規定もいろいろもつと全般的な特別職の公務員につきましての規制、身分上の取扱いに関する一般法規をつくるということは、これはあるいは必要ではないかと、実は私どもも考えております。これらも年来実は研究しておりますような状況であります。
  27. 淺井清

    淺井政委員 ただいまの林次長から申し上げましたのでもう尽きておるのでありまして、私の方から何も補足することはないのでございますが、ただ人事院の所管でありまする一般職の公務員に関する限りは、官吏服務紀律が失効しておるとかなくなつておるとかいうことは、決して空白になつておるのではなくして、もつと完全な規定国家公務員法の第七節の服務のところにちやんと入つておるということでありまして、取扱い上には支障を来してないということだけを補足いたしたいと思います。
  28. 山口好一

    ○山口(好)委員 今の林法制局次長の御答弁によりますれば、現在この官吏服務紀律はなお効力を有する。しかし古い法律であるから、さらに完全な法律を必要とするのではないかという御意見のように承つたのでありますが、これは一般公務員については、すでに国家公務員法の制定がありまして、完璧なものができておる。あるいはその他いろいろ個々の院などについても個々の法律ができております。そうしますと、その他の公務員、特に特別職の公務員について、さらに完全な法律が必要であるという意味に、ただいまの御答弁は解すべきでありましようか、ちよつとお伺いいたします。
  29. 林修三

    ○林政府委員 国家公務員に関する制度につきましては、まず第一に今の国家公務員法という、一般職の国家公務員につきまして全般的な身分上の取扱い等を定めました法律ができております。一般職の国家公務員に関する限り、ただいま人事院総裁からもお話がございました通り、大体それで尽きておると思うのであります。ただそこで問題になりますのは、特別職の国家公務員につきましては、先ほど申し上げました通りに、実はこの特別職の国家公務員の中におきましても、特別な職員、たとえば保安庁の職員でございますとか、あるいは国会職員てございますとか、あるいは裁判官その他裁判所の職員につきましては、実はそれぞれの法律が、これもやはり憲法施行後に実はできておる、そういう特別職の職員につきましては、一応の法的規制も、完全不完全の問題はございますが、一応実はあるわけであります。そこでまだなお新しい意味立法がなされておりませんのが、ここに上つておりますような国務大臣とか、あるいは特殊の特別職の国家公務員、これにつきましても、やはりいろいろ一般的な特別職の国家公務員をつくるべきではないかという考えは、年来あつたわけであります。これにつきましては、私どもも寄り寄り実は研究はいたしておるわけでありますが、ただいまのところは、先ほど申し上げました通りに、官吏服務紀律というものが、昭和二十二年の法律第百二十一号によりまして特別職の公務員適用されておるわけであります。その意味におきましては、全然空白になつてはおらぬということであります。新しくここに御提案になつておられます法律案の規制しようとしておることも、この官吏服務紀律によつて大体同じような規定が、ここに上つておりますような特別職の国家公務員につきましてはあるわけでございます。特にまたこの法律案に上つております人事官につきましては、これは国家公務員法の中で、人事官につきましては、服務の規定国家公務員法を準用になつておるわけでございます。その意味におきましては、むしろまた完全な服務規定もあるわけであります。さような状況になつております。
  30. 赤城宗徳

    赤城委員 ちよつと関連して伺いますが、今のお話で大体わかるのですが、官吏服務紀律は、国家公務員法のできる前にできておつたので、まだそれが生きておる。その後国家公務員法ができて、その第一条第二項に、「この法律は、もつぱら日本国憲法第七十三条にいう官吏に関する事務を掌理する基準を定めるものである。」、こうあつて、二条では、国家公務員一般職と特別職にわける、こういうことになつておりますが、そうすると、今お話のように官吏服務紀律は一般職も特別職も含めて適用がある、こういうふうに了承してよいのでしようか。
  31. 林修三

    ○林政府委員 ちよつとその点は、私先ほど申し上げました通り官吏服務紀律は、もちろん昔からの状況におきましては、これは昔の官吏全般に適用があつたのでありますが、二十二年以後において国家公務員法が制定せられまして、国家公務員法が施行になつたあとにおきましては、この国家公務員法におきまして、従前この国家公務員法に抵触するような法令はすべて効力を失うということになつております。国家公務員法は御承知のように、内容は一般的な者についての規制でございます。そういう意味におきまして、官吏服務紀律の中におきまして一般職の国家公務員に関する限りにおきましては、これは効力を失つておる、かように考えておるのでありまして、特別職の職員についても、その後保安庁法等のように保安庁の職員についても身分上の取扱いを規定する法律ができておる。その限りにおきましては、その官吏服務紀律の中から、そういうものが、抜けて来ておるという現在の状況であります。そういう新しい特別の法律ができない部面についてだけなお効力を有する。その代表的なものを申し上げれば、国務大臣とか、あるいは内閣の官房長官とか副長官とか、そういう方々がこの特別職の代表的なものであります。こういう方々についてはなお生きておる、こういうことでございます。
  32. 山口好一

    ○山口(好)委員 官吏服務紀律の第七条でありますが、「官吏ハ本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ営業会社ノ社長又ハ役員トナルコトヲ得ス」、この本属長官というのは、特別職特に国務大臣、この七条の官吏を特に国務大臣といたしますと、この本属長官はだれということに相なりましようか。
  33. 林修三

    ○林政府委員 国務大臣等につきまして、これは任命権を持つておられる方々が結局本属長官だと存じます。だから内閣総理大臣が任命権を持つておられる、そういうことであろうと思います。あるいは政府次官につきましては、これは各省大臣のもとにございますから、その各省大臣が本属長官であろう、かように考えるわけでございます。
  34. 山口好一

    ○山口(好)委員 内閣総理大臣は同時に国務大臣でありますが、内閣総理大臣が兼職をしたいという場合に、その本属長官の許可を受ける、これはだれになりますか。
  35. 林修三

    ○林政府委員 これはどうも結局御自分でおやりになるほかないだろうと思うのでありますが、そういう問題は閣議等にでもおかけになつて実際上はおやりになるだろうと思います。
  36. 山口好一

    ○山口(好)委員 そこで、先ほどのお答えで、今度出ました法案第の二条に、『特定の公務員とは、左に掲げる国家公務員をいう。』三として「人事官及び検査官」、この人事官については国家公務員法の服務に関するいろいろな制限規定が準用されておるということを言われましたが、この検査官についてはいかがですか。
  37. 林修三

    ○林政府委員 会計検査院法第九条に兼職禁止の規定がございまして、「検査官は、他の官を兼ね、又は国会議員、若しくは地方公共団体の吏員若しくは議会の議員となることができない。」、こういう一般的な禁止規定が入つております。従いまして、これもやはり今の服務紀律に対する例外の法律はあるわけであります。そういう意味におきましてはこれが特別法として当るものである、かように考えるのであります。
  38. 山口好一

    ○山口(好)委員 四「の大使及び公使」に関しましては、私の解釈ではやはり外務公務員法という昭和二十七年に出た法律、これがありまして、その制限規定が特別な法律として適用せられると思いますが、いかがでしようか。
  39. 林修三

    ○林政府委員 おつしやる通りでありまして、外務公務員法によりまして。大使、公使の問題につきましても規定いたしております、従いましてその規定は働くもの、かように考えております。
  40. 山口好一

    ○山口(好)委員 第二にあげられております法制局長官及び内閣官房副長官、あるいはさらに第一の内閣官房長官及び政務次官、これらについては特別な立法はないように考えられますが、しからばこれはやはり官吏服務紀律の第七条の、私企業に対する関係を禁止する規定が、適用せられることになりますか。
  41. 林修三

    ○林政府委員 この点もおつしやる通りでございまして、今おあげになりました公務員につきましては、別に特別の身分を規制いたします新しい法律はございませんので、先ほど申しましたところによりまして、官吏服務紀律がなお働くであろう、かように考えております。
  42. 山口好一

    ○山口(好)委員 もう一回そこのところをお尋ねいたしますが、三、四の人事官及び検査官、大使及び公使、これについてはすでに新しい昭和二十二年以後の立法があつて、これによつてしつかりとしたそういう制限規定を設けられておる。ただ一、二の国務大臣内閣官房長官、政務次官、法制局長官、及び内閣官房副長官、これについては特別な法律がないから、官吏服務紀律によつて規制せらるべきもの、こういうふうにお考えになりますか。この点をしつかりといたしておきたいと思いますので、林さんと人事院総裁に御答弁願いたいと思います。
  43. 林修三

    ○林政府委員 現状におきましては、今仰せられました通りでございます。
  44. 淺井清

    淺井政委員 人事院見解も法制局と同様でございます。
  45. 山口好一

    ○山口(好)委員 そこで官吏服務紀律の内容についてちよつと承りたいのですが、官吏というのは、その十七条に「俸給ヲ得テ公務ヲ奏スル者」というふうに簡単に規定をしておるようであります。そこで第七条を見ますと、この官吏一般について「本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ営業会社ノ社長又ハ役員トナルコトヲ得ス」という規定があります。なお十一条には「官吏並ニ其家族ハ本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ直接ト間接トヲ問ハス商業ヲ営ムコトヲ得ス」というような規定があります。この私企業禁止については、特に国務大臣あるいは政務次官、法制局長官、内閣官房長官、副長官、そういうものについては、やはりかような「本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ」云々という規制になると思うのですが、私の考えるところでは、現行法「おける人権の規定というものは、できるだけ尊重されなければならないのであつて従つてこの特別職の公務員などについては、特に事業に関係しておるような地位にありますがゆえに、やはりこの私企業に関係を持つ場合には、初めからこれを禁止するということでなしに、「本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ」となす方が、むしろ妥当ではないかというふうに考えるのであります。今度出されました法案では、これはいきなり禁止をいたしておるようでありますが、かように全然初めから禁止するという方針が妥当なりや、あるいは一応本属長官の許可にかけて、それによつて本属長官の裁量によつてその点は決するというふうにしておく方が妥当なりや、これを法制局及び人事院の方の御見解を承りたいと思います。
  46. 林修三

    ○林政府委員 いささか多少政策問題とも関連いたしますので、私からお答えするのが適当かどうかという問題もあろうと思いますが、一応考えてみますと、特別職の国家公務員と申すものは、これは読んで字のごとく、特別な地位でございます。一方において身分保障を必要とし、あるいは一方においては一応政治的中立を守るべき普通の一般職の国家公務員とは、多少実は違う地位にあります。多少政治的な方が多いわけであります。そういう意味におきまして、やはり任用等もいわゆる試験とか選考というようなものもございません。そのときの必要に応じ、最も適当な方を任用するというような制度であろうと思います。そういう意味におきまして、やはりおのおのの地位から考えて、場合によつては兼職を認めるという必要もある場合があるのではないか、かように考えるわけであります。しかし他面におきましては、やはり兼職は好ましくないというようなこともございましよう。また兼職の種類によつては、そういう場合もあると思います。その意味におきましては、やはり自由にすることはもちろん適当でないので、ある程度の許可とかなんとかいう制度は必要であろうと思いますが、一律に一般的にこの新しい法案のように禁止してしまうということが妥当かどうかということにつきましては、多少問題があるのではなかろうか、かように私は考えておるわけであります。
  47. 淺井清

    淺井政委員 特別職の問題でございますから、人事院としては申し上げかねます。
  48. 川島正次郎

    ○川島委員長 次会は公報をもつて御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十分散会