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1954-04-27 第19回国会 衆議院 行政監察特別委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月二十七日(火曜日)     午前十一時十二分開議  出席委員    委員長 塚原 俊郎君    理事 高木 松吉君 理事 田渕 光一君    理事 長谷川 峻君 理事 中野 四郎君    理事 山田 長司君 理事 小林  進君       天野 公義君    鍛冶 良作君       瀬戸山三男君    山中 貞則君       久保田鶴松君    古屋 貞雄君       矢尾喜三郎君    小林 信一君  委員外出席者         証     人         (関東財務局新         宿出張所第一課         長)      井上 俊介君         証     人 案田 八郎君     ————————————— 本日の会議に付した事件  国有財産管理処分に関する件(物納国有財産払  下げ関係事件)  証人出頭要求に関する件     —————————————
  2. 塚原俊郎

    塚原委員長 ただいまより会議を開きます。  国有財産管理処分に関する件(物納国有財産払下げ関係事件)につきましては、すでに基礎調査も完了し、理事会においてその報告を聴取した次第でありますが、この際国有財産管理処分に関する件(物納国有財産払下げ関係事件)につきまして本委員会において証人を喚問し証言を求めることにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  なお、本件につきましては、理事諸君の御了承を得まして、本日、関東財務局新宿出張所管財第一課長井上俊介君、案田八郎君、四月二十八日、新郊土地建物株式会社長飯沼文二君、都不動産株式会社員中内善馬君、元都不動産株式会社々長田村秀吉君、四月三十日、前関東財務局長井上義海君、大蔵省管財局長窪谷直光君、会計検査院検査第一局長池田修蔵君、以上八名の諸君証人として出頭を求める手続をいたしておいたのでありますが、以上の諸君を本委員会証人として決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 塚原俊郎

    塚原委員長 御異議なきものと認めます。よつて証人として決定いたしました。  なお、証人出頭期日等に変更を生じました場合の措置につきましては委員長に御一任願います。     —————————————
  5. 塚原俊郎

    塚原委員長 これより国有財産管理処分に関する件(物納国有財産払下げ関係事件)について調査を進めます。  ただちに証人より証言を求めることにいたします。ただいまお見えになつておられる方は井上俊介さんですね。
  6. 井上俊介

    井上証人 そうでございます。
  7. 塚原俊郎

    塚原委員長 あらかじめ文書をもつて承知通り、本日正式に証人として証言を求めることに決定いたしましたから、さよう御了承ください。  これより国有財産管理処分に関する件(物納国有財産払下げ関係事件)について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。なお、証人が公務員として知り得た事実が職務上の秘密に関するものであるときは、その旨を申出願いたいと存じます。  では、法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人井上俊介朗読〕    宣誓書  良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
  8. 塚原俊郎

    塚原委員長 それでは宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  9. 塚原俊郎

    塚原委員長 これより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  井上君の略歴を簡単にお述べ願います。
  10. 井上俊介

    井上証人 お答えいたします。大正十四年海軍火薬本廠入廠終戦時まで海軍に満二十年九箇月奉職いたしました。終戦の年の十一月二十日付をもちまして、大蔵省偽転換いたしまして今日に至つております。
  11. 塚原俊郎

    塚原委員長 大蔵省に来られてからのお仕事はどういうことをなさいましたか。
  12. 井上俊介

    井上証人 大蔵省へ参りましてからは、旧軍財産管理処分を二十五年の六月三十日まで、二十五年の七月一日から局へかわりまして、ドイツ国財産管理公団清算管理事務を一昨年の三月三十一日までやつておりました。一昨年の四月一日から昨年の八月十七日まで徴収関係事務に携わつておりました。昨年の八月十八日の辞令によりまして関東財務局新宿出張所管財第一課長に就任いたしまして、今日に至つております。
  13. 塚原俊郎

    塚原委員長 この新宿出張所管轄区域というのはどれくらいあるのですか。
  14. 井上俊介

    井上証人 新宿出張所管轄区域について申し上げます。新宿区、豊島区、練馬区、中野区、杉並区の五区でございます。
  15. 塚原俊郎

    塚原委員長 物納不動産の売払い手続についてお述べ願います。
  16. 井上俊介

    井上証人 物納不動産の売払いについてお答え申します。物納不動産は、局指定委託会社に局の認可を受けました物納財産リストを渡しまして、現場会社が一応調査いたしました結果、その現実についてさらにわれわれ担当者が立会いをいたしまして現場を把握いたしまして、売払い代金の決定をいたしまして、それを所長の決裁を受けまして売払いすることになつております。
  17. 塚原俊郎

    塚原委員長 あなたの勤めておられる新宿出張所管内物納不動産収納数量、それから価額その売払い状況、こういうものについてお述べ願います。
  18. 井上俊介

    井上証人 その件は記録によつて申し上げたいと思います。
  19. 塚原俊郎

    塚原委員長 どうぞ書面をごらんになつてけつこうです。
  20. 井上俊介

    井上証人 まず第一に、物納不動産収納件数金額について申し上げます。この数量金額は、本年の四月二十日現在でございます。  財産税で、土地件数四千六百九十四件、坪数にいたしまして百一万六千七十三坪、その価額が五千三百十三万七千七百六十八円、同じく財産税建物件数にしまして六百五十四件、延べ坪数にいたしまして一万七千二百六十八坪、その価額が一千三百九十一万九千九百七十六円、以上が財産税で収納いたしました土地建物件数数量価額でございます。  続いて相続税について申し上げます。相続税は、土地数量四百六十六件、坪数にいたしまして八万三千三百五十七坪、その価額が三千二百六万三千四百十六円、建物について申し上げますと、建物件数百九十二件、延べ坪数三千百九十坪、価額が一千三百二十万四千三百七十八円、以上でございます。  処分数量について申し上げます。処分数量は、土地件数が一万二千百三十五件、処分価額が三億五千四十一万三千二百六十円、建物一千二百三十九件、価額が六千六百六十六万三千六百三十円、以上となつております。
  21. 塚原俊郎

    塚原委員長 新宿出張所管内のおもなる委託業者はどういうものがありますか。
  22. 井上俊介

    井上証人 従来取扱つたものを含めまして十四社でございます。都不動産勧業不動産大和不動産日本不動産三和不動産東京信託中央信託岸本不動産国際商事、大建不動産那須不動産、国都興業朝日信託、新郊土地、以上でございます。
  23. 塚原俊郎

    塚原委員長 それは現在全部……。
  24. 井上俊介

    井上証人 現在動いておりますのを申し上げます。現在動いておりますのは、一番最初に申し上げました都不動産勧業不動産大和不動産岸本不動産、大建不動産の五社でございます。
  25. 塚原俊郎

    塚原委員長 その委託業者取扱つてつた数量がおわかりでしたら御説明願います。
  26. 井上俊介

    井上証人 これは二十七年度末の記録によつておりますから、あらかじめ御承知を願います。都不動産、四千五百九十二件、価額が一億四千三百七十二万三千二百十四円六十二銭、勧業不動産、一千二百八十六件、四千三百九十七万六千七百四十五円四十一銭、大和不動産、八百八十九件、二千五百三十七万五千八百七十四円六十五銭、日本不動産、六百十件、二千四百三十三万四千七百十八円七十五銭、三和、三百四十二件、一千六十四万四千四百円七銭、東京信託、二百十件、一千三十一万七千百二十六円、中央信託、二百八十六件、七百二十一万九千三百三十二円、岸本不動産、百六十二件、五百四万四千九百十五円三十五銭、国際商事、百九十三件、四百七十一万六千六百六円、大建不動産、八十五件、三百三十七万六千二十七円、那須不動産、百三十一件、三百六万八円、国都興業、六十件、百七十二万一千八百三十八円九十銭、朝日信託、一件、二十八万六千五百三十円、新郊土地、千四百件、五千六十九万八千九百五十円三十一銭、以上でございます
  27. 塚原俊郎

    塚原委員長 それは二十七年のいつのですか。
  28. 井上俊介

    井上証人 二十七年度末でございます。
  29. 塚原俊郎

    塚原委員長 それ以後のはありませんか。
  30. 井上俊介

    井上証人 それ以後のはまだ整理中であります。
  31. 塚原俊郎

    塚原委員長 物納不動産払下げについて多くの苦情が持ち込まれておるということをわれわれは聞いておるのですが、その苦情のおもなるものはどういうものですか。
  32. 井上俊介

    井上証人 苦情のおもなるものについて申し上げます。この苦情は主として新郊土地関係した問題でございまして、他の会社には、都不動産を除きましてはほとんど苦情はございません。新郊土地を主とした苦情でございます。あらかじめ御了解を願います。  第一番の苦情といたしましては、大蔵省委託した会社の不始末だからどこまでも国が責任を負つてわれわれに損害をかけないようにしてくれ、これが第一の苦情でございます。第二番目の苦情といたしましては、このような不始末会社がやつていたということをいつ発見されたのか、そのときに何ゆえにわれわれにもこれを知らせてくれなかつたか、そのときに知らしてもらえばわれわれは地代も余分に支払わずに解決ができたのではないか。第三番目は、登録税預託は一体どうなるのか、これにも国が責任を持つてもらいたい、会社は懲罰を受けたのか、地代家賃預託であろうとなかろうと買受人支払つた日の前日までよりわれわれは支払わない、前任者——前任者と申しますのは私の前任者でございます。前任者会社に支払つてあることを認めて残額支払いを督促し、それを納めた場合にその領収書マル完の判を押して出しておるではないか、これは完納意味するのではないか、その責任はどうするのか、公金の取扱い委託会社に許可していないということを言われるが、実際会社扱つてつたのではないのか、それを黙認か何か知らぬけれどもしておつたのはどういうわけかというようなものがおもなる苦情でございます。
  33. 塚原俊郎

    塚原委員長 参考に承つておきますが、あなたの前任者はどなたでありますか。
  34. 井上俊介

    井上証人 私の前任者は、現在関東財務局管財第四課におられます三瓶一栄氏であります。
  35. 塚原俊郎

    塚原委員長 これは課長か何かをやつておるのですか。
  36. 井上俊介

    井上証人 係長をやつております。
  37. 塚原俊郎

    塚原委員長 買受人のうち、代金登記料などを支払つておるのに、まだ登記できないでおる者がたくさんあると聞いておりますが、現在どのくらいありますか。
  38. 井上俊介

    井上証人 その点についてお答えいたします。売払いの完納登記の現状について申し上げます。売払い代金完納いたしました件数は、現在のところ一万三百六十一件でございます。そのうち登記の済みましたものが五千六百十四件でございまして、登記の済まずに残つておるものは四千二百四十五件でございます。現在の四千二百四十五件の登記未済の中には、売払い代金完納いたしましても、登記に移行いたします場合には、この物納から売払い代金完納前日までの地代家賃弁償金という名目において徴収することになつております。その弁償金徴収のつかないものは、いかに売払い代金完納になつて登記に移行できない建前になつております。それが千二百件ほど残つております。それから分合筆登記が完了しないために登記に移行できないものが、百八十件ほど残つております。それから東京都の区画整理の未完成のために登記できないものが数件ございます。以上のような状況でございます。
  39. 塚原俊郎

    塚原委員長 先ほど委託業社が十四社、現在五社というふうなことをおつしやいましたが、どの委託業者扱つたのもが多いですか。
  40. 井上俊介

    井上証人 ただいま問題を残しておりますものは新郊土地株式会社が扱つたものが一番多うございます。それから都不動産取扱つたものが多うございます。その他はほとんど残つておりません。
  41. 塚原俊郎

    塚原委員長 委託業者の使い込んだ預託金はどのようにして処理しておりますか。
  42. 井上俊介

    井上証人 申し上げます。委託業者の使い込みました買受人預託金整理は、局におきまして、代金完納になりますと局として手数料五分の支払いをいたす契約になつておりまして、その五分の手数料を差押えまして、それを使い込みの穴埋めにいたしております。
  43. 塚原俊郎

    塚原委員長 委託業者が売払い代金などを使い込んで買受人に迷惑をかけておる実情から考えまして、委託業者指定がよくなかつたのではないか、当を得ていなかつたのではないかということがわれわれには考えられるのですが、井上君はこの点についてどういのお考えをお持ちですか。
  44. 井上俊介

    井上証人 その点は、私としては、従来からこの業務に携わつておりませんので、新宿へ参りまして初めてこの業務にタツチいたしました関係上、その業者の選択につきましては申し上げられないと思います。わかりませんです。
  45. 塚原俊郎

    塚原委員長 しかし、これだけ迷惑をかけておる事件があるのですから……。あなたは当該課長ですね。
  46. 井上俊介

    井上証人 そうでございます。
  47. 塚原俊郎

    塚原委員長 それでは、こういう点がいけないのではなかつたかとお考えになる点はあると思うのですが、それをお述べ願いたいと思いますが、わかりませんか。
  48. 井上俊介

    井上証人 わかりませんです。中央指定して来ますので、わかりません。
  49. 塚原俊郎

    塚原委員長 それでは、委託業者に対する監督はどのようにして行つたのでありますか。
  50. 井上俊介

    井上証人 委託業者に対する監督は、その全般につきましては……。     〔小林(進)委員「なぜ理事会を開かないのか、いかぬいかぬ」と呼び、その他発言する者あり〕
  51. 塚原俊郎

    塚原委員長 御静粛に願います。——小林君、静粛に願います。
  52. 井上俊介

    井上証人 全般監督は局が担任いたしております。渉外員監督につきましては出張所自体が行つております。出張所渉外員監督を主として行つております。それは、先ほど申しましたように、一応渉外員がこちらの渡しましたリストによつて実情調査して参ります。その結果につきまして報告を受けまして、その際にわれわれがその渉外員と同行いたしまして買受人と親しく会いまして、前の轍を踏まぬような処置を講じておるのであります。
  53. 塚原俊郎

    塚原委員長 井上君が現在苦情を処理するにあたつて最も困難な問題はどこにありますか。
  54. 井上俊介

    井上証人 先ほど申し上げました苦情のうちで、現行通りに行きますと、国庫に完納になつた日の前日までの地代家賃徴収しなければならないことになつておりますが、その点は先ほども申し上げましたように苦情のおもなるものの一つでございます。それをいかにして納得させ、あるいはいかにしてこれを局あるいは本省等会議にかけまして処理するかということが一番苦心を要しておるところでございます。
  55. 塚原俊郎

    塚原委員長 本省に対してそういうことを要望されたことがございますか。
  56. 井上俊介

    井上証人 ございます。
  57. 塚原俊郎

    塚原委員長 委員諸君で御質問がありましたらどうぞ。
  58. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あなたは、わからぬとおつしやるが、一番大事なのは委託業者指定だと思うのですが、大体どういう方法指定しておりましたか。
  59. 井上俊介

    井上証人 その指定方法は私にはわかりません。局で指定をいたしますので、私は一出張所の一課長でございまして、それには参画もいたしませんし、どういう基準によつてそれが行われるかということは全然わかりません。
  60. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あなたは、私が指定しないのだからわからぬとおつしやるのはよろしいが、本省なり局なりでどういうことでやつてつたか、その手続をわれわれは開きたい。現実はどうだということを聞かぬでもいい。それもわからぬのですか。
  61. 井上俊介

    井上証人 それもわかりませんでした。ただ、お前の方にこれだけの業者指定したという通知がありまして……。
  62. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あなたは何か感違いしている。今あなたは指定して来たと言うが、だれが指定して来たか。
  63. 井上俊介

    井上証人 局から指定して来るのであります。ですから、どういう基準によつて指定されるかは私にはわかりません。
  64. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それはわからぬと言うが、わかる限りをおつしやい。局ではどういうことをしておるのですか。局でこの者はよろしいということを定めてあなた方のところへ通知を出しておる、そうですが。
  65. 井上俊介

    井上証人 そうです。
  66. 鍛冶良作

    鍛冶委員 局とはどこです。
  67. 井上俊介

    井上証人 関東財務局であります。
  68. 鍛冶良作

    鍛冶委員 局の中ではどういうところでやつておるのです。全然聞いたことはありませんか。
  69. 井上俊介

    井上証人 ありません。
  70. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あなたはあとで入られたからだろうが、これはこういう方法で来ておるものだ、局の方ではこういう手続をしておるくらいのことは、話合いはありそうなものじやないかね。
  71. 井上俊介

    井上証人 全然ございません。
  72. 鍛冶良作

    鍛冶委員 局ではだれが指定するのです。局といつても局の何部の何課ということがあるでしよう。
  73. 井上俊介

    井上証人 そういうことはないと思います。局長指定されるものと思います。
  74. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それは局長個人でやつているのだね。
  75. 井上俊介

    井上証人 局長一人ではありません。局議にかけまして指定するのではないかと私は考えております。
  76. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そういうことをあなたが知つておる限り言わなければしようがないじやないか。なぜそんなことを言わないのか。おかしいよ、それは。
  77. 井上俊介

    井上証人 おかしくないと思います。私は基準はわかりません。どういう基準によつて指定されるかという御質問考えましたので、それはわからないと申し上げたのであります。
  78. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それから、新宿ならば新宿出張所における指定業者をきめるのだから、新宿出張所においても、こういう者が適当だとかなんとか意見でも出してやるのじやありませんか。
  79. 井上俊介

    井上証人 それは、私の知る範囲では、ございません。
  80. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あなたは去年からだと言つたね。去年から業者がかわつたことがあるかないか。
  81. 井上俊介

    井上証人 ございません。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それでは、しかたがない。前任局長を呼ぶよりほかないが、そこで、もう一つ聞きたいのは、先ほど預託々々と言つておられるけれども、われわれにはわからないのだ。そこで、業者はどういうことで買受人とやつてつたか、まずそれから聞きましよう。業者買受人に対してどのような手続方法預託金をもらつたり、どういう方法登記をしたりしておるか、その手続はどういうことでやつておりましたか。
  83. 井上俊介

    井上証人 業者はどのような手続によつて買受人から金を受取つたかという御質問でございますが、業者は、買受人から受けました金を預かつたというのは、大体われわれは大蔵当局委託を受けた会社だ、従つて金取扱いもできるんだということで預かつたもの——。それから、買受人自体が、——当時新宿出張所においては分任収入官吏というものが置かれておりませんでした関係上、これを局一本で収納しておつたわけです。従いまして、買受人としては、一万円で買つたものが五回でなければ払えないということで、月千円とか二千円ずつに分割払いをしてもらいたい、ところが、その分割払いを収納できる分任収入官吏が置かれていなかつた関係上、買受人としては一々局に出て行かなければならぬので非常に不便である、その不便なために業者を利用してこれを局へ持つてつて納めるという形で業者に預けたものもございます。大体がその二種類でございます。
  84. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それでは、もう一つ聞きます。今不便だからとおつしやるが、財務局としては分納を認めないのじやないですか。大体あとのは、認めるのは認めるが、手続ができないから業者にやらすのか、その点はいかがですか。
  85. 井上俊介

    井上証人 最初分割支払いということは認めない方針で参つております。ところが、そういうような状況が非常に多くなつたわけです。零細の収入の中からこれを分割支払いでなければできないという方がいかにも多くなりましたので、後々の分割支払いを認めております。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そうすると重大だが、それでは、分納を認める、しかしその分納受取る者がおらぬから業者にとらす、こういうことになるとすれば、預託金という金を預かるのは管財局代理人として預かつた、こういうことになるのだが、その点は間違いありませんか。
  87. 井上俊介

    井上証人 それは二様の意味があると思います。ただいま私がお答えいたしました、業者自体がそういうふうな働きかけをしておつたものと、それから、買受人自体が自己の不便によつてこれを納めてくれと委託した分と、二色ございますので、御質問は二様の意味があると思います。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶委員 私の言うのは、あなたの言う、分納を認めた、しかし局の方で分納受取る者がおらぬから業者にやらす、そういうことをすると、委託業者管財局代理として分納金受取つたということになりませんか、こういうことなんです。
  89. 井上俊介

    井上証人 管財局代理として受取つたということは、見方によつて考え方によつてつて来るのではないかと私は思います。管財局の方といたしましては、業者に金銭の取扱いを許しておらぬということが建前なのであります。従いまして、先ほど申し上げましたように、業者大蔵省から委託を受けているのだからわれわれが取扱いができるんだということで買受人に申し入れて預かつて来た金、それから、買受人自体業者を信用してそして預けた金と、二色あります。ですから、その二つを別個にお考え願わなければならないと思います。ですから、今のことは、局自体から考えますと、業者分割支払いの金を預かつて来いということを指令したとは私個人考えておりません。
  90. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そこが重点なんだが、私は、それだから、局としては分納を認めないんじやないか、こう言つたんだが、前には認めておらなかつたけれども、後に認めた、こういうわけでしよう。認めたとすれば、分納をするのがあたりまえなんだ。ところが、そうだつたら、局自身官吏がほんとうは受取るべきものだ。ところが、その者がおらなかつたから業者取扱わせた、こういうのでしよう。取扱わせたということになれば、局が業者に、おまえ行つてかわつて受取れ、こういうことになるから、局の代理だろうと言うのです。それはどうなんですか。
  91. 井上俊介

    井上証人 それは、ただいまの私の申し上げ方が足りなかつた点もあると思いますが、出張所に分任収入官吏がおらなかつたということは非常に不便であつたのですが、局へ持つて行けば局で分納受取つたわけであります。ただ、受取人が当時出張所に置かれていなかつた不便はあつたということでございます。ですから、分納ですから、業者にまかせたんだということにはならないと思います。
  92. 鍛冶良作

    鍛冶委員 何かそれはあとで問題が起きてからそういうことになつたんだが、その前は局で、それではそういう業者に預けておけばいい、こういうことを言つたことがあつたと言われておりますが、その点は聞いていませんか。苦情を言うて来る者はおそらくそれを言うておるのだろうと思うのですが、それをあなた聞いておりませんか。
  93. 井上俊介

    井上証人 それは聞いております。こういうふうなわけで、それはあなた方が局へ持つて行くのが忙しい身体で世話ならば、とにかく業者は毎日局へ行つておるんだから、お預けになつて納めていただいたらどうですか、ということを言つたという事実があるようでございます。
  94. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それは、買受人が言うだけですか、また事実そういうことがあつたのか、あつたとすれば、これは局に責任があるわけなんだが、その点はどうなんですか。
  95. 井上俊介

    井上証人 それは、私の知る範囲では、買受人からそういう事実があるという申入れがあつたということを承知しております。
  96. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そこで、局ではどうなんです。
  97. 井上俊介

    井上証人 出張所では、現在ほとんど人員がかわつてしまつておりまして、その当時の取扱者がおりませんので、それを明確には承知いたしておりません。このたびの整理におきまして、新郊関係買受人からそうした申入れがあつたということは事実でございます。
  98. 鍛冶良作

    鍛冶委員 出張所で言うたのか局で言うたのか知らぬが、それは重大なことだか、あなた方としては本省に何か言うて出たことがあると言つておられるが、それは最も私は大事なところだと思う。局や本省では、そういうことがあつたと認めているのですか、ないと言つているのですか、どうですか。
  99. 井上俊介

    井上証人 それは、局としまして認めているか認めていないかということは、私としてはまだ確かめておりません。ただ、出張所といたしましては、そういうことを言つた職員があるということは、事実あるようでございます。
  100. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そういう者があるとすれば、私は少くとも責任があると思う。その点、あなた方どうお考えになるか。それは大事なことです。その点確かめて置かなくてはならぬと思うのだが、その点はどうですか。
  101. 井上俊介

    井上証人 私もその点に責任があると感じまして、この点、公文で局長に申告してございます。
  102. 鍛冶良作

    鍛冶委員 返事はどうなんですか。
  103. 井上俊介

    井上証人 返事は公文ではまだ来ておりませんが、局の方針といたしましては、先ほど委員長にお答えいたしましたように、五分の手数料支払いをさしとめて、そうして穴埋めするという方針にきまつております。
  104. 鍛冶良作

    鍛冶委員 どうも、はつきりしない。それはおそらく、局の方でも、責任があると思うからそういう方法で取立てて買受人に迷惑のないようにしようと思うのだろうが、どうですか。責任はないけれども便宜上やつているのか。
  105. 井上俊介

    井上証人 私の見解を端的に申し上げますと、責任ありとしてそういう方法をとられているのではないかと思います。
  106. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そこで、問題は、新郊土地がおもだろうと思いますが、これからどんどん出て来てやればよろしいが、もう出ないということになると、五分の手数料を向うに渡すこともないことになりますね。——取扱わぬことになるから。これから順々と取扱つて行けば、いつかは埋め合せすることができるかもしらぬが、そのままということになれば、その会社に扱わして行こうということになると大きな穴があく。その穴があいたのは局で埋め合すという考えかどうか。
  107. 井上俊介

    井上証人 それについてお答えいたします。今の御疑念はごもつともな御疑念だと思いますが、現在の新宿出張所の手持財産の処分からいたしまして、当然これは埋め得ると考えております。
  108. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それから、先ほど聞いていると、弁償金というのは、これはどういうのですか。国有財産になつてから支払つておらない地代相当金全部ということになるのですか。弁償金というのは使用料か。
  109. 井上俊介

    井上証人 そうでございます。物納財産によりましては貸付制度をいたしておりませんので、従いまして、科目整理上弁賞金という科目で地代家賃徴収いたしております。それは御質問通り国有財産になつてから完納された前日までの期間の地代家賃ということになります。
  110. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それは、買受人完納して登記をしなければ、おそらく土地の使用はできないのじやないか。土地の使用をしておるのですか。せなくても納めるということになると、それは法律上どういうことになるのですか。
  111. 井上俊介

    井上証人 それは、物納財産に限りましては、九九%まで現在その土地を使用しておるものでございます。その物納財産の地所に自分の居宅を持つておる人が大部分でございます。従いまして、前の地主から借りておつた者が、前の地主が物納いたしまして国有財産になつたというのがほとんど大部分なのでございます。更地の物納というものはほんとうの少数であります。更地の物納に対しましては、御質問のような使用料はとれないことになります。
  112. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そうすると、今言う預託金は売買代金分納ということになれば、業者は、いいか悪いかは別だが、預かつたとする。この弁償料というものは業者が預かるべきものでないと思いますが、それも預かつて、それまでを使い込んでいる者が多いというその点はどうですか。
  113. 井上俊介

    井上証人 今の問題にお答えいたします。弁償金出張所、局が直接受取りますので、御疑念の点はございません。ただ、二件だけ出張所におきまして現実にございます。それは、弁償金の計算をいたしまして、納入告書を本人に発行いたします。納入告書を発行してそれを受取れば、もよりの銀行なり郵便局へ支払えばよろしいのですが、たまたまそこへ業者が行つた、お前これを払つてくれと言つて、二件だけございます。
  114. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それはまつたく横領だね。間違いない。
  115. 井上俊介

    井上証人 それは個人に渡したのです。わずかな金であります。
  116. 鍛冶良作

    鍛冶委員 その次は登記料ですが、先ほど言われたところによると、代金完納しておつても分筆ができないで登記もできない、弁償料の支払いができないで登記もできないと言うが、登記料のことで問題になつておるものもあるのじやありませんか。登記料で問題が起きておるとすれば、どういうことが主として問題になつておりますか。
  117. 井上俊介

    井上証人 登記料で問題の起きておるものにつきましてお答えいたします。従来登記料は売払い価格の五分ということになつており、御承知通り登録税の収納は登記所長の権限にまかされておりまして、一般民間の登録税登記所長による査定価格によつた五分ということになつておりますが、大蔵省物納財産の売払いは、権利を最高七五%まで引きまして、二五%の価格で処分いたしております関係上、非常に安価になつております。その安価の五分ということは、登記料から申しますと普通民間の三分の一程度になるわけであります。そこで、問題が法務省関係に起りまして、民間並の登記料とすることが至当ではないかということになつたわけでございます。そこで、現在登録税会社がお預かりしているものだけでは行かなくなつて、今後登記料としてはとれなくなつたというところに問題が発生したわけでございます。従来すでに終えた登記はその売払い代金の五分で済んだのに、われわれはそうした面で延びたために余分な登録税を払わなければならぬということが問題になつたわけです。
  118. 鍛冶良作

    鍛冶委員 これも、業者登記料まで預かつてつて使い込んで、登記ができなくなつたというのはありませんか。それから、あなた方の言われることに、苦情を言うのも無理はないけれども、法律上そういうことになつた以上しかたがないとあきらめそうなものだが、その点はどうですか。
  119. 井上俊介

    井上証人 業者が預かつてつた登記料を使い込んだがために、登記ができないというのは、やはりございます。これは主として新郊土地関係でございます。その他の会社は厳然として生きておりますので、そういう補填もつきますので、まず問題はないものと考えておりますが、新郊土地におきましては、やはりその点でございます。
  120. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それは、登記をしてやると言つて登記料をとつて使い込んだとすれば、これはりつぱな横領罪だと思います。しかし、それはあとにしましよう。  それから、分筆のできないのは主としてどういうことなのですか。
  121. 井上俊介

    井上証人 分筆のできないといいますのは、これは非常に多いのでございます。それは、御承知通り登記所の備えつけ土地台帳なるものは、明治三年から九年までに大体の地びきをいたしましてつくられているものでございまして、その後完成いたしましたのが明治十二年でございます。そういう古い登記でございますので、現状と非常に縁遠いものがたくさんあるわけでございます。それを一区画、たとえば五百坪を五十人に割るとか、六十人に割るとかいうことになりますと、往々にして坪数が多いとか足りないとかいう問題が出て来るのでございます。そうした問題と、それから私道の関係、また区画整理がそれにからんでおるとかいうものがありまして、分筆登記ができないものがあるわけであります。
  122. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それは、さしあたり手続さえとればいいのですね。坪数が違つておれば訂正すればいいので、何でもないのだが、それはただ手続が遅れているだけで、そう問題はないと思いますが、どうですか。
  123. 井上俊介

    井上証人 御意見の通りだと思います。
  124. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それから、業者は五分の手数料をあなたの方の定めか何かでとれるそうだが、そのほかいろいろな名義で相当な金を買受人からとつているという事実はありませんか。
  125. 井上俊介

    井上証人 それは従来あつたように聞き及んでおります。それはこういう場合でございます。たとえば、その分筆をやつたところが、登記所を通らぬというような問題が出て来るわけです。そうしますと、さらにその土地の測量をし直さなければならぬという問題が出て来る、そういうものが一つ。従いまして、そういう場合には分筆書類の再製をしなければならない。それからまた、きよう登記をしてもらわなければ、あす自分の権利の施行ができないというような、非常に急ぐ登記というものが出て来るわけでございます。あるいは土地を売り払うとか、あるいはその土地に住宅公庫から金を借りて家を建てるとかいうような問題の手続上、非常に急がれる登記というものがあります。そうした場合には若干の手数料買受人からもらつているという事実もあるのであります。
  126. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そういうことで正当なものならいいが、不当にとつてつて、そうしてそれを使い込んだということになると問題になるから、その点を聞いておる。  そこで、最後に聞くが、新郊土地で使い込んで先ほど来大きな問題になつておるが、現在新郊土地はどういうことをやつておるか、伺いたい。
  127. 井上俊介

    井上証人 現在新郊土地という名称は残つておます。そうして、この職員が一人おりまして、自分の跡始末登記に専念しております。それが現状でございます。
  128. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それはおかしい。あなたは、新郊土地に使い込んだ金を五分の手数料で埋め合させると言つておるが、それはどうする。それだから聞いておる。
  129. 井上俊介

    井上証人 五分の手数料で、会社は存続しておりますから……。
  130. 鍛冶良作

    鍛冶委員 一人しかおらない。
  131. 井上俊介

    井上証人 私の方に一人常駐しておるわけであります。
  132. 鍛冶良作

    鍛冶委員 向うの会社はどういうことになつているのですか。
  133. 井上俊介

    井上証人 会社の内容は、私はよく知りませんですが、社長と、社長のせがれと、それからあと二、三の職員がおるようでございます。
  134. 山田長司

    ○山田(長)委員 ただいまの問題に関連してちよつと伺いたいのです。たとえば、物納された土地を買おうとする場合に、それが宅地であつた場合、こういう事態で質問を受けておりますので、ちよつと伺うわけですが、百坪の土地を買わなければならないと住まつておる人が思いまして、それでその百坪の宅地を買おうと思つて調べてみたところが、実際はその物納された宅地の一角にずつと道路が入つていた、こういう例にぶつつかつておる。そういう場合に、道路までも物納されている場所を買わなければならないものかどうかということです。一点それを伺います。
  135. 井上俊介

    井上証人 それは私道としてあつたわけでございますね。私道は物納されております。従いまして、国が認める、あるいは都が認める、あるはは都が認めるところの公道でない限りにおきましては、それを買つていただかないと、財産の処分ができないことになるのであります。従いまして、今の御質問の私道というものは、私の方で主として処分をしておりますのは、隣接居住者といいますか、隣接地主といいますか、居住者もあり地主もある、その方々に買つていただくわけであります。
  136. 山田長司

    ○山田(長)委員 どうも、私道の場合の処理の仕方というのが、そういう点でずいぶん——それは一箇所非常に長い道路があつて、その一箇所だけをかりに処理した場合、ほかの場所が処理されてないという妙な箇所ができると思いますが、そういう場合にはどういうふうに処理されますか。
  137. 井上俊介

    井上証人 そういう場合には、私の方といたしましては、私が参りましてからの方針といたしましては、その一箇所を売るということにとどまらず、その長い区域全部の隣接者に交渉をいたしまして、それを売り払う手段を講じております。
  138. 山田長司

    ○山田(長)委員 さらに伺いますが、物納された直後の昭和二十二、三年ごろと最近とでは値段の開きができて来ておるそうですが、そういう点はどういうところから値段の開きが次々にできておるものか、参考に伺つておきます。
  139. 井上俊介

    井上証人 それは、物価庁の告示その他を参考にされまして、大蔵本省が、たとえば宅地の甲乙丙丁、商業地の甲乙丙丁、工業地の甲乙丙丁に対しましてはいかなる指数を使えということを訓令されるわけであります。その指数の倍数によつて単価を決定いたしております。
  140. 山田長司

    ○山田(長)委員 新宿出張所管内じやないのですが、質問を受けまして、それにいまだに答えずにあるわけです。それで、参考に今伺うわけですけれども、最初たとえば東急なら東急という土地建物取扱い箇所へ納入しろと言つておいたのが、あとになつてまた財務局へじかに納めろというようなことを言つて来、また最近では、今度は三井不動産の方へ行つて来いといつたような場合に、どこへ納めたらいいかわからぬというような質問を受けたのですが、それはどういう関係でそういう事故が起つておるのでしようか。
  141. 井上俊介

    井上証人 私の管内におきましてはそういう事件は一つもございませんので、はつきりしたことを申し上げられないのは遺憾でございますが、局の方針即出張所の方針でございますが、それは、代金は全部納入告知書によつて、その告知書の納期限におきましては銀行あるいは郵便局に納めてさしつかえない、納期が過ぎたものに対しては直接局なり出張所なりに納めていただきたいということが全部印刷物になつて買受人にお手渡ししてありますので、そういう御疑念はないことだと私としては考えております。
  142. 山田長司

    ○山田(長)委員 もう一点伺いますが、物納されている土地を買うことはできないで、今までは所有者に対して地代を払つてつたが、その後地代を払うところをどこにしたらいいだろうかということで困つておる人があるわけですが、これは買い受けることのできない人たちがどこへその地代を払えばいいことになつておるか、参考にひとつ伺つておきます。
  143. 井上俊介

    井上証人 先ほども申し上げましたように、この物納不動産は急速に処分して国の費用に充てなければならないという建前からいたしまして、現在までは売払い専門にやつて参りましたが、二十九年度からは、非常に長い期間に及んでおりますので、これが弁償金先ほど申し上げました地代家賃がかさんで参りますので、この際貸付も一部やろうじやないかということにかわつて来ておる模様でございます。従いまして、二十九年度の初期におきましては貸付に移行するものがあると考えますので、その際に明確になることと考えております。
  144. 山田長司

    ○山田(長)委員 そうしますと、それまでの間は非常に不安な形に置かれておるわけですが、そのまま支払う箇所を明確にせずにほうつておいていいつもりなんですか。
  145. 井上俊介

    井上証人 それ以外に今のところ方法はございません。
  146. 山田長司

    ○山田(長)委員 それではふまじめな人をつくるような結果になると思うので、そういう場合は何とか早く明確な手を打たなければいかぬと思うのですが、それについて何らの処置が全然講じられていないのですか。もう一ぺんその点を具体的にお答え願いたいと思います。
  147. 井上俊介

    井上証人 具体的にと申されましても、これは局なりあるいは本省なりの最高方針できまることでございまして、私としてそれに対してとやかく申し上げるあれを持つておりませんが、実際現状からいたしますと、お説の通りの事態になつております。従いまして、先ほど申し上げましたように、これではならぬということで、貸付も一部しようという現状に立ち至つておりますので、もしそういう御疑念のある方でしたらば、局なり出張所なりにおいでになつて、明確にその御返答を聞かれたら一番よいのではないか、こう考えております。私の方にも二、三そうした問題で相談に来られる方もございますが、それは、まず五月か六月までに決定を見ることであるから、それまで一応ごしんぼう願いたいということでお帰りを願つております。
  148. 鍛冶良作

    鍛冶委員 最後の点ですが、今新郊土地というものがまことに不都合なことをしておるということは明瞭になつたんでしよう。そのようなものにこれからなお不動産を扱わして、五分の手数料をやつて、それで埋合せをする、こういう考え方は、まじめにやつてくれればいいが、まじめにやつてくれなければ、ぼくらがかようなものを認めて行くということは、ますますこういうことをふやす結果になると思うのです。この点はどういうふうにしておられるのですか。
  149. 井上俊介

    井上証人 その点についてお答えいたしましよう。今新郊土地扱つておりますものは、従来新郊土地が手がけて、すでに売払いの済んだものでございます。それの跡始末登記関係だけであります。それを扱わしております、その他のことは一切やらしておりません。
  150. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それでは、五分の手数料で埋合せするといつても、埋合せしようがないじやありませんか。
  151. 井上俊介

    井上証人 埋合せは、登記が済みますと、その登記が終つたことによつて宮は五分の手数料を払う約束になつております。そこで、新郊土地の五分の手数料というものは国で押えたのであります。  それから、もう一つ、私の言葉の足りなかつた点もございましようが、新郊土地の跡始末を大建不動産というものに転嫁いたしました。これが私の足らなかつたところであります。おわびいたします。大建不動産というものに転嫁させまして、大建不動産の官から支払うところの手数料五分を押えまして、これを新郊の穴埋めにまわしたのであります。
  152. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そうすると、新郊土地はおそらく使い込んだ金をみずから埋合せすることはできないと私は思うが、それは大建不動産が何か肩がわりして、自分の借金にしてしまつたんですか。
  153. 井上俊介

    井上証人 そうでございます。
  154. 鍛冶良作

    鍛冶委員 それであなた方は大丈夫埋合せする道があるという確信がある、こういうことですか。
  155. 井上俊介

    井上証人 そうでございます。
  156. 塚原俊郎

    塚原委員長 長谷川委員
  157. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)委員 それで、具体的にひとつお伺いしますが、最近そういう不正なことに対するこちらへの陳情がたくさん来ております。ことに土地がじやんじやん値上りしおりますし、二十二、三年の土地がまだ登記もできないでいる。具体的にその例をお伺いしますが、あなたの方の管内の新宿中里町十五番地黒柳はるをという女の人です。あなたの方との契約は、昭和二十四年三月三十一日、小柳大蔵事務官と買受人黒柳はるをという人の契約で、建坪百二十六坪二合六勺が価格八万二千六十九円で契約されておる。
  158. 井上俊介

    井上証人 確かにございます。
  159. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)委員 ところが、ここにすつと領収書がそろつておるのですか、問題の新郊土地に三万円金が入つている。財務局の方へ直接合計六万二百七十五円九十銭入つておる。そうしますと、契約金の八万よりずつと多いのです。にもかかわらず、あなたの方から、昭和二十八年十一月十七日に未納金二万一千七百九十三円十銭残つておるから、登記ができない、納めないとそれは解約すると言つて来ております。契約金よりもよけい金を納めているにかかわらず、二万一千七百九十三円という金がまだ足りないと言つておるのです。この人が今から登記する手続としては一体どうなつておりますか。さらにまた、出張所としては、すでに契約金以上に納めておるにかかわらず、これだけの金を必要としておると言うが、一体この損害を新郊土地からあなたの方はどういうふうな形において取上げられるのか。こういう被害者は具体的に非常に多いのです。それをひとつ御回答願います。
  160. 井上俊介

    井上証人 今の御質問に対してお答えいたします。新宿区中里町十五番地の黒柳はるをさんは二十四年三月三十一日に契約いたしまして、二十四年度の契約として処理いたしております。契約番号百八十二番、売買価格は八万二千六十九円、このうち十一月に督促をかけました当時、ただいまお説の通り、六万二百七十五円九十銭の額が国庫へ納付済みになつております。従いまして、二万一千七百九十三円十銭が国庫未納となつております。これが預託であるか、預託以外のものであるかということは、私が赴任いたしました当時これを押えることができませんので、全面的にこの新郊土地関係の未納残額者に対しましては督促をかけております。それが今のお話の督促だろうと思います。その結果、黒柳さんがお見えになりまして、いろいろの書類を見せしいただきまして、二万一千七百九十三円十銭は会社に預けてあるということが判然といたしました。それから、三万幾ら預けてあるという内訳は、ただいま申し上げました未払い代金の二万一千七百九十三円十銭と、手数料四千百三円四十五銭、——これは八万二千六十九円の五分でございます。登録税四千百三円四十五銭、それから測量代二千四百二十五円、合計いたしまして、黒柳さんが会社に支払つた金が三万二千四百二十五円ということになつております。これは明確に私の方に記録されております。そうしてこれは、最初局といたしましては、非常に金額の小さいものあるいは大きなもの、それから非常に困難なものというようなものに基本を置きまして、この五分の手数料で補填をいたしておつたのであります。私の意見といたしましては、現行通り地代家賃徴収するということになりますれば、一番古いものが損害を受ける形になりますので、二十四年度のものを必ず補喧しなければならないということを局に具申いたしまして、その了解を受けまして、この黒柳はるをさんの分に対しましては二十八年十一月二十五日に二万一千七百九十三円十銭とその五分の手数料を補填いたしました。それで、黒柳はるをさんに対しましては、先ほど申し上げた弁償金、この弁償金をお支払いつて登記に移行するわけでございます。
  161. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)委員 弁償金は幾らですか。
  162. 井上俊介

    井上証人 弁償金は幾らになりますか、ちよつと計算が非常にややこしいのであります。物価庁の告示によりまして、数回地代家賃が値上りしておりますので、その期間を何回かに区分米ません。ちよつとここでは計算いたしかねます。
  163. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)委員 そうしますと、今の弁償金というものは——黒柳さん自身が新郊土地を信用して、今まで本人の手から出た金は九万二百七十五円、契約価格は八万二千六十九円ですね。
  164. 井上俊介

    井上証人 確かにそうです。
  165. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)委員 そうしますと、よけい納めておつて会社の怠慢のために今まで登記ができないでおつて大蔵省が五分の手数料を補填することによつてあと金を出させないと言いながりも、弁償金というものを本人が出さはければならない。それだけ当局の今までの怠慢によつての欠損がそこに出て来る。そういう例が私は多々あると思うのですが、それはどうですか。
  166. 井上俊介

    井上証人 その点についてお答えいたします。これは、まず本人から申しますと、会社へ支払つてしまつて、本人からすれば完納という形になります。国の方から申しますと、国庫へ入つて完納ということになるわけでございますが、従いまして、国から見ました場合には、二十八年の十一月二十五日にこれが国庫完納になつているという形になつております。黒柳さんの方から申されますと、会社預託した最後の月日が国庫完納という見方になつております。両方の見方が出て来るわけであります。それで、今の御質問にお答えします。それでは、この弁償金というものは現行通りでさしつかえないかいなかという問題が出て来ます。たとえば、国庫に完納になつた前日までとるとするということにいたしますと、本人は非常に納得の行かぬ点が出て来ます。たとえば、本人は、それまでに会社へ払つてある、それで完納なのだということになる。従いまして、本人から申しますと、自分が完納した前日までのは払うけれども、国庫完納になるまでのその二年間なり一年間なり半年なりの地代は払いたくないというのが、人情としてだれしも同じだろうと思います。そこで、私といたしましては、これを局に、こういう状況であつて、この契約面から国庫完納の前日をもつていわゆる地代をとるということは若干の疑義がある、従いまして、国庫完納でなしに、本人完納の前日までをもつて打切るべきではないかという意見を出したことがございます。それはごらんに入れてもさしつかえございません。それと、もう一つはどうしても現行通り弁償金をとらなければならないということであれば、本人の完納以後の地代家賃は、本人の完納の当時の単価によつてとるべきではないかということも建議してございます。それは今なお審議継続中でございまして、どうしろという指令を受けておりません。従いまして、新宿出張所といたしましては、この新郊土地関係弁償金の計算は、本人の要請がない限りにおいては、いまだ計算をされておりません。
  167. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)委員 今の答弁は非常に大事なところだと思うのです。一人一人のケースを見ますと、二十五年くらいまでに会社に大体金を入れたりなんかしておる。個々の権利者、しかも零細な土地を持つている人々が、金が国庫に納まつたその前日まで弁償金をとられる。会社を信用してやつてつたにかかわらず、それが登記されていなかつたということになると、そこに非常な損害が出て来る。今あなたのお話を聞いておると、本局の方に稟議を申し込んでおるそうですが、これは、委員会といたしまして、今から審議するときに、附帯決議といいますか、勧告といいますか、そういう処置をとられることを私は希望いたしまして、私の質問を終ります。
  168. 塚原俊郎

    塚原委員長 高木委員
  169. 高木松吉

    ○高木委員 まず第一にお尋ねしたいことは、新宿出張所物納財産の売渡し件数は現在までに全部で幾らありますか。
  170. 井上俊介

    井上証人 総体でよろしゆうございますね。二十八年度がまだ未整理でございますので、二十七年度末でお答えいたしますと、合計で一万二百九十件です。
  171. 高木松吉

    ○高木委員 それでけつこうです。その数のうち、すでに事故解決のものと、事故がそのまま残つているものとに区分すると、事故付が何ぼあります’か。
  172. 井上俊介

    井上証人 事故と申しますと……。
  173. 高木松吉

    ○高木委員 問題になつてすらすらと行かない分です。すでに解決したもの、それから、解決せずに残つているものとわけて、解決したものは幾ら、解決せずに残つているものは幾らという数をはつきりおつしやつていただきたい。
  174. 井上俊介

    井上証人 先ほどから申し上げましたように、主として事故として残つておりますものは新郊土地関係だけでございます。従いまして、新郊土地で現在残つております事故と目されますものが、昨年の十一月十五日現在で五百九十六件でございましたが、そのうち解決したものがありまして、一月十五日現在二百六十五件、現在百七十五件でございます。
  175. 高木松吉

    ○高木委員 二十八年度契約の事故付がはつきりわかるのはいつごろですか。
  176. 井上俊介

    井上証人 二十八年度には事故は一件もございません。
  177. 高木松吉

    ○高木委員 現在残つている事故付の件数の明細をあなたの方から報告願うことができますか。
  178. 井上俊介

    井上証人 これはさしつかえないと思います。
  179. 高木松吉

    ○高木委員 そうしますと、同種類のは説明を要しません。大体一応説明して、こういうケースのものであるということでよろしうございますが、その残つている事故付の数と種類の大体の内容を書かれたものを委員長の手元まで御報告願いたいと思います。  われわれぜひ参考に見たいと思いますので、その点委員長から証人に請求していただきたいと思います。  なお、国が物納で取得したものの第三者対抗要件というものは、どういう要件を備えれば第三者に対抗できるのですか。
  180. 井上俊介

    井上証人 第三者の対抗条件といいますと、詳しくお話願いたいと思いますが……。
  181. 高木松吉

    ○高木委員 たとえば、土地物納して国が取得した場合には、その登記をする、いわゆる第三者対抗条件です。普通の場合と同じです。その点を承知してますいか。
  182. 井上俊介

    井上証人 ……。
  183. 高木松吉

    ○高木委員 土地物納いたします。そうすると、物納したものは、どういう手続で、国家のものとなつたということを主張するのですか。言いかえれば、それが第三者対抗条件を備えることになるかということです。
  184. 井上俊介

    井上証人 財産税相続税を問わず、これは当該管区を管轄いたします税務署で収納いたします。その収納の際におきましては、本人からこれだけのものを物納として収納されたいという願出を出されることになります。それが審議されました結果、その物納を認可するということで、税務署から本人に手渡し、あるいは郵送してその認可をしております。認可いたしたものにつきましては、税務署自体が登記をいたしまして、その登記をいたしましたものを今度は財務局へ移管する。それで財務局はその移管を受けた台帳によつて整理をいたしておるのであります。
  185. 高木松吉

    ○高木委員 そこで、その登記をした日をもつて国は第三者対抗条件を備えることになるわけですね。
  186. 井上俊介

    井上証人 そうでございます。
  187. 高木松吉

    ○高木委員 未登記物件に対しての方法はどういうふうにおとりになつていますか。登記してない場合の家屋のようなものは……。
  188. 井上俊介

    井上証人 未登記物件というものは現在新宿にはございません。全部登記完了しております。
  189. 高木松吉

    ○高木委員 あなたは最初からやつておられないからでしようが、物納するときには、いわゆる物納をするものが登記してでないと、ほとんど取扱いをしないということになつておりますか。
  190. 井上俊介

    井上証人 その点、承知いたしておりません。
  191. 高木松吉

    ○高木委員 どうも問題を総括的にまだつかまえておりませんけれども、あなた自身は直接これを預かつておられる方で、このような問題が起きる責任はどういうところにあるとお考えか。責任というほど強くなくても、そういう結果を生む不合理というものがどういう事情においてなされているかということをお考えになつたと思いますが、そのお考えを述べていただきたいと思います。
  192. 井上俊介

    井上証人 結果の不合理と申しますと、今の新郊土地のようなことでございますか。
  193. 高木松吉

    ○高木委員 結果の不合理よりか、事故やいろいろの問題が結果として生れております。その生れた責任はどこにあると考えられるか。責任というほど強くなくても、こういう不合理があつたから結果としてこのような事故や問題が起きているとお考えになると思うのです。言いかえれば、大蔵省におけるやり方に不合理なり責任があるというのか。それとも、そうじやない、合理的にできておるのだけれども、それを取扱つた人たちに責任なり不合理があるとお考えになるか。この点は、おそらくあなたは日々この問題を取扱つてつて考えになることだと思いますので、私どもは大いに参考になりますから、その点についてあなたのお考え通りのことをはつきりさせておいていただきたいと思います。
  194. 井上俊介

    井上証人 それについて私の忌憚のない意見を申し上げますと、最初にさかのぼりまして、収納のときに若干のあやまちがあつたのではないかということが認められます。それは、税務署で収納いたします関係上、税務署職員の手が足りない、従いまして、現実を認識して収納しなかつたということがまず事故の一つの原因になつたという考えを持つております。それから第二には、売払いの段階におきましては売りやすいものから手をつけて行つたということが現在の事故の一番の原因をなしておるのではないかという見方をいたしております。第三には、物納不動産の処理をあまりに急速に実施しなければならなかつた状況のために、その職員の訓練が行き届いていなかつたということもこの事故を招いた一つの原因のように考えられます。第四におきましては、この委託業者の指導監督、この面が、人手の足りなかつたということからして、ずさんであつたということが第四にあげられる原因のようにも考えられます。それから第三といたしましては、先ほど申し上げました機構上の不備な点がこの事故を起した原因の一つとも考えられます。以上五点が大体私の承知しているところの事故の原因をつくつた一つの基本的問題になるのではないかという考え方をいたしております。
  195. 高木松吉

    ○高木委員 ただいまお話の中の機構的な問題とおつしやるのは、制度及び手続上の欠陥をおさしになつているのですか。
  196. 井上俊介

    井上証人 制度及び手続上の問題ももちろんあります。先ほど申し上げました各出張所に分任収入官吏を置かなかつたということも一つの原因であるように考えられます。
  197. 塚原俊郎

    塚原委員長 古屋委員
  198. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 この問題は根本を明らかにしないからだと思うのですが、証人はよく御存じないと思うのですが、上から流されている法律的な関係、いわゆる委託業者大蔵省との関係委託契約の内容については上からお流しになつていると思うのです。どれだけの権限を与えているか、出張所としてはどれだけのことをやつたらいいかという関係が上から流されてあなたの方に来ていると思うのですが、証人は、そこで直接委託業者指定をしたのではないから、指定に対する根本の問題はおわかりにならぬと思いますが、しかし、どういう権限を委託業者に与えておるかということだけは上から流されておらなければならぬ。従つて委託業者の持つている権限と大蔵省委託さしている立場からの監督権限と、これがあるはずです。どうなんでしようか。物納の処分を委託しておつたのか、管理を委託しておつたのか、その点はどういうことなんでしようか。
  199. 井上俊介

    井上証人 ただいまの御質問についてお答えいたします。委託業者はあくまでも買受人の事務の代行の委託でございまして、管理・処分という面まで立ち至つておらないと考えております。仲立人ということで契約を結んでおると思います。
  200. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 そうするとおかしいのですが、仲立人ならそれは不動産の仲立人というものであつて、そうでなくして、少くとも地代を取上げたり家賃を取上げたり、それから不動産に対する処分の手続上に対する問題の指導をやつたり、実際はそうしているのではないでしようか。今証人がおつしやつたような、大蔵省を代行するのでも全然ない、管理人でも全然ない、買受人大蔵省の中間に立つて世話をするものだ、こういうような権限の指定であるのか、その点ははつきりあると思うのですが、よくわからぬでしようか。その点が問題になつて来ると思う。
  201. 井上俊介

    井上証人 今の御質問通りでございます。仲立人としてその買受人の事務の代行をするということに決定いたしております。従来の契約はどういうような契約であつたかは存じませんが、現在はそのような契約で仕事を進められております。
  202. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 実は、あなたの管内ではないのですが、日本信託銀行株式会社がやはり納物不動産の払下げをしておる当時者になつておる。国を代表してやつておる領収書がここにあるのですよ。そこで問題になるのですが、今のような証人の解釈であるなら、何もいざこざはないはずだと思います。たとえば仲介人と買受人との間の関係であつて大蔵省は何も責任はないわけなんです。ところが、大蔵省が信託会社や、ただいま御指定になつたような業者に扱わせておる事項は、むしろ大蔵省の表見代理のような形に一般の人から見られておるところに問題があるのであります。今の証人証言は間違いありませんか。それは、その当時業者指定するときに、これこれの事務だけやるのだ、こういう指定をした大蔵省のそれに対する書いた規定か何かあるのじやないですか。単なる大蔵省の思いつきで指定業者指定したというだけですか。それとも、物納財産処理に対する要綱か何かができておつて、要領に基いてその指定業者指定したのかどうか。その点はおわかりになりませんか。
  203. 井上俊介

    井上証人 そういう詳しい点は、私は一向承知いたしておりません。
  204. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 そうしますと、単なる指定された業者だけでなくて、普通の一般社会に行われておる不動産売買業という許可を受けた人間があるのです。あなたのような解釈で行けば、その人間でもいいことになるわけですね。実は恵比寿の関係ですが、信託銀行が金まで受取つている。そこで、これを実際私が調べてみると、信託銀行が大蔵省から販売を委託されておる。申込書から何かの問題をみんなそこで手続をさして、そこで自分がそれを大蔵省の方に届ける。同時に自分の方から領収書を出してある。そこに要綱か何かありませんか。ただ業者指定するというだけではないと思う。物納財産の処理について管財局で要綱か何か出ていませんか。どうも、そうでないと、私どもが今のような証言を承つて引下るわけには行かないのは、それでは一般世間にありふれております不動産仲介業というものでしかないので、大蔵省は一般の仲介業者が仲介するのを拒否する権限はないはずなんです。一般仲介業者が仲介業者として大蔵省へ交渉する、これはできるわけです。お前の方は指定してないからいけないという拒否権は大蔵省にはないと思う。これは単なる大蔵省と民間人との間の売買契約ですから、そこに指定業者として指定するには、その土地の管理をさせるとか、販売を委託するとか、何かなければ、指定される一つの特権がそこに与えられてないような気がするのですが、これはどうなんでしよう。お調べになつてもけつこうですが、あなたの方から指定業者は単なる仲介業者であるというようなはつきりした証言ができましようかどうか、その点を伺います。
  205. 井上俊介

    井上証人 ただいまの御質問にお答えしたいのはやまやまなんですが、そういうことに全然タツチしておりませんので、お答えできないことを遺憾に思います。
  206. 鍛冶良作

    鍛冶委員 関連して。あなたは出張所課長になつてつて、そんなことを言つてつてはたいへんだ。ちやんとある。これは昭和二十二年十月二十八日物納不動産委託売払要領の大蔵省議決定で物納財産売払委託契約書というものができておる。これでやつておる。そこで、この問題が起きていろいろあつたものだから、大蔵省があわてて二十六年二月二十日にこれを変更して、今度は売払仲立委託契約書ということにしてしまつた。それが問題になる。今になつて、これは仲立ちだから大蔵省責任がないこう言われるから問題が起つて来る。
  207. 井上俊介

    井上証人 それにつきまして、私の先ほどの答弁に御不満の模様でございますけれども、先ほども申し上げましたように、過表はどういうふうに処理されておつたかわからない。現在は仲立人という形で処理されておる。過去のことを私全然知らないものですから、それで申し上げられなかつたわけでございます。
  208. 鍛冶良作

    鍛冶委員 あなたがここへ来てよけいなことを言つちや困ると思つて、そういうことを言わぬことにしておつても、そんなばかなことがあるものじやない。大蔵省業者とがどういう関係になつてつたか、そんなこと知らぬで済むものではない。おかしいですよ。今言つたことをあなたはもう一ぺん調べて来て説明する義務がある。あなたが当該の責任者だ。
  209. 塚原俊郎

    塚原委員長 井上君に申し上げますが、井上君は、先ほど宣誓された通りの答弁をなさることがあなたの本日の仕事なんですから……。  それから、ちよつとお聞きしますが、あなたは、本日ここへ出られる前に、大蔵省の上司あるいは関東財務局関係、そういつた方とお打合せになりましたか。
  210. 井上俊介

    井上証人 打合せております。
  211. 塚原俊郎

    塚原委員長 どなたとお打合せになりましたか。
  212. 井上俊介

    井上証人 管財部長、それから総務部長、総務課長管財第四課長と打合せております。
  213. 塚原俊郎

    塚原委員長 そのときに、こういうことは言つてはいかぬとか、そういう答弁の内容にまで触れましたか。
  214. 井上俊介

    井上証人 触れておりません。
  215. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 そうすると、この二十五年当時の問題、今問題になつておるのはこれなんだから、これを処理するあなたが知らずに今のような答弁で押しつけて行こうとすると、民衆から問題が出て来る。最初は販売の委託ですから、大蔵省代理をやつておる。だから、その委託業者が金をとる権限がなくてもとつた場合に、民法から言えば表見代理ですから、そこで、この金を委託業者がどこで使つてしまつても、大蔵省は民法上責任が出て来るから問題になつて来る。あなた方が今処理するのに、その点を知らないから単なる委託業者だ、仲介業者だということで処理されると問題になるのですが、どうですか。その点は今委員長からもお話がございましたが、上司とよく御相談の上で、いま一回出て来られるか、そうでなければ、あなたにかわるべきよくわかる人を出さないと、このままでは、何がためにこの物納財産の処理がこれほどこんがらかつているか、これほど民衆に迷惑をかけておるかということが明確にならぬと思いますが、その点どうでしようか。
  216. 井上俊介

    井上証人 その点よくわかりました。私にかわつて、実際長くその衝に当つた方に証人に出ていただくようにいたしたいと思います。(「それはだれだ」と呼ぶ者あり)新宿の一課長としまして、先ほど申し上げました三瓶一栄氏、私の前任者であります。
  217. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 前のこのことをあなたがのみ込まずにおいて今第一線の仕事を処理されておつたのでは問題になりません。あなたはできないはずだ。できるわけがないのです。ここに鍛冶君などもおりますが、ぼくらは民法上の代理行為なんかもずいぶんやつております。委託契約は代理行為なのですから、この業者代理権を持つておるのです。その代理権を持つた人がやつたことを、あとの規定がかわつたからといつて知らぬ顔の半兵衛で押し通す、仲介だと押し通すといつたつて、民間人に対してはこれは権力がないのです。この点もよく御研究を願つて御注意願いたいと思います。
  218. 塚原俊郎

    塚原委員長 先ほど高木委員より要求のありました現在残つておる事故件数の明細、種類内容等につきまして、すみやかに書面にて本委員会まで御提出を願います。  なお、先ほど古屋君の御質問にありました、よくわかる証人といいますと、先ほどあなたは前任者の名前を申されましたが、どういう方が適当であると思われますか。その方を二、三人あげていただきたいと思います。
  219. 井上俊介

    井上証人 やはり局の物納関係を専門に処理されております第四課長あるいはその補佐というところが一番適任ではないかと思われます。
  220. 塚原俊郎

    塚原委員長 第四課長はどなたですか。
  221. 井上俊介

    井上証人 荒井隆三郎であります。
  222. 塚原俊郎

    塚原委員長 補佐はどなたですか。
  223. 井上俊介

    井上証人 補佐は小沢賢司郎であります。
  224. 鍛冶良作

    鍛冶委員 これまた、あなたがそう言われても、それは私のやつたときではありませんとか、そういうことを言われると困るのだ。だから、さつそく局に行つて相談して、こういうことをみんな知つておる者を指定して、本日にでも至急ここへ届けてください。今はその係ですが、そのときはそうではありませんと言うのではしようがない。
  225. 高木松吉

    ○高木委員 これははつきり念を押しておきたいのですが、そうすると、あなた方は、途中で変更になつたという事実を知らず、最初委託契約ということを全然知らないのですね。これは重大な問題です。事故がその前にあつたとすると、処理の基本になるべき問題なんです。その基本を知らずに処理しておつたということになりますと、処理自体が不合理な処理の仕方をしておるのじやないかという疑いが生じて来る。そこで、ひとつよく聞いておきたいことは、最初にあなた方というか管財局委託業者との契約ができておつた、そのできておつたものを途中で変更したという事実を、あなたはほんとうに知りませんでしたか。これは重大な問題ですよ。
  226. 井上俊介

    井上証人 それは、ただいまあちらの委員から御質問がありましたのにお答えしました通り、単なる仲立人になつたということは承知しておるのであります。それ以上の、前の契約はどうであつたかということは承知いたしておりません。
  227. 高木松吉

    ○高木委員 そうすると、あなたが事故処理に当つた問題の中に、二十六年二月二十日前の事故を処理したことはありますか。
  228. 井上俊介

    井上証人 あります。
  229. 高木松吉

    ○高木委員 その事故処理をするのに、前にできておつた委託契約というものを知らずに事故処理をされておつたのですか。
  230. 井上俊介

    井上証人 その通りでございます。
  231. 高木松吉

    ○高木委員 そうすると、あなたの事故処理は、仲介を委託したということで事故処理をしたのであつて、国が委託してやつたということでなく処理したわけですね。その点はどうですか。要するに、二十六年二月二十日にあらためて仲介を委託したということになつたのです。その前はあなたの方の側を代理して土地・家屋の売買をなすことができるという代理権を設定した契約に基いて、いわゆる委託業者はそれを行つてつた。行い得たのです。そういう状態にあつたものを、単に仲介を委託したというあなたの考え方によつて処理するということになれば、法律上そこに大きな不合理ができるわけです。その不合理ができたままで処理されておつたかどうかという点をはつきりさせておきたい。
  232. 井上俊介

    井上証人 その通りでございます。
  233. 塚原俊郎

    塚原委員長 他に御発言がなければ、井上証人に対する尋問はこれにて終了いたしました。  証人には御苦労でありました。  午後は二時より委員会を再開し、案田証人証言を求めることにいたします。なお、委員会開会前に理事会を開きますので、理事諸君のお集まりを願います。  暫時休憩いたします。     午後一時十七分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた