○
田渕委員 私は、実はこれは小
委員会でお伺いしたときに申し上げ
ようと思
つたのだが、現
刑事局長も
一緒におられましたが、あなたの部屋では申し上げなか
つたのであります。いずれ後日新
証言をいただくことになりまし
ようが、現
刑事局長に
責任があるかないかという問題は別として、
伊藤斗福君が日新生命保険の外交次長としていたときに、保険に入
つてくれるならばその
契約高の二割は貸すのだという
ような偽りをいたしまして、相当な金を集め、一味五、六人お
つたのでありますが、それでも
つて小岩で
保全経済会を始めたということにな
つておる。この
事件を二十三年九月十三日に告訴しておるが、その告訴を東京地検が六年間持ちなぶ
つているのです。そうして検事のかわること数人、最後は昨年この問題がいよいよ世上やかましくな
つて来たときに不起訴に決定した。それで、保険
会社は怒
つてしま
つて、最高検に抗告したところが、受理されたということにな
つておる。これはなぜ地検でこうしてお
つたかというと、
刑事局の方の
意見が非常にあいまいであ
つた。私は率直に
言つて、あそこであなたに会
つたときの感じがよくなか
つたが、私はあのときお目にかか
つたときには言わなか
つた。こういうことがあるからあなたははつきり言えないのだろうと思
つてお
つた。巷間伝わるところでは、
刑事局はこの
保全経済会の問題に対しては非常に消極的だ。もつとも、犯罪捜査上の問題があるのでし
ようけれ
ども……。
民事局長の御
意見ははつきりきま
つている。そこにおいて、はつきり
匿名組合でないということにな
つて来る。少くともあなたに私が伺
つたのでは、
匿名組合の沿革からずつと伺
つたわけです。あなたのこういう
ような思想から言うなら、そうあるべきであり、主管の
局長がそういう法的な
考えを持
つておられる。もちろん
吉田参事官も持
つてお
つたと思いますが、どうも
刑事局が割切れなか
つた。裏にそういう実績があるのであります。六年も検事局がこの問題を握りつぶしてお
つた。これはこれから担当検事やその他に御
証言を伺うわけでありますが、こういう
ような点と、
法務省のうちの
刑事局の煮え切らない態度——どうして煮え切らなか
つたか、割切れなか
つたかということは
あとで伺いますが、煮え切らなか
つた態度というのは私たちの想像です。銀行局で、
保全経済会というものをちよつとさしみのつまのごとく、わさびのごとく出しておいて、ほんとうのさしみは保全経済でなければならぬのに、町の
利殖機関、金融機関という
ようなことを
言つて、三月四日の河野君の
政府の一致した
意見だという議事録をずつと読んでみましても、これをどうしたかということがすうつと幽霊のしりのごとく逃げてしま
つている。私たちの思うのは、そこにどうも
大蔵省主計局がたとえば
法務省の予算面に対しても査定権を握
つておるから、あまり
大蔵省の連中に関する問題についてはつきりした態度で行くと、
法務省の予算のわくに対していじめられるという
ようなことがあるならば、これは正しい
意見が言えないのだから、われわれが言わなければならぬということで、この
委員会では、
大蔵省のやり方が無
責任なのと、ずるいのと、言い方かはつきりしないために追究しているのでありますが、
局長はそんなことはなか
つたのでありまし
ようか、どうでございまし
ようか。
法務省の中に、
大蔵省の問題に対してあまりはつきりすると予算査定のときにやられるという
ような結果、割切れないという
ようなことがあると、私はこれは重大な問題だと思うのです。彼らは常に国
会議員すらなめているのですから、各省をなめることはあたりまえです。各省の
局長でもみな予算のときには
大蔵省に頭を下げなければならぬ。そういうときにずたずた切られるものだから、あまり
断定すると予算にたたりがあるというので割切れなか
つたのじやないか。こういう
ようないろいろの角度から見て、われわれまことに失礼なことを思
つて、そこまで思いやりくださらぬでもよろしいと思われるかもしれぬけれ
ども、実は
刑事局の割切れなか
つたのはそこにあるのじやなかろうかと思います。
民事局にはそれはなかろうと思いますけれ
ども、この際われわれが調べて行
つて割出す結果の
一つの判断にするためには、従来あるいは将来もそういう懸念は
一つもないとおつしやるでありまし
ようけれ
ども、この際この点な
ども率直に伺
つておきたいと思うのであります。さしつかえない
範囲で、個人の
意見でもけつこうであります。