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福田(昌)
委員 とにかく、人様の分はあまり心配しないで、自分の保険給付のわくだけ頭痛はち巻で心配したのが、この新
医療費体系であ
つて、しかもその看板は、まことしやかに、
医者の技術を尊重したり、
歯科医師や
薬剤師の技術を尊重したということにな
つているのでありますが、看板にいつわりありもはなはだしい例もありましよう。先ほどの地域差の
問題等も非常に悩みの種にな
つておられるそうでありまして、事実また
保険局長が非常に御心配いただいておることも私
ども長い間非常に感謝いたしておるのでありますが、そういう御心配いただいておる問題こそ一番先にこの新
医療費体系において
修正してしかるべきだと私は思うのであります。地域差をつければむしろさかさまにつけるべきでありまして、いなかの方こそ買い入れる資材は高いし、
患者は少いかどうか知りませんが、いろいろな点からいたしまして、いなかの方こそ
単価は格高であるというのが当然だと思うのでありますが、地域差をさかさまにつけて、そうして悩みの種であると言いながら、いつまでもこれを放置しておるということは、私
たちのとらないところであります。また新
医療費体系という、こういう厖大な資料を何箇月かかか
つておつくりになるなら、あと二箇月半に迫つた
医薬分業の時期を控えておりながら、いわば強制的に、戦時態勢において、住宅などを立ち退かせたと同じようなそれに類似の犠牲を
医者にも負わせるわけでありますが、それにもかかわらず何らかの補償というものもまだ
考えていない。それはどの
程度補償すべきかということも具体的には全然想像もしていなかりたというような御
答弁をいただきまして、実に行政当局として無責任きわまるという感じがいたしたのでございます。それで
医務局長がお勤まりになるということになれば、
医務局長は実に楽なものだという感じがいたします。私は
医務局長を今まで御尊敬申し上げておりました。今でも御尊敬申し上げておりますが、その
医務局長がこの新
医療費体系を出して来られたということにおきまして、私は曽田さんは
医務局長だと
考えておつたのでありますが、この資料を見せていただいて、やはりこれは統計部長さんの方が最も適職じやないかという感じさえいたしたのでございます。
医務局長であれば、
医者の技術というものをもう少し評価して、新
医療費体系という名に値するだけの
医者の技術というものを評価して、
厚生省部内におきましても、曽田さん自身の
医者であるという立場において、みずからの尊厳においてその
技術料というものを主張してしかるべきであつたと思うのでありますが、それにもかかわらず、この
委員会に出て来て、初診料を六・何がしにしたとか、再診料を四・何がしにしたことを、
医者の技術に対する適正評価であると認めますとかなんとかいう、そういう御
答弁をいただきますということは、
保険局長の
答弁ならば私
どもは了といたします。しかし、
医務局長からそういう御
答弁をいただくというにおいては何をか言わんや、私は
医務局長にこういうことを申し上げたくないと思
つておつたのでありますが、非常に遺憾である。
医務局長がそういうごまかしの御
答弁をしておられるということは、しいて申しまするならば、
医者自身の体面、全国八万の
医者の地位と体面をあなたがあなたの一言によ
つて落しているのだ、それほど重大な
発言であるということをお
考え願いたいのであります。全国八万の
医者、また三、四万の歯科医、また五、六万に近い
薬剤師の適正な技術というものをあなたの一言によ
つて落しておられる。みずからの技術というものをみずからいやしめることによ
つて卑下している。自分の技術をみずからいやしめるということは、ことわざにもありますように、人がこれをいやしめるのはあたりまえでございます。
従つて、
日本の
医療技術というものは天下から軽蔑され、こういう低いところにくぎづけされるということはあたりまえであると思うのでありまして、そういうことを
医務局長自身が反省しないでおるということを私
どもは遺憾に思
つておるのであります。せつかく優秀な
医務局長が何としたことかと思われます。おまけに、出して来られました最近の資料を見ますと、たとえば
医者の一分間
単価ですが、四円三十六銭でしたか、そういうことによ
つて医者の一分間
単価をきめて参
つておる。私
どもは工場の女工さんと同じような仕事を、今までまだ時間が足らずにや
つておりません。従いまして、一分間にどれだけ仕事の量を上げるか、一分間の
単価がどういうふうにな
つておるかというような働きぐあいで強要されておりませんから、そういう働き方を知らなかつたのでありますが、珍しい
単価を出して来られました。
医者の一分間
単価が四円三十六銭というような、こういう
単価は、公務員側においてもきつとそういう
単価の割出し方があつたのではないかと思うのでありますが、一体
医務局長の一分間
単価はどれくらいになるのでありますか。
大臣の一分間
単価、そういうことはこの資料で御
説明願いたいと思うのでありますが、この点は控えましよう。そういう無理なことを
医務局長に
お願いするということははなはだ御迷惑かと思いますから、資料としては御遠慮いたしますが、しかし、こういう
医者の一分間
単価というようなばかげ切つたものを出して来られるという、その根本的な
考え方。これを
医務局長が出して来られたということについて非常に私
どもは遺憾に思うのでありますが、この点については・時間がないですからあしたお伺いすることにいたします。