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滝井委員 そうしますと、まず
昭和二十七年の六百二十八億を
基礎にいたしまして、私の追究せんとするところは、この
医療費体系主文の七ページにあります、「
薬局に
支払つた分」という、この七ページの表でございます。七ページの表の
薬局に
支払つた分、
昭和二十七年が百八十八億二千二百万円、
昭和二十八年は百五十七億二百万円にな
つておるのであります。問題はこの評価でございます。
薬局に
支払つた分、二十七年百八十八億、それから二十八年百五十七億、この
数字の
信憑性の問題でございます。なぜかと申しますと、
薬局に
支払つた額がどのくらいになるかによ
つて、
国民の総
医療費というものに重大な増減を来すからでございます。そこでそういう観点から六百二十八億という
昭和二十七年度の
医薬品の
生産高、すなわち
生産者販売価格を
基礎にして、どの
程度薬局にこの六百二十八億の中から
通つて行くかということの
計算をや
つてみたわけなのであります。その
計算の
方法としましては、まず
昭和三十七年の総
医療費千五百四十九億の中において、
病院、
診療所に支払われた額は千二百九十八億円でございます。そうしますと第三
分冊の一ページにある
薬品材料費の中で、
病院あるいは
診療所、こういうものの
パーセンテージを見てみますと、
薬品材料費で
病院の
総額が二四・九五%、
診療所の
総額が平均して二八・八〇%、
従つて病院と
診療所との平均は二六・八七%、こういうことになるわけなんです。一応この
数字を
基礎にして考えてみますと、千二百九十八億の二六・八七%というものは三百四十八億七千七百二十六万円ということになるわけです。これがいわば
病院、
診療所における
薬品材料の
総額、こういう
数字になるわけなのであります。そうすると三百四十八億七千七百二十六万円というものは、これは
医者が買入れた
価格でございます。
従つてこの買い入れた
価格を
生産者の
販売価格に直さなければなりません。これはいろいろ
計数上のあれがありますが、これを
生産者販売価格に直してみますと二百三十八億になるのです。二百三十八億が
生産者販売価格として
医者が
買つた額に換算をされて来るわけなんでございます。そうするとそのほかに、先般の
厚生委員会で私の
質問したときに、
薬務局長は六百二十八億の中には十六億の
輸出があるということを御
答弁願つたのでございます。
従つて今の
医者の三百四十八億というものを
生産者価格に直すと二百三十八億になりますから、
従つてこれに
生産者価格の
輸出額二八億を足しますと二百五十四億というものが出て来ます。二百三十八億
プラス十六億は二百五十四億でございます。そうするとこの
家庭医薬を除く以外の
薬品、すなわち
局方収載と
国民医薬を除く以外の
薬品、すなわち
局方収載と
国民医薬品集と
公定書外医薬品、これらのものの総計は五百六億でございます。
従つて五百六億から二百五十四億を引くと二百五十二億というお金が出て来ます。これはすなわち
薬局を通る
薬局を通る薬を
生産者販売価格に直した額なんでございます。そうすると二百五十二億というものは
生産者販売価格でございますから、
従つてこれを
小売価格に直さなければなりません。
小売価格に直すためには、それぞれ
薬局で
販売される
小売価格に二百五十二億を直してみますと、これは四百五十七億六千五百七十二万円になります。これがいわば
薬局を
通つて、しかもそれが
小売価格として換算された額になるのでございます。さらにこれのほかにまだあるわけなんです。と申しますのは何かというと、
昭和二十七年においては
家庭薬の百十九億七千万円というものがあります。当然これは
薬局を通ることになります。そうするとまず百十九億の中において
薬局を通らない分がある。どういう面から
薬局を通らないものがあるかというと、私は
家庭薬の中で
配置薬と
輸出をする分があるだろうと、こう見るわけです。あるいは前の十六億の
輸出の中に入
つておるかもしれませんが、一応入
つておるおらぬにかかわらず、直接その
配置薬あるいは
輸出ということで
パーセンテージを
高目に見ました。そういう
パーセンテージの
推定分をこの第四
分冊の中の二十三ページをごらんいただきますと、二十三ページのD−3の「
治療の
有無別、
傷病件数及治療の
方法別、
治療延件数」というところなのですね。ここを見ますと、
治療の
延件数のところで、
売薬と書いてあるところに
配置薬が二五と出ておるのでございます。大体私がそのほかいろいろのものを調べて見て、
家庭薬の中で三割
程度が
配置薬あるいは
輸出に行くだろう、こういう
推定をしたわけです。
従つて百十九億の三割を見てみますと、三十五億七千万円になります。
従つてこれは
薬局を通らないものでございますから、百十九億から三十五億七千万円を引きますと、八十三億三千万円になるのでございます。これが
薬局を通る分になる。この八十三億三千万円は
生産者販売価格です。
従つてこの
生産者販売価格である
家庭薬を
薬局で
販売される
価格に直さなければなりません。そうすると
段階は三つある。問屋の
段階、
小売の
段階、
消費者の
段階とこういう三つの
段階で、八十三億三千万円を補正をや
つて行きます。そうすると八十三億三千万円が、
薬局で
小売価格として私
たち消費者に渡るときには、百二十二億八千二百五十万円になるわけでございます。そうしますると前のいわゆる
家庭薬を除く
薬品の
薬局の
小売価格である四百五十七億六千五百万円と、
家庭薬の
薬局を通る
小売価格百二十二億八千二百万円を足すと、五百八十億四千七百万円というものが出るのでございます。これをさらに二十八年についてや
つてみます。二十八年は今の
薬務局長の御
答弁では七百九十一億になりました。私は七百二十二億で
計算いたしました。
従つて同じような
計算をや
つて、この二十八年夏の
計算は実はもつと
違つた方法でや
つてみたのです。その
方法をここで詳しく説明すると長くなりますので、一応結論だけ申し上げますが、七百二十二億でやると五百九十六億九千八百万円というものが、いわゆる
薬局を通る額になるのでございます。そうしますと問題はこの二十七年に
薬局を通るであろう額が五百八十億、それから二十八年に
薬局を通るであろう額が五百九十六億、こうなりますと、あなたの方で出しておるこの
統計は、
薬局に
支払つた額が二十七年は百八十八億、二十八年は百五十七億、この差があまりにはなはだしい。三十七年をと
つてみれば五百八十億から百八十八億を引いてみますと、三百九十二億という
医薬品というものがどこか行方不明にな
つておるということなんだ。まさかこれだけの額が
薬局のたなにストックされておるとは考えられません。あるいは二十八年を見てみますと、五百九十六億から百五十七億を引くと、四百三十九億これだけのものがどこか行方不明にな
つておるのでございます。これはどういうところから来ておるかというと、この
統計資料というものが
薬局の
実態調査をや
つていないということなんです。
病院や
診療所の
実態調査はや
つているけれ
ども、具体的に一軒々々の
薬局をあた
つて、そうしてその
薬局でどの
程度の薬が
販売されたか、これは当然
国民の
医療費に入るべきものなんです。これをや
つていないというところに
一つの大きな
統計の上における
欠陥がある。もしそういうことになりますと、この
昭和二十七年度の千五百四十九億という総
医療費に少くとも
最大限プラス三百九十二億というものを足さなすればならね。あるいはこれがもつとたなに残
つておるものがあるので、それを引かなければならぬ額があるかもしれませんが、もしみな売れたとすれば、三百九十二億というものをこれに足すと、
昭和二十七年度の
医療費の
総額は千九百四十一億ということになります。あるいはこれは
昭和二十八年で見てみますと、
昭和二十八年の
医療費の
総額二千百三億に最高四百三十九億を足すと二千五百四十二億になります。これを二十九年度に類推をして行くならば、二十九年度の
医療費総額は三千億を突破するという
情勢が出て来るのでございます。これに対する二十七年の
薬局に
支払つた分が百八十八億、二十八年度の百五十七億は、聞くところによりますと
CPSから出したということでございますが、はたして私の
主張通りこれに
プラス・アルフアーするものがあるとお考えになるのかどうか、
医務局長あるいは
薬務局長の御
答弁をお願いしたい。