○松永(佛)
委員 そこで、大阪にあ
つたことなんですが、朝鮮人が密集して住居をしておりまする周辺の——もちろんこれは
正規の免許医師でなくして、もぐり医者であると思いますが、病人が腹痛を訴えておると、モヒの注射をして一ぺんになおす。支那では麻薬というものは神の薬である、腹痛だろうが何だろうが、どんな重病でも一ペんにこれをやるとなおるという神秘的なひとつの信仰を持
つておるようですが、これは
医学的無知な者から見ればそういうことになりましようが、故意に
ヒロポン中毒患者を医者がこしらえて、そうしてこれを蔓延さしておるという
傾向があります。もちろんもぐり医者です。
正規の免状があれば取上げられるのですが、こういう大阪の者が朝鮮人密集部落で二、三発見された例もございます。そうい
つた面から考えると、一体その医者が——
正規のルートからは絶対入らないのですから、全部密輸であります。しかし大衆は、医者が持
つておる、医者が打
つておる、医者が打
つてくれるということに信頼を置いておる。そこでわずかであ
つても、三百九十グラムの
正規ルートの
製造も
禁止をして、
日本からは
覚醒剤というものが影を消したはずだ、どんな天下の名医がお
つても
覚醒剤を持
つていること、それ自体が違反だということが大衆に徹底すれば、これはよほど社会悪の除去に大きな
効果が見られるのじやないかということも考えられます。もちろん資本金十数億もの大会社が、こんなものを
密造して利益を上げるという、そういうだらしないことは現在の
日本にはあるべきことではなく、また常識で考えた
つてそんなことはないことははつきりいたしておりますし、また
正規の開業医が免状をかけたそういう危険行為をあえてするとも思われないのですが、ややともするともぐり医
者等によ
つてそういうことが行われておるということから、やはりこれは全面
禁止というところへどうしても持
つて行かなければならない。私
どもは衆議院において皆さんとも御相談をして、それが
医学診療上実際の害がない、影響が少い、あるいはこれにかわるべきものがないことはない——速効性ではない遅効性ではあるけれ
ども、
患者の手術後の覚醒というような場合には少し遅れるけれ
ども、それにかわるべきもの、及びこういう
覚醒剤ができる以前のもの、そういうものもあ
つたはずでありますから、多少の不便をしのんで、そういうものを
使用することによ
つて、できるならば全面
禁止というところに修正点を持
つて行きたいということを、私
ども考えておるわけなんですが、今の岡さんからの質問の朝鮮人等の強制帰還ということも、受入れ態勢の
関係、国際的な慣習の
関係等もあ
つて困難ではありましようが、捕えてみたところが、子分小方のつくられたる擬装の犠牲者ということで、かんじんのボスの本拠をつかないでは、この悪の征伐はできない、こう思うのですが、それでもまあとりあえず暫定的なものだから、一、二歩前進だから、これでや
つて行こうということ衆議一決すればまた何をか言わんやであります。私はどこまでも
日本から
覚醒剤というものは影を消したのだ、医者が打とうがだれが打とうが、そこにあればそれ自体がもう違反だというところまで持
つて行くには、なおかつ距離があるというお考えでありますが、この際ひとつ
高野さんなり
薬務局長の
意見を最後に承
つておいて、あとの
研究にしたいと思います。