○
庄司委員 本問題はその
程度にして、直接
水道法案に
関係のあり、関連のある問題を二つほどお伺いしておきたいと思います。
きのう
楠本政府委員よりきわめて正鵠を得たる
お答えを得ておつた問題でございますが、
本法はむろん見通しからいいまして、あるいは若干の附帯決議等がつけられるかもわかりませんが、大体原案のままで各党各
委員の御協賛を賜わり得るものであると私は
考えております。その場合において新しい画期的のこの総合的な
水道法案が
実施されるあかつきにおいては、概して重複になるようですが、要点だけ申し上げると、わが国においては
水道関係の専門の
技術を体得しておる者がきわめて少い。一県平均約四、五名であります。そこでぜひひとつ
講習会を開いて、
本法の趣旨を
徹底させ、了得させると同時に、
技術の再
講習をしてほしいというような点、それから
本法によ
つてこの後各
市町村の
上水道、下
水道あるいは
簡易水道、これの健全な発達を保護助長して行くという
本法の趣旨を運営する上において、ことしのように若干補助費が減らされたり、起債のわくが縮められたりするようでは、はなはだ遺憾であります。部長さんの
お答えでは、少くとも十二億、あるいは起債のわくは二百億
程度をもくろんで、来年度の予算の確保をしたい、こういう御希望のようでございまするが、
厚生大臣としてはぜひ社会福祉のために——ただいま全国において新しく
水道を希望しておる町村が教百箇町村あり、あるいは町村合併によ
つて合併して新しくここにでき上つた市が約百ぐらいございますが、こういう場合において
上水道、あるいは部落においては
簡易水道等の要望が相当熱烈に要請されて来ると思うのであります。そこで相当額の補助予算、それから相当額の起債のわく、要するに
水道行政上における各
市町村自治団体に対するところの
水道財源、
水道財政、
水道経済、あらゆる観点より、でき得るだけ
厚生大臣の責任において、内閣閣僚諸君特に大蔵省の了解を得られて相当額を確保し、御
計画の十箇年
計画でありましたか、その十箇年
計画は五箇年
計画に圧縮し短縮して、理想の一端をすみやかに実現することのあとうような
措置に邁進を願いたいというような意味であります。
もう
一つは、私が毎度申し上げておる私の信念でございますが、
厚生省が薬務官を各
ブロツクに派遣しておる。仙台にも
京都にも……。しかるにその注射薬の
検査が不
徹底であつたために、
京都には二十六名の学童のあの不幸なる死亡の事件もありました、宮城県においては岩ケ崎という町において、現に二十何名の不具廃疾の状態にあるかわいそうな子供があるのであります。それは注射薬を薬務官が、専門官が
検査しても、そこにエラーがあつたのであります。あの注射の場合において他の
黴菌等が混入したかどうか、そこまでは私はわかりませんが、そこでこの
水道の場合、ぜひ
耐久力のある破損の少い、
水道の
生命力をより長く保持させるためには、
水道の鉄管なり鋳鉄管なり、あるいは石綿セメントの
パイプなり、すべての
検査励行を
実施したい、このことは今まで二度も私は申し上げて参つたのであります。なるほど形の上においては日本工業規格によるJISの方式によ
つて、
水道協会が
検査はされておる。けれ
どもその
検査は不
徹底であります。どこが不
徹底であるかといいまするならば、ある有力なる大
会社のごときは
検査を拒絶して受けません。その
会社の名前は
大臣も御承知でありましよう。はつきりきようは申し上げる。秩父セメント
会社、これは業界における大物である。しかも株式界からこれを見れば、一切の市場の株式を買い占めて、同族
会社的な存在にただいまな
つておることでございましよう。その
会社のごときは、自分の
工場のメイクした生産品は決して
検査を受けない。おれの
会社の製品はおれの
会社の監査部がこれを
検査するからいいのだ、
水道協会はまことに当惑をしております。
水道協会には
もとより強制力はない、ただ日本工業規格によ
つて、業者の申合せによ
つて検査をされておるだけでありまするから、強制力は持
つておりません。私はこのことはまことに悲しむべきことである。むべなるかな、
検査を受けない無
検査の
パイプが——これは鉄管のような、鋳鉄管のような直径のインチの大きな管ではありません。
導水管ではありません。これは
給水方面のこまかい
パイプであるが、無
検査のものが横行濶歩して、
水道知識に乏しいところの
市町村等においてこれを買うのである。そこに
事故がひんぴんとして
発生しておる。長野県だけで四、五箇村がその被害をこうむ
つておるのであります。
工事施工後間もなくそれが破損する。これは
パイプそのものの善悪も
もとよりのことであるが、
工事の施行において、
水道工事に
経験のない、心ない者の乱暴なやり方もあるいは手伝いをしておるかもわかりません。それはその面の
建設省よりとくと御
監督を願わなければならないが、
パイプの
検査の
励行を何とか合法的にまた業者の納得を得てできないものでございましようか。甲乙丙丁の
会社はまじめに出して
検査を受けておる、戊己庚の
会社はがんとして拒んで
検査を受けない。それでは日本工業規格、JISの
せつかくの
計画というものも無残な状態に陥
つておる。ひいては各町村に相当なる被害、損害を与えておるのであります。ただ単に売らんかな主義をも
つてや
つておるそういうふまじめな業者がある場合においては、
厚生省なり
建設省なりにおいて、特にそういう業者を呼びつけて、断固として、大多数の国民福祉の増進のためには、これは適当な
処置を講ずべきものだと思うが、
大臣はどういう御所感でございましようか。願わくは
検査を励所して、でき得る限り完全なりつぱな
パイプを
市町村に供給することができるように、しこうして日本工業の健全なる発達のために、私はこのことを申し上げるのであります。決して一、二の
会社のために弁ずるのではない。国民全体の福利福祉のために、町村
水道将来の健全化のために、また
本法の前置きの中にありますように、
水道の健全なる発達と保護助長のために、私は
検査制度の
励行を何とか
実施したい。
本法の
実施と同時に、もつと強化されたるところの施行細則あるいは政令でもお出しくださいまして、御善処くださる御意思があるかないか、私はこれに対する御答弁をいただいて、
大臣に対する質問を終ります。