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山下(春)
委員 今回のこの問題ははなはだ遺憾な問題だと思
つております。退場を命じたということは非常に没常識な行動でございまして、いけないことであります。遺
家族あるいは留守
家族などの心情はわらをもつかみたいようないちずの気持を持
つております。政治家というものはけしからぬ者で、自分たちの野望を達成するために、それらの純真な弱い人々をいつも利用するなどというような
考え方が政治家の中にあることが遺憾なことであ
つて、そういうことを是正するために引揚
委員会において各県の遺
家族の団体とかあるいは留守
家族の団体とかいうものの会長に、
国会議員がならない方が好ましいということのために、最近
国民運動総本部の解組をいたしまして
各党から
国会議員にこれの
運営に御参加を願
つて各県においてこれらの団体の長に
国会議員がおなりにならないことが望ましいという運動を今起しつつあるのであります。
京都で起りました問題は、ちようど私も十四日は京都に応援に行
つてお
つたのでございますが、実は私も招かれないのでそういう会合があ
つたなか
つたかを存じません。しかしながらたまたま今回は、名前をはつきりあげて言えば、
自由党の
中川源一郎議員が会長であられたために、非常に
自由党の党利党略にこの
遺族団体が使われたということになりますが、これは社会党の先生方にはなはだ恐縮でありますけれ
ども、必ずしもそうばかりでなくて、留守
家族の人々からいいますと、シベリアの引揚げなどというものは、あるいは大山郁夫先生のおかげ、あるいは高良とみ先生のおかげ、こうい
つたような宣伝が全国に流布されておりまして、その点はいずれも同じであります。
従つて私はかような純真なわらをもつかみたいような、しがみつきたいような、いちずの弱き方々を利用しようとする
国会議員の根性が大体けしからぬと言うのでありまして、そういうことに対しまして厚生省が関与するわけには参りますまいけれ
ども、
厚生大臣におかれましては少くともこうい
つたことが公正に行われるために――私
どもは今、国総を解組しまして
国会議員は全員がこの国総の
委員になりまして、地方においての団体の長にならないことが好ましいという運動を起しております。私も野党の一人でありますが、野党だからひがむというわけではありませんが、これはどうしてもそういう会が催されますと――私
どもはあいさつをしたがらない方でありますから、しろと言われる方がむしろ迷惑なくらいでありますけれ
ども、じつと見ておりますと、とかく与党の方がそういうところに立つという事例が多いのであります。しかし
考えてみればあわれな根性で、そういうところへ行
つて一番困
つている人々に向
つてか
つてな熱を吹いて、そして支持を得ようなどというあわれな根性を持つ
国会議員というものは実際情ないと思うのであります。そういうことでなく、遺
家族問題あるいは留守
家族問題というものはだんだんと
生活が今年度あたりから相当きびしくなると思います。
従つていろいろな訴えたい問題も起こつ来ようと思いますので、これら
運営の点にわれわれが明朗に、
ほんとう他意なく御協力するという態勢をつくるくらいなことは
考えなければならぬことで、これは議員自身も
考えなければなりませんが、直接その衝におられます厚生省といたしましては、われわれの今の解組いたそうということ、地方のそれらの団体の長に
国会議員がならないことが好ましいという線にひとつぜひ沿
つていただきたい。今回のような不祥事が起
つて参りまして――おそらく退席を要求されたということは私は
ほんとうであろうと思うのです。どういう
状態であ
つたか現場におりませんからわかりませんが、
ほんとうであろうと思われるような感じがいたします。そういうことははなはだおもしろくないことでありますが、ただあいさつをするとかしないとかいうことは、やはりそういう会合を持ちます責任者は、プログラムが一ぱいでございまして一分も余裕がないという場合があり得るのでありますから、これは要求すべきでもないし、断ればよろしいのであります。しかしながら
国会議員を退席せしめるというようなことは、これはいくら
考えましても没常識であ
つて許せないことであります。過ぎ去
つたことはいたし方ありませんが。そこで私は今
柳田委員からの御要求のここに参考人を招致して、その事情を聴取するということは、私はお願いをする
資格はないのでありますけれ
ども、もはや済んだことで、
厚生大臣としては将来さような
事件の起らないように御配慮を願
つて、
委員会に来てお互いが水かけ論をやりましてもこれ以上の議論は出ないと思いますので、何とぞひとつ
柳田委員におかれましては、
委員長にお申出の件は厚生
委員会の一員といたしまして何とかごかんべん願
つて、この退出を命じたことは悪いことだと私は存じますがゆえに、ひとつその点を折れ合
つていただいて、今後こういうことのないように
厚生大臣から御言明をちようだいすれば、中に立
つて努力をいたしたいと思います。