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山下(春)
委員 厚生省の方へも非常に強い要望があるけれ
ども、現
段階では、それに全部こたえられるような
予算でないということを御了承のようでございます。それで、私は
草葉さんが新たに
厚生大臣に御就任になりましたときに、実は御要望申し上げておきましたことは、現内閣は諸般の情勢上いろいろな面で非常に多額の出費をしなければならないが、その使途等から眺めましても、厚生行政がそれに追いつかないとびつこにな
つて、国民に非常に大きな不安を与えることになるから、それらの問題とにらみ合わして、非常な勇気をも
つて強く厚生行政をや
つて行
つていただきたいということを要望したのであります。しかし実際は、この
母子福祉資金貸付法が非常に喜ばれているにもかかわらず、
地方によりましては、申出が二十人に対して一人、あるいは十五人に対して一人というふうで、その世話をしております者も、だれに貸付けていいか、その選定にも困るというような実情でございます。これは、そもそもこういう
母子福祉資金貸付などという名前でなく、母子
福祉法に発展すべき
段階として、こういう名前で発足したのでありますから、これはもつと拡充
強化しなければならないものでございます。
厚生省が非常に弱いために、この
母子福祉資金貸付法とは直接
関係はございませんけれ
ども、母子相談員という者、これは非常に大切な係でございますにもかかわらず、その
予算はわずかな金でございます。おそらく国の必要とするものは四千四、五百万円であろうと思いますが、それをいくじなく削られて、補助金等の特別
委員会にかか
つておるのであります。こんなことではいけないのである。これは大蔵
大臣の御
答弁を聞きますと、
地方財政の方に考えてあるから、都道
府県知事は多分その方に使
つてくれるだろうと言われますけれ
ども、とんでもない話であ
つて、都道
府県などは、黙
つて渡せば、そんなところなどに使いつこはないのであります。そこで、窓口あるいはそういうところに従事しておる人々は、男子が大
部分であります。男子にもいい男子もありますけれ
ども、中には不心得者がたくさんおります。しかも相手はみんな未亡人でありまして、子供を抱えて
生活にきよう困
つておる未亡
人たちの身の上相談、いろいろとその難儀を救
つてあげなければならない相談員でございますが、男子の場合でございますと、私の知る限りでは、まことにふらちなことをや
つておるのでございます。役得のよう
なつもりでこの問題を扱
つております。大蔵
大臣が
地方財政の、
地方自治の確立などと、そんなことを言える性質のものではないのでございます。これは
戦争犠牲者に対して、国が厚く償うという目的から出た
法律であり、その相談員であるから、
地方財政の確立だなどと、そんなところに追いや
つてしま
つて、もう
責任はございませんなどというようなことを言えた義理ではないものでございます。にもかかわらず大蔵
大臣はそういう御
答弁であ
つて、私ははなはだ不満に存じたのでありますが、わずかの費用があの
委員会に送り込まれるということは、あれほど
大臣に前も
つてお願いしてお
つたにかかわらず、
厚生省はどうもけしからぬ、いくじのない話だと思いますが、そういう
措置がとられたあとで、どうもいたし方がございません。そこでこの
母子福祉資金貸付法が一部
改正されるにあたりまして、だんだんとよくな
つておることを私も率直に認めるのでございますが、今度父母のない子供に就業資金、就学資金を貸上付ける、たいへん
けつこうでございまして、こう扱
つてもらいたいと思うことが今度出て参りましたので、その点では私非常に欣快に存じておるものでありますが、さて就学資金を借りましたこの子供、あるいは母がつれておる子供でも、どうにかこうにかやつとの思いをして学校を出ましても、今日ごらんになればわかる
通り、制服で就職しておる子供は、大体未亡人の子供でございます。洋服が買
つてやれないのでございます。せつかく早く学校を卒業して、親の手助けをしたい、お母さん一人で非常に苦労をしたから何とかすけてあげたいと思
つて、学校のこともよく勉強して、幸い職にありついても、学生服を着たまま就職さしておるということは、見ていられないのでございます。そこでこれを
改正される機会に、これらの子供に就職の支度金を貸してやるというあたたかい思いやりを
厚生省の方で考えておるかどうか、
厚生大臣から伺
つておきたいと思います。